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第一章
54話
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都市に戻った鬼人の方はヌヌの話すことがわかったが、人からすると遠吠え、威嚇にしか聞こえない。捕まったヌヌの首には太い鉄製の首輪がつけられていた。
ヌヌが吠えた後、その首輪から電撃が流れヌヌは気絶しなかったものの、丸くなって動かなくなり。ただ涙をポロポロ流し『痛いっす。おれっち、サタナス様に止められているから、人間なんて襲ってないのに』と鳴いていた。
人間はそんなヌヌを見て声高々に笑い『流石は勇者様の末裔シャルル殿下が作った魔導具だ』『この前なんか凶暴なビッグベアを、一瞬で気絶させていたな』と鬼神族の方はパパに話した。
❀
「サタナス様、サタナス様、大変だぁ!!」
この話を聞いたパパは門番の仕事を早めに交代してもらい、急いで家に帰ってきた。
「どうした、タスク。そんなに慌てて?」
「サ、サタナス様……ハァ、ハァ、魔犬ヌヌが人間に捕まった。先程、人里から戻った鬼人族の方が魔法都市の門で、そう話されました」
「なに? ヌヌが人間に捕まった?」
このときの私達は食卓で、デンプン粉で作った、試作のプリンをまったり食卓で食べていた。もちろんパパの分は残してある。
アール君は眉をひそめ。
「ヌヌの奴……人里に行っていましたか。僕があれほど『人里は危険だからやめた方がいい』と伝えたのに。ヌヌは嫌だ! サタ様を探すと走っていきました……止めることができず、すみません」
「いいや、アールが謝ることではない。ヌヌは自分で決めて行動した。……まったく、ヌヌはワタシがどこにいるのかもわからず、やみくもに人里を駆け回り……人に捕まったのだな」
「ヌヌはサタナス様命で、サタナス様が大、大、大大好きな奴ですから仕方がありません。サタナス様、鬼人族の方の話ではアルクス王都にある学園で、生徒たちの魔法訓練に使われるとも聞きました」
「魔法訓練? まあ、ヌヌは人間なんかに負けはせぬ、大丈夫だろう」
(ちょっと待って、アルクス王都の学園? その学園って、勇者の末裔、聖女、魔王が通うドキパラ学園のことじゃない?)
実際にその名前の学園かは、そこに行ってみないと分からないけど……小説ではそんな名前の学園だった。
私は手をあげて立ち上がった。
「はい! 話の途中ですがみんなに話があります。その魔犬ヌヌ君が捕まった学園に……勇者の末裔、聖女、新魔王様が通っていると言ったらどうしますか?」
「「はあ?」」
みんなの瞳がいっきに私に向いた。
あの小説の内容の通り、サタ様はシュノーク古城に囚われていたのだから、これはもしもの話ではない。
パパがサタ様に。
「エルバの話も一理あります。鬼人族の方も勇者の末裔シャルル殿下が作った魔導具だと言っていと聞いた……ヌヌが危ないのでは?」
「うむ……ヌヌが捕まった学園に勇者の末裔と新魔王がいると言うのか……それはまずい。一番まずいのは勇者、魔王ではなく、シュノーク古城にいた……聖女だな」
「はい、ぶき……いいえ、変わった性格の女性でしたものね」
アール君、いま不気味な女性と言おうとしたね。
あのアマリアって子は、怖いくらいサタ様に執着していた。
「フウッ、あの不気味な女性には会いたくないが……ワタシを探しに出て人間に捕まった、ヌヌを助けにアルクスの王都へ行かなくてはなるまい」
「サタ様が行くというのなら、僕もお供いたします」
「サタ様、アール君……」
使い魔の2人がヌヌを探しに王都へ行くと言った以上、私も行くしかない。だけど、魔法都市サングリアからアルクスの王都まではかなりの距離。
しっかり長旅の準備をしなくては。
ヌヌが吠えた後、その首輪から電撃が流れヌヌは気絶しなかったものの、丸くなって動かなくなり。ただ涙をポロポロ流し『痛いっす。おれっち、サタナス様に止められているから、人間なんて襲ってないのに』と鳴いていた。
人間はそんなヌヌを見て声高々に笑い『流石は勇者様の末裔シャルル殿下が作った魔導具だ』『この前なんか凶暴なビッグベアを、一瞬で気絶させていたな』と鬼神族の方はパパに話した。
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「サタナス様、サタナス様、大変だぁ!!」
この話を聞いたパパは門番の仕事を早めに交代してもらい、急いで家に帰ってきた。
「どうした、タスク。そんなに慌てて?」
「サ、サタナス様……ハァ、ハァ、魔犬ヌヌが人間に捕まった。先程、人里から戻った鬼人族の方が魔法都市の門で、そう話されました」
「なに? ヌヌが人間に捕まった?」
このときの私達は食卓で、デンプン粉で作った、試作のプリンをまったり食卓で食べていた。もちろんパパの分は残してある。
アール君は眉をひそめ。
「ヌヌの奴……人里に行っていましたか。僕があれほど『人里は危険だからやめた方がいい』と伝えたのに。ヌヌは嫌だ! サタ様を探すと走っていきました……止めることができず、すみません」
「いいや、アールが謝ることではない。ヌヌは自分で決めて行動した。……まったく、ヌヌはワタシがどこにいるのかもわからず、やみくもに人里を駆け回り……人に捕まったのだな」
「ヌヌはサタナス様命で、サタナス様が大、大、大大好きな奴ですから仕方がありません。サタナス様、鬼人族の方の話ではアルクス王都にある学園で、生徒たちの魔法訓練に使われるとも聞きました」
「魔法訓練? まあ、ヌヌは人間なんかに負けはせぬ、大丈夫だろう」
(ちょっと待って、アルクス王都の学園? その学園って、勇者の末裔、聖女、魔王が通うドキパラ学園のことじゃない?)
実際にその名前の学園かは、そこに行ってみないと分からないけど……小説ではそんな名前の学園だった。
私は手をあげて立ち上がった。
「はい! 話の途中ですがみんなに話があります。その魔犬ヌヌ君が捕まった学園に……勇者の末裔、聖女、新魔王様が通っていると言ったらどうしますか?」
「「はあ?」」
みんなの瞳がいっきに私に向いた。
あの小説の内容の通り、サタ様はシュノーク古城に囚われていたのだから、これはもしもの話ではない。
パパがサタ様に。
「エルバの話も一理あります。鬼人族の方も勇者の末裔シャルル殿下が作った魔導具だと言っていと聞いた……ヌヌが危ないのでは?」
「うむ……ヌヌが捕まった学園に勇者の末裔と新魔王がいると言うのか……それはまずい。一番まずいのは勇者、魔王ではなく、シュノーク古城にいた……聖女だな」
「はい、ぶき……いいえ、変わった性格の女性でしたものね」
アール君、いま不気味な女性と言おうとしたね。
あのアマリアって子は、怖いくらいサタ様に執着していた。
「フウッ、あの不気味な女性には会いたくないが……ワタシを探しに出て人間に捕まった、ヌヌを助けにアルクスの王都へ行かなくてはなるまい」
「サタ様が行くというのなら、僕もお供いたします」
「サタ様、アール君……」
使い魔の2人がヌヌを探しに王都へ行くと言った以上、私も行くしかない。だけど、魔法都市サングリアからアルクスの王都まではかなりの距離。
しっかり長旅の準備をしなくては。
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