【R18】復讐を決意した傷もの令嬢は、魅惑の王弟殿下に甘く翻弄される 〜契約結婚の条件に夜伽が含まれていたなんて聞いてません!〜

ウリ坊

文字の大きさ
75 / 99

自分の心 2

しおりを挟む

「知りたいというか……わからないままにして、復讐に集中できないことが嫌なんです! だったら早くスッキリさせて、余計な考えから抜け出したいだけですっ」

 間近に迫る美貌をキッと睨み、自分の思いを伝えていく。

「知ったところでスッキリしないかもしれないぞ?」

「っ、それでも、今のこの状況よりはマシです」

「じゃあ、教えてやるから夜伽を拒否するな」

 間近で見つめられ言われた言葉に、気づかれていたのかと、心臓がドクンと大きく鳴った。

「――なっ! なぜ、ですか?」

「お前を抱きたいからだ……」

 さらに耳元に顔を寄せて囁かれるとドキッと心臓が跳ねる。
 吐息が耳にかかり、体がピクリと反応した。

「ッ」

「お前だって俺に抱かれて、蕩けそうにさそうな顔をして何度も果てているのに、最近ずっと拒んでいるだろう」

 責めるようにとがめられ、体を引いて顔を背けた。

「そ、そのようなことは、ございません」

「いや、あるぞ。お前はとくに俺のモノを銜えて膣内を擦ると、さらにいい声で啼くからな。お前が快楽で溶けきって、俺にもっと欲しいと縋って求める姿を見ると、たまらなくぞくぞくしてくる」

 艶やかに笑って目を細め、心の中まで見透かすようにオリビアを甘く見つめている。
 イクシオンの露骨な話しぶりに、オリビアの頬が瞬時に赤くなった。

「~っ! 話の趣旨が変わってます! 私は真面目にお話ししているんです!」

「俺も真面目に話しているんだが?」

 あっけらかんと話しているが、イクシオンの言葉には明らかに揶揄やゆするような要素が含まれていた。

「私をからかっているようにしか聞こえません! とにかくっ、簡潔に、理由だけ教えてくださいませんか!」

「ではお前に聞くが、なぜ気になる? 余計なことなら気にする必要などないだろう。そんなものは無視して考えなければいい。それをわざわざ俺の元まで聞きに来るとは……お前の中で、そんなにも気になることなのか?」

 見上げていたオリビアの顎を掴み、反らせないように手で固定している。

「私にとっては、重要なことですから」

「どう重要なんだ?」

「私が先にお聞きしているのですから、殿下の返答だけお聞かせください」

「まずは俺の質問に答えろ」

 ぐっと顎を掴んでいた手に力が入っている。
 見ただけで真剣さが伝わるくらいイクシオンの表情から一切のからかいが消え、怖いくらいだった。

「では……もう答えてくださらなくて結構ですっ。失礼いたしました!」

 イクシオンの胸を力任せに押し、離れた隙に抜け出した。

 そのまま小走りで扉まで向かう。
 急いでドアノブに手をかけたが、扉が開くことはなかった。

「なっ……! でん、かっ……」

 なぜなら背後からオリビアに被さるように、イクシオンが手で扉を押さえつけていたからだ。
 心臓がドクドクと嫌な音を立て、ドアノブを持つ手が震えた。

「答えるまでは戻れないと思え」

 イクシオンは扉から手を離すと、オリビアの体を両手で抱き寄せた。

「離してくださっ――ん!」

 そして、抗議の言葉は重なった唇に遮られた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛しい人、あなたは王女様と幸せになってください

無憂
恋愛
クロエの婚約者は銀の髪の美貌の騎士リュシアン。彼はレティシア王女とは幼馴染で、今は護衛騎士だ。二人は愛し合い、クロエは二人を引き裂くお邪魔虫だと噂されている。王女のそばを離れないリュシアンとは、ここ数年、ろくな会話もない。愛されない日々に疲れたクロエは、婚約を破棄することを決意し、リュシアンに通告したのだが――

傲慢な伯爵は追い出した妻に愛を乞う

ノルジャン
恋愛
「堕ろせ。子どもはまた出来る」夫ランドルフに不貞を疑われたジュリア。誤解を解こうとランドルフを追いかけたところ、階段から転げ落ちてしまった。流産したと勘違いしたランドルフは「よかったじゃないか」と言い放った。ショックを受けたジュリアは、ランドルフの子どもを身籠ったまま彼の元を去ることに。昔お世話になった学校の先生、ケビンの元を訪ね、彼の支えの下で無事に子どもが生まれた。だがそんな中、夫ランドルフが現れて――? エブリスタ、ムーンライトノベルズにて投稿したものを加筆改稿しております。

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

【完結】体目的でもいいですか?

ユユ
恋愛
王太子殿下の婚約者候補だったルーナは 冤罪をかけられて断罪された。 顔に火傷を負った狂乱の戦士に 嫁がされることになった。 ルーナは内向的な令嬢だった。 冤罪という声も届かず罪人のように嫁ぎ先へ。 だが、護送中に巨大な熊に襲われ 馬車が暴走。 ルーナは瀕死の重症を負った。 というか一度死んだ。 神の悪戯か、日本で死んだ私がルーナとなって蘇った。 * 作り話です * 完結保証付きです * R18

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

【完結】初恋の彼に 身代わりの妻に選ばれました

ユユ
恋愛
婚姻4年。夫が他界した。 夫は婚約前から病弱だった。 王妃様は、愛する息子である第三王子の婚約者に 私を指名した。 本当は私にはお慕いする人がいた。 だけど平凡な子爵家の令嬢の私にとって 彼は高嶺の花。 しかも王家からの打診を断る自由などなかった。 実家に戻ると、高嶺の花の彼の妻にと縁談が…。 * 作り話です。 * 完結保証つき。 * R18

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

処理中です...