紫陽花高校生徒会!!!!

kaniya1192

文字の大きさ
10 / 15
紫陽花高校生徒会

生徒会と生徒総会(準備編)②

しおりを挟む
「次は、漆黒の剣の持ち込み」


「それ絶対、元生徒会長だろ。
因みにどれくらいの大きさなんだ?」


「1mくらいの大きさはあったわね」


「驚愕だわ。
キーホルダーとかじゃなかったのか」


新田はどうやって河井が持ち込んだのかも気になったが、竹刀やラクロスラケットに見せかけたりも出来る事を理解し、疑問は解決する。


「次、純白の剣の持ち込み」


「漆黒の剣に対抗しそうな剣出てきたな」


「次、戦闘の許可」


「戦うつもり満々じゃないか。
元生徒会長は何者だったんだ」


「次、銭湯の許可」


「ダジャレを挟むな」


今のは絶対に河井が付け足したのだろうと新田は判断。

思わずツッコミを入れてしまう。


「次、魔法使用の許可」


「この学校には魔法を使える人間が居るのか。
しかし、使えるなら使ってみて欲しい気持ちはある」


「次、魔王殺傷の許可」


「いや、この学校内に魔王なんて存在、居るわけないだろ」


「次、勇者殺傷の許可」


「多分魔王居たわ。
そして、魔王なのに律儀に許可申請してたわ。
しかも、この学校は勇者もいるのか」


「次、ギルドの設立の許可」


「勇者側は、ギルド設立して魔王に対抗しようとしてるな」


「次、魔王城建設の許可」


「魔王も対抗意識出してきたな。
まあ、陣営設営は大事な事だ」


「次、魔王討伐パレード開催の許可」


「勇者側もう勝った気でいるな。
浮き足立ってると負けるんじゃ無いか?」


「次、勇者討伐パレード開催の許可」


「魔王側も浮き足立ってた」


そこまで要望用紙を読み終えると、河井は持っている用紙を置き、ため息を吐き出しながら、目頭を押さえた。


「どうなってんのよ……」


「ああ、これは完全に要望用紙で遊んで……」


「この学校で一体何が起きようとしているの!!!?」


「だから鵜呑みにするなって言ったばかりだろ」


新田の話しを遮り、キラキラした瞳で勢いよく立ち上がる河井。

ファンタジー小説の読み過ぎだと、新田は河井に伝える。


「因みにまだあるわよ」


「まだあるのか」


「ええ、これかしら……」


河井はそう言いながら、新田に2枚の要望用紙を手渡す。

新田は2人で見れるように、表向きにその用紙を2枚並べた。

その用紙はそれぞれ、

“勇者は魔王と戦わなくていい許可”

“魔王は勇者と仲良くしていい許可”

と、書かれていた。

その要望用紙に、河井はその物語の背景を思い浮かべたのか、涙ながらに親指を天井に向けて突き出した。


「……可決っ!!!」


「しないわ。
後で生徒指導の先生に、元生徒会長のクラス全員叱って貰うよう伝えておくからな」


「非道な奴め!
貴方が真の魔王だったのね!!」


「そんな訳あるか」


新田の近くからバッと飛び退くと、何かを思い出したのか、驚きの表情で口を手のひらで隠す。


「変態……大魔王……」


「“まさか本当に……”みたいな顔をするな。
違うに決まってるだろ。
いい加減、名誉毀損で訴えるぞ」


河井はそれを聞くと、信じきれていないのか、疑いの視線を向けたまま、着席をする。

新田は全てを投げ出し、頭を抱えたくなったが、仕事なので思い留まる。


「……で、次の要望はなんだ?」


「えっと、ロボットでの宇宙戦争の出兵許可。
え、新田コレって……!!!!」


「次はSFか……」


新田は、再び目を輝かせ始めた河井を見ると、「もう勘弁してくれ」と呟くき、ペンを完全に机の上に置き、盛大な溜息と共に頭を抱えるのであった。


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

あなたの愛はいりません

oro
恋愛
「私がそなたを愛することは無いだろう。」 初夜当日。 陛下にそう告げられた王妃、セリーヌには他に想い人がいた。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...