紫陽花高校生徒会!!!!

kaniya1192

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紫陽花高校生徒会

生徒会と生徒総会(準備編)

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「何事にも準備が必要よ!!」


「珍しく真っ当な事を言うじゃないか」


「当たり前じゃない。
勉強も仕事も遊びも、いかがわしい事も、事前の準備は死ぬ程大切よ!!」


「最後のはこの場の倫理観的にどうかと思うが、間違っていない」


「準備を怠ると、水着を下に着て下着を持っていくの忘れたりするわよ!」


「実体験の話か?」


「帰り道、ベトベトして気持ち悪かったわ」


「実体験の話しだな」


「それで、宿題を家に忘れるのを3回くらい繰り返して、凄い量の宿題出されてるんだけど、手伝ってくれない?」


「如何に準備が大切かを、身を持って御教授頂き感謝」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「これ、各クラスの要望をまとめた物みたいだぞ」


新田は生徒会室で変わらず、ぐうたらとしている河井に、太夫先生から預かった資料を渡す。

資料の中身は、生徒総会で生徒の要望として発表する為に、各クラスから集めた要望用紙である。

全学年の全クラスとなるので、その量は思わず目を背けたくなる程だ。


「えぇ~……めんどうでござるぅ」


「時代背景間違えてるぞ」


「It bothers me」


「国を間違えてるぞ」


「Khó khăn」


「ベトナム語か。
国を間違えてるぞ」


「uone DNM」


「知らない言語だ」


「河井語よ」


「河井語ってなんだ。
ふざけてないで、さっさと片付けるぞ」


「えぇ~……」


河井は不貞腐れた表情で用紙を手に取ると、束になっているうちの数枚を見ると投げ出し、再び顔を伏せた。


「全部採用」


「因みにだが、“河井已香の指定制服をネコ耳メイド服”で“河井已香こ体操服をブルマ”にって……」


「さあ!テキパキやるわよ!!」


河井は新田の言葉を遮ると、即座に立ち上がり、新田の持っていた用紙を奪い、破り捨てる。


「ていうか誰よこんな要望書いたの!」


「完全に匿名だな」


「今度筆跡で見つけだして、ボコボコしてやる」


河井は硬い拳を作り上げ、復讐を誓う。

それを尻目に新田は、カバンから白紙と筆記用具を取り出すと、席へと座る。


「とりあえず河井はそこに書かれた要望を順番に教えてくれ。
それをコッチに書き出してく」


「はーい、わかったわ」


河井は席に着くと、1枚ずつ用紙を見ていく。


「スマートフォンの利用についてが多いわね」


「まあそうだろうな。
過去の生徒総会の議事録を見ても、毎回議題に上がっている」


この学校では、携帯電話の持ち込みは許可されているが、朝のHRで全員担任に回収され、帰宅時に返却される。

その為、隠し持っている者が多いのが現実で、見つかり、反省文を書かされている生徒もしばしばいる。


「私個人的には、これは許可でも良いとは思うのだけどね」


「そうか?
この社会で、依存症や自分の欲望をコントロール出来ない人が増えている為の施策だと思うが。
許可してる所は自己責任としてる所も多く、そういった人間を見捨ててるとも聞こえる。
この施策は考えられたものだと思うが」


「確かに、そういう見方も出来るとは思うわ。
だけどスマートフォンって勉学にも役立つと思うのよね」


「まあ、インターネット検索とか、勉強アプリとか、動画とか、気軽に興味がある分野を見聞き出来るようになったのも事実だな」


「そうよ、特に保健体育の授業が捗るわよね。
この変態モンスター!」


「なんで俺が罵倒された?
まあ、これ以上の対話は危険だと思うから次」


淡々と進める新田に河井は「はーい」と返事をする。


「次は屋上の解放についてね」


「自殺者、転落事故などを防ぐ為だな」


「屋上を閉ざす事により、生徒の保健体育の教養の機会を失わせてしまう為、解放可決!
この変態幹部!!」


「だからなんで俺が罵倒される?
俺関係ないよな?」


「次は……」


新田の疑問を無視して、次の用紙を手に取る河井。


「夜の校舎の解放ね」


「駄目に決まってるだろ」


「夜の校舎は保健体育の勉学が捗る!
可決よ!この変態大魔王!!」


「いや、段々役職上がってる。
何度も言うが、俺全く関係ないからな?」


「え?でも……?」


河井は今までの3つの用紙を見せてくる。

そこには匿名の物にも関わらず、何故か新田の名前が記入されていた。


「ちょっとその筆跡を後で切り抜いて寄越せ。
見つけてしばく」


「え、貴方の要望じゃないの?
私はてっきり……」


「鵜呑みにするな。
産まれたての雛鳥かお前は」


河井は面白く無いと言いたげな表情を浮かべると、次の用紙を手に取った。
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