【R18】復讐を決意した傷もの令嬢は、魅惑の王弟殿下に甘く翻弄される 〜契約結婚の条件に夜伽が含まれていたなんて聞いてません!〜

ウリ坊

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自分の心 3 *

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 結合部が擦れて室内にぐちゅぐちゅと水音が響いている。

「まだ……口を割らないつもりか……?」

 ベッドに組み伏せられ、逃げられないようにまた手首を寝間着のひもで拘束されていた。
 ズッ、ズッと腟内をイクシオンの雄で突かれる度に、オリビアの口から甘く切ない喘ぎ声が漏れていく。

「はっ、ん、んっ! も、ゃ、あっ、ぁ……あっ!」

 久しぶりに抱かれた体はすぐに快楽にとされ、すでに前戯だけで何度も果てていた。
 イクシオンの熱いくいを切なく締めながら、また急速に絶頂へと昇り詰めていく。

「素直に言え、オリビア。そのほうが、楽になれるぞ? はぁっ……こんなに、俺に夢中になって……、欲しくて欲しくてたまらない、という顔をしているのに、まだシラを切るつもりか?」 

 緩やかに突かれる度に秘部からは蜜があふれ、抵抗することもできずにひたすら快楽を与えられていく。
 
「あッ、ぅ! も……、許し、てッ……!」

 限界も近く、やめてほしくて首を横に振っていると、イクシオンが耳朶に唇を寄せ、さらに言葉を重ねてくる。

「相変わらず、我が妃は、かたくなだ……」

 そのまま耳朶を軽く食まれ、繋がっている部分とはまた違う鋭い快楽に身震いする。

「はっ! ふぁっ」

 縛られたままベッドに横たわりイクシオンを受け入れていたオリビアは、揺さぶられる毎にどこまでも甘く蕩けそうな快楽と戦っていた。

「オリビアっ……」

 鼓膜に響くような切ない声で、自分の名前を呼ばないでほしい。

 自分ですら自分を制御できない。
 それなのに、こんな風に酷く自分を追い詰めるこの男を憎むどころか、嬉しいとさえ思ってしまっている自分にも呆れてくる。

「ん! ぅ、んッ! だから、ぁっ、嫌、なんですっ」

 空色の瞳には涙が溜まり、快楽に染まってしまった口からは無意識に本音が漏れる。

「ん? どういうことだ?」

 腰の動きを止めたイクシオンがオリビアの顔を覗き込んでいる。

「そう、なりたく、ないからっ」

 溜まりに溜まった涙が、頬をつたって流れ落ちていく。

 何も考えずに発したオリビアの言葉を考えるように、イクシオンは目を見開いてしばらく沈黙していた。

「――あぁっ……! だから、お前を抱かずにはいられないんだっ」

 一言、そう漏らすと、最後を促すように腰の動きを再開し、激しく奥を突いてくる。

「やッ、ぁッ! はッ、ぅッ――ああぁぁッッ!!」

「ぅ、くぁっ!」

 一滴も漏らさないよう何度か腰を押し付け、オリビアの腟内に子種を注いでいる。

 イクシオンはベッドにぐったりと体を投げ出しているオリビアの腕の紐を解いた。
 荒く息を吐いて酸素を求めているオリビアの体を背後から抱きしめ、自身もベッドへ横たわる。

「お前みたいなタイプの女が……ここまで、俺を翻弄することになるとはな」

 艶やかな笑みを浮かべ、横にしたオリビアの片足を大きく上へ持ち上げる。

「はっ、ぅ! ぁ、は……な、に?」
 
「素直に言えた褒美だ。焦らさずに、思う存分イかせてやるぞ」

 まだヒクつき残滓ざんしを流している蜜孔に、勢いを取り戻した太い切っ先を当てている。

「いやっ、あッ! まだっ、ぁ、んんッ!!」

 なんの抵抗もなく奥まで挿入ったイクシオンの雄をたまらずにぎゅっと締める。

「ッ、はっ、お前は、俺のを挿れたまま、強く奥を、突かれるのが、好きだろう?」

 片足を持ち上げ後ろから腰を押し付けるように激しく突かれると、オリビアの口からすぐに甘い悲鳴が上がってくる。

「ひっ、ぁ! んッ、激し、ぃッ!」

「ほら、ナカがキツく締まって、絡まって……、また、すぐにでもイキそうだ」

 体をしならせ快楽に耐えていると、揺れている胸の先端を指先でいじられ、堪えることもできずに絶頂を極めてしまう。

「ゃ、ゃ、あ、あッ! んんッッーー!!」

 行為が終わる頃には、オリビアは指一本動かせない状態で、ぴくぴくと体を痙攣けいれんさせていた。

「はっ……ぁ……」

 横たわるオリビアの頬に、イクシオンはそっと唇を寄せている。
 呼吸を整えることで精一杯で、激しい情事の疲れと共に、甘すぎる余韻と急激な眠気が同時に襲ってきていた。

「……俺が、お前を孕ませる理由なんて、一つしかないだろう? お前を――」

 最後まで言葉を聞くことができない。

 激しい快楽に意識が朦朧もうろうとし、それ以上意識を保つことができずに気を失ってしまった。


 ◇◆◇


 ふと目を覚まし、気づくと朝になっていた。
 隣ではイクシオンが寝ていて、いつの間にか寝間着を着せられた体を、両手で抱きしめられている。

(体が、怠くて、動けない……)

 昨日は激しく求められ、心も体も快楽で辛くなるほどいっぱいになり、まるで淫獄にでも堕とされた気分だった。
 
 無理やり抱かれて、あんなに何度も酷く求められたにも関わらず、なぜかこの男を憎めない。

 体が満たされたおかげか、心まですっきりして、愛しささえ湧いている自分に嫌気が差してくる。
 イクシオンの理由もわからないままだが、もやもやしていた気分はすっかり消えて無くなり、体は重いのに心は晴れ晴れとしていた。

(結局……イクシオンに抱かれたかった、ってことだよね。復讐に集中するつもりで夜伽を避けてたのに、そのせいでストレスが溜まってたなんてバカみたい……)

 抱かれて初めて気づいた。
 戸惑いと自己嫌悪と納得。
 
 オリビア自身、この行き場のない気持ちをどうしていいのかわからなくなっていた。

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