竜人さまに狂愛される悪役令嬢には王子なんか必要ありません！

第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編

それぞれの役割。

〈わかったわ、シャルちゃん。またしばらくよろしくね〉
〈はい、ルルさん！〉

　水龍の湖でアル様やルルさんの思いを聞いた。
　これからみんなと一丸となって、毒花を排除する。こんな悲しい出来事は二度と繰り返さない。

　それと毒花のほかに…もっと残酷な赤い花がある。それらを全て終わらすと、わたしは意気込んでいた。

「シャルちゃん、チビ竜達こっちに来てくれる？」

　話し合いが終わったのかアル様に呼ばれた。シーラン様とで青桜の木に向かうと、まだ少し目の赤いアル様から話があった。
　近くには竜人王様もいた。

「ごめんね、兄のことになってつい感情的になってしまったよ。…ふぅっ、君達にはこれからの話をするね」

「はい、わかりました。アル様」

「では、シャルちゃんにはこの青桜の木に花が咲くまで、力を使い育てて欲しい。魔力を使い過ぎたら、水龍の湖か癒やしの木で休んでね、ロワもシャルちゃんに力を貸してあげて欲しい」

　わたしの役割は木を育てて、青桜の花を咲かせる、かなり重要な役割だわ。

「アルボル、わかった。我の力を貸す」
「精一杯頑張ります、アル様」

　わたしは会釈をして竜人王様は頷いた。
　アル様は頷き「よろしく、お願いね」と言い、次は君達ねとシーラン様の方を向いた。

「チビ竜君達はシャルちゃんの護衛に付いてもらう、ロワもいるから色々と訓練してもらうといいよ」

「はい、シャルロット嬢を必ず守ります。訓練か…よろしくお願いします竜人王様」
「アル様、わかりました。竜人王様よろしくお願いします」

「かしこまりました、アル様。竜人王様よろしくお願いします」

　シーラン様達はアル様や竜人王様に、胸に手を当て頭を下げた。

「うん、よろしく頼むね。明日から私とラーロ、エシャロットはルル姉の資料を元に魔吸根を探しに行く。何かあったら前に渡した水晶玉に話しかけてね」


「「はい、わかりました！」」


　わたし達のやる事が決まった。


「おい、アルボルよ、儂は何をする？」

「そうですねー。師匠はアオちゃんから離れたく無いでしょうから、調合が始まるまではお休みです」

　それにエシャロットもやって来て、アル様の言葉に乗っかる。

「師匠はそれがいいわね、久しぶりにアオちゃんと会えたのですもの」

「いいのか？　儂だけ…」

「でしたら師匠。アオちゃんの健康管理をしてくださいね、喧嘩をせず、怒らせず、良い花を咲かす為に、アオちゃんを甘やかしてください」

　そうアル様に言われて、何も言えなくなったお師匠様は、わかったと頷くしかなかった。