(完結)オフトゥン大好き黒猫令嬢と狼王子。王子は私を婚約者に選ばないでください! (手直しをしております)

深月カナメ

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四十

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 男の人がヒロインだとすると……このゲーム、まさか趣旨が変わった?

 庭園に集まった攻略対象とヒロイン(男)……男と男、BL?  そうだとすると私は何役なの? 王子を兎ちゃん(男)に取られる悪役令嬢役?

 前世、BLは嫌いじゃなかったけど、なんだか嫌かも。








(本当に嫌だわ)

「……ふうっ」

「ミタリア? そんなに兎君の裸が見たかったのか?」

「えっ」

「そこの兎君! もたもたせず早く着替えろ!」

「は、はひぃっ!」

 とばっちりを喰らう、ヒロインこと兎君。

「絶対に見せねぇからな、お前は俺だけを見ていればいい」

「ちょっと待ってください。私は、はだ、裸なんて、み、見たくなんか……(ありません)っ!」

 裸というキーワードで。あの時のことを思い返してしまい、王子の手の中で私の頬は真っ赤になってしまった。

 王子はそんな私に気付き、イライラが消えて、楽しそうに聞いた。

「ミタリア、真っ赤だ。あの時のことを思い返したのか?」

「いやっ、い、言わないでください……あれは、たまたま、偶然に見てしまったんです!」

「俺も見た。驚いたミタリアの顔と、膨らんでまん丸な尻尾、真っ赤になった頬を……なっ、」

「リチャード様!」

「クックク」



 あれは雪が降った12月ーーその日も王子は私に会いに来てくれていた。いつもの様に、私の部屋で本を読んだり、おしゃべりしたりしていた。
 この時期は暖炉がついていても肌寒く、私たちは獣化してお互いで暖をとっていた。

『もう、帰る時間か……』

 王子の一言。
 日が暮れて、王子の帰りに時間なる。

 私たちは昼寝をしていた、ベッドからのっそり起き上がった。
 2人でいる時間は楽しくて、帰り時間は寂しくなってしまう。

『リチャード様、いつ来られますか?』

 と、振り向いた先にシャツを手に着替え途中、王子の背中が見えた。

『わぁっ、す、すみません』

(見てしまった……でも、凄く引き締まった肉体……)

『おっと、悪い。ここに、いつ来られるか真剣に考えていた。次は。そうだな3日後か4日後の同時刻かな……日付と時刻が分かり次第、早馬を送る』

(次は……3日か4日後か)

『わかりました、リチャード様』

 私がしばらく会えないと、がっかりしたのがわかったのか。

『ミタリア、明日と明後日は騎士団と魔導士たちとの、合同狩訓練に父上と参加するんだ、ごめんな』

(国王と、合同狩訓練⁉︎)

『私なら平気です! それなら、リ、リチャード様は早く着替えてください。か、風邪をひいてしまいます、早く着替えてください!』

『強がって、俺と会えなくても平気と言うか……ミタリアの本心は? 寂しいのだろう?』

 どうして、わかるの。

『そ、そのような、わがままは言えません!……あっ、』

『はははっ、本音は可愛いな。それに見たいのなら遠慮せず見ていいぞ。鍛えて結構、体が引き締まったからな』

『そんなぁ、み、見られません、わっ、待って! 近付いて見せようとしないでください! もう、シャツの前を止めてください!』

(凄い、引き締まった筋肉)

『ミタリア……慌てているがお前も俺と同じだぞ……その下着、可愛いな、俺に帰るなと誘っているのかな?』

(可愛い、下着?)

『いつ、見られてもいい様に選んでます、って! あ、いまのは嘘っ、わっ、わぁ、リチャード様、忘れて!』

『無理な話だな……ははは!』

 てなことが何度もあった……。毎回、王子は楽しそうに私をからかって笑っていた。


「ふふっ」

「お、なんだ? ミタリア、思い出し笑いか?」

「思い出し笑いなんて、し、してません……」

「そう? 黒の下着……」

 ボソッと呟く王子と、ますます赤くなる私。

「そ、それは言わないでってお願いしたのに……もう、わかってます。あれはナターシャが……ううん、私には大人すぎたの、って! ……リチャード様の意地悪!」

「ははは、アレは俺にも刺激が強すぎたな」

「刺激が強いって……」

 そんなに凄かったの?

「はははっ、ミタリアの腕まで真っ赤になった、可愛い! こんなに可愛いミタリアを、俺の部屋に早く連れ帰ってすりすりしたい」

「ちょっ、リチャード様! みんなの前で言わないで!」

 両手で押しても、びくともしない彼の胸を押した。
 
「そっか、俺と2人きりの時ならいいんだな」

「うっ! ……は、い」

 このような私たちのやり取りを、1人抜かした、みんなは黙って見守ってくれていた。
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