紫陽花高校生徒会!!!!

kaniya1192

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紫陽花高校生徒会

生徒会とあだ名

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「そう言えば小学生の頃、新田って巨神兵って呼ばれてなかった?」


「河井にだけな」


「薙ぎ払え!!って言ってなかったっけ?」


「言ってたの河井な?」


「そこに手を出してはならぬ!」


「それも河井な?」


「愚かなやつだ。たった一人で世界を守ろうというのか」


「河井な?」


「この世で一番美しいのは?」


「…………」


「何か言いなさいよ」


「…………」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「お昼ごはんの後は眠くなるわね……」


河井は椅子に座りながら大きく伸びをすると、バックからマイ枕を取り出し、枕に頭を乗せる。

現在、昼休みの真っ只中。

生徒会の仕事がある為、2人で生徒会室にて昼食を済ませ、新田は黙々と仕事に勤しんでる。


「眠いのはいつもだろ」


「違いますぅ!
睡魔レベルが放課後とは段違いなんですぅ!!」


枕に顔を伏せながら、不貞腐れたように言い放つ。


「あっ、そう言えば新田」


河井が何かを思い出したかのように、枕から顔を上げる。


「あんた、此処ではブリキって呼ばれてるんだって?」


「まあ、そうみたいだな」


新田は特に気にも止めていない事なので、何事もなくペンを進めていく。


「クラスメイトに色々聞いてみたら、ブリキはあくまで建前で、ブリキの悪魔が本来の名称らしいわね」


河井はそこまで言い切ると、自分の口にした事に対し驚愕し、目を大きく広げ、手で口元を押さえる。


「“あくまで悪魔”……私は天才かも知れないわ」


「頼むから……黙ってくれ……」


流石の新田も思わず動揺してしまい、手を止めてしまう。

そんな新田の切実な思いも意に介さず、河井は続けて話しを続ける。


「それで、悪魔ってまた何かやらかしたの?」


「いや、何もしていないな」


淡と答える新田。

その様子を見て、「ふーん」と河井は鼻を鳴らすと、カバンからお菓子を取り出した。


「ところで、どうして突然そんな話を切り出したんだ?」


何か無ければこんな話題出してこないだろう。

そう確信をしていた新田は、お菓子を食べ始めた河井に逆に質問を投げ掛けた。


「んー?
私って才色兼備の美少女とか天使って言われてるじゃない?」


「自分で言うか。
いや、実際にそう噂はされているみたいだが」


新田は憐れげな視線を向け、「本性は……」と続けようとしたが、口を噤んだ。


「それでね、昨日クラスメイトに新田と2人っきりで大丈夫かって聞かれたのよね」


「確かに、噂を鵜呑みにすれば美少女と暴漢みたいな状況だからな」


「そうね。
まあでも、安心していいわよ」


河井はキリッとした笑みを浮かべ、新田に対し親指を立てた。


「なあ……安心どころか不安しか感じないのだが、なんて言った?」


「私の幼馴染で、コミュ障拗らせた、私に従順な犬だから安心して!
3回まわってワンもやってくれるくらいだから!って言っておいてあげた!!」


「風評被害でしかない。
名誉毀損で訴えるぞマジで」


新田は深いため息と共に肩を落とす。


「通りで今日、“ブリキのワンちゃん”とかよく分からない単語が聞こえてきたり、“女王の玩具”とか不名誉な名前が付けられてたのか……」


「聞き間違えだと思いたかった……」とその後に付け加えると、どうしようも出来ないこの状況に、新田は思わず目頭を押さえる。


「オイそこ、“良いネーミングセンスね”みたいな満足そうな顔で頷くな。
コッチは何ひとつ満足してないんだが。
不安が的中してるんだが?」


思わず強めの口調になってしまう新田。

常人であれば思わず萎縮してしまうだろう。

だが、相手は河井已香だ。

そんな事で河井のペースは衰えない。


「え?そんなに褒めても何も出ないわよ」


「褒めてない。
むしろ周りに河井という人物の本性を知らしめたいくらいだ」


「え?本来の私の方が可愛いって?
名前だけに??」


「どう聞き取ったらそう変換されるんだ。
名前関係ないし、その自己中心のフィルターを外せ」


「え?世界は私中心に回っているって?
そんなの皆んな知ってるわよ?」


「いや、回ってないし、周知の事実ですらないわ。
いい加減にしろ」


「どうもありがとうございました~」


河井が立ち上がり、手を腰の前で握り頭を下げる。


「漫才しとらんわ!」


思わず関西弁でツッコミを入れてしまう新田。

それと同時に昼休みの終了の予鈴が鳴り響く。

お昼の仕事は終わらず、そのまま放課後へと引き継がれる事が確定したのだった。
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