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第31話 長い一日の終わり
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「ちょ、ちょっと待って!本当にそれしかないの!?」
成り行きを見守っていたら、とんでもないことになってしまった…!
「……無理だな。ただの奴隷の首輪なら問題無かっただろうが…犯罪奴隷の首輪は一度つけたらもう外せない」
「そ、そんな……」
た、助けにきたはずなのに…俺の奴隷に…?いやいや、マジですか?奴隷ですよ?それも女の子…せ、性奴隷ってのになるんですかね…?つ、つまり……あんな事や…こんな事が━━━ッハ!?イカンイカン!俺は何を考えているんだ…!だいたいイリーナも居るんだからそんな事出来るわけが無いじゃないか…!落ち着け~、落ち着け~、俺~!異世界テンプレとは言え、リアルで奴隷はマズイ………あれ?でも、異世界だからOKなのか…?
あぁ~!ダメだ!混乱してきた…!ふぅー…と、ともかく!ここは初心に帰って、助ける方向で考えよう!
色々妄想してたからか、気づくとジコルはいなくなっていた。どうやら彼女を呼びに行ったようだ…
「━━外せないっていうのは、無理に外そうとすると死んでしまう…とか?」
「いや、そんな誓約は無いはず…そもそも奴隷の首輪には『隷属魔法』がかけられてるだけだから、命令に逆らえなくなるだけで、主人の許可があれば外せるんだが………犯罪奴隷用の首輪って言うのは特殊で、材料に[ブラックスライム]が使われてるんだ」
「その[ブラックスライム]っていうのが厄介でな…物理無効の魔法にも耐性を持ってるとんでもないスライムさ。まぁ?攻撃力は無いし、スキルレベル3以上の魔法さえあれば倒せるんだがな?」
「…その特性は素材としても引き継がれ、首輪として嵌めたら最後……結合部はくっつき、破壊出来ず、魔法だと首輪もろとも殺してしまう━━だから外せない」
「なるほど━━━」
レベル3以上なら封印魔法でいけるか…?あーでも、クリスタルと同化するのに数年かかるか………なら【二重詠唱】はどうだろ…?
「━━もしかしたら…外せるかも…?」
うん…!行けるかもしれない…!封印魔法以外、ほとんどレベル1 なのが心配ではあるが……やってみる価値はありそうだ…!
「なに!?本当か!?あ、いや…でも待てよ……」
「…そうだね、もし仮に外せるとしても…外さない方が良いかもしれない」
「えぇっ!?な、何で!?」
は、外せるのにダメなの…?
「犯罪奴隷の首輪を外せる、なんてのが広まってみろ…国からは危険人物として捕まるか、マフィアには凶悪犯を解放させるのに狙われるぞ?」
「ヒィィィッ!!?」
ま、マフィア!?こっちにもあるの!?ヤバイ…確かに外すのはマズイ…
「まぁ、どうしても気になるってんなら、コウスケが命令しなきゃ良いだけのことさ。………もし外せるとしても、代わりの首輪はしなくちゃダメだぜ?」
「わ、わかった…」
俺だって国やマフィアに狙われたくないし…!でも、出来るなら自由にさせてあげたいんだよな……むむむ
そんな感じで悩んでいると、部屋をノックする音が聞こえ、扉が開くとそこには………
━━ぼろ雑巾のようになったジコルを引きずるメイドさんがいた。
「━━どなたが山本 康介さんですか?」
メイドさんは綺麗な銀髪をハーフアップにして、目付きが鋭いクールな印象の20歳位のお姉さん…しかも……巨乳!!!……なんだが………全員が胸に注目してたせいか、底冷えするような冷たい声で名前を呼ばれた………ヤバイ………おずおず手を挙げると…
「━━そうですか。まずはお礼を言います、この度はありがとうございました。ワタシはユリア、マスター…アーナリア様にお仕えしてるメイドでございます。…このクソ豚から話しは聞きました、なので…私から言いたいことは1つ………奴隷だからとマスターに手を出したら………このクソ豚みたいにしますから━━宜しいですね?」
(コクコクコクコク…!)
激しく首を上下に振って頷くと、ユリアさんは満足したのか殺気を引っ込めてくれた。━━こ、怖かった…!絶対この人を怒らせたらダメだ…!
「━━それで、ユリアさん…?あ~…アーナリアさん、というのは今何処にいるんで?」
(ギロ…!!!)
「ヒィッ!!?」
ジ、ジョーのバカ…!何で怒らすんだよ~!?
「………マスターはまだ部屋にいます。ですが…こんなところに長居するのもアレなんで、皆さんには先に出てもらい前で待っててもらえますか?」
「あ?何でさ?今一緒に出れば…」
「こ、こら!ジョーは黙って…!」
(ギヌロ…!!!)
「「「ヒィッッッッッ!!?」」」
もう~~~!ジョーのアホ~!!!?ヤベーよ!視線で殺されそうだよ!?
「…マスターは今、兄が亡くなったこと、犯罪奴隷の首輪がついてることで嘆き悲しんでます。気が利きませんね……それでなくても、女性は色々準備があるのです。それくらい待てないようでは女性にモテませんよ?」
「ぐはっ!!?」
あ、ジョーが崩れ落ちた………ま、まぁ、仕方ないよね!頑張れ、ジョー!
ユリアさんは見るも無惨な姿になったジコルを部屋に放置すると、さっさと踵を返し出ていった。俺たちはそれを見送ると、ジョーが立ち直ったタイミングで、ユリアさんに言われた通りに屋敷の前に待つことにした。
………ジコル…ピクリとも動かなかったんだけど…い、生きてるよね…?
*****
屋敷の前で待つこと40分程、ユリアさんに連れられて一人の少女が出てきた。━━歳はイリーナと同じか幼いくらいの美少女だ。薄いピンク髪をツインテールにし、大きい目は泣いていた為か赤くなっていたが……何より目立つのは━━巨乳…だ!!!ロリ巨乳である!!!ユリアさんにも負けない立派なのをお持ちなのである…!!!お、大きいメロンが4つも…………
男性陣が巨乳に目が奪われ呆然としていると、近づいてくるユリアさんに睨まれてしまった……スイマセン
「皆さん、お待たせしました。━━わたしはアーナリア。アリア、と呼んでください。……ふ、ふつつか者ですが…よろしくお願いします…」
「……マスター、それは結婚前の挨拶です」
「ふぇ!!?」
…癒されるな~…アリアはちょっと天然なのかな?まだ顔を赤くしてオロオロしてる………む、胸の揺れがヤバイんですけど………!?
*****
その後、イリーナとリンにも事情を説明するため、待ち合わせの場所…冒険者ギルドへと一同は向かった。
ギルド内は時間も時間だったのか閑散としており、受付もガタイの良い強そうな人が一人いるだけで、後は談話スペースにいるイリーナとリンしかいなかった。
…二人がこちらに気づいて、ユリアさんとアリアを見たとき反応は凄かった…何が凄かったって?━━自分の胸と比べて肩を落としたのを見て笑ったジョーが…床でピクピク痙攣してるところから察してくれ…俺はナニモ、ミテイナイ…
「ぐす……酷い…ホントならアリアちゃんは自由だった筈なのに……大丈夫だよ!私が目を光らせておくから、普段通り過ごして良いからね?」
ちょっ…!?イリーナ!?俺、信用されてないの!?
「そうね…私も別パーティーだけど、出来るだけ力になるわ」
「皆さん………ありがとう…ございます…!」
…うん!仲良くなるのは良い事だよね、うんうん。
「………なぁ、俺ら完全に蚊帳の外じゃね?」
「言うなって…それに、あんな場所からやっと解放されたんだ…今は男はいない方が良いでしょ」
「そんなもんかね~?それより━━━コウスケ、さっきの話だが…どうするかはお前次第だ。だが、リスクがあることを…忘れんなよ?」
「…わかった」
ジョーに改めて釘を指されたが…俺の中で答えは、もう決まってるんだ━━━
*****
その後、『風の絆』の面々と別れ…俺、イリーナ、アリア、ユリアさんは借りてる宿へと戻った。流石にこんな時間に新しく部屋を借りることは出来なかったんで…イリーナが使ってた部屋にアリアとユリアさんが、そして…イリーナが俺の部屋に来ることになった━━『だ、ダンジョンで泊まることもあるから、これは…言わば練習…そう!練習なの!』と赤い顔をしてイリーナが言っていたが…て、手を出すつもりはないよ?……まだ早いし……お、俺はロリコンではないぞ!?それに、そういう対象ならユリアさんに是非、色々と…挟んだり…ゴニョゴニョ…
部屋割りが決まったところで、今後の話をするために…一旦俺の部屋に集まって貰おうと思ってたんだけど……アリアを早く休ませたいユリアさんの無言の圧力で、明日の朝に起きたら来てもらう事になった。━━ユリアさん…恐いからやっぱり無理かも…
「ふぅー…今日は色々あって疲れたね…」
イリーナと部屋に入った所で、気が抜けたのか…これまでの疲れが一気に押し寄せてきた。
「うん…流石に眠たいや…あ、でもベッド…」
そう、元々1人部屋のためシングルベッドが1つあるだけなのだ………2人きりになり、同じ部屋で一晩過ごすことを改めて意識してしまった2人は…互いに顔を真っ赤に染めて目をそらした。
「………あー…その、俺は床で寝るからさ!イリーナはベッド使いなよ」
「ううん!それを言うなら康介の部屋なんだから、私が床で寝るよ!」
「いや、女の子を床で寝させて自分だけベッドで寝るなんて、それこそ申し訳なくて無理だよ!」
「じゃあ…私も床で寝るよ!それなら公平だよね?」
「…それだとせっかくベッドがあるのに勿体なくない…?」
「それなら一緒にベッドで寝ればいいよね…………ハッ!」
イリーナは思わず口走った内容に、さらに顔を赤くし、頭から湯気を出しつつも…撤回する気は無いようで
「で、で、でも、変な事は、しちゃダメなんだからね!?寝るだけ!一緒に寝るだけなんだからね!?」
「う、うん!わ、わかってるよ!大丈夫!」
そして2人は緊張しながらも、ベッドに潜り込み…触れるか触れないかの距離で固まっていたが━━流石に疲れていたのか、程なくして眠りに落ちたのだった……
*****
「━━━クソっ!クソっ!後もう少しだったと言うのに!!!」
あの後、何とか意識を取り戻したジコルは傷の手当てをして自室へと戻っていたが……時間が経つにつれ、後一歩のところでアリアを逃した悔しさが増していき、机を何度も叩いていた。
「━━ハハッ!随分お怒りのようだね~?」
「…!?貴様らは…!オイッ!いったい全体どういうことだ!万が一にも返済できないように、奴を始末するよう言ったはずだぞ!?」
「いえいえ、キチンと始末はしましたよ?でもまさか…宝箱から見つかるとは思いませんて」
「黙れっ!!!」
フシューフシューと息を荒げてジコルは立ち上がり、怒りのままに喚き散らした。
「ワシが一体どれだけの時間を費やしたと思っている!半年だぞ!?半年!!!秘密裏に奴隷にさせる為だけに計画を練ってたんだ!それを…それを…全て台無しにしおって!!!許さん…許さんぞ…!!!王金貨が手に入る筈だったんだ…!ワシの王金貨が…!!!分かっているのか!?貴様らごときゴミ虫等、替わりはいくらでも━━━
「調子に乗るな、豚が」
━━━━ぁ?」
いつの間にか、ジコルの胸に━━ちょうど心臓がある位置に、短剣が深々と突き刺さっていた。
ジコルは「ゴフッ…」と血を吐いて床に崩れ落ち、そのまま動かなくなった…
「あーあー…殺しちゃって良かったんですかい?」
「しゃーねーだろ、ムカついたんだからよ~」
「…でもどうすんだよ…もう1つのダンジョンも"仕込む"予定なのに、ヤりづらくなるぜ…?」
「そうだな~………この死体を使うか」
3人組の男の1人が、懐から黒く輝く石を取り出すと…横たわってる死体の胸に開いた穴に、それを埋め込んだ。
「えー、絶対上手くいかないと思うよ?」
「まぁ~、物は試しさ…今まで強い魔物はコントロールに失敗して、今回弱い魔物で試したけど…早々に討ち取られたからな~…所詮はゴブリンか…[キングゴブリン]に進化しても使えね~」
「…なるほど…それで今度は人体実験って訳か…」
「そういうこと、じゃ~起動させるぞ?『[暗き森]でlv.50まで上げて戻ってこい』っとな!」
するとジコルの体が"ビクッ"と動き…まるでゾンビのように立ち上がると━━今度は一転して、凄い速さで窓を突き破ると[暗き森]の方へと消えていった━━
「ハハッ!上手く行ったんじゃね~?」
「どうかな~…?普通に魔物に食べられて終わっちゃうかもよ?」
「…もしそうなったら、"石"の効果が魔物に移るか気になるな…元々魔物用だから可能性はあるぞ…?」
「ハハッ!それならそれで良いんじゃね~?んじゃ、とりま様子見ということで行くか~」
男たちが立ち去った後…騒ぎを聞きつけた使用人が来て、部屋の惨状とジコルが居なくなってたことで一時騒然となったが………ジコルが町から出ていくのを門番が見てたんで、何かやらかして逃げたと判断され…騒ぎは収まり、歓楽街は静けさを増していった━━
━━━もうすぐ夜明けだ。
成り行きを見守っていたら、とんでもないことになってしまった…!
「……無理だな。ただの奴隷の首輪なら問題無かっただろうが…犯罪奴隷の首輪は一度つけたらもう外せない」
「そ、そんな……」
た、助けにきたはずなのに…俺の奴隷に…?いやいや、マジですか?奴隷ですよ?それも女の子…せ、性奴隷ってのになるんですかね…?つ、つまり……あんな事や…こんな事が━━━ッハ!?イカンイカン!俺は何を考えているんだ…!だいたいイリーナも居るんだからそんな事出来るわけが無いじゃないか…!落ち着け~、落ち着け~、俺~!異世界テンプレとは言え、リアルで奴隷はマズイ………あれ?でも、異世界だからOKなのか…?
あぁ~!ダメだ!混乱してきた…!ふぅー…と、ともかく!ここは初心に帰って、助ける方向で考えよう!
色々妄想してたからか、気づくとジコルはいなくなっていた。どうやら彼女を呼びに行ったようだ…
「━━外せないっていうのは、無理に外そうとすると死んでしまう…とか?」
「いや、そんな誓約は無いはず…そもそも奴隷の首輪には『隷属魔法』がかけられてるだけだから、命令に逆らえなくなるだけで、主人の許可があれば外せるんだが………犯罪奴隷用の首輪って言うのは特殊で、材料に[ブラックスライム]が使われてるんだ」
「その[ブラックスライム]っていうのが厄介でな…物理無効の魔法にも耐性を持ってるとんでもないスライムさ。まぁ?攻撃力は無いし、スキルレベル3以上の魔法さえあれば倒せるんだがな?」
「…その特性は素材としても引き継がれ、首輪として嵌めたら最後……結合部はくっつき、破壊出来ず、魔法だと首輪もろとも殺してしまう━━だから外せない」
「なるほど━━━」
レベル3以上なら封印魔法でいけるか…?あーでも、クリスタルと同化するのに数年かかるか………なら【二重詠唱】はどうだろ…?
「━━もしかしたら…外せるかも…?」
うん…!行けるかもしれない…!封印魔法以外、ほとんどレベル1 なのが心配ではあるが……やってみる価値はありそうだ…!
「なに!?本当か!?あ、いや…でも待てよ……」
「…そうだね、もし仮に外せるとしても…外さない方が良いかもしれない」
「えぇっ!?な、何で!?」
は、外せるのにダメなの…?
「犯罪奴隷の首輪を外せる、なんてのが広まってみろ…国からは危険人物として捕まるか、マフィアには凶悪犯を解放させるのに狙われるぞ?」
「ヒィィィッ!!?」
ま、マフィア!?こっちにもあるの!?ヤバイ…確かに外すのはマズイ…
「まぁ、どうしても気になるってんなら、コウスケが命令しなきゃ良いだけのことさ。………もし外せるとしても、代わりの首輪はしなくちゃダメだぜ?」
「わ、わかった…」
俺だって国やマフィアに狙われたくないし…!でも、出来るなら自由にさせてあげたいんだよな……むむむ
そんな感じで悩んでいると、部屋をノックする音が聞こえ、扉が開くとそこには………
━━ぼろ雑巾のようになったジコルを引きずるメイドさんがいた。
「━━どなたが山本 康介さんですか?」
メイドさんは綺麗な銀髪をハーフアップにして、目付きが鋭いクールな印象の20歳位のお姉さん…しかも……巨乳!!!……なんだが………全員が胸に注目してたせいか、底冷えするような冷たい声で名前を呼ばれた………ヤバイ………おずおず手を挙げると…
「━━そうですか。まずはお礼を言います、この度はありがとうございました。ワタシはユリア、マスター…アーナリア様にお仕えしてるメイドでございます。…このクソ豚から話しは聞きました、なので…私から言いたいことは1つ………奴隷だからとマスターに手を出したら………このクソ豚みたいにしますから━━宜しいですね?」
(コクコクコクコク…!)
激しく首を上下に振って頷くと、ユリアさんは満足したのか殺気を引っ込めてくれた。━━こ、怖かった…!絶対この人を怒らせたらダメだ…!
「━━それで、ユリアさん…?あ~…アーナリアさん、というのは今何処にいるんで?」
(ギロ…!!!)
「ヒィッ!!?」
ジ、ジョーのバカ…!何で怒らすんだよ~!?
「………マスターはまだ部屋にいます。ですが…こんなところに長居するのもアレなんで、皆さんには先に出てもらい前で待っててもらえますか?」
「あ?何でさ?今一緒に出れば…」
「こ、こら!ジョーは黙って…!」
(ギヌロ…!!!)
「「「ヒィッッッッッ!!?」」」
もう~~~!ジョーのアホ~!!!?ヤベーよ!視線で殺されそうだよ!?
「…マスターは今、兄が亡くなったこと、犯罪奴隷の首輪がついてることで嘆き悲しんでます。気が利きませんね……それでなくても、女性は色々準備があるのです。それくらい待てないようでは女性にモテませんよ?」
「ぐはっ!!?」
あ、ジョーが崩れ落ちた………ま、まぁ、仕方ないよね!頑張れ、ジョー!
ユリアさんは見るも無惨な姿になったジコルを部屋に放置すると、さっさと踵を返し出ていった。俺たちはそれを見送ると、ジョーが立ち直ったタイミングで、ユリアさんに言われた通りに屋敷の前に待つことにした。
………ジコル…ピクリとも動かなかったんだけど…い、生きてるよね…?
*****
屋敷の前で待つこと40分程、ユリアさんに連れられて一人の少女が出てきた。━━歳はイリーナと同じか幼いくらいの美少女だ。薄いピンク髪をツインテールにし、大きい目は泣いていた為か赤くなっていたが……何より目立つのは━━巨乳…だ!!!ロリ巨乳である!!!ユリアさんにも負けない立派なのをお持ちなのである…!!!お、大きいメロンが4つも…………
男性陣が巨乳に目が奪われ呆然としていると、近づいてくるユリアさんに睨まれてしまった……スイマセン
「皆さん、お待たせしました。━━わたしはアーナリア。アリア、と呼んでください。……ふ、ふつつか者ですが…よろしくお願いします…」
「……マスター、それは結婚前の挨拶です」
「ふぇ!!?」
…癒されるな~…アリアはちょっと天然なのかな?まだ顔を赤くしてオロオロしてる………む、胸の揺れがヤバイんですけど………!?
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その後、イリーナとリンにも事情を説明するため、待ち合わせの場所…冒険者ギルドへと一同は向かった。
ギルド内は時間も時間だったのか閑散としており、受付もガタイの良い強そうな人が一人いるだけで、後は談話スペースにいるイリーナとリンしかいなかった。
…二人がこちらに気づいて、ユリアさんとアリアを見たとき反応は凄かった…何が凄かったって?━━自分の胸と比べて肩を落としたのを見て笑ったジョーが…床でピクピク痙攣してるところから察してくれ…俺はナニモ、ミテイナイ…
「ぐす……酷い…ホントならアリアちゃんは自由だった筈なのに……大丈夫だよ!私が目を光らせておくから、普段通り過ごして良いからね?」
ちょっ…!?イリーナ!?俺、信用されてないの!?
「そうね…私も別パーティーだけど、出来るだけ力になるわ」
「皆さん………ありがとう…ございます…!」
…うん!仲良くなるのは良い事だよね、うんうん。
「………なぁ、俺ら完全に蚊帳の外じゃね?」
「言うなって…それに、あんな場所からやっと解放されたんだ…今は男はいない方が良いでしょ」
「そんなもんかね~?それより━━━コウスケ、さっきの話だが…どうするかはお前次第だ。だが、リスクがあることを…忘れんなよ?」
「…わかった」
ジョーに改めて釘を指されたが…俺の中で答えは、もう決まってるんだ━━━
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その後、『風の絆』の面々と別れ…俺、イリーナ、アリア、ユリアさんは借りてる宿へと戻った。流石にこんな時間に新しく部屋を借りることは出来なかったんで…イリーナが使ってた部屋にアリアとユリアさんが、そして…イリーナが俺の部屋に来ることになった━━『だ、ダンジョンで泊まることもあるから、これは…言わば練習…そう!練習なの!』と赤い顔をしてイリーナが言っていたが…て、手を出すつもりはないよ?……まだ早いし……お、俺はロリコンではないぞ!?それに、そういう対象ならユリアさんに是非、色々と…挟んだり…ゴニョゴニョ…
部屋割りが決まったところで、今後の話をするために…一旦俺の部屋に集まって貰おうと思ってたんだけど……アリアを早く休ませたいユリアさんの無言の圧力で、明日の朝に起きたら来てもらう事になった。━━ユリアさん…恐いからやっぱり無理かも…
「ふぅー…今日は色々あって疲れたね…」
イリーナと部屋に入った所で、気が抜けたのか…これまでの疲れが一気に押し寄せてきた。
「うん…流石に眠たいや…あ、でもベッド…」
そう、元々1人部屋のためシングルベッドが1つあるだけなのだ………2人きりになり、同じ部屋で一晩過ごすことを改めて意識してしまった2人は…互いに顔を真っ赤に染めて目をそらした。
「………あー…その、俺は床で寝るからさ!イリーナはベッド使いなよ」
「ううん!それを言うなら康介の部屋なんだから、私が床で寝るよ!」
「いや、女の子を床で寝させて自分だけベッドで寝るなんて、それこそ申し訳なくて無理だよ!」
「じゃあ…私も床で寝るよ!それなら公平だよね?」
「…それだとせっかくベッドがあるのに勿体なくない…?」
「それなら一緒にベッドで寝ればいいよね…………ハッ!」
イリーナは思わず口走った内容に、さらに顔を赤くし、頭から湯気を出しつつも…撤回する気は無いようで
「で、で、でも、変な事は、しちゃダメなんだからね!?寝るだけ!一緒に寝るだけなんだからね!?」
「う、うん!わ、わかってるよ!大丈夫!」
そして2人は緊張しながらも、ベッドに潜り込み…触れるか触れないかの距離で固まっていたが━━流石に疲れていたのか、程なくして眠りに落ちたのだった……
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「━━━クソっ!クソっ!後もう少しだったと言うのに!!!」
あの後、何とか意識を取り戻したジコルは傷の手当てをして自室へと戻っていたが……時間が経つにつれ、後一歩のところでアリアを逃した悔しさが増していき、机を何度も叩いていた。
「━━ハハッ!随分お怒りのようだね~?」
「…!?貴様らは…!オイッ!いったい全体どういうことだ!万が一にも返済できないように、奴を始末するよう言ったはずだぞ!?」
「いえいえ、キチンと始末はしましたよ?でもまさか…宝箱から見つかるとは思いませんて」
「黙れっ!!!」
フシューフシューと息を荒げてジコルは立ち上がり、怒りのままに喚き散らした。
「ワシが一体どれだけの時間を費やしたと思っている!半年だぞ!?半年!!!秘密裏に奴隷にさせる為だけに計画を練ってたんだ!それを…それを…全て台無しにしおって!!!許さん…許さんぞ…!!!王金貨が手に入る筈だったんだ…!ワシの王金貨が…!!!分かっているのか!?貴様らごときゴミ虫等、替わりはいくらでも━━━
「調子に乗るな、豚が」
━━━━ぁ?」
いつの間にか、ジコルの胸に━━ちょうど心臓がある位置に、短剣が深々と突き刺さっていた。
ジコルは「ゴフッ…」と血を吐いて床に崩れ落ち、そのまま動かなくなった…
「あーあー…殺しちゃって良かったんですかい?」
「しゃーねーだろ、ムカついたんだからよ~」
「…でもどうすんだよ…もう1つのダンジョンも"仕込む"予定なのに、ヤりづらくなるぜ…?」
「そうだな~………この死体を使うか」
3人組の男の1人が、懐から黒く輝く石を取り出すと…横たわってる死体の胸に開いた穴に、それを埋め込んだ。
「えー、絶対上手くいかないと思うよ?」
「まぁ~、物は試しさ…今まで強い魔物はコントロールに失敗して、今回弱い魔物で試したけど…早々に討ち取られたからな~…所詮はゴブリンか…[キングゴブリン]に進化しても使えね~」
「…なるほど…それで今度は人体実験って訳か…」
「そういうこと、じゃ~起動させるぞ?『[暗き森]でlv.50まで上げて戻ってこい』っとな!」
するとジコルの体が"ビクッ"と動き…まるでゾンビのように立ち上がると━━今度は一転して、凄い速さで窓を突き破ると[暗き森]の方へと消えていった━━
「ハハッ!上手く行ったんじゃね~?」
「どうかな~…?普通に魔物に食べられて終わっちゃうかもよ?」
「…もしそうなったら、"石"の効果が魔物に移るか気になるな…元々魔物用だから可能性はあるぞ…?」
「ハハッ!それならそれで良いんじゃね~?んじゃ、とりま様子見ということで行くか~」
男たちが立ち去った後…騒ぎを聞きつけた使用人が来て、部屋の惨状とジコルが居なくなってたことで一時騒然となったが………ジコルが町から出ていくのを門番が見てたんで、何かやらかして逃げたと判断され…騒ぎは収まり、歓楽街は静けさを増していった━━
━━━もうすぐ夜明けだ。
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その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
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