1 / 59
1話 聖女のお仕事
しおりを挟む
「聖女様、次はこちらに来てください。」
「はい。今すぐに行きます。」
私は呼ばれてすぐに駆けていき、聖女の仕事を続ける。
「今から治療を始めますから、服を脱いでください。」
「よろしくお願いします。」
騎士様は、ササっと服を脱いで、鍛え上げられた上腕筋を私に差し出す。
ここは、広い王城内にある神殿の救護室である。
毎日厳しい訓練で、打ち身やケガで治療が必要な騎士様に、私は癒しの治療をしているのだ。
差し出された騎士様の右腕上腕の青く内出血をしている患部に、私は両手をかざし「治れ治れ治れ・・・」と心に念じる。
すると、手のひらがぽうっと熱くなり、青くなっていた患部が徐々に元の色に戻っていく。
「終わりました。」と私がにっこり微笑むと、
「聖女様、本当にありがとうございます」と騎士様はすごく嬉しそうに礼を言ってくれるのだ。
ああ、何と言う幸せ・・・。
実は、私、この仕事、いえ、この世界に転生してきたのは四ケ月前のことで、それまでは、日本の、とある商社で働いていた25歳のごく平凡なOL、佐藤千代子だった。。
大学を卒業してからの三年間、馬車馬のように働かされ、働き方改革なんて、いったいどこの世界の話? と思えるような激務に超過勤務。
人手が足りない会社だったので、事務仕事にクレーム対応、果ては営業までやらされて、ほとほと疲れ果てているのに、誰もお礼なんて言ってくれない。
だから、この世界に来て、毎日とっても忙しいけれど、ありがとうの一言があるだけで、私はとっても幸せな気持ちになる。
でも、四ケ月前にこの世界に来たときは、何が何だかわけもわからず苦労したわ。
前世で疲れ果てた身体で、趣味で癒しのBL小説を読んでたら、急に意識が遠のいて・・・
目覚めたら侯爵家のベッドで寝ていたのだから、本当にびっくりよ。
見たことのない豪華な部屋に慌てふためき、鏡を見たら、ピンク髪にピンクの瞳で、とってもきれいな目鼻立ち。
前世の地味で目立たず、彼氏いない歴25年の私とは比べ物にならない美しさ。
もしかして・・・、これが俗に言う転生ってやつ?
トラックにひかれたわけでもなく、不治の病で死んだわけでもない。
もしかして、過労死しちゃった?
結局どうして転生したのかはわからなかったけど、帰れないんだったら、受け入れるしかない。
その後、侍女と名乗る若い娘ショコラが部屋に入って来たので詳しく聞いてみたら、私はマドレ侯爵家の長女で、名前はエクレ―ヌ。お兄様が一人いる。
年齢は18歳。二ケ月前の18歳の誕生日に、癒しの力が発動し、それ以降、聖女として神殿でお仕事をすることになったらしい。
この国では、癒しの力は神聖力と見なされ、他の魔法とは区別されているんだって。
で、転生してきたばかりの私なのに、そんなこと誰も知らないから、ショコラに聖女の白い制服を着せられて、星と太陽のマークみたいな首飾りをつけてくださいって言われたから、言われたとおりにした。
それから、馬車に乗せられて、当たり前のように神殿に連れていかれた。
私にとっては初めてのことばかりで、どうしていいのか戸惑っていたら、女性の神官様が迎えてくれた。
まあ、女性でも神官になれるのね・・・なんて感動していたら、神官様はこう言った。
「聖女様、それではいつものように、お祈りを捧げましょう」って・・・。
祈り方なんて知らないのに・・・
私はどうしていいのかわからず、本当に困ってしまった。
―――――――――――
星の数ほどある小説の中から、本作品を見つけて読んでくださり、本当にありがとうございます。
エクレーヌは、これから聖女として頑張っていきます。
続きが気になりましたら、お気に入り登録、どうぞよろしくお願いいたします。
面白いと思っていただけたら、エール、いいねも、どうぞよろしくお願いいたします。とっても励みになります。
「はい。今すぐに行きます。」
私は呼ばれてすぐに駆けていき、聖女の仕事を続ける。
「今から治療を始めますから、服を脱いでください。」
「よろしくお願いします。」
騎士様は、ササっと服を脱いで、鍛え上げられた上腕筋を私に差し出す。
ここは、広い王城内にある神殿の救護室である。
毎日厳しい訓練で、打ち身やケガで治療が必要な騎士様に、私は癒しの治療をしているのだ。
差し出された騎士様の右腕上腕の青く内出血をしている患部に、私は両手をかざし「治れ治れ治れ・・・」と心に念じる。
すると、手のひらがぽうっと熱くなり、青くなっていた患部が徐々に元の色に戻っていく。
