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「もしかして、ティナが昔言ってた『はじめて』って……純潔の事?」
静まり返っていた部屋にアーサーの声が良く響く。
琥珀色の瞳がティアーナを窺うように揺れている。
冷静に質問され、予想していた答えと全く違うことを言われる。
しばらく意味が理解出来ず、アーサーを見たまま止まってしまう。
徐々に言われた事が頭に浸透していき、ティアーナは顔を真っ赤に染めた。
「それは!……あの………」
予期せぬ質問にうまく答えが返せない。
もちろん答えは【YES】なのだ。
だがそれをそのままそうです、と答えてしまうには抵抗がある。
ずっと否定的なことばかり考えていて、約束の事をすっかり失念していた。
「ティナ?」
だがどちらにしてもアーサーの期待を裏切る形になる。
早く伝えられて良かったのかもしれない。
ティアーナの呪いが明るみに出た今、昔の約束は無効になるだろう。
「…………はい。その通りです」
アーサーの顔を見ることが出来ず、俯き加減で視線を逸らす。
「アーサー様…申し訳ありませんが、幼い頃の約束は反故に……」
「ティナ!」
名前を呼ばれ、胸の中に閉じ込められる。
「何を…ッ!」
そのまま唇を奪われ、息も出来ない程荒々しく咥内を舌で蹂躙される。
「んッ!……ふぅ……っ」
突然の行動に頭が追い付かない。予測不可能なことばかり起き対処できない。
アーサーに求められるまま唇を許してしまう。
散々貪れたあとようやく唇を放され開放される。
ティアーナは乱された呼吸を整えるべく、アーサーの胸に倒れ込んだ。
「約束を反故にするなんて絶対赦さない!ティナは幼い頃から俺に全てを捧げる覚悟を決めてくれたんでしょ?それを聞いて嬉しくない訳がないよ」
身体に回された腕が苦しい。痛い程抱きしめられ、ティアーナの胸の内に渦巻く何かが溢れそうになる。
でも駄目なのだ。
自分はアーサーに愛される資格など初めからない。
「アーサー、様……、私の様な呪われた者は、貴方には相応しくありません」
「それを決めるのは俺自身だ。ずっと昔から捜して…追い求めていた人がこうして自分の腕の中にいるのに、手放す馬鹿はいない」
「っ!…ですが、私の呪いは!」
ティアーナを抱きしめながら切実に訴えるアーサー。
まるでアーサーの方が苦しみを抱えている様に、言葉を吐き出していく。
「俺はティナを捜している間、例えどんな人間であろうと君を受け入れる準備をしてきた。ティナが呪われていようと関係ない。ティナは俺にとって、運命の人なんだ……」
激情を込めた熱烈な言葉に、心が震える。
ある種の切り札の様に、呪われた自分の話をした。
きっとこの話をすれば、アーサーが諦めると高を括っていたのかもしれない。
だが、この程度ではアーサーを諦めさせる理由にはならなかった。
(幼い頃…ほんの少しの間お話しただけなのに…)
思い出せないから、どんな会話をして幼いアーサーが何を思ったのかわからない。
だが当然ここまで想われている事に悪い気なんてしない。
(私は一体…どうすればいいの?)
アーサーの腕に抱かれながら、ティアーナは答えの見つからない迷宮に迷い込んでしまうのだった。
「もしかして、ティナが昔言ってた『はじめて』って……純潔の事?」
静まり返っていた部屋にアーサーの声が良く響く。
琥珀色の瞳がティアーナを窺うように揺れている。
冷静に質問され、予想していた答えと全く違うことを言われる。
しばらく意味が理解出来ず、アーサーを見たまま止まってしまう。
徐々に言われた事が頭に浸透していき、ティアーナは顔を真っ赤に染めた。
「それは!……あの………」
予期せぬ質問にうまく答えが返せない。
もちろん答えは【YES】なのだ。
だがそれをそのままそうです、と答えてしまうには抵抗がある。
ずっと否定的なことばかり考えていて、約束の事をすっかり失念していた。
「ティナ?」
だがどちらにしてもアーサーの期待を裏切る形になる。
早く伝えられて良かったのかもしれない。
ティアーナの呪いが明るみに出た今、昔の約束は無効になるだろう。
「…………はい。その通りです」
アーサーの顔を見ることが出来ず、俯き加減で視線を逸らす。
「アーサー様…申し訳ありませんが、幼い頃の約束は反故に……」
「ティナ!」
名前を呼ばれ、胸の中に閉じ込められる。
「何を…ッ!」
そのまま唇を奪われ、息も出来ない程荒々しく咥内を舌で蹂躙される。
「んッ!……ふぅ……っ」
突然の行動に頭が追い付かない。予測不可能なことばかり起き対処できない。
アーサーに求められるまま唇を許してしまう。
散々貪れたあとようやく唇を放され開放される。
ティアーナは乱された呼吸を整えるべく、アーサーの胸に倒れ込んだ。
「約束を反故にするなんて絶対赦さない!ティナは幼い頃から俺に全てを捧げる覚悟を決めてくれたんでしょ?それを聞いて嬉しくない訳がないよ」
身体に回された腕が苦しい。痛い程抱きしめられ、ティアーナの胸の内に渦巻く何かが溢れそうになる。
でも駄目なのだ。
自分はアーサーに愛される資格など初めからない。
「アーサー、様……、私の様な呪われた者は、貴方には相応しくありません」
「それを決めるのは俺自身だ。ずっと昔から捜して…追い求めていた人がこうして自分の腕の中にいるのに、手放す馬鹿はいない」
「っ!…ですが、私の呪いは!」
ティアーナを抱きしめながら切実に訴えるアーサー。
まるでアーサーの方が苦しみを抱えている様に、言葉を吐き出していく。
「俺はティナを捜している間、例えどんな人間であろうと君を受け入れる準備をしてきた。ティナが呪われていようと関係ない。ティナは俺にとって、運命の人なんだ……」
激情を込めた熱烈な言葉に、心が震える。
ある種の切り札の様に、呪われた自分の話をした。
きっとこの話をすれば、アーサーが諦めると高を括っていたのかもしれない。
だが、この程度ではアーサーを諦めさせる理由にはならなかった。
(幼い頃…ほんの少しの間お話しただけなのに…)
思い出せないから、どんな会話をして幼いアーサーが何を思ったのかわからない。
だが当然ここまで想われている事に悪い気なんてしない。
(私は一体…どうすればいいの?)
アーサーの腕に抱かれながら、ティアーナは答えの見つからない迷宮に迷い込んでしまうのだった。
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