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104話外伝 転生極悪令嬢メリッサの場合4 舞踏会
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フィオナの心を暗くしているのは、アカデミーの入学の件である。
フィオナが暮らす大陸では教育制度が統一されていて、貴族の令息令嬢は、十五歳を迎える年の1月に、アカデミーに入学することが決まっているのだ。
アカデミーの三年生にはエドワードがいる。
入学すれば、一年間もアカデミーで接触することになる。
九歳の年に会ったのが最後であるが、十四歳になったフィオナは、とても美しく成長している。
フィオナとすれ違うと、誰もが振り向き、フィオナに熱い視線を向けるほど・・・。
フィオナの専属侍女ルリアは、「お嬢様が、王太子殿下の婚約者でなかったら、今頃、求婚者が列を作って押しかけていると思いますよ。」なんて言う。
それほど魅力的に成長したフィオナを見て、エドワードが恋心を抱くかもしれないのだ。
そのまますんなり結婚できれば平和的に全てが終わるのだが、エドワードは二十歳になれば、心変わりをする予定である。
そうなったときに、「私のことを愛しているのではなかったの?」と、嫉妬に狂ったメリッサの心が現れることが怖い。
好きにならない、好きにさせない。
初志貫徹するには・・・、休学するのが一番?
結局フィオナは体調が優れないという理由で、一年間休学することにした。
一年遅れて復学しても、二年生に編入できるように、家庭教師をつけて勉強することにした。
憂いを取り除き、ほっとしていたのも束の間、新たな憂いが現れた。
貴族の令息令嬢は、十五歳になったら王宮主催のダンスパーティーでデビュタントを果たすことが通例になっている。
デビュタントでは、初めに踊る相手を親や兄弟姉妹から選ぶことが多いのだが、婚約者がいる場合は話は別で、皆の前で婚約者のお披露目も兼ねて、その相手と踊るのだ。
「フィオナや。デビュタントでは、エドワード殿下と最初のダンスを踊りなさい。」
普段、フィオナとエドワードの関係に口を挟まない父親が、珍しく口を出してきた。
フィオナは気乗りしなかったが、婚約関係が継続中である以上、慣例に合わせた方が波風が立たないと言うのも事実である。
アカデミーと違って、ダンスは一回限り。
それくらいなら大丈夫と、フィオナは思うことにした。
ダンスの最中も、笑顔は封印しておこう。
無駄な話もしないでおこう。
きっとそれで大丈夫。
好きにならない、好きにさせない、初志貫徹!
ダンスパーティーの当日、フィオナは最高級のドレスとアクセサリーで身を飾り、王太子の婚約者として誰もが認めるいで立ちで会場内に入った。
公の場にほとんど出ないフィオナは、皆の注目の的である。
令息たちはうっとりとフィオナを眺め、令嬢たちはフィオナのあまりの美しさに、嫉妬することも忘れて憧れの眼差しを送っている。
そんな中、三人の令嬢がフィオナに声をかけてきた。
「フィオナ様、お会いしとうございました。」
「私たちはアカデミーの一年生ですわ。」
「フィオナ様とご一緒に勉学に励むことができることを、とても楽しみにしていたのですよ。」
三人はフィオナを囲み、いかにフィオナを慕っているかをべらべらと話し出す。
ついでに今日のドレスは素晴らしいとか、宝石も美しくてフィオナ様には見る目があるとか、お世辞とも思えるような内容を次から次へと口にした。
フィオナは、この令嬢たちの口ぶりに既視感を覚えた。
どこかで会ったような・・・。
思い出した。
ビビアン、メリル、ルシア、あの三人に似ているのよ。
メリッサの取り巻きだった三人の令嬢。
彼女たちはメリッサの家門の権力と財力にあやかりたくて、メリッサの言うことは何でも聞いた。
メリッサはそんな彼女たちを利用して、気に入らない女がいたら彼女たちに虐めさせたのだ。
当のメリッサは、扇子で顔を半分隠し、茶色い瞳から意地の悪い視線を送り、遠目で眺めてはその様子を楽しんでいた・・・。
今から考えると、メリッサって相当な悪女だったと思う。
アーサーに嫌われても当然だわ。
今、目の前で、お世辞の洪水を浴びせてくる三人の令嬢たち。
この子たちも、ラードナー家の権力と財力にあやかりたいのだろう。
この子たちは、きっと私のために、何でもする。
気に入らない女がいたら、躊躇いなく虐めるだろう・・・。
これがフィオナのためだと言って厭わずに・・・。
まずい、まずいわ!
アデルが現れたら、私のためと言って、虐めるかもしれない・・・。
私は欲に溺れず、他人の幸せを願わなくてはならないのよ。
それなのに・・・、もし、アデルを虐めたら・・・
きっと私のせいにされてしまう・・・。
この子たちと距離を置かなくては・・・。
私はこの子たちと関わってはいけない・・・。
ずっと話し続ける令嬢たちの前で、フィオナは身体の力を抜いた。
その身体は、ふらりと令嬢の一人にもたれかかる。
「キャーッ、フィ、フィオナ様!」
突然倒れたフィオナを支えることになった令嬢は、思わず叫び声を上げた。
「フィオナ様、大丈夫ですか?」
残りの二人も心配の声を上げる。
「ご、ごめんなさい。どうも身体の調子が良くなくて・・・。無理してきたのだけれど・・・、これ以上、ここにいるのは無理みたいですわ・・・。」
少し離れた場所からフィオナを見守っていたルリアも、慌てて駆け寄る。
「お嬢様、お身体の調子が優れないのなら、今すぐに帰りましょう。」
「ええ。ルリア、肩を貸してくれる?」
フィオナはルリアに支えられて舞踏会会場を後にした。
屋敷に戻ったフィオナは、いかにも体調不良のような足取りで私室まで歩き、ようやくベッドに横になった。
ふう・・・、危なかったわ。
あんなところで、私の足を引っ張る令嬢に出会うなんて・・・。
これで、危険を回避できたわよね・・・。
しばらくすると、ラードナー侯爵がフィオナを見舞いに来た。
「フィオナや。気分はどうだ? 苦しくないか?」
フィオナのことを心から心配してくれる父の言葉が嬉しくも、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「お父様、ご心配をおかけして、申し訳ございません。」
「何を言う。子を心配するのは、親として当たり前のことだ。フィオナ・・・、今日体調が悪くなったのは・・・、私が殿下とダンスをするように言ったからか?」
ドキリとした。
エドワードと私の関係を、父は心配してくれていたのだ・・・。
「いえ、そういうわけではございませんが・・・」
「無理しなくても良い。嫌なら嫌と言って良いのだ。お前がエドワード殿下との結婚を望まないのであれば、婚約を白紙に戻しても良いのだぞ。」
「お父様・・・。」
メリッサの記憶を思い出した八歳の頃なら、侯爵の言葉に大喜びで飛びついたことだろう。
だが、あれから七年たった今、フィオナの考えは少し違っていた。
メリッサの記憶では、『あなたの腕の中で』を最後まで読んでいない。
読んだページの中にはフィオナという名前すらまだ出ていなかった。
初めは、フィオナは二人の邪魔をする悪役令嬢として描かれているのだろうと思っていた。
エドワードとアデルが感動的に結ばれるためのスパイスであって、役割が終わったら切り捨てられ、また暗く冷たい牢獄に逆戻りするのだと・・・。
だから、それを回避したくて、エドワードと関わらないようにして来たのだ。
だけど、もしも作者が、天邪鬼な性格だったら?
アデルに一目ぼれしたエドワードであったが、結局二人は喧嘩別れして、エドワードが元の婚約者と結ばれるという結末だってあるかもしれない。
どんな結末になるのかわからないのなら、こちらからわざわざ婚約を破棄しなくても良いのでは?
政略結婚なんだから、エドワードから婚約破棄を言い出さない限り、関わろうが関わるまいが、結婚することは決まっているのだから・・・。
「お父様のお心遣い、本当に感謝いたします。ですが、私が十九歳になるまで待っていただけませんか?」
「十九歳? その年に何があると言うのだ?」
「詳しいことは言えませんが、おそらくその頃にははっきりすると思います。」
ラードナー侯爵はしばらく考えていたが、ふと何か思い当たることがあったようで、納得したような顔をした。
「そうか、わかった。どちらでも良いようにしておこう。」
そう言って侯爵は部屋から出て行った。
どちらでも?
お父様はアデルが現れることを知っているの?
