封印魔法の活用方法 ~スキルで自由に生きていく~

アイギス山本

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第23話 ラッキースライム

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 ギルドマスターの部屋から出た俺とイリーナは、一階のロビーに戻ったところで声をかけられた。


「━━あ、おーい!」


「あ、あなたたちは昨日の……」

「おぅ!いや~助けてくれてありがとうな!命拾いしたよ、俺はリーダーのジョー。こっちが妹のリンで、こいつが幼馴染みのバン。『風の絆』ってパーティーでランクはDだ。ヨロシクな」

「リンです。昨日は危ないところを助けていただき、ありがとうございます」

「バンだ。よろしく、本当に感謝してるよ」

「や、山本康介です。そんな当然の事をしただけなんで、そんな感謝されるような事じゃないですよ………」

「康介、顔真っ赤だよ?━━私はイリーナです。よろしくお願いします」

「あ、あはは……と、とこでバンさん…腕はもう大丈夫なんですか?」

「バンで良いよ、腕はギルドの人に回復魔法をかけてもらったからもう大丈夫」

「費用もギルドが出してくれてな、いや~普通なら銀貨2枚はするから助かったぜ。あ、俺もジョーで良いからな?敬語も不要だ」

「あ、私もリンで…!」

「わ、わかり……わかった」

「おぅ!それで、昨日の礼に飯でも奢ろうと思って待ってたんだがどうだ?」

「えぇっ!?い、いいのか…?」

「当然、むしろそれぐらいさせてくれ、ギルドから奴の討伐報酬貰えたからさ」

「えっと…じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな?」

「でも康介、依頼明日までだから今日中に集めないと……」

「おぅ、それなら夜に集まらないか?ギルドの横の通りを入ったすぐのとこにある『金の滴』って店が行き付けでな、なかなかオススメだぜ?」

「じゃあそこで、時間は………18時、とかどうかな?」

「いいぜ、じゃあまた後でな、店で待ってるぜ?」

「わかった、また後で」


 3人と手を振って別れた後、俺はイリーナに話しかけた。


「じゃあ俺たちも行こうか?」

「あ、待って、その前にアイテムと魔石の換金しない?」

「あ、そうだね、了解」


 そういえばどれくらい集めたんだろ……途中から数える暇がなかったんだよね……




   *****




 俺とイリーナはカウンターへと向かい、ちょうど手が空いていたヘレナさんに話しかけた。


「おはようございます、ヘレナさん」

「こうすけさん、おはようございます。昨日運び込まれてましたけど……大丈夫ですか?」


(……ヘレナさんはキングゴブリンの事知らないのかな…?なら黙っていた方が良いね……)


「えぇ、大丈夫です。ちょっとMPを使いすぎちゃって…心配お掛けしました。━━それで今日はアイテムと魔石の換金に来たんですけど……」

「かしこまりました。━━ではこちらのカゴに入れて貰えますか?」

「分かりました━━」


 俺は空間魔法から次々とアイテムと魔石をカゴの中に入れていった。


「【アナザーワールド】……こうすけさん空間魔法使えたんですか!?」

「え?えぇ、まぁ……」

「スゴいですね、商人でも空間魔法が使えて初めて一人前って言われてるのに……マーカスさんが連れてきた人だけはありますね」

「あの…マーカスさんってそんなにスゴい人だったんですか?」

「そうですよ?ローデン商会の若手ホープって呼ばれてます」

「そうだったんですか!?知らなかった……」


 その後も雑談しつつ…"スライムの核”以外のアイテムと魔石を出し終わる頃にはカゴが一杯になってしまった。


「す、スゴい数ですね…………少々…いえ、暫くお待ちいただきたいので、あちらの椅子に座ってお待ち下さい」

「分かりました」


 いや~、予想以上に多かったな………これなら金額も期待できそうかな?




   *****




「お待たせしました、こちら合計で7,540クルドになります」

「お!お、おぅ…?アレ?思ったより安い…?」

「そう?康介のおかげでだいぶ稼げたと思うけど……」

「では、こちらが内訳になってますのでご確認下さい」




 ゴブリンの牙 68個×5クルド=340クルド
 ゴブリンの爪 56個×10クルド=560クルド
 ゴブリンの耳 32個×100クルド=3,200クルド
 魔石     172個×20クルド=3,440クルド



 や、安っ!?牙と爪安すぎ!むしろ耳高い!マジかよ!?牙の20倍って!


