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52話 罪
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「フランツの殺害容疑ですって?」
あまりにも身に覚えが有りすぎる内容であったが、ここで認めるわけにはいかない。
「いったい、何を根拠にそんなことを言ってらっしゃるのかしら。」
あくまでもシラを切りとおそうとしたのだが、署長にそれは通じなかった。
「そのことについては、署でお話しいたします。」
署長は、メリッサに丁寧な言葉で伝えた後、恐ろしく冷たい雰囲気に変わって部下に言った。
「連れて行け!」
アーサーもジェフも、初めはシャロン侯爵とオルトマン伯爵を捕まえることはできても、メリッサにまでその手を伸ばすことができるとは思っていなかった。
だが、状況は思わぬ方向に変わった。
フランツの葬儀の後、エリオットがアーサーを訪ねてきたのだ。
エリオットは、大事な話だから二人だけで話したいと言う。
フランツの葬儀は身内だけでひっそりと行われ、アーサーは参列していない。
殺人未遂の罪人であるフランツを、たとえ友人であっても王族であるアーサーが見送ることはできなかった。
そのことで文句でも言われるのかと思っていたのだが、違った。
「フランツはあんな奴だけど、俺にとっては大切な友人だったんだ。だから、友人である殿下にもどうしても聞いて欲しくて・・・」
エリオットはおずおずと冷や汗をハンカチで拭きながら話し始めた。
フランツはジェフとローズをおびき寄せるための手紙を書いたが、それはメリッサのアイディアである。
そもそもあの洞窟のことをフランツはまったく知らなかった。
洞窟を使ってジェフとローズをこの世から消してしまおうと提案したのもメリッサだったのだ。
フランツは実行前に、何故かわからないが、エリオットに全てを話した。
話を聞いたエリオットは、フランツを止めたが無駄だった。
だが、誰かに相談する勇気もなかった。
もしエリオットの口からバレたことが知られたら、次は自分が殺されると思ったからである。
エリオットは恐くて恐くてしかたがなかった。
どうか、フランツが思いとどまりますようにと切に願った。
だが、結果はジェフとローズは助かり、フランツは死んでしまった。
葬儀の日、メリッサに会ったが、メリッサから反省の気持ちなど微塵も感じられなかった。
自分でけし掛け、フランツを死に追いやったくせに、全てをフランツのせいにするなんて、酷い、許せないと思った。
そして、こんな女のために死んでしまったフランツが、哀れで悲しくてしかたがなかった。
何故、二人を消す計画を俺に話すのかと疑問に思っていたのだが、今から思えば、フランツは心のどこかで、自分も消されるかもしれないと感じていたのではないだろうか・・・。
そう思うと、いてもたってもいられなくなってしまった。
だからこうして、全てを話しに来たのだと、エリオットは言った。
エリオットの証言だけでなく、もう一つ大きな決め手になったのは、洞窟に爆薬を投げ込んだ男の逮捕だった。
ジェフが洞窟を出た際にちらりと見た男と、船上でローズを掴もうとした男は同一人物であった。
見る者すべてのデータを保存しているジェフだからこそ、見つけることができたのだ。
逮捕後すぐに尋問すると、男はメリッサに頼まれてやったと白状した。
エリオットと、この男の証言により、メリッサの罪が明らかになったのである。
シャロン侯爵家とオルトマン伯爵家の騒動は、町中の人が知るところとなり、人々の話題はこの事件でもちきりになった。
特に、賭博場で薬物を使用し、ぼろ儲けをしていた事実が発覚したことは、大センセーショナルな話題で、皆口々にシャロン侯爵とオルトマン伯爵を非難した。
賭博場で不法薬物が使用されていたことが広まったお陰で、かねてから謎とされた獄中毒殺事件の犯人が自首してきた。
犯人は、警察署内の清掃を担当している平凡な掃除婦である。
夫が賭博でこさえた借金で一家心中も考えていたところを、シャロン侯爵によって助けられた過去を持つ。
シャロン侯爵には感謝の思いがあり、何を頼まれても嫌と言えない立場にあった。
「本当に私は何も知らされていなかったのです。メリッサお嬢様に、この薬を牢屋の中に投げ込むだけでいいって言われて、しかたなく、言われた通りにしただけなんです。まさかそれで死んでしまうなんて、本当に本当に知らなかったんです。でも、うちの主人が賭博にのめり込んだのは、シャロン侯爵のせいだったんですよね。そんなことも知らずに感謝なんかして・・・。それが悔しくて悔しくて・・・」
婦人は涙を流しながら語った。
これでメリッサの罪が、また一つ加算された。
メリッサに渡されたという薬を、婦人の証言をもとに絵にすると、直径五ミリくらいの丸く平べったい薬であることがわかった。
それを元に家宅捜索をすると、シャロン侯爵邸では隠し戸棚の中に、オルトマン伯爵邸では隠し引き出しの中に、その薬は隠されていた。
見た目はまったく同じ薬が入っているビンが二つあり、一つには毒、もう一つには薬と書かれていた。
薬漬けで中毒にされてしまった者ならば、同じ形状のものが落ちていたら、それを毒とは思わずに喜んで口に入れるのだろう。
現にローズを襲った犯人は、掃除婦が投げ入れた毒を薬物だと思い込んで拾って食べたのだから。
屋敷中をくまなく探したおかげで、オルトマン伯爵家の隠し地下牢から薬物中毒患者が二人見つかった。
どちらも既に正気を失っており、自分を王だと思い込んでいる。
薬欲しさに殺人でも何でもやってのける惨めな王であるのだが・・・。
ローズとスザンヌを巻き込んだ事件の犯人と、それに関わった者たちは捕まり、連日厳しい取り調べが行われた。
シャロン侯爵は二人を攫った理由を聞かれると、スザンヌが隣国の王女であることは言わずに「あの二人が邪魔だったからだ」と答えた。
隣国の王女を殺そうとしたことがばれると、もっと罪が重くなると考えたからである。
メリッサは、動機については黙秘を続けた。
男爵令嬢ごときに嫉妬したなどと思われることは、彼女のプライドが許さなかった。
スザンヌが王女であることも言わなかった。
スザンヌが、本当の身分を公表する気がないのなら、男爵令嬢のままでいたらいい、王女であることを何も私が広める必要はない・・・そう考えてのことだった。
この事件に関与した者たちの裁判はこれから始まるが、シャロン侯爵とオルトマン伯爵においては、おそらく爵位剥奪、領地没収、財産をほぼ失うほどの高額な罰金は免れないであろう。
終身刑になるのか、死刑になるのかは、裁判の流れ次第である。
メリッサにおいては、二人も殺害しているのだ。
裁判の結果を待たなくても、命をもってその罪を償うことになるだろうと誰もが思った。
事件が落ち着き始めたころ、スザンヌがローズを訪ねてきた。
いつもローズが孤児院に会いに行ってたので、スザンヌがクレマリー伯爵家に来るのは舞踏会の日以来のことである。
ローズは美味しいお茶とお菓子でもてなす。
「スザンヌが会いに来てくれて嬉しいわ。どう?少しは落ち着いた?」
ローズが心配して尋ねた。
「ええ、なんとか・・・。それからね。いろいろ考えていたことがあったんだけど・・・、ようやく考えがまとまったの。それをローズに伝えたくて来たのよ。」
「じゃあ、殿下と仲直りするのね。」
ローズは嬉しそうにはしゃいだ声を出したが、スザンヌは首を横に振る。
「ううん・・・、そうじゃなくて・・・。それとは別のことなの。」
「別のこと?」
スザンヌは、とても真剣な顔で話し始めた。
「孤児院の子どもたちは、仕事を得やすいように読み書き計算を学んでいるわ。だから、親はいなくても良い仕事に就きやすいの。でも、平民の子どもたちは、親はいても文字を知らない子が多いのよ。だから就ける仕事も限られてくる。私ね。お金の有る無しに関わらず、平民の子どもたちも通えるような学校があればいいのにって、ずっと思ってたの。今、メイブリック家には財産があるわ。だから、それを使って、学校を建てようと思っているの。」
「が、学校?」
スザンヌの孤児院に対する愛はよくわかっていたが、次は誰でも通える学校だと聞き、ローズにとっては驚きでしかなかった。
やっぱりスザンヌは正真正銘の天使だわ・・・。
「それでね。素人がいきなり学校を建てると言っても、それはとても難しいことだと思うの。」
ふむふむとローズは頷きながら真剣に耳を傾ける。
「だから、ジェフリー様にも協力して欲しいの。あの方だったら、事業経営に慣れていらっしゃるし・・・。それでね、ジェフリー様にお話しする前に、ローズにもお話ししておくべきだと思ったのよ。」
なるほど、ジェフの婚約者である私に気を遣ってくれたのね。
そんなことなら大丈夫。
「スザンヌ、気を遣ってくれてありがとう。私からもジェフに伝えておくわね。」
「まあ、私こそありがとう。」