いえ、違うわね。
お父様が知っているはずはないわ。
フィオナが感じた小さな疑問は、後々にフィオナに幸せをもたらすことになるのだが、この時、彼女はまだ知らなかった。
フィオナが暮らす大陸では教育制度が統一されていて、貴族の令息令嬢は、十五歳を迎える年の1月に、アカデミーに入学することが決まっているのだ。
アカデミーの三年生にはエドワードがいる。
入学すれば、一年間もアカデミーで接触することになる。
九歳の年に会ったのが最後であるが、十四歳になったフィオナは、とても美しく成長している。
フィオナとすれ違うと、誰もが振り向き、フィオナに熱い視線を向けるほど・・・。
フィオナの専属侍女ルリアは、「お嬢様が、王太子殿下の婚約者でなかったら、今頃、求婚者が列を作って押しかけていると思いますよ。」なんて言う。
それほど魅力的に成長したフィオナを見て、エドワードが恋心を抱くかもしれないのだ。
そのまますんなり結婚できれば平和的に全てが終わるのだが、エドワードは二十歳になれば、心変わりをする予定である。
そうなったときに、「私のことを愛しているのではなかったの?」と、嫉妬に狂ったメリッサの心が現れることが怖い。
好きにならない、好きにさせない。
初志貫徹するには・・・、休学するのが一番?
結局フィオナは体調が優れないという理由で、一年間休学することにした。
一年遅れて復学しても、二年生に編入できるように、家庭教師をつけて勉強することにした。
憂いを取り除き、ほっとしていたのも束の間、新たな憂いが現れた。
貴族の令息令嬢は、十五歳になったら王宮主催のダンスパーティーでデビュタントを果たすことが通例になっている。
デビュタントでは、初めに踊る相手を親や兄弟姉妹から選ぶことが多いのだが、婚約者がいる場合は話は別で、皆の前で婚約者のお披露目も兼ねて、その相手と踊るのだ。
「フィオナや。デビュタントでは、エドワード殿下と最初のダンスを踊りなさい。」
普段、フィオナとエドワードの関係に口を挟まない父親が、珍しく口を出してきた。
フィオナは気乗りしなかったが、婚約関係が継続中である以上、慣例に合わせた方が波風が立たないと言うのも事実である。
アカデミーと違って、ダンスは一回限り。
それくらいなら大丈夫と、フィオナは思うことにした。
ダンスの最中も、笑顔は封印しておこう。
無駄な話もしないでおこう。
きっとそれで大丈夫。
好きにならない、好きにさせない、初志貫徹!
ダンスパーティーの当日、フィオナは最高級のドレスとアクセサリーで身を飾り、王太子の婚約者として誰もが認めるいで立ちで会場内に入った。
公の場にほとんど出ないフィオナは、皆の注目の的である。
令息たちはうっとりとフィオナを眺め、令嬢たちはフィオナのあまりの美しさに、嫉妬することも忘れて憧れの眼差しを送っている。
そんな中、三人の令嬢がフィオナに声をかけてきた。
「フィオナ様、お会いしとうございました。」
「私たちはアカデミーの一年生ですわ。」
「フィオナ様とご一緒に勉学に励むことができることを、とても楽しみにしていたのですよ。」
三人はフィオナを囲み、いかにフィオナを慕っているかをべらべらと話し出す。
ついでに今日のドレスは素晴らしいとか、宝石も美しくてフィオナ様には見る目があるとか、お世辞とも思えるような内容を次から次へと口にした。
フィオナは、この令嬢たちの口ぶりに既視感を覚えた。
どこかで会ったような・・・。
思い出した。
ビビアン、メリル、ルシア、あの三人に似ているのよ。
メリッサの取り巻きだった三人の令嬢。
彼女たちはメリッサの家門の権力と財力にあやかりたくて、メリッサの言うことは何でも聞いた。
メリッサはそんな彼女たちを利用して、気に入らない女がいたら彼女たちに虐めさせたのだ。
当のメリッサは、扇子で顔を半分隠し、茶色い瞳から意地の悪い視線を送り、遠目で眺めてはその様子を楽しんでいた・・・。
今から考えると、メリッサって相当な悪女だったと思う。
アーサーに嫌われても当然だわ。
今、目の前で、お世辞の洪水を浴びせてくる三人の令嬢たち。
この子たちも、ラードナー家の権力と財力にあやかりたいのだろう。
この子たちは、きっと私のために、何でもする。
気に入らない女がいたら、躊躇いなく虐めるだろう・・・。
これがフィオナのためだと言って厭わずに・・・。
まずい、まずいわ!
