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第四章 獣人の国に咲いた魔女の毒花(竜人王祭編)
第1話
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青桜の花が咲いた。みんなの願いの花が…咲いたんだ。
特効薬を作るお師匠様、アオさん。
魔吸根を探すアル様、ラーロさん、エシャロットさんに魔法協会の人達。
自国の人を看病し守るフォルテ様にヘルさん。
竜人王様と日々訓練をするシーラン様達。
みんなは自分の道を進んでいる、わたしだって負けられないと毎日奮闘中だ!
結局、あの夜に現れた禍々しい力を持つ者が誰だかは、分からずじまいに終わった。もしかすると、後に調査をしたアル様やラーロさん達大人は気付いてはいるけど、私達には伝えないでいるのかもしれない。
♢
今日の午後は城でのお茶会の日。
昼食後に、シーラン様達は竜人王様との訓練に向かい、わたしはクリーム色のワンピース、ポニーテールの格好で庭園にマリーとお茶会の準備に向かった。
多くの薔薇が咲く庭園の一番見晴らしのいい場所に、テーブルを出して真っ白なテーブルクロスを引き、紅茶にお菓子の準備を始めたマリーと他のメイドは大忙し。
「シャルロットちゃん、お久しぶりね」
「あ、スノー王妃、お久しぶりです」
相変わらずのハスキーボイスのスノー王妃。サラサラな白銀の髪を結い上げ、透き通るサファイア色の瞳。ドレスは…竜人王様の好みかな? 瞳の色と同じ色の丈が短く、フリルが多めのドレスを身に着ていた。
「さあ、私達も準備に参加をしましょう」
「はい!」
わたしとスノー王妃も加わり準備を始めた。人数分のカップに紅茶。一口サンドイッチ、摘めるチョコや焼き菓子にホットケーキ。滞りなくお茶会の準備が済み、後はみんなが集まるのを待つだけだ。
「あ、シャルロット様だ! シャルロットさーま!」
チャコちゃんの元気な声が聞こえた。どうやら洗濯場の仕事が終わったらしい。
わたしはこちらに来るみんなに手を振り出迎えた。
「みんな、久しぶりね」
「「お久しぶりです、シャルロット様!」」
みんなが揃えばお茶会の始まりです!
参加者はスノー王妃、チャコちゃん達にミリ先輩、マリーに王妃専属メイド達にわたし!
お茶会が始まって直ぐ、わたしの反対側のテーブルに座った、チャコちゃんが手を上げ立ち上がる。
「シャルロット様は今年開催される、竜人王祭はどうされるのですか?」
「ふふっ、今回はね。がっつり竜人王祭に参加するわ!」
「「ほんと‼︎」」
チャコちゃんやみんなの目が大きくなり、微笑んだ。また手を上げて「じゃー私とユリアちゃんとでみんなの竜人様の服を作ります!」とチャコちゃんが張り切りる。
それを聞いたスノー王妃は「あら、いいわね。私も竜人様の格好がしたいわ」それを聞いたチャコちゃんは満面の笑みで、私が作ります任せてください王妃様! と胸を叩いた。
王妃は微笑み。
「では、衣装を作る場所に材料は私が提供いたしましょう」
その後に王妃は何か思い付いたのか「そうだわ」と、胸の前でポンと手を叩く。
「衣装を作る作業部屋も必要ね」から始まり「祭りが近くなったらみんなは城に泊まるといいわ」「それと必要な物を全部教えてちょうだい、こちらで全て用意するわね」そう、みんなに伝えた後に王妃は「私も混ぜてね!」とお願いした。
どうやらスノー王妃も衣装作りに参加をしたいみたい、だったらわたしも参加したいと手を上げた。
みんなでいつから作り始める? などの話し合いの結果。
竜人王祭の一週間前にロースノ城に泊まり込みをして、竜人様の衣装を作る事に決まった。
ーーその後のお茶会は女子会にもなる。
スノー王妃から竜人王様とのお惚気話から始まり、みんなの恋愛の話、村や街、王都での流行りのアクセサリーにお洋服。可愛い雑貨。そしてわたしとシーラン様との事を根掘り葉掘り聞かれることになった。もう、チャコちゃんなんて、テーブルに体を乗り出して聞いていたわ。
お茶会が始まって二時間くらい経った頃。訓練が終わった竜人王様が乱入して、スノー王妃を連れて行ってしまい、そこでお茶会は終了することになった。
