人に裏切られた田舎娘は、獣人に異国の地で甘やかされる。(完結)

深月カナメ

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十八

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 好きな、大好きなレオさんの腕の中で目覚める。何て幸せなことなの。

「ティー、おはよう。昨日は楽しかった……ティーとの婚約が嬉しくて、ついつい飲みすぎたよ」

 隣で微笑み、今日は仕事が休みでよかったと、レオさんは言った、

「レオさん、おはようございます。私も昨夜は楽しかった……レオさんの言う通りで、私も飲みすぎたかも」

「じゃー2人で、2度寝しようか」

 はいと頷き、ベッドのなかでレオさんの額に自分のおでこをくっ付けて、すりすりした。

「ふふっ、ティーに僕からのお返し」

 レオさんからのすりすりのお返しと、優しいくちづけが降る。
 ちゅっちゅっと小鳥のようなキスをするをうちに、好きという気持ちが溢れて、しまいには私から求めてしまった。

「可愛い、ティー。僕とするキス好き?」

「んんっ、レオさん、キスもあなたも好き……大好き」

 幸せいっぱい噛み締めた。







 レオさんと2度寝を楽しんだ、その日の昼下がり。

 ウェディングドレスが出来たとリコさんから手紙が届いた。後は私が試着をして、少し手直しをしたら完成するから開店前に来て欲しいと、彼女からの手紙にはそう書いてあった。

 憧れていたウェディングドレス……嬉しい。

「ウェディングドレス、嬉しそうだわね。リコに頼んでおいてよかった。ティーのウェディングドレス姿、早く見たいなぁ」

「私もレオさんのタキシード姿、楽しみです」

 次の日、仕事に向かうレオさんと一緒に王都に向かい、リコさんの店までレオさんに送ってもらった。

「レオさん、いってらっしゃい」

「あぁ、いってくる。ティー僕の仕事が終わるまで絶対に、1人にならないこと」
 
「はい、分かっています」

「昼過ぎには終わると思うから」

 店の前で、仕事に向かうレオさんを見送り。リコさんとの約束の時刻、店開き前の店の扉を開けた。

「おはようございます、リコさん」

「おはよう、支度はできてるから、試着しちゃおうか」

 店の奥でコルセットを付けて、リコさんにウェディングドレスを着付けてもらった。リコさんに着付けて貰ったドレスは、スカート部分が裾に向かって大きくふくらんだデザイン。

 お姫様のようなドレスだった。

「なんて、綺麗で可愛いウェディングドレス」

「そう、じゃない。ティーちゃんが綺麗で可愛いんだよ」

「私が? リコさんありがとうございます」

 姿見に写るウェディングドレスを着た私。一年前――私がレオン君との為に準備していた真っ白なワンピースとは違う、しっかりした真っ白なウェディングドレス。

「ティーちゃん、レオに幸せにしてもらうんだよ」

「はい!」

 姿見の前でウェディングドレスとお揃いの指輪を見て、レオさんとの結婚式が楽しみで仕方がない。

「んー腰のところを直して、胸元のレースをもう少し足そうかな?」

「リコさんにお任せします」

「あぁ、任せて」

 リコさんに手伝ってもらい、ウェディングドレスとコルセットを脱ぎ、着てきた服に着替えた。

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