モブの聖女に転生したのですが、18禁BL主人公を私が癒してもよろしいのですか?

矢間カオル

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1話 聖女のお仕事

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「聖女様、次はこちらに来てください。」
「はい。今すぐに行きます。」

私は呼ばれてすぐに駆けていき、聖女の仕事を続ける。

「今から治療を始めますから、服を脱いでください。」
「よろしくお願いします。」
騎士様は、ササっと服を脱いで、鍛え上げられた上腕筋を私に差し出す。



ここは、広い王城内にある神殿の救護室である。
毎日厳しい訓練で、打ち身やケガで治療が必要な騎士様に、私は癒しの治療をしているのだ。

差し出された騎士様の右腕上腕の青く内出血をしている患部に、私は両手をかざし「治れ治れ治れ・・・」と心に念じる。
すると、手のひらがぽうっと熱くなり、青くなっていた患部が徐々に元の色に戻っていく。

「終わりました。」と私がにっこり微笑むと、
「聖女様、本当にありがとうございます」と騎士様はすごく嬉しそうに礼を言ってくれるのだ。

ああ、何と言う幸せ・・・。

実は、私、この仕事、いえ、この世界に転生してきたのは四ケ月前のことで、それまでは、日本の、とある商社で働いていた25歳のごく平凡なOL、佐藤千代子だった。。

大学を卒業してからの三年間、馬車馬のように働かされ、働き方改革なんて、いったいどこの世界の話? と思えるような激務に超過勤務。

人手が足りない会社だったので、事務仕事にクレーム対応、果ては営業までやらされて、ほとほと疲れ果てているのに、誰もお礼なんて言ってくれない。

だから、この世界に来て、毎日とっても忙しいけれど、ありがとうの一言があるだけで、私はとっても幸せな気持ちになる。

でも、四ケ月前にこの世界に来たときは、何が何だかわけもわからず苦労したわ。



前世で疲れ果てた身体で、趣味で癒しのBL小説を読んでたら、急に意識が遠のいて・・・
目覚めたら侯爵家のベッドで寝ていたのだから、本当にびっくりよ。

見たことのない豪華な部屋に慌てふためき、鏡を見たら、ピンク髪にピンクの瞳で、とってもきれいな目鼻立ち。
前世の地味で目立たず、彼氏いない歴25年の私とは比べ物にならない美しさ。

もしかして・・・、これが俗に言う転生ってやつ? 

トラックにひかれたわけでもなく、不治の病で死んだわけでもない。
もしかして、過労死しちゃった? 

結局どうして転生したのかはわからなかったけど、帰れないんだったら、受け入れるしかない。

その後、侍女と名乗る若い娘ショコラが部屋に入って来たので詳しく聞いてみたら、私はマドレ侯爵家の長女で、名前はエクレ―ヌ。お兄様が一人いる。
年齢は18歳。二ケ月前の18歳の誕生日に、癒しの力が発動し、それ以降、聖女として神殿でお仕事をすることになったらしい。

この国では、癒しの力は神聖力と見なされ、他の魔法とは区別されているんだって。

で、転生してきたばかりの私なのに、そんなこと誰も知らないから、ショコラに聖女の白い制服を着せられて、星と太陽のマークみたいな首飾りをつけてくださいって言われたから、言われたとおりにした。

それから、馬車に乗せられて、当たり前のように神殿に連れていかれた。

私にとっては初めてのことばかりで、どうしていいのか戸惑っていたら、女性の神官様が迎えてくれた。

まあ、女性でも神官になれるのね・・・なんて感動していたら、神官様はこう言った。

「聖女様、それではいつものように、お祈りを捧げましょう」って・・・。

祈り方なんて知らないのに・・・
私はどうしていいのかわからず、本当に困ってしまった。




―――――――――――
 星の数ほどある小説の中から、本作品を見つけて読んでくださり、本当にありがとうございます。
 エクレーヌは、これから聖女として頑張っていきます。
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