スノー王妃は帰り際に「シャルロットちゃんに会えてたし楽しかったわ。また、みんなでお茶会をしましょうね。竜人王祭の衣装作りも楽しみにしているわ」と微笑んで竜人王様と並んで帰って行かれてた。
お茶会の後片付けは王妃様専属のメイド達に任せてもいいとの事で、残ったお茶菓子を分けて、チャコちゃん達と次に会う約束を交わして別れた。
マリーと部屋に戻る途中。まだ、うきうきした気分が抜けない。
「ねぇマリー、お茶会とても楽しかったね」
「ええ、お嬢様。楽しいお茶会でした」
その日の夕食の席で、シーラン様達にお茶会で話した竜人王祭の事、城で部屋を借りてみんなで衣装を作る事などを話をした。
みんなは笑い面白そうだと、竜人王祭に参加する事になった。
♢
次の日、わたしは朝早く水龍様の森で、青桜の木を見上げていた。
「今日も綺麗に花を咲かせているわ」
わたしの一日の始まりは青桜の花のチェックから始まる。青桜は昔見た淡いピンクの桜とは違い「一ヶ月近くは花が咲く」と、少し前にアオさんと花を摘みに来た、お師匠様が教えてくれた。
それにここは水龍様の池の近くだから、しばらくは花が咲いているかもしれないとも仰っていたし、青桜の特効薬も順調だと聞いた。
(その特効薬が、みんなの幸せに繋がりますように)
祈るような思いを乗せて、木の周りを回り、満開に咲く青花を見上げた。
「今頃シーラン様達は訓練の真っ最中かな?」
今朝、部屋を出るときに今日はコッホ騎士団長が加わり、魔法防御を習うと言っていた。その訓練が終わったら魔法協会に集まり、みんなでチシャの葉の採取に森での昼食。その後は図鑑を見たり、ルーン文字の勉強会をする予定だ。
「シャルちゃん、終わった?」
森の奥から手に書類とホウキを持ち現れたラーロさん。
この前、花見の席で何者かの侵入があり、アル様はラーロさんと魔法教会の人とで、森の外側に侵入防止の魔法を二重に強化した。
ラーロさんはそれのチェックに、水龍の森に毎朝行くと言うので、頼んでホウキで連れて来てもらっている。
「はい、青桜の花のチェックは終わりました」
「じゃー、アル様に送るからこれに書いて」
渡された書類に記入して渡すと、ラーロさんはアル様の所に送った。それが終わり、胸元から懐中時計を出して、時間の確認をする。
「シャルちゃん、協会に戻るには…まだ少し時間があるけど、どうする?」
ラーロさんに時間がある、と言うことは!
「魔法の訓練をお願いします!」
「そう言うと思ったよ。では始めるとしようか」
いつもの回復魔法に加えて、今日は青桜の木に優しい雨を降らせる。魔力調整やイメージの訓練だ。わたしの魔法詠唱から、雨粒の大きさを見て大きく頷いた。
「雨のイメージが更に上手くなったね」
ラーロさんからお褒めの言葉もらえた。シーラン様達と共に行った、魔力訓練の成果が出たわ。
「この調子なら、ホウキに乗る訓練を再開しても良さそうだ」
「ほんと⁉︎」
やった! ホウキに乗る訓練が出来る。もし乗れる様になったら、ここにも森にもホウキで飛んで行ける。
今度こそはなんとしても、乗れる様になりたいわね。
「しばらくは忙しいけど、時間が取れたら連絡をするよ」
と、ラーロさんが言った。
♢
魔法協会に戻る時間になり、ラーロさんのホウキで飛んで戻って来た。
「シャルちゃん、またね」
「ありがとうございました、ラーロさん」
協会の前でラーロさんと別れて、わたしはみんなとの待ち合わせの、癒やしの木の下に向かった。
「シーラン様、リズ様、リオさーん!」
木の下で寛ぐ彼らに声を掛けると、立ち上がって迎えてくれた。
「シャルロット嬢! マリーさんにお昼を作ってもらって来たよ」
「シャルロットちゃん早くお昼にしよう、お腹すいたよー!」
「シャルロット様、青桜の確認お疲れ様です」
「みんなも訓練、お疲れさま」
みんなに会釈をして、その後に見上げお腹をさする。
「わたしも、お腹ペコペコだわ。早く森でご飯にしましょう」
シーラン様は「そうだな」と笑い、持っていたバスケットをリオさんに渡した。
「では、行こうかシャルロット嬢!」
「え、うわぁっ、シ、シーラン様⁉︎」
わたしの手を引き寄せ抱きかかえた、シーラン様は空高く飛んだのだ。
(ま、魔法で転送しないの?)
それに続きリズ様とリオさんも空高く飛ぶ。
彼は笑い、わたしにこう言った。
「さぁ、暫しの空の散歩を楽しもうか。シャルロット」
(空の散歩か……素敵!)
「はい、シーラン様!」
最近、鍛えてたくましくなった彼の腕の中で、空の散歩を楽しむのだった。
特効薬を作るお師匠様、アオさん。
魔吸根を探すアル様、ラーロさん、エシャロットさんに魔法協会の人達。
自国の人を看病し守るフォルテ様にヘルさん。
竜人王様と日々訓練をするシーラン様達。
みんなは自分の道を進んでいる、わたしだって負けられないと毎日奮闘中だ!
結局、あの夜に現れた禍々しい力を持つ者が誰だかは、分からずじまいに終わった。もしかすると、後に調査をしたアル様やラーロさん達大人は気付いてはいるけど、私達には伝えないでいるのかもしれない。
♢
今日の午後は城でのお茶会の日。
昼食後に、シーラン様達は竜人王様との訓練に向かい、わたしはクリーム色のワンピース、ポニーテールの格好で庭園にマリーとお茶会の準備に向かった。
多くの薔薇が咲く庭園の一番見晴らしのいい場所に、テーブルを出して真っ白なテーブルクロスを引き、紅茶にお菓子の準備を始めたマリーと他のメイドは大忙し。
「シャルロットちゃん、お久しぶりね」
「あ、スノー王妃、お久しぶりです」
相変わらずのハスキーボイスのスノー王妃。サラサラな白銀の髪を結い上げ、透き通るサファイア色の瞳。ドレスは…竜人王様の好みかな? 瞳の色と同じ色の丈が短く、フリルが多めのドレスを身に着ていた。
「さあ、私達も準備に参加をしましょう」
「はい!」
わたしとスノー王妃も加わり準備を始めた。人数分のカップに紅茶。一口サンドイッチ、摘めるチョコや焼き菓子にホットケーキ。滞りなくお茶会の準備が済み、後はみんなが集まるのを待つだけだ。
「あ、シャルロット様だ! シャルロットさーま!」
チャコちゃんの元気な声が聞こえた。どうやら洗濯場の仕事が終わったらしい。
わたしはこちらに来るみんなに手を振り出迎えた。
「みんな、久しぶりね」
「「お久しぶりです、シャルロット様!」」
みんなが揃えばお茶会の始まりです!
参加者はスノー王妃、チャコちゃん達にミリ先輩、マリーに王妃専属メイド達にわたし!
お茶会が始まって直ぐ、わたしの反対側のテーブルに座った、チャコちゃんが手を上げ立ち上がる。
「シャルロット様は今年開催される、竜人王祭はどうされるのですか?」
「ふふっ、今回はね。がっつり竜人王祭に参加するわ!」
「「ほんと‼︎」」
チャコちゃんやみんなの目が大きくなり、微笑んだ。また手を上げて「じゃー私とユリアちゃんとでみんなの竜人様の服を作ります!」とチャコちゃんが張り切りる。
それを聞いたスノー王妃は「あら、いいわね。私も竜人様の格好がしたいわ」それを聞いたチャコちゃんは満面の笑みで、私が作ります任せてください王妃様! と胸を叩いた。
王妃は微笑み。
「では、衣装を作る場所に材料は私が提供いたしましょう」
その後に王妃は何か思い付いたのか「そうだわ」と、胸の前でポンと手を叩く。
「衣装を作る作業部屋も必要ね」から始まり「祭りが近くなったらみんなは城に泊まるといいわ」「それと必要な物を全部教えてちょうだい、こちらで全て用意するわね」そう、みんなに伝えた後に王妃は「私も混ぜてね!」とお願いした。
どうやらスノー王妃も衣装作りに参加をしたいみたい、だったらわたしも参加したいと手を上げた。
みんなでいつから作り始める? などの話し合いの結果。
竜人王祭の一週間前にロースノ城に泊まり込みをして、竜人様の衣装を作る事に決まった。
ーーその後のお茶会は女子会にもなる。
スノー王妃から竜人王様とのお惚気話から始まり、みんなの恋愛の話、村や街、王都での流行りのアクセサリーにお洋服。可愛い雑貨。そしてわたしとシーラン様との事を根掘り葉掘り聞かれることになった。もう、チャコちゃんなんて、テーブルに体を乗り出して聞いていたわ。
お茶会が始まって二時間くらい経った頃。訓練が終わった竜人王様が乱入して、スノー王妃を連れて行ってしまい、そこでお茶会は終了することになった。
スノー王妃は帰り際に「シャルロットちゃんに会えてたし楽しかったわ。また、みんなでお茶会をしましょうね。竜人王祭の衣装作りも楽しみにしているわ」と微笑んで竜人王様と並んで帰って行かれてた。
お茶会の後片付けは王妃様専属のメイド達に任せてもいいとの事で、残ったお茶菓子を分けて、チャコちゃん達と次に会う約束を交わして別れた。
マリーと部屋に戻る途中。まだ、うきうきした気分が抜けない。
「ねぇマリー、お茶会とても楽しかったね」
「ええ、お嬢様。楽しいお茶会でした」
その日の夕食の席で、シーラン様達にお茶会で話した竜人王祭の事、城で部屋を借りてみんなで衣装を作る事などを話をした。
みんなは笑い面白そうだと、竜人王祭に参加する事になった。
♢
次の日、わたしは朝早く水龍様の森で、青桜の木を見上げていた。
「今日も綺麗に花を咲かせているわ」
わたしの一日の始まりは青桜の花のチェックから始まる。青桜は昔見た淡いピンクの桜とは違い「一ヶ月近くは花が咲く」と、少し前にアオさんと花を摘みに来た、お師匠様が教えてくれた。
それにここは水龍様の池の近くだから、しばらくは花が咲いているかもしれないとも仰っていたし、青桜の特効薬も順調だと聞いた。
(その特効薬が、みんなの幸せに繋がりますように)
祈るような思いを乗せて、木の周りを回り、満開に咲く青花を見上げた。
「今頃シーラン様達は訓練の真っ最中かな?」
今朝、部屋を出るときに今日はコッホ騎士団長が加わり、魔法防御を習うと言っていた。その訓練が終わったら魔法協会に集まり、みんなでチシャの葉の採取に森での昼食。その後は図鑑を見たり、ルーン文字の勉強会をする予定だ。
「シャルちゃん、終わった?」
森の奥から手に書類とホウキを持ち現れたラーロさん。
この前、花見の席で何者かの侵入があり、アル様はラーロさんと魔法教会の人とで、森の外側に侵入防止の魔法を二重に強化した。
ラーロさんはそれのチェックに、水龍の森に毎朝行くと言うので、頼んでホウキで連れて来てもらっている。
「はい、青桜の花のチェックは終わりました」
「じゃー、アル様に送るからこれに書いて」
渡された書類に記入して渡すと、ラーロさんはアル様の所に送った。それが終わり、胸元から懐中時計を出して、時間の確認をする。
「シャルちゃん、協会に戻るには…まだ少し時間があるけど、どうする?」
ラーロさんに時間がある、と言うことは!
「魔法の訓練をお願いします!」
「そう言うと思ったよ。では始めるとしようか」
いつもの回復魔法に加えて、今日は青桜の木に優しい雨を降らせる。魔力調整やイメージの訓練だ。わたしの魔法詠唱から、雨粒の大きさを見て大きく頷いた。
「雨のイメージが更に上手くなったね」
ラーロさんからお褒めの言葉もらえた。シーラン様達と共に行った、魔力訓練の成果が出たわ。
「この調子なら、ホウキに乗る訓練を再開しても良さそうだ」
「ほんと⁉︎」
やった! ホウキに乗る訓練が出来る。もし乗れる様になったら、ここにも森にもホウキで飛んで行ける。
今度こそはなんとしても、乗れる様になりたいわね。
「しばらくは忙しいけど、時間が取れたら連絡をするよ」
と、ラーロさんが言った。
♢
魔法協会に戻る時間になり、ラーロさんのホウキで飛んで戻って来た。
「シャルちゃん、またね」
「ありがとうございました、ラーロさん」
協会の前でラーロさんと別れて、わたしはみんなとの待ち合わせの、癒やしの木の下に向かった。
「シーラン様、リズ様、リオさーん!」
木の下で寛ぐ彼らに声を掛けると、立ち上がって迎えてくれた。
「シャルロット嬢! マリーさんにお昼を作ってもらって来たよ」
「シャルロットちゃん早くお昼にしよう、お腹すいたよー!」
「シャルロット様、青桜の確認お疲れ様です」
「みんなも訓練、お疲れさま」
みんなに会釈をして、その後に見上げお腹をさする。
「わたしも、お腹ペコペコだわ。早く森でご飯にしましょう」
シーラン様は「そうだな」と笑い、持っていたバスケットをリオさんに渡した。
「では、行こうかシャルロット嬢!」
「え、うわぁっ、シ、シーラン様⁉︎」
わたしの手を引き寄せ抱きかかえた、シーラン様は空高く飛んだのだ。
(ま、魔法で転送しないの?)
それに続きリズ様とリオさんも空高く飛ぶ。
彼は笑い、わたしにこう言った。
「さぁ、暫しの空の散歩を楽しもうか。シャルロット」
(空の散歩か……素敵!)
「はい、シーラン様!」
最近、鍛えてたくましくなった彼の腕の中で、空の散歩を楽しむのだった。
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