野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ

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第二章

28話

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 冒険者ギルドの受付に向かった。王都の冒険者ギルドの受付けは討伐クエストと、採取クエストに分かれていた。

「こんにちは、このクエストを受けたいのですが」
「はい。こんにちは、初めにギルドカードを出してください」

「分かりました」

 受付けのお姉さんにギルドカードを見せて、Fランクで開けれる、コロ草の採取クエストを出した。そしてカルア草のクエストを出すと、受付のお姉さんは困った表情をした。

(この子、自分のランク以上のクエストを持って来たと、思ったのだろうな)

 分かっている、カルア草の採取クエストはAランクしか受けれないクエスト。しかし、カルア草は毒草だ。ギルドスタッフたちが毒草だと分かっていて、クエストを貼っているなら、ごめんなさいと謝ればいい。

 もし、間違えてクエストを張ってしまっているのなら……伝えなくてはならない。毒草は触るだけでかぶれたり、毒が手に付き……もし、間違えて口に入ってしまったら、解毒薬が必要になる。

 私のように毒耐性がないと。
 一歩間違えれば、命が危なくなる。

 まあ、Aランクといったら、高いランクだから知っているだろうし、採取の仕方と解毒薬は持っていると思う。

 一応、心配で聞いてみる事にした。

「すみません、このクエストはAランクの冒険者しか、受けれないクエストです」

「はい、分かっています。このカルア草が毒草だと、知っているのか聞きたかったんです」

「え? カルア草が毒草ですか? すみません、調べさせていただきます」

 お姉さんはクエストの紙を持って、慌てて奥に入って行った。まさかね……知らずにクエストを張っていたのかな?

《エルバ様》

 博士?
 どうしたの?
 
《エルバ様はまだ発見していませんが。カルミア草という、カルア草に似ている、白い花を咲かせる薬草があります。効能は今は伝えることはできませんが、毒草ではありません》

 カルミア草? カルア草に似た薬草があるんだ。
 教えてくれてありがとう、博士。

 博士が似てるって言っていたし。
 カルミア草と間違えたのかな?

「冒険者の方、すみません」

 お姉さんがこちらに走ってくる。その様子にサタ様とアール君が、何かあったのかとやって来た。その2人に説明すると、そうかと……ため息をついた。

「分かったのですか?」

「はい、カルア草の採取クエストは――特殊指定の採取クエスト……普通の掲示板に貼れる、クエストではありませんでした」

 特殊指定クエスト?
 毒草だからかな?

「それとですね。どうして、Fランクのあなたが知っていたのか聞きたいので、奥の応接間に来ていただけませんか?」

 え、奥の応接間?
 私はサタ様とアール君を交互に見た。

「あ、お連れの方もご一緒でいいので、とにかく来てください」

 はい。と頷いてみんなで向かった。

 
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