紫陽花高校生徒会!!!!

kaniya1192

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紫陽花高校生徒会

生徒会と乙女磨き①

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「新田に豆知識を伝授してあげるわ!」

「藪から棒にどうした」

「ねえ、知ってる?
乙女の意味は少女の他に……」

「おいこら止めろ。
突然なに言い出すつもりだ」

「なにって、未婚の女性を意味するって事よ?」

「そっちか」

「あっれれぇ~?
新田氏はなに想像してたんですかねぇ?
デュフ、教えてキボンヌ」

「腹立つから顔面引っ叩いていいか?」

「スイマセンっした!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~


此処は生徒会室。

今日も今日とて、放課後に生徒会の仕事を1人で全うする新田。

いつもと違うとすれば、仕事はしなくとも必ず生徒室にいる筈のあの河井が、今は居ない事だ。


「やっぱり、河井が居ないだけで効率が上がるな……」


新田は書類が一段落つくと、固まった筋肉を解す為に、椅子に座ったまま腕を上げ、仰反るように身体全体を伸ばす。

その後、右手側に置いてある手付かずの書類に目を向けると、口から息をゆっくりと吐き出し、ペンを持ち直す。


残る書類もあと2割程。

この調子なら早く帰れそうだ。


現在の進捗を確認し、そう思う新田。

そんな心の余裕からか、新田は良からぬ言葉を口ずさむ。


「このま」


「はい、レディースアンドジェントルメーン!!
さあさあ皆さんお待ちかね!
私が遅れてやって来た!!」


新田が「このまま河井が来なければ」と言おうとした直後、生徒会室の扉が勢いよく開け放たれ、リズミカルに河井已香が現れた。


「もはやフラグすら立てさせてくれない件」


「なに?新しいライトノベル?」


「違うわ」


新田はツッコミを入れると、目の前に現れた人物を見据え、少し落胆しながら口を開いた。


「それで、何しにきた」


「何ってそりゃあ……」


河井は一度、新田に背を向けると扉を閉る。

その後、再度振り返り、新田へと最短距離でゆっくりと歩みを進めると、いつもの定位置の椅子へと腰を掛け、にっこりと新田に笑い掛けた。


「ただ、生徒会室に来ただけよ」


「頼むから、嘘でも仕事しに来たって言ってくれ」


「嫌よ!
私の辞書に“仕事”という言葉は無いもの!」


「お前のその真っ白な辞書に、今すぐナイフで“仕事”って刻み込んでやりたい」


胸を張り、踏ん反り返る河井に、ため息を吐き出す新田。

ただ部屋に入るだけで、こんなに濃い人間がいるだろうか。


「さて、ところで新田」


「なんだ」


書類に視線を戻し、仕事に戻ろうとする新田に透かさず声を掛ける河井。

生徒会室に来るのが遅れていた事も踏まえ、生徒会に纏わる真面目な話である可能性も考慮し、念の為、新田は河井に視線を戻す。


「ちょっと私の相談にのってくれないかしら?」


「無理だ」


少し顎を引き、瞼をぱちぱちさせ、自身の魅力を最大限に発揮した上目遣いを放った河井だったが、新田には全く通用せず、相談事は即座に拒否された。

河井の行動から、明らかに碌な事ではないのが読み取られてしまっていたのである。


「私情の話なら後でもいいだろ。
今は仕事が優先だ」


新田は河井に再度断る旨を伝えると、気持ちを入れ替える為にペンをしっかりと持ち直し、書類へと視線を戻す。


「それでね、相談って言うのがね?」


「話を聞け」


どんなに壁が立ち塞がろうとも、一直線に突き破る自己中の暴走列車。

それが河井已香である。


「私って、女子力を数値化するとカンストしてるじゃない?」


「ああ、マイナス方向にな」


「もう、やれる事はやり尽くした感があるのだけど、更に女子力極めるにはどうすればいいかしら?」


「まずは常識を学ぶ事からだな」


「何言ってるの?
どっからどう見ても常識人よ!」


「お前の中で、さっきの入室から今までの行動は全て常識内なのか」


「当たり前でしょ。
あんなの、老若男女誰しもがやってる事よ。
常識でしょうが」


間違いなく、さも当たり前で、こちらが間違っていると思わせるような、すっとぼけたような表情で新田を見る河井。

常人なら思わず、一瞬でも「あれ、そうだよな?」と思ってしまうところだが、新田はモノともせず、深くため息を吐く。


「河井との常識がズレ過ぎてて、たまにお前が異世界から来た人間じゃないかと思う時がある」


「えっ、ありがとう」


「何故今感謝されたし」


新田は予測不可能な返答に思わずツッコミを入れる。

流石にこれ以上の暴走は更に帰りの時刻を遅めてしまうので、新田はさっさと本題へと切り込み、河井を満足させる方へと頭をシフトチェンジした。
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