7 / 14
7
しおりを挟む
主人公は考える。
ループからの脱出に必要な条件、いわゆる鍵となるものがあるのかも知れない。
主人公は試行錯誤を重ね、ループ脱出の鍵を探していく。
派手に生きてみる。
慎ましく生きてみる。
人のために生きてみる。
自分のために生きてみる。
いろいろなパターンを試してみた。
しかし、どう生きても、30歳の誕生日になると毎回、15歳に戻されてしまう……
やがて、主人公はやる気をなくし、無限ループに抗うことを辞めてしまう。
人生なんてどうでもいい、未来を見ることもどうでもいい、
そう思うようになり、自堕落になった主人公は、ループ前の人生と同じ道をたどっていく。
希望する学校に行けず、希望の会社に入れず、結婚にも失敗……
そうして、30歳の誕生日を迎えた。
主人公は驚いた。
なんと、30歳より先の人生に行くことができたのだ。
ありのままの自分で生きる。
これがループからの脱出の鍵だったのだ。
というお話を書いてみた。
前よりは、しっかりした設定で書けたように思えた。
過去をやり直しての成功が生きる目的なのではなく、
未来に行くことが生きる目的になるというのは、前向きなお話でいいかなと思えてきた。
脱出の鍵は、ループ前と同じように生きること、にしてみたのだけど……
う~ん……ちょっとオチが平凡だったかな。
ループ脱出の鍵は、もっと魅力的なものにした方がいいのかも知れない。
やっぱり、主人公が何らかの障害を乗り越えて脱出の鍵が見つかる、という展開にしたほうがいいかもしれない。
私は念じた。
「時よ戻れ!」
* * * * * *
7月7日。
小説投稿の締切前日になると、こうして私は時を戻してしまう。
もう、何度書き直したことか……
しかし、これが私の性格なのだ。仕方ない。
そうは思うものの、このループ癖は何とかならないだろうか。
何度書き直しても、これでいいとは思えなかった。
そして、能力を使って時を戻してしまう。
自分で時を戻しておきながら、そんな自分に腹が立ってくる。
あぁ、私ってやっぱりダメなんだ……
帰宅してはパソコンに向かい、小説を書き続ける日々を送り続けている。
学校生活はループしている2週間、毎日同じような展開になる。
授業中、寝ていても大丈夫。
先生がどのタイミングでどんな問題を出し、誰を当てるのか、嫌でも全部覚えてしまっていたからだ。
ただ、ループを繰り返すうち、毎日の学校生活の中で少しずつ変化しているものに気が付いた。
私に話しかけてくるクラスメイトの行動だ。
毎日、同じことを繰り返している私は、小さな変化に敏感になっていた。
はじめは私の考えすぎかもしれない、と思っていたのだが、その変化は日に日に大きくなっていった。
今の私は、小説の執筆に全力を注いでいる。
誰かに何を言われようと、今の私の優先課題は小説を書き上げること。
これ以外のことは、眼中にない……つもりだったのだが……
そうもいかなくなってきた。
ある理由で、このループを早めに終わらせないといけない事態になってきたのだ。
ループからの脱出に必要な条件、いわゆる鍵となるものがあるのかも知れない。
主人公は試行錯誤を重ね、ループ脱出の鍵を探していく。
派手に生きてみる。
慎ましく生きてみる。
人のために生きてみる。
自分のために生きてみる。
いろいろなパターンを試してみた。
しかし、どう生きても、30歳の誕生日になると毎回、15歳に戻されてしまう……
やがて、主人公はやる気をなくし、無限ループに抗うことを辞めてしまう。
人生なんてどうでもいい、未来を見ることもどうでもいい、
そう思うようになり、自堕落になった主人公は、ループ前の人生と同じ道をたどっていく。
希望する学校に行けず、希望の会社に入れず、結婚にも失敗……
そうして、30歳の誕生日を迎えた。
主人公は驚いた。
なんと、30歳より先の人生に行くことができたのだ。
ありのままの自分で生きる。
これがループからの脱出の鍵だったのだ。
というお話を書いてみた。
前よりは、しっかりした設定で書けたように思えた。
過去をやり直しての成功が生きる目的なのではなく、
未来に行くことが生きる目的になるというのは、前向きなお話でいいかなと思えてきた。
脱出の鍵は、ループ前と同じように生きること、にしてみたのだけど……
う~ん……ちょっとオチが平凡だったかな。
ループ脱出の鍵は、もっと魅力的なものにした方がいいのかも知れない。
やっぱり、主人公が何らかの障害を乗り越えて脱出の鍵が見つかる、という展開にしたほうがいいかもしれない。
私は念じた。
「時よ戻れ!」
* * * * * *
7月7日。
小説投稿の締切前日になると、こうして私は時を戻してしまう。
もう、何度書き直したことか……
しかし、これが私の性格なのだ。仕方ない。
そうは思うものの、このループ癖は何とかならないだろうか。
何度書き直しても、これでいいとは思えなかった。
そして、能力を使って時を戻してしまう。
自分で時を戻しておきながら、そんな自分に腹が立ってくる。
あぁ、私ってやっぱりダメなんだ……
帰宅してはパソコンに向かい、小説を書き続ける日々を送り続けている。
学校生活はループしている2週間、毎日同じような展開になる。
授業中、寝ていても大丈夫。
先生がどのタイミングでどんな問題を出し、誰を当てるのか、嫌でも全部覚えてしまっていたからだ。
ただ、ループを繰り返すうち、毎日の学校生活の中で少しずつ変化しているものに気が付いた。
私に話しかけてくるクラスメイトの行動だ。
毎日、同じことを繰り返している私は、小さな変化に敏感になっていた。
はじめは私の考えすぎかもしれない、と思っていたのだが、その変化は日に日に大きくなっていった。
今の私は、小説の執筆に全力を注いでいる。
誰かに何を言われようと、今の私の優先課題は小説を書き上げること。
これ以外のことは、眼中にない……つもりだったのだが……
そうもいかなくなってきた。
ある理由で、このループを早めに終わらせないといけない事態になってきたのだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる