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自分の心 2
しおりを挟む「知りたいというか……わからないままにして、復讐に集中できないことが嫌なんです! だったら早くスッキリさせて、余計な考えから抜け出したいだけですっ」
間近に迫る美貌をキッと睨み、自分の思いを伝えていく。
「知ったところでスッキリしないかもしれないぞ?」
「っ、それでも、今のこの状況よりはマシです」
「じゃあ、教えてやるから夜伽を拒否するな」
間近で見つめられ言われた言葉に、気づかれていたのかと、心臓がドクンと大きく鳴った。
「――なっ! なぜ、ですか?」
「お前を抱きたいからだ……」
さらに耳元に顔を寄せて囁かれるとドキッと心臓が跳ねる。
吐息が耳にかかり、体がピクリと反応した。
「ッ」
「お前だって俺に抱かれて、蕩けそうに悦さそうな顔をして何度も果てているのに、最近ずっと拒んでいるだろう」
責めるように咎められ、体を引いて顔を背けた。
「そ、そのようなことは、ございません」
「いや、あるぞ。お前はとくに俺のモノを銜えて膣内を擦ると、さらにいい声で啼くからな。お前が快楽で溶けきって、俺にもっと欲しいと縋って求める姿を見ると、たまらなくぞくぞくしてくる」
艶やかに笑って目を細め、心の中まで見透かすようにオリビアを甘く見つめている。
イクシオンの露骨な話しぶりに、オリビアの頬が瞬時に赤くなった。
「~っ! 話の趣旨が変わってます! 私は真面目にお話ししているんです!」
「俺も真面目に話しているんだが?」
あっけらかんと話しているが、イクシオンの言葉には明らかに揶揄するような要素が含まれていた。
「私をからかっているようにしか聞こえません! とにかくっ、簡潔に、理由だけ教えてくださいませんか!」
「ではお前に聞くが、なぜ気になる? 余計なことなら気にする必要などないだろう。そんなものは無視して考えなければいい。それをわざわざ俺の元まで聞きに来るとは……お前の中で、そんなにも気になることなのか?」
見上げていたオリビアの顎を掴み、反らせないように手で固定している。
「私にとっては、重要なことですから」
「どう重要なんだ?」
「私が先にお聞きしているのですから、殿下の返答だけお聞かせください」
「まずは俺の質問に答えろ」
ぐっと顎を掴んでいた手に力が入っている。
見ただけで真剣さが伝わるくらいイクシオンの表情から一切のからかいが消え、怖いくらいだった。
「では……もう答えてくださらなくて結構ですっ。失礼いたしました!」
イクシオンの胸を力任せに押し、離れた隙に抜け出した。
そのまま小走りで扉まで向かう。
急いでドアノブに手をかけたが、扉が開くことはなかった。
「なっ……! でん、かっ……」
なぜなら背後からオリビアに被さるように、イクシオンが手で扉を押さえつけていたからだ。
心臓がドクドクと嫌な音を立て、ドアノブを持つ手が震えた。
「答えるまでは戻れないと思え」
イクシオンは扉から手を離すと、オリビアの体を両手で抱き寄せた。
「離してくださっ――ん!」
そして、抗議の言葉は重なった唇に遮られた。
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