「終わりました。」と私がにっこり微笑むと、
「聖女様、本当にありがとうございます」と騎士様はすごく嬉しそうに礼を言ってくれるのだ。
ああ、何と言う幸せ・・・。
実は、私、この仕事、いえ、この世界に転生してきたのは四ケ月前のことで、それまでは、日本の、とある商社で働いていた25歳のごく平凡なOL、佐藤千代子だった。。
大学を卒業してからの三年間、馬車馬のように働かされ、働き方改革なんて、いったいどこの世界の話? と思えるような激務に超過勤務。
人手が足りない会社だったので、事務仕事にクレーム対応、果ては営業までやらされて、ほとほと疲れ果てているのに、誰もお礼なんて言ってくれない。
だから、この世界に来て、毎日とっても忙しいけれど、ありがとうの一言があるだけで、私はとっても幸せな気持ちになる。
でも、四ケ月前にこの世界に来たときは、何が何だかわけもわからず苦労したわ。
前世で疲れ果てた身体で、趣味で癒しのBL小説を読んでたら、急に意識が遠のいて・・・
目覚めたら侯爵家のベッドで寝ていたのだから、本当にびっくりよ。
見たことのない豪華な部屋に慌てふためき、鏡を見たら、ピンク髪にピンクの瞳で、とってもきれいな目鼻立ち。
前世の地味で目立たず、彼氏いない歴25年の私とは比べ物にならない美しさ。
もしかして・・・、これが俗に言う転生ってやつ?
トラックにひかれたわけでもなく、不治の病で死んだわけでもない。
もしかして、過労死しちゃった?
結局どうして転生したのかはわからなかったけど、帰れないんだったら、受け入れるしかない。
その後、侍女と名乗る若い娘ショコラが部屋に入って来たので詳しく聞いてみたら、私はマドレ侯爵家の長女で、名前はエクレ―ヌ。お兄様が一人いる。
年齢は18歳。二ケ月前の18歳の誕生日に、癒しの力が発動し、それ以降、聖女として神殿でお仕事をすることになったらしい。
この国では、癒しの力は神聖力と見なされ、他の魔法とは区別されているんだって。
で、転生してきたばかりの私なのに、そんなこと誰も知らないから、ショコラに聖女の白い制服を着せられて、星と太陽のマークみたいな首飾りをつけてくださいって言われたから、言われたとおりにした。
それから、馬車に乗せられて、当たり前のように神殿に連れていかれた。
私にとっては初めてのことばかりで、どうしていいのか戸惑っていたら、女性の神官様が迎えてくれた。
まあ、女性でも神官になれるのね・・・なんて感動していたら、神官様はこう言った。
「聖女様、それではいつものように、お祈りを捧げましょう」って・・・。
祈り方なんて知らないのに・・・
私はどうしていいのかわからず、本当に困ってしまった。
―――――――――――
星の数ほどある小説の中から、本作品を見つけて読んでくださり、本当にありがとうございます。
エクレーヌは、これから聖女として頑張っていきます。
続きが気になりましたら、お気に入り登録、どうぞよろしくお願いいたします。
面白いと思っていただけたら、エール、いいねも、どうぞよろしくお願いいたします。とっても励みになります。
53
あなたにおすすめの小説
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました
ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。
幼馴染の勇者に「魔王を倒して帰ってきたら何でもしてあげる」と言った結果
景華
恋愛
平和な村で毎日を過ごす村娘ステラ。
ある日ステラの長年の想い人である幼馴染であるリードが勇者として選ばれ、聖女、女剣士、女魔術師と共に魔王討伐に向かうことになる。
「俺……ステラと離れたくない」
そんなリードに、ステラは思わずこう告げる。
「そうだ‼ リードが帰ってきたら、私がリードのお願い、一つだけなんでも叶えてあげる‼」
そんなとっさにステラから飛び出た約束を胸に、リードは村を旅立つ。
それから半年、毎日リードの無事を祈り続けるステラのもとに、リードの史上最速での魔王城攻略の知らせが届く。
勇者一行はこれからたくさんの祝勝パーティに参加した後、故郷に凱旋するというが、それと同時に、パーティメンバーである聖女と女剣士、そして女魔術師の話も耳にすることになる。
戦いの昂りを鎮める役割も担うという三人は、戦いの後全員が重婚の認められた勇者の嫁になるということを知ったステラは思いを諦めようとするが、突然現れたリードは彼女に『ステラの身体《約束のお願い》』を迫って来て──?