次はローズが真剣な顔になる。
「ところで、殿下のことはどうするの?」
あまりにも身に覚えが有りすぎる内容であったが、ここで認めるわけにはいかない。
「いったい、何を根拠にそんなことを言ってらっしゃるのかしら。」
あくまでもシラを切りとおそうとしたのだが、署長にそれは通じなかった。
「そのことについては、署でお話しいたします。」
署長は、メリッサに丁寧な言葉で伝えた後、恐ろしく冷たい雰囲気に変わって部下に言った。
「連れて行け!」
アーサーもジェフも、初めはシャロン侯爵とオルトマン伯爵を捕まえることはできても、メリッサにまでその手を伸ばすことができるとは思っていなかった。
だが、状況は思わぬ方向に変わった。
フランツの葬儀の後、エリオットがアーサーを訪ねてきたのだ。
エリオットは、大事な話だから二人だけで話したいと言う。
フランツの葬儀は身内だけでひっそりと行われ、アーサーは参列していない。
殺人未遂の罪人であるフランツを、たとえ友人であっても王族であるアーサーが見送ることはできなかった。
そのことで文句でも言われるのかと思っていたのだが、違った。
「フランツはあんな奴だけど、俺にとっては大切な友人だったんだ。だから、友人である殿下にもどうしても聞いて欲しくて・・・」
エリオットはおずおずと冷や汗をハンカチで拭きながら話し始めた。
フランツはジェフとローズをおびき寄せるための手紙を書いたが、それはメリッサのアイディアである。
そもそもあの洞窟のことをフランツはまったく知らなかった。
洞窟を使ってジェフとローズをこの世から消してしまおうと提案したのもメリッサだったのだ。
フランツは実行前に、何故かわからないが、エリオットに全てを話した。
話を聞いたエリオットは、フランツを止めたが無駄だった。
だが、誰かに相談する勇気もなかった。
もしエリオットの口からバレたことが知られたら、次は自分が殺されると思ったからである。
エリオットは恐くて恐くてしかたがなかった。
どうか、フランツが思いとどまりますようにと切に願った。
だが、結果はジェフとローズは助かり、フランツは死んでしまった。
葬儀の日、メリッサに会ったが、メリッサから反省の気持ちなど微塵も感じられなかった。
自分でけし掛け、フランツを死に追いやったくせに、全てをフランツのせいにするなんて、酷い、許せないと思った。
そして、こんな女のために死んでしまったフランツが、哀れで悲しくてしかたがなかった。
何故、二人を消す計画を俺に話すのかと疑問に思っていたのだが、今から思えば、フランツは心のどこかで、自分も消されるかもしれないと感じていたのではないだろうか・・・。
そう思うと、いてもたってもいられなくなってしまった。
だからこうして、全てを話しに来たのだと、エリオットは言った。
エリオットの証言だけでなく、もう一つ大きな決め手になったのは、洞窟に爆薬を投げ込んだ男の逮捕だった。
ジェフが洞窟を出た際にちらりと見た男と、船上でローズを掴もうとした男は同一人物であった。
見る者すべてのデータを保存しているジェフだからこそ、見つけることができたのだ。
逮捕後すぐに尋問すると、男はメリッサに頼まれてやったと白状した。
エリオットと、この男の証言により、メリッサの罪が明らかになったのである。
シャロン侯爵家とオルトマン伯爵家の騒動は、町中の人が知るところとなり、人々の話題はこの事件でもちきりになった。
特に、賭博場で薬物を使用し、ぼろ儲けをしていた事実が発覚したことは、大センセーショナルな話題で、皆口々にシャロン侯爵とオルトマン伯爵を非難した。
賭博場で不法薬物が使用されていたことが広まったお陰で、かねてから謎とされた獄中毒殺事件の犯人が自首してきた。
犯人は、警察署内の清掃を担当している平凡な掃除婦である。
夫が賭博でこさえた借金で一家心中も考えていたところを、シャロン侯爵によって助けられた過去を持つ。
シャロン侯爵には感謝の思いがあり、何を頼まれても嫌と言えない立場にあった。
「本当に私は何も知らされていなかったのです。メリッサお嬢様に、この薬を牢屋の中に投げ込むだけでいいって言われて、しかたなく、言われた通りにしただけなんです。まさかそれで死んでしまうなんて、本当に本当に知らなかったんです。でも、うちの主人が賭博にのめり込んだのは、シャロン侯爵のせいだったんですよね。そんなことも知らずに感謝なんかして・・・。それが悔しくて悔しくて・・・」
