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第三章 獣人の国に咲いた魔女の毒花編
閑話 禍々しい者
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みんなが楽しく花見をする中、遠くのこの森の木の上に黒い影が現れた。
その身は暗い霧を纏い、口元は弧を描く。
「ふふふっ、竜人王祭かぁ、いい事を聞いちゃった! 本当は青桜の花をぜーんぶ枯らしちゃうぞ作戦だったんだけど! そっちの方が断然面白そうだ!」
竜人王祭の時にシャルロット、お前を潰してやるよ!
あの方はお前などいらない、お前の器だけを欲している。
「覚悟しなさい、シャルロット!」
お前なんかよりも、あたしにはあの方に与えられた力が有るんだよ!
「はははっー! あたしが直にお前を消してやるよ!」
その、首根っこ洗って待っているがいい!
♢
竜人や獣人、魔法協会の人々が集まる、それは楽しげなうたげの最中…悪しき影が落ちた。
「⁉︎」
アルボルは笑みを絶やさずに、辺りを警戒し、気付いた者のと魔力の波長を合わせて会話を始めた。
(皆、聞こえる?)
(ええ、アル様、ラーロ! 何このドス黒い気!)
(大丈夫。エシャロットはそんなに尻尾を膨らませて毛を逆立てない! 慌てないで落ち着いて…私の声が聞こえる者に告ぐ。私達に紛れる様にして何者かが、この水龍様の森に入りました)
(アル様、ドス黒く、気味が悪い禍々しい気を感じた)
(ラーロも落ち着いて、手に力が入ってお酒が溢れていますよ)
(おい、アルボル!)
(あっ、ロワ。あなたも気付きましたか…あっ、こら動かないで。わたしの指示があるまでは、そのままでお願いします)
(…うむ、分かった)
ここでロワを止めておかないと、我先にとその場に、一番に飛んで行ってしまう。
(アルボル…)
(師匠どうなされました?)
(今し方。儂の蟲声を飛ばしたが…そいつに消されたみたいだ)
(師匠の蟲声がですか…厄介ですね。今は悪しき者の出方を待つしか有りませんね)
(そうだな…奴が襲撃して来たら直ぐにここにアルボルは障壁を張るんだ。儂はアオと青桜を守る)
(はい、分かりました)
(エシャロットは奴が来たら、一番にフォルテ王子に獣人を守れ)
(はい、お師匠様)
(すみませんが師匠。蟲声でチビ竜達とシャルロットちゃんを探していただけませんか?)
(この場にいないのか…わかった蟲声で探そう)
ピリリと肌に痛い位に感じる、悪しき者の殺気を感じた。
(くっ! 奴が来るのか⁉︎)
(大丈夫だ、我が打つ!)
更に力を感じて、ラーロとロワが辺りを見回した。
(ロワ、動かない! ああっ、やはり今ので竜人の騎士団長が勘付きましたか?)
(マリーさんや仲間を守る様に腰の短剣を握りましたね。アル様、一瞬の悪しき気を感じるとは流石ですね)
(そうであろう! はははっ!)
(ロワ、うるさいです)
気を沈めて何かあれば直ぐにでも、対処できる様に気を練っていた…が。
(…っ…奴の気が消えたか?)
(ええ、消えましたね)
(…なんだ、消えたか)
(そいつは…アオの花を狙ったのではないのか?)
(フォルテ王子を狙っていた、訳でも無いわね)
(念の為に儂の蟲声を森中に放っておく)
(…ありがとうございます師匠)
(それとアルボル…チビ竜達に小娘は大丈夫みたいだ、少し森の奥に居るがな)
(そうですか、ありがとうございます師匠。しばらくしたら、彼らもこちらに戻って来るでしょう。さてと私達は花見の続きをしましょうか)
((賛成!))
会話を終了して花見を再開した…その後は悪しき者の気を感じることなく、花見は終了した。
ホッと、張っていた気を解放する。
「あっ…」
水辺でも気を解放した、水龍様が静かに水の中へと、戻って行く姿が見えた。
その身は暗い霧を纏い、口元は弧を描く。
「ふふふっ、竜人王祭かぁ、いい事を聞いちゃった! 本当は青桜の花をぜーんぶ枯らしちゃうぞ作戦だったんだけど! そっちの方が断然面白そうだ!」
竜人王祭の時にシャルロット、お前を潰してやるよ!
あの方はお前などいらない、お前の器だけを欲している。
「覚悟しなさい、シャルロット!」
お前なんかよりも、あたしにはあの方に与えられた力が有るんだよ!
「はははっー! あたしが直にお前を消してやるよ!」
その、首根っこ洗って待っているがいい!
♢
竜人や獣人、魔法協会の人々が集まる、それは楽しげなうたげの最中…悪しき影が落ちた。
「⁉︎」
アルボルは笑みを絶やさずに、辺りを警戒し、気付いた者のと魔力の波長を合わせて会話を始めた。
(皆、聞こえる?)
(ええ、アル様、ラーロ! 何このドス黒い気!)
(大丈夫。エシャロットはそんなに尻尾を膨らませて毛を逆立てない! 慌てないで落ち着いて…私の声が聞こえる者に告ぐ。私達に紛れる様にして何者かが、この水龍様の森に入りました)
(アル様、ドス黒く、気味が悪い禍々しい気を感じた)
(ラーロも落ち着いて、手に力が入ってお酒が溢れていますよ)
(おい、アルボル!)
(あっ、ロワ。あなたも気付きましたか…あっ、こら動かないで。わたしの指示があるまでは、そのままでお願いします)
(…うむ、分かった)
ここでロワを止めておかないと、我先にとその場に、一番に飛んで行ってしまう。
(アルボル…)
(師匠どうなされました?)
(今し方。儂の蟲声を飛ばしたが…そいつに消されたみたいだ)
(師匠の蟲声がですか…厄介ですね。今は悪しき者の出方を待つしか有りませんね)
(そうだな…奴が襲撃して来たら直ぐにここにアルボルは障壁を張るんだ。儂はアオと青桜を守る)
(はい、分かりました)
(エシャロットは奴が来たら、一番にフォルテ王子に獣人を守れ)
(はい、お師匠様)
(すみませんが師匠。蟲声でチビ竜達とシャルロットちゃんを探していただけませんか?)
(この場にいないのか…わかった蟲声で探そう)
ピリリと肌に痛い位に感じる、悪しき者の殺気を感じた。
(くっ! 奴が来るのか⁉︎)
(大丈夫だ、我が打つ!)
更に力を感じて、ラーロとロワが辺りを見回した。
(ロワ、動かない! ああっ、やはり今ので竜人の騎士団長が勘付きましたか?)
(マリーさんや仲間を守る様に腰の短剣を握りましたね。アル様、一瞬の悪しき気を感じるとは流石ですね)
(そうであろう! はははっ!)
(ロワ、うるさいです)
気を沈めて何かあれば直ぐにでも、対処できる様に気を練っていた…が。
(…っ…奴の気が消えたか?)
(ええ、消えましたね)
(…なんだ、消えたか)
(そいつは…アオの花を狙ったのではないのか?)
(フォルテ王子を狙っていた、訳でも無いわね)
(念の為に儂の蟲声を森中に放っておく)
(…ありがとうございます師匠)
(それとアルボル…チビ竜達に小娘は大丈夫みたいだ、少し森の奥に居るがな)
(そうですか、ありがとうございます師匠。しばらくしたら、彼らもこちらに戻って来るでしょう。さてと私達は花見の続きをしましょうか)
((賛成!))
会話を終了して花見を再開した…その後は悪しき者の気を感じることなく、花見は終了した。
ホッと、張っていた気を解放する。
「あっ…」
水辺でも気を解放した、水龍様が静かに水の中へと、戻って行く姿が見えた。
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