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二十七
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「ヒーラギちゃん、いい子のなのブランをもらってやって!」
――こ、困る。私は八歳から十八歳になるまで城にいて、婚約者だった王子には嫌われていて、男の人と付き合ったことがない。
ブランとはゆっくり付き合ってから、結婚でいいと思う。
「……ブラン」
「母さん、もう辞めてくれヒーラギが困ってる……ロン、スラは見ていないで一緒に止めてくれよ。ヤン、リコでもいい」
騒ぎに家から出てきたヤンとリコに、ブランは真っ赤な顔で"止めてくれ"と求めた。
「私は早く、ブランの子供が見たいの!」
「子供だってまだだよ」
(ブランが焦ってる……)
みんなはどうしてか、お母様に躊躇して誰も止めない。
どんどん暴走するお母様――そこに。
「ジジ! いきなり家を飛び出したと思ったら、こんな所でブランに迷惑をかけていたのか……」
と、茶色い耳と短な髪、モフモフの茶色い尻尾、シャツにスラックス姿のガタイのいい男性が現れた。
周りを見れば、他にも村の住民がここに集まってきていて、遠目に私達を見ている。
「ジジ!」
「トール君、ヒーラギちゃんこんなに可愛のよ。ぜったいに逃しちゃダメ!」
「それはわかってる、しかし……ジジ、ワタシはその姿を他の男性に見せたくないのだが……着替えてくれないか?」
やはりブランの時と同じ。お母様は着けてきたマントで、上手く隠れているけど下は裸なんだ。トールと呼ばれた男性は、持ってきた服をお母様に渡した。
「わかった着替えてくる。ブラン、家を借りるわね」
「ああ」
お母様が家に入って行き"ホッ"とした様子のブランは、服を持って追っかけてきた男性に近付き。
「トール父さん助かったよ」
その男性をお父さんと呼んだ。
「悪かったな、ジジはいつもブランに"幸せになってもらいたい"って言っているから、気持ちが焦ってしまったみたいだ」
「わかってる。母さんの気持ちは嬉しいけど、恥ずかしい」
父さん? ……ブランのお父様?
(アレ?)
「君がブランの大好きなヒーラギ様か……これからも、ブランをよろしく頼む」
「は、はい」
ブランのお父様って、ブランに国王で黒狼だと書いたのだけど……この方は茶色の耳とモフモフな尻尾だわ。
私がお父様の登場で"パニック"になっていると、気付いたブランは、私の肩をポンポンと叩き家を指さした。
「ヒーラギ、家の中で説明するよ」
「は、はい、お願いします」
+
ロンとスラはまだ外にいて、ヤンとリコは一度、魔王様の所に行くとドラゴンの姿になり飛んで行った。
私達はブランの家で食卓のテーブルに着くと、奥からお母様が白とワイン色のワンピース姿で出てきた。
「お待たせ」
「母さんは父さんの横に座って」
食卓に着き、ブランは話を始める。
「ヒーラギ、俺達は母さんが動けるようになってから、この村に移動したんだ。そこで昔――母さんの近衛騎士だったトール父さんと再会した。トール父さんは近衛騎士の時から母さんを好きだったみたいで、告白して、恋人になり最近になって結婚したんだ」
ブランのお母様が"そうなの"と照れ笑いした。
その横でブランのお父様は息を吸い。
「ワタシはジジが出て行ったあと騎士となり、城に攻めてくる魔物と戦っておりました……しかし、腕に深い傷を負い剣を握れなくなり騎士を辞め、この村に引っ越してジジと再び出会ったのです……ワタシは昔からジジが好きでしたので、いまは幸せです」
――なんて、素敵。
「ジジさん、トールさん、ご結婚おめでとうございます」
「ありがとうヒーラギちゃん。ブランの事で興奮していて忘れていたわ。トールの腕を治してくれて……もう一度、剣を握れる様にしていただきありがとう、聖女ヒーラギ様」
「ワタシからも感謝いたします」
ブランのお父様は右腕をさすり、お母様はそれを優しく見つめた。
もう一度、二人に見つめられて"ありがとう"と、深々頭を下げた。
それに私は困っていた。なぜなら……この力は元々、ブランのお母様の力だから。
「コレは私の力ではありません。ブランのお母様の力で……私の力じゃないです」
「あら、最初はそうだったかもしれないけど……いまはヒーラギちゃんの力になっているわよ。あなたが癒しの能力に慢心せず精進してきたから"広域回復魔法"を使えたの、癒しの力が倍に膨れ上がったのね」
「私の力……?」
「そうヒーラギちゃんの力。これからも、大切に使いなさい」
「はい、大切に使います」
――こ、困る。私は八歳から十八歳になるまで城にいて、婚約者だった王子には嫌われていて、男の人と付き合ったことがない。
ブランとはゆっくり付き合ってから、結婚でいいと思う。
「……ブラン」
「母さん、もう辞めてくれヒーラギが困ってる……ロン、スラは見ていないで一緒に止めてくれよ。ヤン、リコでもいい」
騒ぎに家から出てきたヤンとリコに、ブランは真っ赤な顔で"止めてくれ"と求めた。
「私は早く、ブランの子供が見たいの!」
「子供だってまだだよ」
(ブランが焦ってる……)
みんなはどうしてか、お母様に躊躇して誰も止めない。
どんどん暴走するお母様――そこに。
「ジジ! いきなり家を飛び出したと思ったら、こんな所でブランに迷惑をかけていたのか……」
と、茶色い耳と短な髪、モフモフの茶色い尻尾、シャツにスラックス姿のガタイのいい男性が現れた。
周りを見れば、他にも村の住民がここに集まってきていて、遠目に私達を見ている。
「ジジ!」
「トール君、ヒーラギちゃんこんなに可愛のよ。ぜったいに逃しちゃダメ!」
「それはわかってる、しかし……ジジ、ワタシはその姿を他の男性に見せたくないのだが……着替えてくれないか?」
やはりブランの時と同じ。お母様は着けてきたマントで、上手く隠れているけど下は裸なんだ。トールと呼ばれた男性は、持ってきた服をお母様に渡した。
「わかった着替えてくる。ブラン、家を借りるわね」
「ああ」
お母様が家に入って行き"ホッ"とした様子のブランは、服を持って追っかけてきた男性に近付き。
「トール父さん助かったよ」
その男性をお父さんと呼んだ。
「悪かったな、ジジはいつもブランに"幸せになってもらいたい"って言っているから、気持ちが焦ってしまったみたいだ」
「わかってる。母さんの気持ちは嬉しいけど、恥ずかしい」
父さん? ……ブランのお父様?
(アレ?)
「君がブランの大好きなヒーラギ様か……これからも、ブランをよろしく頼む」
「は、はい」
ブランのお父様って、ブランに国王で黒狼だと書いたのだけど……この方は茶色の耳とモフモフな尻尾だわ。
私がお父様の登場で"パニック"になっていると、気付いたブランは、私の肩をポンポンと叩き家を指さした。
「ヒーラギ、家の中で説明するよ」
「は、はい、お願いします」
+
ロンとスラはまだ外にいて、ヤンとリコは一度、魔王様の所に行くとドラゴンの姿になり飛んで行った。
私達はブランの家で食卓のテーブルに着くと、奥からお母様が白とワイン色のワンピース姿で出てきた。
「お待たせ」
「母さんは父さんの横に座って」
食卓に着き、ブランは話を始める。
「ヒーラギ、俺達は母さんが動けるようになってから、この村に移動したんだ。そこで昔――母さんの近衛騎士だったトール父さんと再会した。トール父さんは近衛騎士の時から母さんを好きだったみたいで、告白して、恋人になり最近になって結婚したんだ」
ブランのお母様が"そうなの"と照れ笑いした。
その横でブランのお父様は息を吸い。
「ワタシはジジが出て行ったあと騎士となり、城に攻めてくる魔物と戦っておりました……しかし、腕に深い傷を負い剣を握れなくなり騎士を辞め、この村に引っ越してジジと再び出会ったのです……ワタシは昔からジジが好きでしたので、いまは幸せです」
――なんて、素敵。
「ジジさん、トールさん、ご結婚おめでとうございます」
「ありがとうヒーラギちゃん。ブランの事で興奮していて忘れていたわ。トールの腕を治してくれて……もう一度、剣を握れる様にしていただきありがとう、聖女ヒーラギ様」
「ワタシからも感謝いたします」
ブランのお父様は右腕をさすり、お母様はそれを優しく見つめた。
もう一度、二人に見つめられて"ありがとう"と、深々頭を下げた。
それに私は困っていた。なぜなら……この力は元々、ブランのお母様の力だから。
「コレは私の力ではありません。ブランのお母様の力で……私の力じゃないです」
「あら、最初はそうだったかもしれないけど……いまはヒーラギちゃんの力になっているわよ。あなたが癒しの能力に慢心せず精進してきたから"広域回復魔法"を使えたの、癒しの力が倍に膨れ上がったのね」
「私の力……?」
「そうヒーラギちゃんの力。これからも、大切に使いなさい」
「はい、大切に使います」
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