婦人は涙を流しながら語った。
これでメリッサの罪が、また一つ加算された。
メリッサに渡されたという薬を、婦人の証言をもとに絵にすると、直径五ミリくらいの丸く平べったい薬であることがわかった。
それを元に家宅捜索をすると、シャロン侯爵邸では隠し戸棚の中に、オルトマン伯爵邸では隠し引き出しの中に、その薬は隠されていた。
見た目はまったく同じ薬が入っているビンが二つあり、一つには毒、もう一つには薬と書かれていた。
薬漬けで中毒にされてしまった者ならば、同じ形状のものが落ちていたら、それを毒とは思わずに喜んで口に入れるのだろう。
現にローズを襲った犯人は、掃除婦が投げ入れた毒を薬物だと思い込んで拾って食べたのだから。
屋敷中をくまなく探したおかげで、オルトマン伯爵家の隠し地下牢から薬物中毒患者が二人見つかった。
どちらも既に正気を失っており、自分を王だと思い込んでいる。
薬欲しさに殺人でも何でもやってのける惨めな王であるのだが・・・。
ローズとスザンヌを巻き込んだ事件の犯人と、それに関わった者たちは捕まり、連日厳しい取り調べが行われた。
シャロン侯爵は二人を攫った理由を聞かれると、スザンヌが隣国の王女であることは言わずに「あの二人が邪魔だったからだ」と答えた。
隣国の王女を殺そうとしたことがばれると、もっと罪が重くなると考えたからである。
メリッサは、動機については黙秘を続けた。
男爵令嬢ごときに嫉妬したなどと思われることは、彼女のプライドが許さなかった。
スザンヌが王女であることも言わなかった。
スザンヌが、本当の身分を公表する気がないのなら、男爵令嬢のままでいたらいい、王女であることを何も私が広める必要はない・・・そう考えてのことだった。
この事件に関与した者たちの裁判はこれから始まるが、シャロン侯爵とオルトマン伯爵においては、おそらく爵位剥奪、領地没収、財産をほぼ失うほどの高額な罰金は免れないであろう。
終身刑になるのか、死刑になるのかは、裁判の流れ次第である。
メリッサにおいては、二人も殺害しているのだ。
裁判の結果を待たなくても、命をもってその罪を償うことになるだろうと誰もが思った。
事件が落ち着き始めたころ、スザンヌがローズを訪ねてきた。
いつもローズが孤児院に会いに行ってたので、スザンヌがクレマリー伯爵家に来るのは舞踏会の日以来のことである。
ローズは美味しいお茶とお菓子でもてなす。
「スザンヌが会いに来てくれて嬉しいわ。どう?少しは落ち着いた?」
ローズが心配して尋ねた。
「ええ、なんとか・・・。それからね。いろいろ考えていたことがあったんだけど・・・、ようやく考えがまとまったの。それをローズに伝えたくて来たのよ。」
「じゃあ、殿下と仲直りするのね。」
ローズは嬉しそうにはしゃいだ声を出したが、スザンヌは首を横に振る。
「ううん・・・、そうじゃなくて・・・。それとは別のことなの。」
「別のこと?」
スザンヌは、とても真剣な顔で話し始めた。
「孤児院の子どもたちは、仕事を得やすいように読み書き計算を学んでいるわ。だから、親はいなくても良い仕事に就きやすいの。でも、平民の子どもたちは、親はいても文字を知らない子が多いのよ。だから就ける仕事も限られてくる。私ね。お金の有る無しに関わらず、平民の子どもたちも通えるような学校があればいいのにって、ずっと思ってたの。今、メイブリック家には財産があるわ。だから、それを使って、学校を建てようと思っているの。」
「が、学校?」
スザンヌの孤児院に対する愛はよくわかっていたが、次は誰でも通える学校だと聞き、ローズにとっては驚きでしかなかった。
やっぱりスザンヌは正真正銘の天使だわ・・・。
「それでね。素人がいきなり学校を建てると言っても、それはとても難しいことだと思うの。」
ふむふむとローズは頷きながら真剣に耳を傾ける。
「だから、ジェフリー様にも協力して欲しいの。あの方だったら、事業経営に慣れていらっしゃるし・・・。それでね、ジェフリー様にお話しする前に、ローズにもお話ししておくべきだと思ったのよ。」
なるほど、ジェフの婚約者である私に気を遣ってくれたのね。
そんなことなら大丈夫。
「スザンヌ、気を遣ってくれてありがとう。私からもジェフに伝えておくわね。」
「まあ、私こそありがとう。」
次はローズが真剣な顔になる。
「ところで、殿下のことはどうするの?」
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