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紫陽花高校生徒会
生徒会とほうか・ご
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「勝手に燃えるな」
「言葉って切る所を間違えたり、イントネーションが少しでも違うと別の意味になるわよね」
「そうだな」
「萌えーーーーーーー!!!」
「勝手に萌えるな」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なあ、今日仕事ないんだろ?
放送で呼び出して、一体なんの用だ」
新田は、放課後の生徒会室で机の上に足を乗せ、踏ん反り返っている河井に、そう言い放つ。
なお、律儀に靴は脱いでいる。
「さて、なんでしょうねぇ?
貴方は当てられるでしょうか……?
シンキング……ターイム」
「帰る」
河井の謎のドヤ顔。
癇に障った新田は強めにそう言い放った。
「くぅおとぅおわぁああある!!」
「なんて?」
「断る!!」
「なんで?」
「え……?気分?」
「また明日」
新田は馬鹿みたいな理由に呆れ、疲れた様子で、閉められたドアに手をかける。
「くぅっ!!そ、そんなぁ!!
まさか……こんな……」
ドアに手を掛けた瞬間、背後から聞こえた呻き声。
何事かと思い、振り返ると、河井が胸に手をあて、苦しそうな表情で膝から崩れ落ちた。
「……なんだ?」
新田は焦ることなく、冷静に無表情のままで、倒れた河井へと近づく。
「……紙?」
すると、河井が倒れているすぐ側に、先程まで落ちていなかった筈の、折り畳まれた紙切れが転がっていた。
普通なら善意が働いて内容を確認するか戸惑う所だが、新田は一切臆する事なく紙を広げる。
そこには……。
『姫を生き返らせるには暗号が必要です。
ここに暗号の隠し場所を示す』
という文と、
『あかさはらやまかさゆたかやによはほゆかほわななむつねらやまあかやわらさはやたくさはゆかむくねさえけさはやわまあかむえねはやたかかはやわやむのねかねにねたあかさらわんちかさはさわまむしねはゆわちきさはやたあかさはなをたあかたらやゆなあかなやゆかあやかそやわやなむたねかほらやかさ
暗号は胸の中』
という、クイズ染みた物だった。
「くだらない」
新田はその紙をクシャリと握り潰すと、ゴミ箱へと投げ捨てる。
「じゃあまた」
新田は、再びドアへと手をかける。
その時だった。
「解けたら次から書類手伝う」
突如として背後から、女性の声が聞こえたのだ。
その声色は明らかに、呻き声をあげて倒れた筈の河井の声。
普通なら無視して帰る所だが、その成功報酬は新田にとって願ったり叶ったりな物。
「任せろ」
新田の返答は速かった。
新田はそう返答するや否や、無駄の無い動きでゴミ箱から、例の紙を拾いあげると、破けないよう、慎重かつ丁寧にシワを伸ばす。
「制限時間は10分」
もはや自由に喋る、死んだ設定の河井。
地面に伏したままの河井の声を聞いた新田は時計を見る。
時刻は15時30分。
「40分までだな」
新田は終了時刻を確認すると、ゆっくりとペンを鞄から取り出す。
普通なら少しでも早くと急ぐ場面だが、余裕と言わぬばかりの動きで、紙と向き合う。
「簡単」
新田はランダムに並べられた文字列の中の、“む”と“ね”を丸で囲い、分かりやすくする。
「これで後は、“むね”の中の文字を上から順に読む……。
つ・く・え・の・し・た。
机の下か」
新田は頷くとしゃがみ込み、余裕しゃくしゃくと机の下を覗く。
「ん?ないが……」
巨体を一生懸命小さくし、机の下に潜り込んだ新田だったが、そこには紙は愚か、ホコリ1つ落ちていなかった。
「どういう事だ……」
新田は再び暗号へと向き直した。
「机の下はミスリード」そう考えると、何処か見落としてないか、別の解読方法があるのか、自身の過去読んだ謎解きの回答を思い出し、色々な方法を試みる。
しかし、考えるも当て嵌まる物は無く、無惨にも時間だけが過ぎていく。
「くそ……侮っていた俺の負けか」
考え込めば込むほど時間はあっという間に過ぎてゆく。
謎解きしている横で、うつ伏せの死体(仮)を演じている河井の勝ち誇った顔に、新田は敗北感を覚える。
「はい!しゅーりょー!!」
時計を見ると40分。
河井が勢いよく起き上がる。
「姫が暗号無く生き返ったな」
「ええい、黙りなさい!
貴方の負けよ、新田!」
ビシッと指を差される新田。
観念したと言わんばかりに両手を上げる。
「確かに俺の負けだ。
綺麗なミスリードだったし、引っかかってしまった。
暗号は何処にあったんだ?」
「ふふっ……分からないなら教えてあげましょう!」
河井はそう言うと右手を振り上げ、スローモーションに見えるかのように、滑らかな動きで右手を、自らのシャツの下へと潜り込ませた。
「おま……」
全てを察した新田は頭を抱えて、ため息を吐いた。
「暗号は“胸の中”。
答えは私のブラの中でしたぁ!!」
「分かっても取り出せるか」
「不正解の新田くんには、温もり付きの暗号を進呈しましょう」
「いらん、捨てろ、帰る」
新田はバックを持つと、直ぐに生徒会室を出て行く。
それを察知していたのか、直ぐに後を追いかける河井。
「新田はん、待っておくんなましぃ~」
「いや、口調どうした」
「勝手に燃えるな」
「言葉って切る所を間違えたり、イントネーションが少しでも違うと別の意味になるわよね」
「そうだな」
「萌えーーーーーーー!!!」
「勝手に萌えるな」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なあ、今日仕事ないんだろ?
放送で呼び出して、一体なんの用だ」
新田は、放課後の生徒会室で机の上に足を乗せ、踏ん反り返っている河井に、そう言い放つ。
なお、律儀に靴は脱いでいる。
「さて、なんでしょうねぇ?
貴方は当てられるでしょうか……?
シンキング……ターイム」
「帰る」
河井の謎のドヤ顔。
癇に障った新田は強めにそう言い放った。
「くぅおとぅおわぁああある!!」
「なんて?」
「断る!!」
「なんで?」
「え……?気分?」
「また明日」
新田は馬鹿みたいな理由に呆れ、疲れた様子で、閉められたドアに手をかける。
「くぅっ!!そ、そんなぁ!!
まさか……こんな……」
ドアに手を掛けた瞬間、背後から聞こえた呻き声。
何事かと思い、振り返ると、河井が胸に手をあて、苦しそうな表情で膝から崩れ落ちた。
「……なんだ?」
新田は焦ることなく、冷静に無表情のままで、倒れた河井へと近づく。
「……紙?」
すると、河井が倒れているすぐ側に、先程まで落ちていなかった筈の、折り畳まれた紙切れが転がっていた。
普通なら善意が働いて内容を確認するか戸惑う所だが、新田は一切臆する事なく紙を広げる。
そこには……。
『姫を生き返らせるには暗号が必要です。
ここに暗号の隠し場所を示す』
という文と、
『あかさはらやまかさゆたかやによはほゆかほわななむつねらやまあかやわらさはやたくさはゆかむくねさえけさはやわまあかむえねはやたかかはやわやむのねかねにねたあかさらわんちかさはさわまむしねはゆわちきさはやたあかさはなをたあかたらやゆなあかなやゆかあやかそやわやなむたねかほらやかさ
暗号は胸の中』
という、クイズ染みた物だった。
「くだらない」
新田はその紙をクシャリと握り潰すと、ゴミ箱へと投げ捨てる。
「じゃあまた」
新田は、再びドアへと手をかける。
その時だった。
「解けたら次から書類手伝う」
突如として背後から、女性の声が聞こえたのだ。
その声色は明らかに、呻き声をあげて倒れた筈の河井の声。
普通なら無視して帰る所だが、その成功報酬は新田にとって願ったり叶ったりな物。
「任せろ」
新田の返答は速かった。
新田はそう返答するや否や、無駄の無い動きでゴミ箱から、例の紙を拾いあげると、破けないよう、慎重かつ丁寧にシワを伸ばす。
「制限時間は10分」
もはや自由に喋る、死んだ設定の河井。
地面に伏したままの河井の声を聞いた新田は時計を見る。
時刻は15時30分。
「40分までだな」
新田は終了時刻を確認すると、ゆっくりとペンを鞄から取り出す。
普通なら少しでも早くと急ぐ場面だが、余裕と言わぬばかりの動きで、紙と向き合う。
「簡単」
新田はランダムに並べられた文字列の中の、“む”と“ね”を丸で囲い、分かりやすくする。
「これで後は、“むね”の中の文字を上から順に読む……。
つ・く・え・の・し・た。
机の下か」
新田は頷くとしゃがみ込み、余裕しゃくしゃくと机の下を覗く。
「ん?ないが……」
巨体を一生懸命小さくし、机の下に潜り込んだ新田だったが、そこには紙は愚か、ホコリ1つ落ちていなかった。
「どういう事だ……」
新田は再び暗号へと向き直した。
「机の下はミスリード」そう考えると、何処か見落としてないか、別の解読方法があるのか、自身の過去読んだ謎解きの回答を思い出し、色々な方法を試みる。
しかし、考えるも当て嵌まる物は無く、無惨にも時間だけが過ぎていく。
「くそ……侮っていた俺の負けか」
考え込めば込むほど時間はあっという間に過ぎてゆく。
謎解きしている横で、うつ伏せの死体(仮)を演じている河井の勝ち誇った顔に、新田は敗北感を覚える。
「はい!しゅーりょー!!」
時計を見ると40分。
河井が勢いよく起き上がる。
「姫が暗号無く生き返ったな」
「ええい、黙りなさい!
貴方の負けよ、新田!」
ビシッと指を差される新田。
観念したと言わんばかりに両手を上げる。
「確かに俺の負けだ。
綺麗なミスリードだったし、引っかかってしまった。
暗号は何処にあったんだ?」
「ふふっ……分からないなら教えてあげましょう!」
河井はそう言うと右手を振り上げ、スローモーションに見えるかのように、滑らかな動きで右手を、自らのシャツの下へと潜り込ませた。
「おま……」
全てを察した新田は頭を抱えて、ため息を吐いた。
「暗号は“胸の中”。
答えは私のブラの中でしたぁ!!」
「分かっても取り出せるか」
「不正解の新田くんには、温もり付きの暗号を進呈しましょう」
「いらん、捨てろ、帰る」
新田はバックを持つと、直ぐに生徒会室を出て行く。
それを察知していたのか、直ぐに後を追いかける河井。
「新田はん、待っておくんなましぃ~」
「いや、口調どうした」
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