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紫陽花高校生徒会
生徒会と生徒総会(本番)
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「面倒ね!!」
「そんな堂々と言うな。
そもそもお前が進んで生徒会始めたんだろ」
「世間体よ」
「遂に言ったな。
知ってはいたけど、遂に言ったな」
「それに……」
「それになんだ?」
「もう……察しが悪いんだから……」
「急にラブコメするな」
「実はこの条件でないと、能力が使えないの」
「ファンタジーするな」
「生徒会でこの時期に殺人事件が」
「ミステリーするな」
「uoaia oui TGR MT」
「なんて?」
「河井語よ」
「出たな河井語」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「遂に本番……。
汗水流して、幾日も夜遅くまで予行練習をして、数々の苦難を乗り越え、ようやくここまで……。
新田……、最高の生徒総会にしましょう!!」
此処は講堂。
全校生徒は順次、整列をしながら講堂へと入って来ると、手前から順に着席をしてゆく。
舞台の袖裏からその様子を眺めた河井は、感極まった様子で、拳をギュッと握り締め、その拳を新田へと突き出す。
「まあ因みに、結局要望まとめたの俺だし、予行練習も前日の1回だけだったけどな」
「頭殴れば記憶改竄出来るかしら?」
「暴力で解決しようとするな」
河井が突き出してた拳を振り上げた所で、新田は頭を抱える。
「……ちゃんと流れを覚えて来ただろうな?」
「オフコース!!
任せて頂戴!!」
とてつもなくいい笑顔で、拳から親指を立てる河井。
その自信溢れる河井とは反対に、新田は不安で仕方がない様子。
「確認するが、始めの言葉は?」
「任せなさい!
“只今から第64回、紫陽花(あじさい)高校生徒総会を始めます”」
河井はそう言い切ると、「どう?!」と言わんばかりのドヤ顔を新田へと向ける。
そんな河井の様子に、新田はため息を吐き出した。
「紫陽花(しようか)高校な」
「しよ……、なんて?
しようか高校……??」
珍しく、本気で狼狽える河井に対して、説明を続ける新田。
「紫陽花と書いて、“しようか”と読むんだ。
校訓に固定概念に囚われない、柔軟な考えが出来る教育とあったぞ。
パンフレット見てないのか?」
「見たわよ。
完全に見落としてたわね……。
なんなら、転入試験の面接の時も紫陽花(あじさい)高校って言ったわよ」
「お前、なんで受かったんだ」
「ね、なんで受かったのかしらね……?」
2人は顎に手を当てて首を傾げる。
「まあ、過ぎた事はいいか。
始めの言葉の後を続けてくれ」
「任せて!」
河井は意気込むと、気持ちを切り替える為に、一度大きく息を吸う。
「まずは、生徒からの要望。
生徒会役員兼、私のペットこと、優秀な下僕、新田優斗さんどうぞ」
「お前のペットでも下僕でもない」
「ありがとうございました。
次に生徒会の二番煎じこと、風紀委員会からの、どうでもいい……じゃなくて、貴重なお話しです」
「なんでお前、風紀委員に喧嘩吹っかけてんだ。
何かやらかしたのか」
「なんで、私がやらかした事になってるのよ。
あっちが事あるごとに突っ掛かってくるのよ」
河井が腕を組み、ウンウンと頷く。
「因みに、風紀委員とのファーストコンタクトは?」
「えっと確か、持ち物検査で、お菓子と枕持って来るなって言われたから、外面で先生落して論破したのが始めね」
「否定のしようが無いくらい、存分にやらかしてるな。
風紀委員も相手が悪かった……」
己の武器を理解し、存分に扱う人間を相手にするのは至難であろう。
そう思った新田は、風紀委員に対して、心の中で静かに合掌をした。
「やらかして無いわ!
当然の主張をしたまでよ!!」
「はいはい、そうだな」
何を言っても無駄だと判断した新田は、無感情に肯定だけしておく。
同時に、いつか風紀委員に謝罪文を送る事を、新田は心に決めた。
「分かったならよろしい!
そしたら、次は部活動の紹介ね」
「そうだな。
1年生に対し、各部活動がオリエンテーションを行う時間になるな」
「これは私も出なきゃいけないやつね」
「は?
河井が出るなんて聞いてないが」
新田は手に持っていた、今日の流れが記載された用紙を再度確認するが、オリエンテーションの代表に河井の名前は載っていない。
確認をし終えると、再度河井に向き直す。
「面倒ね!!」
「そんな堂々と言うな。
そもそもお前が進んで生徒会始めたんだろ」
「世間体よ」
「遂に言ったな。
知ってはいたけど、遂に言ったな」
「それに……」
「それになんだ?」
「もう……察しが悪いんだから……」
「急にラブコメするな」
「実はこの条件でないと、能力が使えないの」
「ファンタジーするな」
「生徒会でこの時期に殺人事件が」
「ミステリーするな」
「uoaia oui TGR MT」
「なんて?」
「河井語よ」
「出たな河井語」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「遂に本番……。
汗水流して、幾日も夜遅くまで予行練習をして、数々の苦難を乗り越え、ようやくここまで……。
新田……、最高の生徒総会にしましょう!!」
此処は講堂。
全校生徒は順次、整列をしながら講堂へと入って来ると、手前から順に着席をしてゆく。
舞台の袖裏からその様子を眺めた河井は、感極まった様子で、拳をギュッと握り締め、その拳を新田へと突き出す。
「まあ因みに、結局要望まとめたの俺だし、予行練習も前日の1回だけだったけどな」
「頭殴れば記憶改竄出来るかしら?」
「暴力で解決しようとするな」
河井が突き出してた拳を振り上げた所で、新田は頭を抱える。
「……ちゃんと流れを覚えて来ただろうな?」
「オフコース!!
任せて頂戴!!」
とてつもなくいい笑顔で、拳から親指を立てる河井。
その自信溢れる河井とは反対に、新田は不安で仕方がない様子。
「確認するが、始めの言葉は?」
「任せなさい!
“只今から第64回、紫陽花(あじさい)高校生徒総会を始めます”」
河井はそう言い切ると、「どう?!」と言わんばかりのドヤ顔を新田へと向ける。
そんな河井の様子に、新田はため息を吐き出した。
「紫陽花(しようか)高校な」
「しよ……、なんて?
しようか高校……??」
珍しく、本気で狼狽える河井に対して、説明を続ける新田。
「紫陽花と書いて、“しようか”と読むんだ。
校訓に固定概念に囚われない、柔軟な考えが出来る教育とあったぞ。
パンフレット見てないのか?」
「見たわよ。
完全に見落としてたわね……。
なんなら、転入試験の面接の時も紫陽花(あじさい)高校って言ったわよ」
「お前、なんで受かったんだ」
「ね、なんで受かったのかしらね……?」
2人は顎に手を当てて首を傾げる。
「まあ、過ぎた事はいいか。
始めの言葉の後を続けてくれ」
「任せて!」
河井は意気込むと、気持ちを切り替える為に、一度大きく息を吸う。
「まずは、生徒からの要望。
生徒会役員兼、私のペットこと、優秀な下僕、新田優斗さんどうぞ」
「お前のペットでも下僕でもない」
「ありがとうございました。
次に生徒会の二番煎じこと、風紀委員会からの、どうでもいい……じゃなくて、貴重なお話しです」
「なんでお前、風紀委員に喧嘩吹っかけてんだ。
何かやらかしたのか」
「なんで、私がやらかした事になってるのよ。
あっちが事あるごとに突っ掛かってくるのよ」
河井が腕を組み、ウンウンと頷く。
「因みに、風紀委員とのファーストコンタクトは?」
「えっと確か、持ち物検査で、お菓子と枕持って来るなって言われたから、外面で先生落して論破したのが始めね」
「否定のしようが無いくらい、存分にやらかしてるな。
風紀委員も相手が悪かった……」
己の武器を理解し、存分に扱う人間を相手にするのは至難であろう。
そう思った新田は、風紀委員に対して、心の中で静かに合掌をした。
「やらかして無いわ!
当然の主張をしたまでよ!!」
「はいはい、そうだな」
何を言っても無駄だと判断した新田は、無感情に肯定だけしておく。
同時に、いつか風紀委員に謝罪文を送る事を、新田は心に決めた。
「分かったならよろしい!
そしたら、次は部活動の紹介ね」
「そうだな。
1年生に対し、各部活動がオリエンテーションを行う時間になるな」
「これは私も出なきゃいけないやつね」
「は?
河井が出るなんて聞いてないが」
新田は手に持っていた、今日の流れが記載された用紙を再度確認するが、オリエンテーションの代表に河井の名前は載っていない。
確認をし終えると、再度河井に向き直す。
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