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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編
第11話
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「【ウォーター】」
水の魔法を使い銀のタライに水を張っていると、キィーーンとシーラン様の魔力を感じた。
「シーラン様が障壁を張ったわ」
「シャルロットさんタオルをください」
「はーい」
早く戻って来てね、私はここで待ってるから。
「タサさんタオルをどうぞ!」
みんなにタオルを冷やして交換する、しかしみんなの熱は思った程下がらない。
1人ずつシーツも変えた。冷たいタオルに変えると気持ちがいいみたいで、みんなの表情が和らぐ。
「ん、おねーちゃんありがとう」
「ありがとう気持ちいいよ」
「タオルが欲しかったら言ってください」
ここの人たちを助けたい…私にできることはただ、タオルで冷やしてみんなを額や体を冷やすことだけだ。
「シャルロットさんありがとう」
「いいえ、はいタオルです」
……
[……ル…]
「え?」
いま、何か聞こえた?
[…ねえ、ルル…ルル]
それは、甘く優しくルルと呼ぶ声。
その呼ぶ声に中の人が怯えて、震える。体全体でこの声を拒否してる感じがする。
[こっちにおいでルル、僕と一緒に行こう]
(いやぁぁぁぁぁぁっ!!)
かなりの拒絶だ。
さっきの気持ちとは違った、温かな気持ちとは違い、ゾクゾクして寒気がした。
この甘い声に怖い…怖がっている。
「シャルロットさんどうしたの」
「なんでもないわ、さあもっとタオルを冷やしましょう」
誰かに呼ばれて、何処からか見られている感じがする。
「少し暗いので、光を入れるためにカーテンを開けますね」
「はい、お願いします」
タサさんがカーテンを開けると窓越しには、黄色い魔女の毒花と赤い花が風に揺れていた。
[おいで、ルル]
赤い花が私を呼んでいるように感じた。
☆☆☆
獣人の国に障壁を張った。
「シャルロット嬢待っていろ!」
俺は竜人王様を呼びに城に急いだ…あの場所にシャルロット嬢をおいては置けぬ。
フォルテ様達も走り去り俺も飛びたった。
しかし、城に戻ったが中が騒がしい。
「なんだ?」
城の中を走り回る騎士の1人に話を聞くと、何者かが城に忍び込み、牢屋にいる元国王と王子に何か飲ませたと言うことだ。
2人はもがき苦しみ泡を吹いて倒れて、いまは意識不明だそうだ。
その何者かを竜人王様が気づけなかったと、やっきになって、いま城の中を探し回っていると聞いた。
早く見つけなくてはと竜人王様を探す。
「あれ、シーランじゃないか?」
「兄上、リオ」
何者かを探し城の中を走り回る、汗だくの兄上とリオにあった。
「お前…シャルロットちゃんはどうした、毒花の採取じゃなかったのか?」
「獣人の国には行って毒花も採取をし、フォルテ様には毒花を届けに行ってもらった、しかし獣人の国に毒に侵された人々が取り残されていた…シャルロット嬢はその人々を看病している」
「どういうことだ!」
兄上の目が大きくなり肘で壁に追いやられた。
「……っ!」
「シーランはそんな所にシャルロットちゃんを置いてきたのか!」
「すぐに戻るとシャルロット嬢と約束した…竜人王様を連れて獣人の国に戻らないといけないんだ、悪い兄上早く行かせてくれ!」
「早く戻らないといけないのはわかった、お前は危ないとわかっていながらシャルロットちゃんを置いて来たのか!」
そんな事兄上に言われなくても分かってる。
「兄上、その事はちゃんと俺はシャルロット嬢と話した、話した上で来たんだ早く戻らせてくれ!」
これだけ言っても兄上は分かってくれないのか?
「リズ様」
リオさんは兄上を呼び、肩にポンと手を乗せる。
「こんな事をしている場合ではありませんよ。一刻も早く竜人王様を探して獣人の国に行きましょう」
リオの声に俺達は城の中を走り回る、竜人王様を探すことになった。
☆☆☆
早く、早く!
「もっと早く走れ!」
毒花を早く届けに行かなくては、俺は来た道を走り抜けた。
「くそっ、くそーーっ!」
俺は何も知らなかった…民を逃したと聞いていたのに、俺達よりも遅く民は避難をして、国に毒に侵された人が残っていた。
「助ける!」
俺は皆を助けるんだ!
休みもせずに国境を超え、走り、魔法協会に着いた。
早く呼ばないと俺は森に入り声を上げた。
「アル様いるか?」
どこだ?
「頼まれた、毒花を持って来た!」
必死に叫びながら森の中を走る。
「早く来てくれ!」
森の中を走り癒やしの木近くで声を上げる。早く、早く来てくれ、俺の必死の声を聞きこっちに来る足音を聞いた。
「アル様!」
近くにアル様とラーロさん、黒いローブを着た魔法使い達が走って来た。
「あれ、チビ竜にシャルちゃんは?」
「戻って来たのは、チビ獣だけですか?」
「そうです…国にまだ毒に侵された人がいました、シーラン王子は竜人王様を呼びに、シャルロットお嬢さんは国に残っています」
「毒に侵された人が残っているのですか、そんな話は聞いていませんよ」
この話の事を、アル様も知らなかったのか驚いていた。
「それともう一つ黄色い魔女の毒花の他に赤い花が混ざっていました」
「あ、赤い花だって!」
アル様は驚き頭を抱えた…聞こえない声で何かをつぶやいたが…俺の耳には聞こえていた。
アル様は兄貴と呟いていた。
「行くぞラーロ!あるだけの解毒剤を持っていますぐに獣人の国に行きましょう」
「分かりました」
アル様とラーロさんは魔法協会の中に慌てて戻って行った。
水の魔法を使い銀のタライに水を張っていると、キィーーンとシーラン様の魔力を感じた。
「シーラン様が障壁を張ったわ」
「シャルロットさんタオルをください」
「はーい」
早く戻って来てね、私はここで待ってるから。
「タサさんタオルをどうぞ!」
みんなにタオルを冷やして交換する、しかしみんなの熱は思った程下がらない。
1人ずつシーツも変えた。冷たいタオルに変えると気持ちがいいみたいで、みんなの表情が和らぐ。
「ん、おねーちゃんありがとう」
「ありがとう気持ちいいよ」
「タオルが欲しかったら言ってください」
ここの人たちを助けたい…私にできることはただ、タオルで冷やしてみんなを額や体を冷やすことだけだ。
「シャルロットさんありがとう」
「いいえ、はいタオルです」
……
[……ル…]
「え?」
いま、何か聞こえた?
[…ねえ、ルル…ルル]
それは、甘く優しくルルと呼ぶ声。
その呼ぶ声に中の人が怯えて、震える。体全体でこの声を拒否してる感じがする。
[こっちにおいでルル、僕と一緒に行こう]
(いやぁぁぁぁぁぁっ!!)
かなりの拒絶だ。
さっきの気持ちとは違った、温かな気持ちとは違い、ゾクゾクして寒気がした。
この甘い声に怖い…怖がっている。
「シャルロットさんどうしたの」
「なんでもないわ、さあもっとタオルを冷やしましょう」
誰かに呼ばれて、何処からか見られている感じがする。
「少し暗いので、光を入れるためにカーテンを開けますね」
「はい、お願いします」
タサさんがカーテンを開けると窓越しには、黄色い魔女の毒花と赤い花が風に揺れていた。
[おいで、ルル]
赤い花が私を呼んでいるように感じた。
☆☆☆
獣人の国に障壁を張った。
「シャルロット嬢待っていろ!」
俺は竜人王様を呼びに城に急いだ…あの場所にシャルロット嬢をおいては置けぬ。
フォルテ様達も走り去り俺も飛びたった。
しかし、城に戻ったが中が騒がしい。
「なんだ?」
城の中を走り回る騎士の1人に話を聞くと、何者かが城に忍び込み、牢屋にいる元国王と王子に何か飲ませたと言うことだ。
2人はもがき苦しみ泡を吹いて倒れて、いまは意識不明だそうだ。
その何者かを竜人王様が気づけなかったと、やっきになって、いま城の中を探し回っていると聞いた。
早く見つけなくてはと竜人王様を探す。
「あれ、シーランじゃないか?」
「兄上、リオ」
何者かを探し城の中を走り回る、汗だくの兄上とリオにあった。
「お前…シャルロットちゃんはどうした、毒花の採取じゃなかったのか?」
「獣人の国には行って毒花も採取をし、フォルテ様には毒花を届けに行ってもらった、しかし獣人の国に毒に侵された人々が取り残されていた…シャルロット嬢はその人々を看病している」
「どういうことだ!」
兄上の目が大きくなり肘で壁に追いやられた。
「……っ!」
「シーランはそんな所にシャルロットちゃんを置いてきたのか!」
「すぐに戻るとシャルロット嬢と約束した…竜人王様を連れて獣人の国に戻らないといけないんだ、悪い兄上早く行かせてくれ!」
「早く戻らないといけないのはわかった、お前は危ないとわかっていながらシャルロットちゃんを置いて来たのか!」
そんな事兄上に言われなくても分かってる。
「兄上、その事はちゃんと俺はシャルロット嬢と話した、話した上で来たんだ早く戻らせてくれ!」
これだけ言っても兄上は分かってくれないのか?
「リズ様」
リオさんは兄上を呼び、肩にポンと手を乗せる。
「こんな事をしている場合ではありませんよ。一刻も早く竜人王様を探して獣人の国に行きましょう」
リオの声に俺達は城の中を走り回る、竜人王様を探すことになった。
☆☆☆
早く、早く!
「もっと早く走れ!」
毒花を早く届けに行かなくては、俺は来た道を走り抜けた。
「くそっ、くそーーっ!」
俺は何も知らなかった…民を逃したと聞いていたのに、俺達よりも遅く民は避難をして、国に毒に侵された人が残っていた。
「助ける!」
俺は皆を助けるんだ!
休みもせずに国境を超え、走り、魔法協会に着いた。
早く呼ばないと俺は森に入り声を上げた。
「アル様いるか?」
どこだ?
「頼まれた、毒花を持って来た!」
必死に叫びながら森の中を走る。
「早く来てくれ!」
森の中を走り癒やしの木近くで声を上げる。早く、早く来てくれ、俺の必死の声を聞きこっちに来る足音を聞いた。
「アル様!」
近くにアル様とラーロさん、黒いローブを着た魔法使い達が走って来た。
「あれ、チビ竜にシャルちゃんは?」
「戻って来たのは、チビ獣だけですか?」
「そうです…国にまだ毒に侵された人がいました、シーラン王子は竜人王様を呼びに、シャルロットお嬢さんは国に残っています」
「毒に侵された人が残っているのですか、そんな話は聞いていませんよ」
この話の事を、アル様も知らなかったのか驚いていた。
「それともう一つ黄色い魔女の毒花の他に赤い花が混ざっていました」
「あ、赤い花だって!」
アル様は驚き頭を抱えた…聞こえない声で何かをつぶやいたが…俺の耳には聞こえていた。
アル様は兄貴と呟いていた。
「行くぞラーロ!あるだけの解毒剤を持っていますぐに獣人の国に行きましょう」
「分かりました」
アル様とラーロさんは魔法協会の中に慌てて戻って行った。
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