11 / 15
紫陽花高校生徒会
生徒会と生徒総会(本番)
しおりを挟む
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「面倒ね!!」
「そんな堂々と言うな。
そもそもお前が進んで生徒会始めたんだろ」
「世間体よ」
「遂に言ったな。
知ってはいたけど、遂に言ったな」
「それに……」
「それになんだ?」
「もう……察しが悪いんだから……」
「急にラブコメするな」
「実はこの条件でないと、能力が使えないの」
「ファンタジーするな」
「生徒会でこの時期に殺人事件が」
「ミステリーするな」
「uoaia oui TGR MT」
「なんて?」
「河井語よ」
「出たな河井語」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「遂に本番……。
汗水流して、幾日も夜遅くまで予行練習をして、数々の苦難を乗り越え、ようやくここまで……。
新田……、最高の生徒総会にしましょう!!」
此処は講堂。
全校生徒は順次、整列をしながら講堂へと入って来ると、手前から順に着席をしてゆく。
舞台の袖裏からその様子を眺めた河井は、感極まった様子で、拳をギュッと握り締め、その拳を新田へと突き出す。
「まあ因みに、結局要望まとめたの俺だし、予行練習も前日の1回だけだったけどな」
「頭殴れば記憶改竄出来るかしら?」
「暴力で解決しようとするな」
河井が突き出してた拳を振り上げた所で、新田は頭を抱える。
「……ちゃんと流れを覚えて来ただろうな?」
「オフコース!!
任せて頂戴!!」
とてつもなくいい笑顔で、拳から親指を立てる河井。
その自信溢れる河井とは反対に、新田は不安で仕方がない様子。
「確認するが、始めの言葉は?」
「任せなさい!
“只今から第64回、紫陽花(あじさい)高校生徒総会を始めます”」
河井はそう言い切ると、「どう?!」と言わんばかりのドヤ顔を新田へと向ける。
そんな河井の様子に、新田はため息を吐き出した。
「紫陽花(しようか)高校な」
「しよ……、なんて?
しようか高校……??」
珍しく、本気で狼狽える河井に対して、説明を続ける新田。
「紫陽花と書いて、“しようか”と読むんだ。
校訓に固定概念に囚われない、柔軟な考えが出来る教育とあったぞ。
パンフレット見てないのか?」
「見たわよ。
完全に見落としてたわね……。
なんなら、転入試験の面接の時も紫陽花(あじさい)高校って言ったわよ」
「お前、なんで受かったんだ」
「ね、なんで受かったのかしらね……?」
2人は顎に手を当てて首を傾げる。
「まあ、過ぎた事はいいか。
始めの言葉の後を続けてくれ」
「任せて!」
河井は意気込むと、気持ちを切り替える為に、一度大きく息を吸う。
「まずは、生徒からの要望。
生徒会役員兼、私のペットこと、優秀な下僕、新田優斗さんどうぞ」
「お前のペットでも下僕でもない」
「ありがとうございました。
次に生徒会の二番煎じこと、風紀委員会からの、どうでもいい……じゃなくて、貴重なお話しです」
「なんでお前、風紀委員に喧嘩吹っかけてんだ。
何かやらかしたのか」
「なんで、私がやらかした事になってるのよ。
あっちが事あるごとに突っ掛かってくるのよ」
河井が腕を組み、ウンウンと頷く。
「因みに、風紀委員とのファーストコンタクトは?」
「えっと確か、持ち物検査で、お菓子と枕持って来るなって言われたから、外面で先生落して論破したのが始めね」
「否定のしようが無いくらい、存分にやらかしてるな。
風紀委員も相手が悪かった……」
己の武器を理解し、存分に扱う人間を相手にするのは至難であろう。
そう思った新田は、風紀委員に対して、心の中で静かに合掌をした。
「やらかして無いわ!
当然の主張をしたまでよ!!」
「はいはい、そうだな」
何を言っても無駄だと判断した新田は、無感情に肯定だけしておく。
同時に、いつか風紀委員に謝罪文を送る事を、新田は心に決めた。
「分かったならよろしい!
そしたら、次は部活動の紹介ね」
「そうだな。
1年生に対し、各部活動がオリエンテーションを行う時間になるな」
「これは私も出なきゃいけないやつね」
「は?
河井が出るなんて聞いてないが」
新田は手に持っていた、今日の流れが記載された用紙を再度確認するが、オリエンテーションの代表に河井の名前は載っていない。
確認をし終えると、再度河井に向き直す。
「面倒ね!!」
「そんな堂々と言うな。
そもそもお前が進んで生徒会始めたんだろ」
「世間体よ」
「遂に言ったな。
知ってはいたけど、遂に言ったな」
「それに……」
「それになんだ?」
「もう……察しが悪いんだから……」
「急にラブコメするな」
「実はこの条件でないと、能力が使えないの」
「ファンタジーするな」
「生徒会でこの時期に殺人事件が」
「ミステリーするな」
「uoaia oui TGR MT」
「なんて?」
「河井語よ」
「出たな河井語」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「遂に本番……。
汗水流して、幾日も夜遅くまで予行練習をして、数々の苦難を乗り越え、ようやくここまで……。
新田……、最高の生徒総会にしましょう!!」
此処は講堂。
全校生徒は順次、整列をしながら講堂へと入って来ると、手前から順に着席をしてゆく。
舞台の袖裏からその様子を眺めた河井は、感極まった様子で、拳をギュッと握り締め、その拳を新田へと突き出す。
「まあ因みに、結局要望まとめたの俺だし、予行練習も前日の1回だけだったけどな」
「頭殴れば記憶改竄出来るかしら?」
「暴力で解決しようとするな」
河井が突き出してた拳を振り上げた所で、新田は頭を抱える。
「……ちゃんと流れを覚えて来ただろうな?」
「オフコース!!
任せて頂戴!!」
とてつもなくいい笑顔で、拳から親指を立てる河井。
その自信溢れる河井とは反対に、新田は不安で仕方がない様子。
「確認するが、始めの言葉は?」
「任せなさい!
“只今から第64回、紫陽花(あじさい)高校生徒総会を始めます”」
河井はそう言い切ると、「どう?!」と言わんばかりのドヤ顔を新田へと向ける。
そんな河井の様子に、新田はため息を吐き出した。
「紫陽花(しようか)高校な」
「しよ……、なんて?
しようか高校……??」
珍しく、本気で狼狽える河井に対して、説明を続ける新田。
「紫陽花と書いて、“しようか”と読むんだ。
校訓に固定概念に囚われない、柔軟な考えが出来る教育とあったぞ。
パンフレット見てないのか?」
「見たわよ。
完全に見落としてたわね……。
なんなら、転入試験の面接の時も紫陽花(あじさい)高校って言ったわよ」
「お前、なんで受かったんだ」
「ね、なんで受かったのかしらね……?」
2人は顎に手を当てて首を傾げる。
「まあ、過ぎた事はいいか。
始めの言葉の後を続けてくれ」
「任せて!」
河井は意気込むと、気持ちを切り替える為に、一度大きく息を吸う。
「まずは、生徒からの要望。
生徒会役員兼、私のペットこと、優秀な下僕、新田優斗さんどうぞ」
「お前のペットでも下僕でもない」
「ありがとうございました。
次に生徒会の二番煎じこと、風紀委員会からの、どうでもいい……じゃなくて、貴重なお話しです」
「なんでお前、風紀委員に喧嘩吹っかけてんだ。
何かやらかしたのか」
「なんで、私がやらかした事になってるのよ。
あっちが事あるごとに突っ掛かってくるのよ」
河井が腕を組み、ウンウンと頷く。
「因みに、風紀委員とのファーストコンタクトは?」
「えっと確か、持ち物検査で、お菓子と枕持って来るなって言われたから、外面で先生落して論破したのが始めね」
「否定のしようが無いくらい、存分にやらかしてるな。
風紀委員も相手が悪かった……」
己の武器を理解し、存分に扱う人間を相手にするのは至難であろう。
そう思った新田は、風紀委員に対して、心の中で静かに合掌をした。
「やらかして無いわ!
当然の主張をしたまでよ!!」
「はいはい、そうだな」
何を言っても無駄だと判断した新田は、無感情に肯定だけしておく。
同時に、いつか風紀委員に謝罪文を送る事を、新田は心に決めた。
「分かったならよろしい!
そしたら、次は部活動の紹介ね」
「そうだな。
1年生に対し、各部活動がオリエンテーションを行う時間になるな」
「これは私も出なきゃいけないやつね」
「は?
河井が出るなんて聞いてないが」
新田は手に持っていた、今日の流れが記載された用紙を再度確認するが、オリエンテーションの代表に河井の名前は載っていない。
確認をし終えると、再度河井に向き直す。
0
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる