紫陽花高校生徒会!!!!

kaniya1192

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紫陽花高校生徒会

生徒会と生徒総会(本番)

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「面倒ね!!」


「そんな堂々と言うな。
そもそもお前が進んで生徒会始めたんだろ」


「世間体よ」


「遂に言ったな。
知ってはいたけど、遂に言ったな」


「それに……」


「それになんだ?」


「もう……察しが悪いんだから……」


「急にラブコメするな」


「実はこの条件でないと、能力が使えないの」


「ファンタジーするな」


「生徒会でこの時期に殺人事件が」


「ミステリーするな」


「uoaia oui TGR MT」


「なんて?」


「河井語よ」


「出たな河井語」


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「遂に本番……。
汗水流して、幾日も夜遅くまで予行練習をして、数々の苦難を乗り越え、ようやくここまで……。
新田……、最高の生徒総会にしましょう!!」


此処は講堂。

全校生徒は順次、整列をしながら講堂へと入って来ると、手前から順に着席をしてゆく。

舞台の袖裏からその様子を眺めた河井は、感極まった様子で、拳をギュッと握り締め、その拳を新田へと突き出す。


「まあ因みに、結局要望まとめたの俺だし、予行練習も前日の1回だけだったけどな」


「頭殴れば記憶改竄出来るかしら?」


「暴力で解決しようとするな」


河井が突き出してた拳を振り上げた所で、新田は頭を抱える。


「……ちゃんと流れを覚えて来ただろうな?」


「オフコース!!
任せて頂戴!!」


とてつもなくいい笑顔で、拳から親指を立てる河井。

その自信溢れる河井とは反対に、新田は不安で仕方がない様子。


「確認するが、始めの言葉は?」


「任せなさい!
“只今から第64回、紫陽花(あじさい)高校生徒総会を始めます”」


河井はそう言い切ると、「どう?!」と言わんばかりのドヤ顔を新田へと向ける。

そんな河井の様子に、新田はため息を吐き出した。


「紫陽花(しようか)高校な」


「しよ……、なんて?
しようか高校……??」


珍しく、本気で狼狽える河井に対して、説明を続ける新田。


「紫陽花と書いて、“しようか”と読むんだ。
校訓に固定概念に囚われない、柔軟な考えが出来る教育とあったぞ。
パンフレット見てないのか?」


「見たわよ。
完全に見落としてたわね……。
なんなら、転入試験の面接の時も紫陽花(あじさい)高校って言ったわよ」


「お前、なんで受かったんだ」


「ね、なんで受かったのかしらね……?」


2人は顎に手を当てて首を傾げる。


「まあ、過ぎた事はいいか。
始めの言葉の後を続けてくれ」


「任せて!」


河井は意気込むと、気持ちを切り替える為に、一度大きく息を吸う。


「まずは、生徒からの要望。
生徒会役員兼、私のペットこと、優秀な下僕、新田優斗さんどうぞ」


「お前のペットでも下僕でもない」


「ありがとうございました。
次に生徒会の二番煎じこと、風紀委員会からの、どうでもいい……じゃなくて、貴重なお話しです」


「なんでお前、風紀委員に喧嘩吹っかけてんだ。
何かやらかしたのか」


「なんで、私がやらかした事になってるのよ。
あっちが事あるごとに突っ掛かってくるのよ」


河井が腕を組み、ウンウンと頷く。


「因みに、風紀委員とのファーストコンタクトは?」


「えっと確か、持ち物検査で、お菓子と枕持って来るなって言われたから、外面で先生落して論破したのが始めね」


「否定のしようが無いくらい、存分にやらかしてるな。
風紀委員も相手が悪かった……」


己の武器を理解し、存分に扱う人間を相手にするのは至難であろう。

そう思った新田は、風紀委員に対して、心の中で静かに合掌をした。


「やらかして無いわ!
当然の主張をしたまでよ!!」


「はいはい、そうだな」


何を言っても無駄だと判断した新田は、無感情に肯定だけしておく。

同時に、いつか風紀委員に謝罪文を送る事を、新田は心に決めた。


「分かったならよろしい!
そしたら、次は部活動の紹介ね」


「そうだな。
1年生に対し、各部活動がオリエンテーションを行う時間になるな」


「これは私も出なきゃいけないやつね」


「は?
河井が出るなんて聞いてないが」


新田は手に持っていた、今日の流れが記載された用紙を再度確認するが、オリエンテーションの代表に河井の名前は載っていない。

確認をし終えると、再度河井に向き直す。
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