アデルが現れたら、私のためと言って、虐めるかもしれない・・・。
私は欲に溺れず、他人の幸せを願わなくてはならないのよ。
それなのに・・・、もし、アデルを虐めたら・・・
きっと私のせいにされてしまう・・・。
この子たちと距離を置かなくては・・・。
私はこの子たちと関わってはいけない・・・。
ずっと話し続ける令嬢たちの前で、フィオナは身体の力を抜いた。
その身体は、ふらりと令嬢の一人にもたれかかる。
「キャーッ、フィ、フィオナ様!」
突然倒れたフィオナを支えることになった令嬢は、思わず叫び声を上げた。
「フィオナ様、大丈夫ですか?」
残りの二人も心配の声を上げる。
「ご、ごめんなさい。どうも身体の調子が良くなくて・・・。無理してきたのだけれど・・・、これ以上、ここにいるのは無理みたいですわ・・・。」
少し離れた場所からフィオナを見守っていたルリアも、慌てて駆け寄る。
「お嬢様、お身体の調子が優れないのなら、今すぐに帰りましょう。」
「ええ。ルリア、肩を貸してくれる?」
フィオナはルリアに支えられて舞踏会会場を後にした。
屋敷に戻ったフィオナは、いかにも体調不良のような足取りで私室まで歩き、ようやくベッドに横になった。
ふう・・・、危なかったわ。
あんなところで、私の足を引っ張る令嬢に出会うなんて・・・。
これで、危険を回避できたわよね・・・。
しばらくすると、ラードナー侯爵がフィオナを見舞いに来た。
「フィオナや。気分はどうだ? 苦しくないか?」
フィオナのことを心から心配してくれる父の言葉が嬉しくも、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「お父様、ご心配をおかけして、申し訳ございません。」
「何を言う。子を心配するのは、親として当たり前のことだ。フィオナ・・・、今日体調が悪くなったのは・・・、私が殿下とダンスをするように言ったからか?」
ドキリとした。
エドワードと私の関係を、父は心配してくれていたのだ・・・。
「いえ、そういうわけではございませんが・・・」
「無理しなくても良い。嫌なら嫌と言って良いのだ。お前がエドワード殿下との結婚を望まないのであれば、婚約を白紙に戻しても良いのだぞ。」
「お父様・・・。」
メリッサの記憶を思い出した八歳の頃なら、侯爵の言葉に大喜びで飛びついたことだろう。
だが、あれから七年たった今、フィオナの考えは少し違っていた。
メリッサの記憶では、『あなたの腕の中で』を最後まで読んでいない。
読んだページの中にはフィオナという名前すらまだ出ていなかった。
初めは、フィオナは二人の邪魔をする悪役令嬢として描かれているのだろうと思っていた。
エドワードとアデルが感動的に結ばれるためのスパイスであって、役割が終わったら切り捨てられ、また暗く冷たい牢獄に逆戻りするのだと・・・。
だから、それを回避したくて、エドワードと関わらないようにして来たのだ。
だけど、もしも作者が、天邪鬼な性格だったら?
アデルに一目ぼれしたエドワードであったが、結局二人は喧嘩別れして、エドワードが元の婚約者と結ばれるという結末だってあるかもしれない。
どんな結末になるのかわからないのなら、こちらからわざわざ婚約を破棄しなくても良いのでは?
政略結婚なんだから、エドワードから婚約破棄を言い出さない限り、関わろうが関わるまいが、結婚することは決まっているのだから・・・。
「お父様のお心遣い、本当に感謝いたします。ですが、私が十九歳になるまで待っていただけませんか?」
「十九歳? その年に何があると言うのだ?」
「詳しいことは言えませんが、おそらくその頃にははっきりすると思います。」
ラードナー侯爵はしばらく考えていたが、ふと何か思い当たることがあったようで、納得したような顔をした。
「そうか、わかった。どちらでも良いようにしておこう。」
そう言って侯爵は部屋から出て行った。
どちらでも?
お父様はアデルが現れることを知っているの?
いえ、違うわね。
お父様が知っているはずはないわ。
フィオナが感じた小さな疑問は、後々にフィオナに幸せをもたらすことになるのだが、この時、彼女はまだ知らなかった。
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