誰がどう見ても両片思いな二人がお願いをきっかけに結ばれるまで──。
続・ド派手な髪の男にナンパされたらそのまま溺愛されました
かほなみり
恋愛
『ド派手な髪の男にナンパされたらそのまま溺愛されました』、『ド派手な髪の男がナンパしたら愛する女を手に入れました』の続編です。こちらをお読みいただいた方が分かりやすくなっています。ついに新婚生活を送ることになった二人の、思うようにいかない日々のお話です。
ハードモードな異世界で生き抜いてたら敵国の将軍に捕まったのですが
影原
恋愛
異世界転移しても誰にも助けられることなく、厳しい生活を送っていたルリ。ある日、治癒師の力に目覚めたら、聖堂に連れていかれ、さらには金にがめつい師によって、戦場に派遣されてしまう。
ああ、神様、お助けください! なんて信じていない神様に祈りを捧げながら兵士を治療していたら、あれこれあって敵国の将軍に捕まっちゃった話。
敵国の将軍×異世界転移してハードモードな日々を送る女
-------------------
続以降のあらすじ。
同じ日本から来たらしい聖女。そんな聖女と一緒に帰れるかもしれない、そんな希望を抱いたら、木っ端みじんに希望が砕け散り、予定調和的に囲い込まれるハードモード異世界話です。
前半は主人公視点、後半はダーリオ視点。
獅子の最愛〜獣人団長の執着〜
水無月瑠璃
恋愛
獅子の獣人ライアンは領地の森で魔物に襲われそうになっている女を助ける。助けた女は気を失ってしまい、邸へと連れて帰ることに。
目を覚ました彼女…リリは人化した獣人の男を前にすると様子がおかしくなるも顔が獅子のライアンは平気なようで抱きついて来る。
女嫌いなライアンだが何故かリリには抱きつかれても平気。
素性を明かさないリリを保護することにしたライアン。
謎の多いリリと初めての感情に戸惑うライアン、2人の行く末は…
ヒーローはずっとライオンの姿で人化はしません。
侯爵令嬢ヴェロニカの推し活~義弟の恋を応援していたはずが、最初から逃げ場はありませんでした~
春野ふぶき
恋愛
貴族の家督は男子のみが継げる世界。
侯爵家の一人娘ヴェロニカは、家を継ぐために迎えられた義弟ルートヴェルを、前世日本人の感覚で「推し」として崇拝していた。
容姿端麗で完璧な義弟には、いずれふさわしい伴侶が現れる。
そう信じ、彼の恋を応援し続けるヴェロニカは、自分が選ばれる未来など想像もしない。
しかし彼女の献身は、義弟の静かな執着と独占欲を確実に育てていた。
「姉上は、最初から僕のものですよ」
勘違いに気づいた時には、すでに逃げ道は閉ざされている。
甘く、重く、逃がさない――義弟の歪んだ執着に囚われるTL短編。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる