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7話 神託
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その後、馬車は病院に着いたけれど、私が途中で男の子を助けたことが病院にも伝わっていたらしく、遅れたことを非難する人はいなかった。
かえって、余計に申し訳ない気持ちになって、それなら一生懸命にお仕事して挽回したいと思った。
本日の依頼内容は、痛みの除去だった。
腕を骨折した人が、治ったのは良いものの、毎日痛くて困っている。
痛み止めの薬を飲んでも効かないらしい。
私は痛みの箇所に手をかざした。
手のひらがぽうっと熱くなり、患部に神聖力が流れ込み、痛みが癒されていることを実感する。
自分の感覚が、以前よりも研ぎ澄まされていることがわかる。
―終わったよ― と身体が教えてくれるのも、いつもより早くなった。
「終わりました。」
私が治療の終わりを告げると、患者は涙を流して喜んでくれた。
「聖女様、毎日痛くてたまらなかったのに、もう痛くありません。本当にありがとうございました。」
患者が喜んでくれると、私もとても嬉しい。
今日は特に、神聖力の流れを感じることができた。
さっき、男の子を助けたことで、神聖力の流れという感覚をつかむことができたみたい。
これは私にとって、大きな収穫だった。
だって、もうすぐあの事件が起こるから・・・・。
モブで小説に一行しか出なかった聖女でも、役に立つことがあるかもしれない。
あれから一週間後、私が神殿で祈りを捧げていると、唐突にその日がやって来た。
副騎士団長のクリード様が、珍しく慌てて神殿に入って来た。
「大変です。悪竜が村を襲っていると連絡が入りました。今から騎士団は村の救出に向かいます。」
そう、これが『竜トワ』の始まり。
騎士団長のシューク様は炎の魔法、クリード様は水の魔法を使うけれど、竜にはそれが効かなくて、とても苦戦することになっている。
それで焦って皆を守るためにムチャした騎士団長のシューク様が、竜の呪いにかかってしまうのだ。
幼馴染であり、親友でもあり、良きライバルでもあるクリード様は、なんとかシューク様を救おうとしているうちに、自分に癒しの力があることに気付く。
しかもそれは、シューク様にだけ効果がある癒しの力・・・。
そしてシューク様の呪いを癒しているうちに、お互いが実は愛し合っていることに気付き、深い愛欲の世界に溺れて行くのだ。
これが小説の内容なんだけれど、たとえ小説であっても、実際に目の前で生きている誰かが呪いにかかって苦しむ姿は見たくない。
シューク様とクリード様が運命の相手なら、呪いにかからなくたって、きっと深い愛で結ばれるはず・・・。
私の知識を助言したっていいわよね。
「クリード様、竜には炎の魔法も水の魔法も効きません。竜の額に水晶玉がついています。それを剣で突き壊せば倒すことができます。それから、絶対に竜の血を浴びないでください。」
「聖女様、どうしてそんなことを知っているのですか?」
クリード様は驚いた顔で、私を見つめた。
「えっ、あの・・・、神様からの神託があったのです。」
苦し紛れに嘘をついたが、クリード様は私の神託を信じてくれた。
「わかった。ありがとう。シュークにも伝えておこう。」
「あの、私は行かなくても良いのですか?」
「いや、これからここに、村人や騎士のけが人が運ばれて来ることになる。だから、聖女様はここで準備をしていてください。」
「わかりました。ご武運をお祈りしております。」
クリード様は顔を引き締め、颯爽と神殿を出て行った。
かえって、余計に申し訳ない気持ちになって、それなら一生懸命にお仕事して挽回したいと思った。
本日の依頼内容は、痛みの除去だった。
腕を骨折した人が、治ったのは良いものの、毎日痛くて困っている。
痛み止めの薬を飲んでも効かないらしい。
私は痛みの箇所に手をかざした。
手のひらがぽうっと熱くなり、患部に神聖力が流れ込み、痛みが癒されていることを実感する。
自分の感覚が、以前よりも研ぎ澄まされていることがわかる。
―終わったよ― と身体が教えてくれるのも、いつもより早くなった。
「終わりました。」
私が治療の終わりを告げると、患者は涙を流して喜んでくれた。
「聖女様、毎日痛くてたまらなかったのに、もう痛くありません。本当にありがとうございました。」
患者が喜んでくれると、私もとても嬉しい。
今日は特に、神聖力の流れを感じることができた。
さっき、男の子を助けたことで、神聖力の流れという感覚をつかむことができたみたい。
これは私にとって、大きな収穫だった。
だって、もうすぐあの事件が起こるから・・・・。
モブで小説に一行しか出なかった聖女でも、役に立つことがあるかもしれない。
あれから一週間後、私が神殿で祈りを捧げていると、唐突にその日がやって来た。
副騎士団長のクリード様が、珍しく慌てて神殿に入って来た。
「大変です。悪竜が村を襲っていると連絡が入りました。今から騎士団は村の救出に向かいます。」
そう、これが『竜トワ』の始まり。
騎士団長のシューク様は炎の魔法、クリード様は水の魔法を使うけれど、竜にはそれが効かなくて、とても苦戦することになっている。
それで焦って皆を守るためにムチャした騎士団長のシューク様が、竜の呪いにかかってしまうのだ。
幼馴染であり、親友でもあり、良きライバルでもあるクリード様は、なんとかシューク様を救おうとしているうちに、自分に癒しの力があることに気付く。
しかもそれは、シューク様にだけ効果がある癒しの力・・・。
そしてシューク様の呪いを癒しているうちに、お互いが実は愛し合っていることに気付き、深い愛欲の世界に溺れて行くのだ。
これが小説の内容なんだけれど、たとえ小説であっても、実際に目の前で生きている誰かが呪いにかかって苦しむ姿は見たくない。
シューク様とクリード様が運命の相手なら、呪いにかからなくたって、きっと深い愛で結ばれるはず・・・。
私の知識を助言したっていいわよね。
「クリード様、竜には炎の魔法も水の魔法も効きません。竜の額に水晶玉がついています。それを剣で突き壊せば倒すことができます。それから、絶対に竜の血を浴びないでください。」
「聖女様、どうしてそんなことを知っているのですか?」
クリード様は驚いた顔で、私を見つめた。
「えっ、あの・・・、神様からの神託があったのです。」
苦し紛れに嘘をついたが、クリード様は私の神託を信じてくれた。
「わかった。ありがとう。シュークにも伝えておこう。」
「あの、私は行かなくても良いのですか?」
「いや、これからここに、村人や騎士のけが人が運ばれて来ることになる。だから、聖女様はここで準備をしていてください。」
「わかりました。ご武運をお祈りしております。」
クリード様は顔を引き締め、颯爽と神殿を出て行った。
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