「あ、康介驚いてる……ゴブリンってこんなもんだよ?」

「そうですね、むしろゴブリンだけでこれだけ稼ぐ人は初めてかもしれませんね」

「あ、あははは………」


 その後、お金を受け取りヘレナさんにお礼を言って、ギルドを出た俺とイリーナは装備を新調しようと武器屋へやって来た。

 始めはイリーナの杖を【無詠唱】のスキル付きにするか、俺の装備をスキル付きにするかで揉めたけど、結局はイリーナが折れて【無詠唱】付きの杖を購入した。

 ちなみに【詠唱省略】の杖は店主の計らいで4万クルドで買い取ってもらえて、差し引き16万クルドを支払い店を出た。


「うぅ~~……やっぱり私だけいい装備で申し訳ないよ~……」

「もぅ…さっきも言ったけど、イリーナが【無詠唱】を使えたらそれだけで効率は上がるし、今後まとまったお金が入る保証何て無いんだから、今のうちに買っておいて損は無いよ?」

「むぅ~……わかったってば~………」

「よし!それじゃあダンジョンに向けて出発だ~!」

「おぅ~…」




   *****




 ダンジョンへと再び訪れた俺とイリーナは、最短で4階層を目指した。

 2階層に降りる頃にはイリーナの機嫌も良くなり、交互に魔物を狩っていった。

 そして、3階層に降りて暫く進んだところで━━━これまでと違う金色のスライムと遭遇した。


「ねぇ、イリーナ………アレってもしかして、レアの…?」

「そう!!ラッキースライムだよ!スゴい!私も数えるくらいしか出会ったこと無いのに…………康介!早く倒そう!」


「わ、わかったから………じゃあ…【土・封印アース・シール】」


 ラッキースライムは特に抵抗も無く、盛り上がった土に半分以上埋まって動かなくなった。そしてお馴染みになった音声が頭に流れた。





 《スキル【幸運+1000(次回のみ)】を【付与】されました》
 《スキル【付与】を覚えました》
 《スキル【幸運+1000】を覚えました。【幸運+2】と【幸運+1000(次回のみ)】は【幸運+1000】に統合されました》





 …え?ええぇっ!?うおおぉぉぉぉぉぉ!?ま、マジですか!?あ、あり得ねぇ~…【スキルの匠スキルマスター】あなたは神か!?


「イリーナ、ヤバい!スキル覚えたよ!」

「うん、凄いでしょ?一回だけとはいえ、幸運が劇的にアップするからレアアイテム狙いの人が血眼になるのもわかるよねぇ」

「ち、違うんだ、【スキルの匠スキルマスター】で【幸運+1000】を覚えちゃったんだよ!」

「ぇ…………そ、それって、つまり………ずっと…ってこと…?」

(コクコクコク!)


「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!!!?」




   *****




「もう、ホントにビックリしたんだから~」

「あはは……ごめんね?」

「別に謝らなくてもいいけど………あ、サンドマンだ」


 歩いてると通路の先にサンドマンが3体立っているのが見えた。


「よぉし!俺に任せて【水・封印アクア・シール】」


 水の塊がサンドマンを呑み込み、あっという間に溶かしていった。


「あぁ……せっかく【幸運+1000】手に入れたのにサンドマンじゃ、やっぱりなにも落とさないかぁ~……」

「しょうがないよ、さ、魔石を回収して早く行こう?」

「そうだね………ん?ちょっと待って………今なにか光ったような…?」


 一瞬だったけど魔石とは別に、何かが水の中で光って見えたんだ。そこで近づいてよく探してみると………………………っ!あった!米粒ほどの大きさだが、黄金色に輝くそれは━━間違いなく砂金であった。


「イリーナ!砂金だ!砂金を見つけた!」

「う、嘘!?ほ、ホントに…!?」

「ほら見て!」

「ほ、ほんとだ………ほ、他の2体は!?」

「待って、今探すね?」


 イリーナと一緒に残りの2体がいた場所をくまなく探すと、直径1mm程の光る石を見つけた。


「これは………まさか………ダイヤモンド…!?」

「こっちはサファイアだよ!スゴいスゴい!!」

「もしかしてさ…サンドマンって今までもアイテム落としてたんじゃないかな?ただ小さすぎて見えなかっただけで………」

「そうだね、その可能性は高いかも………【幸運+1000】でもこの大きさだしね」

「よし!今日はサンドマンを片っ端から狩るぞ~!」

「ダメだよ康介、依頼があるんだから…」

「あ………そうだった………クッ…!高収入が期待できるのにお預けとは…!」

「まぁ、依頼が終わって時間が余ったらね?それに明日以降でも出来るんだから、焦る必要はないよ?」

「確かに、そうだね………うん、ありがとう」

「どういたしまして、それじゃあ行こうか?」

「おぅ~~~!」
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