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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編
第35話
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「お前達は特に仲の良い双子だったな…人を好きになる事はいい、しかし…度を超えるのはいかん」
「そうですね、兄には散々言ったのですが、私の話は聞きませんでした」
「そうか…お前達はルルと楽しそうに過ごしておったものな。獣人の国にも元気な男の子が生まれてそこでルルの役目が終わるはずだった、王子とルルは出会って一目で恋に落ちるまでは…なぁ」
「恋に落ちた⁉︎ 王子はご結婚をしていたのではないですか?」
恋と聞き声を上げて聞いてしまった。お師匠様は私を見て困った顔をした。
「あーっ、なんというか…王子と姫は契約結婚、子が生まれれば姫の役目も終わる。姫の方には番がおり王子に後継が生まれれば姫の契約が終る。姫が役目を終えて去ると、王子とルルは温室で仲良く日々を過ごすようになった」
「王も世継ぎが生まれて、王子とルルのことを認めた。黄色の花を国の花として国中に植えようと話が上がった、王子もルルも喜び花の準備に取り掛かる…しかし、調合の間違いは無いはずの花が毒花に変わった」
毒花に変わる? みんなはざわつくけど、アル様は眉を潜めていた。
ギリっと歯を噛む音がした。
「悪いのはわたしの兄だ…兄が黄色の花に使える薬草を解らない様に毒に変えてしまった…」
「アルボルそれは気付かなかった儂も悪いと言っておろう」
「師匠近くにいた私が…あの時に気が付いていればこんな事にはならなかった…兄と私はルルの幸せな未来も奪った!」
アル様の頬に涙が落ちた。
「だからアルボル、思い詰めるなと言っただろう! お前の知らない所で事は起こった…お前のせいじゃ無い」
「私は兄がルルに恋心を抱いているのは知っていた、ルルの為にと花を咲かせていることも知っていた。その兄の恋が実らず歪み、王子を恨み、全ての獣人をも恨むとは思いもしなかった」
♢
凛々しく、いつもみんなに優しいアル様が顔を歪ませて泣いている…毒花はアル様の心にも根付いてる。
わたしは立ち上がる。
「アル様毒花を終わらせましょう、その為ならわたしは全力で頑張ることしか出来ないけど、力になれる様に頑張る」
「…シャルちゃん」
「アルボル終わらせるぞ、我を助けてくれた魔女との約束を果たす」
竜人王様も声を上げた。
♢
〈ねぇ〉
〈…ルルさん?〉
〈シャルちゃん私にもう一度あなたの体を貸して、アル君に一言言いたい!〉
わたしは頷き、ルルさんと変わった。
「ふぅ、聞いていれば全部自分のせい? アル君あなた思い過ぎよ、私が国を追い出されたのも、人間との間に子を成したのも、全部は自分で巻いた種を回収する為」
「ルル姉⁉︎」
「あらあら、汚い顔ね。毒花の研究には魔女でいるわけには、ならなかったのよ、だから子を作ったまで自分の体で毒の研究をしたかったからよ」
ルルさんはアル様の前に行き、アル様の涙を拭ってあげた。
「あなたはそうやって…自分の体を犠牲にして解毒剤を作っていたのですね」
「犠牲? 違うわ、花の魔女としてのプライドよ。作られた薬草を見抜けず間違えたのも私の知識不足のせい、大事な王子を死に目に合わせたのも私のせい、毒花の魔女となったのも私、わかったアル君?」
「…くっ、違います」
「昔から素直じゃ無いわね。私の研究と魔吸根の採取場所を教えたでしょう? それを元に探しなさい。私が探しても見つけ出すことが出来なかった貴重な青花もあるわ」
「…はい。私は今回で全て終わらせたい。もう大切な仲間を失うのは嫌です」
「そう思うだったら、終わらせればいいだけのことよ」
毒花を無くす。これは大変な事だ、でもみんなは息を吸い頷いた。
みんなの意思は固まった毒花を終わらせると…
♢
話が一応終わり。アル様はお師匠様、竜人王様やラーロさんとこれからの事を話している。
〈シャルちゃんありがとう、アル君に話せた。これからあなたの力が必要になる、あなたは無理をし過ぎるから、ダメな時には彼にちゃんと言うのよ〉
〈はい、ルルさんもまだ消えちゃダメですからね〉
〈そうね、終わるまでいたいわね〉
〈いてくださいね〉
「そうですね、兄には散々言ったのですが、私の話は聞きませんでした」
「そうか…お前達はルルと楽しそうに過ごしておったものな。獣人の国にも元気な男の子が生まれてそこでルルの役目が終わるはずだった、王子とルルは出会って一目で恋に落ちるまでは…なぁ」
「恋に落ちた⁉︎ 王子はご結婚をしていたのではないですか?」
恋と聞き声を上げて聞いてしまった。お師匠様は私を見て困った顔をした。
「あーっ、なんというか…王子と姫は契約結婚、子が生まれれば姫の役目も終わる。姫の方には番がおり王子に後継が生まれれば姫の契約が終る。姫が役目を終えて去ると、王子とルルは温室で仲良く日々を過ごすようになった」
「王も世継ぎが生まれて、王子とルルのことを認めた。黄色の花を国の花として国中に植えようと話が上がった、王子もルルも喜び花の準備に取り掛かる…しかし、調合の間違いは無いはずの花が毒花に変わった」
毒花に変わる? みんなはざわつくけど、アル様は眉を潜めていた。
ギリっと歯を噛む音がした。
「悪いのはわたしの兄だ…兄が黄色の花に使える薬草を解らない様に毒に変えてしまった…」
「アルボルそれは気付かなかった儂も悪いと言っておろう」
「師匠近くにいた私が…あの時に気が付いていればこんな事にはならなかった…兄と私はルルの幸せな未来も奪った!」
アル様の頬に涙が落ちた。
「だからアルボル、思い詰めるなと言っただろう! お前の知らない所で事は起こった…お前のせいじゃ無い」
「私は兄がルルに恋心を抱いているのは知っていた、ルルの為にと花を咲かせていることも知っていた。その兄の恋が実らず歪み、王子を恨み、全ての獣人をも恨むとは思いもしなかった」
♢
凛々しく、いつもみんなに優しいアル様が顔を歪ませて泣いている…毒花はアル様の心にも根付いてる。
わたしは立ち上がる。
「アル様毒花を終わらせましょう、その為ならわたしは全力で頑張ることしか出来ないけど、力になれる様に頑張る」
「…シャルちゃん」
「アルボル終わらせるぞ、我を助けてくれた魔女との約束を果たす」
竜人王様も声を上げた。
♢
〈ねぇ〉
〈…ルルさん?〉
〈シャルちゃん私にもう一度あなたの体を貸して、アル君に一言言いたい!〉
わたしは頷き、ルルさんと変わった。
「ふぅ、聞いていれば全部自分のせい? アル君あなた思い過ぎよ、私が国を追い出されたのも、人間との間に子を成したのも、全部は自分で巻いた種を回収する為」
「ルル姉⁉︎」
「あらあら、汚い顔ね。毒花の研究には魔女でいるわけには、ならなかったのよ、だから子を作ったまで自分の体で毒の研究をしたかったからよ」
ルルさんはアル様の前に行き、アル様の涙を拭ってあげた。
「あなたはそうやって…自分の体を犠牲にして解毒剤を作っていたのですね」
「犠牲? 違うわ、花の魔女としてのプライドよ。作られた薬草を見抜けず間違えたのも私の知識不足のせい、大事な王子を死に目に合わせたのも私のせい、毒花の魔女となったのも私、わかったアル君?」
「…くっ、違います」
「昔から素直じゃ無いわね。私の研究と魔吸根の採取場所を教えたでしょう? それを元に探しなさい。私が探しても見つけ出すことが出来なかった貴重な青花もあるわ」
「…はい。私は今回で全て終わらせたい。もう大切な仲間を失うのは嫌です」
「そう思うだったら、終わらせればいいだけのことよ」
毒花を無くす。これは大変な事だ、でもみんなは息を吸い頷いた。
みんなの意思は固まった毒花を終わらせると…
♢
話が一応終わり。アル様はお師匠様、竜人王様やラーロさんとこれからの事を話している。
〈シャルちゃんありがとう、アル君に話せた。これからあなたの力が必要になる、あなたは無理をし過ぎるから、ダメな時には彼にちゃんと言うのよ〉
〈はい、ルルさんもまだ消えちゃダメですからね〉
〈そうね、終わるまでいたいわね〉
〈いてくださいね〉
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