51 / 171
第一章
48話
しおりを挟む
「ママもだけど、ミタリア様も綺麗」
笑った顔がキラキラしていた。
「フフ、エルバちゃん、嬉しいことを言ってくれるわね。羨ましい……タスクとカルデアみたいにわたくしも早く子供が欲しい、子育てしてみたい」
ミネルバ様はサタ様と一緒に、お酒と肉にかぶりつく、エバァさんを見た。見られたエバァさんは困った表情で。
「ミネルバちゃん~難しいこと言わない。子供は欲しいけど、こればかりは神に願って、叶わないと授からないよね~」
魔女と魔族の子供は神に願わないと生まれない。
ここ魔法都市サングリアで亜人の子供達をはぶくと。魔女、魔法使い、パパ達魔族の子供は私しかいない。
結婚している人もパパとママ、ミネルバ様の様とすくない――ミネルバ様は庭に膝を折り願った。
「神様、わたくし毎日頑張っています。わたくしのところにも可愛い子供が『時渡り』してきて欲しい……」
真剣に願うミネルバ様の隣にママが膝を突く。
「大丈夫よ、ミネルバ。毎日、神に願えばきっと願いは叶えてくれる、私たちのときのように……ねぇ、タクス」
「そうだな、カルデア――あの日は喜びと、嬉しさ、驚きで、胸が張り裂けそうだった」
「あの日は一晩中、2人で大泣きしたわね」
パパとママ、みんなの話を聞いてわかる。
彼らは私が時渡りをして、2人の元にきたことを知っている。
「カルデア、子供を授かるときって、どんな奇跡なことが起こるの?」
「それはね。タクスと一緒に『願いごとが叶う』夜空の流れ星に、私たちの子供が欲しいと願った……けして、叶わない夢だと思っていたけど、諦めれなかった。あの日、願ったとき流れ星がまばゆく光り、その星のカケラが私達を照らしたの――その、3ヶ月後に私は子供を授かったわ」
「奇跡だった。俺たちの宝物エルバだ」
「時渡りか――ワタシが生まれる前に一度あったと古文書に書かれておった。不思議な力を持ち、人と魔族、あらゆる種族を区別することなく優しく接し……いたわったと」
「僕もその古文書を読みました。とても素敵な人だったようです」
大昔に私のほかにも『時渡り』した人がいるんだ。
その人もこの世界を思い存分楽しんだのかな。
私も伝えてしまおう。
「パパ、ママ、サタ様、アール君、みなさんは私が『時渡り』をしてきたと知っているんですね。そうです、私には前世の記憶があります」
大丈夫、みんななら――話してもみんなは受け入れてくれる。
「こことは違う日本という国で、神様の弟子が運転していた軽トラキャンピングカーと接触して……ガードレールを飛び出たとき……願ったんです。『優しい両親、自然とふれあい、のんびりキャンプがしたい』と……神様は私の願いを叶えてくれました。パパ、ママの子供として生まれてこれて嬉しい! パパとママ大好き!」
2人は私にむけ手を広げた、その胸に飛びついた。
優しく、暖かい。
これは前世もらえなかった暖かさだった。
「うむ、ワタシもエルバの不思議な力を見るのは楽しい。これからも遠慮せず、その力をワタシに見せてほしい」
「僕もエルバ様のおもしろいスキル好きです。昨日はいった露天風呂はとても面白く、気持ちがよかった……また入りたいです」
「白く、臭い、熱い湯だな。あれはじつに気持ちがよかった――体をほぐし、疲れもとれる」
「「ろ、露天風呂? 臭いお湯?」」
みんなはサタ様とアール君が話す、露天風呂にくいついた。
笑った顔がキラキラしていた。
「フフ、エルバちゃん、嬉しいことを言ってくれるわね。羨ましい……タスクとカルデアみたいにわたくしも早く子供が欲しい、子育てしてみたい」
ミネルバ様はサタ様と一緒に、お酒と肉にかぶりつく、エバァさんを見た。見られたエバァさんは困った表情で。
「ミネルバちゃん~難しいこと言わない。子供は欲しいけど、こればかりは神に願って、叶わないと授からないよね~」
魔女と魔族の子供は神に願わないと生まれない。
ここ魔法都市サングリアで亜人の子供達をはぶくと。魔女、魔法使い、パパ達魔族の子供は私しかいない。
結婚している人もパパとママ、ミネルバ様の様とすくない――ミネルバ様は庭に膝を折り願った。
「神様、わたくし毎日頑張っています。わたくしのところにも可愛い子供が『時渡り』してきて欲しい……」
真剣に願うミネルバ様の隣にママが膝を突く。
「大丈夫よ、ミネルバ。毎日、神に願えばきっと願いは叶えてくれる、私たちのときのように……ねぇ、タクス」
「そうだな、カルデア――あの日は喜びと、嬉しさ、驚きで、胸が張り裂けそうだった」
「あの日は一晩中、2人で大泣きしたわね」
パパとママ、みんなの話を聞いてわかる。
彼らは私が時渡りをして、2人の元にきたことを知っている。
「カルデア、子供を授かるときって、どんな奇跡なことが起こるの?」
「それはね。タクスと一緒に『願いごとが叶う』夜空の流れ星に、私たちの子供が欲しいと願った……けして、叶わない夢だと思っていたけど、諦めれなかった。あの日、願ったとき流れ星がまばゆく光り、その星のカケラが私達を照らしたの――その、3ヶ月後に私は子供を授かったわ」
「奇跡だった。俺たちの宝物エルバだ」
「時渡りか――ワタシが生まれる前に一度あったと古文書に書かれておった。不思議な力を持ち、人と魔族、あらゆる種族を区別することなく優しく接し……いたわったと」
「僕もその古文書を読みました。とても素敵な人だったようです」
大昔に私のほかにも『時渡り』した人がいるんだ。
その人もこの世界を思い存分楽しんだのかな。
私も伝えてしまおう。
「パパ、ママ、サタ様、アール君、みなさんは私が『時渡り』をしてきたと知っているんですね。そうです、私には前世の記憶があります」
大丈夫、みんななら――話してもみんなは受け入れてくれる。
「こことは違う日本という国で、神様の弟子が運転していた軽トラキャンピングカーと接触して……ガードレールを飛び出たとき……願ったんです。『優しい両親、自然とふれあい、のんびりキャンプがしたい』と……神様は私の願いを叶えてくれました。パパ、ママの子供として生まれてこれて嬉しい! パパとママ大好き!」
2人は私にむけ手を広げた、その胸に飛びついた。
優しく、暖かい。
これは前世もらえなかった暖かさだった。
「うむ、ワタシもエルバの不思議な力を見るのは楽しい。これからも遠慮せず、その力をワタシに見せてほしい」
「僕もエルバ様のおもしろいスキル好きです。昨日はいった露天風呂はとても面白く、気持ちがよかった……また入りたいです」
「白く、臭い、熱い湯だな。あれはじつに気持ちがよかった――体をほぐし、疲れもとれる」
「「ろ、露天風呂? 臭いお湯?」」
みんなはサタ様とアール君が話す、露天風呂にくいついた。
120
あなたにおすすめの小説
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
【完結】 学園の聖女様はわたしを悪役令嬢にしたいようです
はくら(仮名)
ファンタジー
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にて掲載しています。
とある国のお話。
※
不定期更新。
本文は三人称文体です。
同作者の他作品との関連性はありません。
推敲せずに投稿しているので、おかしな箇所が多々あるかもしれません。
比較的短めに完結させる予定です。
※
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」
チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。
だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。
魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。
だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。
追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。
訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。
そして助けた少女は、実は王国の姫!?
「もう面倒ごとはごめんだ」
そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる