封印魔法の活用方法 ~スキルで自由に生きていく~

アイギス山本

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第38話 ジコル戦その1

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「ぐるぁw、fkせqkぃ、zぉkbぇ!!!」


 醜く巨体にもかかわらず、ジコルは怖気が走るような叫び声を発しながら物凄い速さで迫ってきた…!
 それを見て、いつもの様にアリアが前に出て迎え撃とうとしたが………

 ゾクッ…!と何故か嫌な予感が駆け抜けた…

 そして…気付いた。近づくジコルに反して、ジコルの巨大化した左腕が元の位置から動いておらず、伸びていた。


「…!ダメだアリア!避けるんだッ!」

『え…?』

「ぶぉぉoaぁaa!!!」


 アリアの少し手前で止まったジコルは叫ぶと同時に、某"ゴムの人"の様に左腕を一気に引き寄せ、まるで弾丸のごとき速度で、構えてたアリアに叩きつけた!


『きゃああぁぁぁぁ!』


 一瞬の抵抗も出来ず、アリアは吹き飛ばされ…背後の壁に叩きつけられた………だけどゴーレム自体は凹んだり等はしていないようだった。しかし………
 俺とユリアさんはある程度予想がしてたから吹き飛んでくるゴーレムを避けることが出来たんだけど………


「…っ!イリーナ!」


 壁に寄りかかるように倒れているゴーレムの傍らに………イリーナが倒れているのが見えた…!思わず駆け出そうとしたが━━━


「━━バカ勇者、よそ見するんじゃない!!」

「…っ!?」


 ユリアさんの声に慌てて視線を戻すと…ジコルの腹にある口が大きく開けて目の前に迫っていた!
 ガチンッ!…と食われる前に横に跳んで避けることが出来たが…ユリアさんに声をかけてもらわなかったら、身体を喰いちぎられてたかもしれない…


「アホ勇者…!こっちはワタシが相手をするから、マスターとイリーナの確認を…!」

「なっ…!?この化け物を相手に一人で!?それだとユリアさんが━━━」

「━━いいからさっさと行け!のろま勇者」


 うぐっ…相変わらず酷い…でも、ユリアさんなら任せても大丈夫だよね…?


「━━━イリーナ!アリア!大丈夫か!?」


 背後から聞こえる戦闘音を気にしつつも、二人の元に駆け寄り━━━頭から血を流すイリーナが見えた。


「イリーナ…?イリーナーーーッ!!!」


 えぇぇっと、確かこういう時は下手に動かさない方がいいんだっけ…!?と、とにかく容態の確認しなきゃ…!

 ━━━確認したところ、出血部分は右前頭部で、そこまで傷は深くないようだった。どうやら吹き飛んでくるゴーレムに対して咄嗟に氷の壁を作って……砕けた破片が当たって切れて、その衝撃で気絶したようだ。………むしろ当たりどころが悪かったのか、右腕が折れており…そちらの方が痛々しかった………

 しばらくすると、アリアから『ゴホッ、ゴホッ』と咳き込む声が聞こえた。身体を強く打ち付けた事で気を失っていたようで、怪我自体は無く無事だそうだ。そして一人で戦っているユリアさんの加勢に向かってくれた。俺はイリーナの事を任されたけど、ここにいたら戦いにまき込むかもしれない…どうする…!?少しでも安全な場所………階段か…?

 まずは出血を止めるため【アイテムボックス】から布を取り出し、傷口を押さえて強く縛った。そしてイリーナを運ぼうとしたとき━━━


『康介様、危ないッ!!』

「なっ!?」


 慌てて振り返ると…アリアに押し止められ、ユリアさんに攻撃されつつも…俺を逃がさないとでも言うように、その巨大な左腕でを伸ばし攻撃を仕掛けてきた。


「がっっっ!!!?」


 かかんでいた事もあり…避ける事が出来ず、俺は殴り飛ばされた………幸いユリアさんが左腕を攻撃して軌道を反らしてくれたおかげで直撃はしなかったが、右肩を負傷し、激痛が襲ってきていた。


「ぶrhdeがぁaaぃll!!!」

『きゃあッ!』「くっ…!」


 激痛をこらえ闘っている二人を見ると…ジコルは伸ばしたままだった左腕を振り回し、二人を弾き飛ばしてしまった…


「アリア…!ユリアさん…!」


 邪魔物がいなくなったジコル…右肩を負傷し倒れている俺………そして、その間にいる気絶しているイリーナ………


「ぶルウルっ、hぅっt、ふッ、」


 まるで、俺に復讐するのに良いことを思い付いた感じでイヤらしく嗤うと………イリーナに近づきつつ…腹の巨大な口を開いた━━━


「やめろ…!やめてくれ…!!」


 その行動から何をするかわかった俺は、ありったけの魔法をジコルに向けて放った…!!!


「あああぁあああぁああぁあっっっ!!!」


 ━━━だが、奴は止まらなかった………腕や足がちぎれようと、封印されようと…痛みを感じない体が、腐った肉が、ブチブチッと引きちぎれたそばから盛り上がり回復してしまった…

 そして俺の叫びに、さらに機嫌を良くしたような気持ち悪い声をあげ…ついに━━━


「イリーナッーーーーーー!!!」





 チャリ、チャリーーーーン………





「Gぅlllうぁぁ……?」


 ジコルの後方…離れたところからお金が散らばる音が聞こえると、急に動きを止めてお金を探しだした…


「かnぇ…かneeかねぇe!!!」


 そして、散らばっているお金を見つけるとドドドッ…!と向かっていってしまった………


「た、助かったのか…?」

「コウスケ、大丈夫かッ!?」

「え…?」


 なんと…声をかけてきたのは、足止めの為に残り……絶望的たと思っていたジョーだった。


「ど、どうやって……」

「ん?あぁ、奴がジコルだったとすぐに分かったからな……試しに金を遠くへ投げてみたら面白いように食い付いたから、金を撒いては逃げ回ってたんだ」


 流石にもうそろそろお金が尽きるという所で、ジコルの気配が無くなっていることに気付き…探していると、ちょうどイリーナが食べられそうになっている場面に出くわし、残った金をジコルの後方にばら蒔いたそうだ。

 よかった……これで最悪全員で逃げれれば良いんだけど………気絶したイリーナを抱えて逃げつつダンジョンを出るのはムリだな……

 ジコルがお金を拾っている間に、弾き飛ばされたユリアさんとアリアが戻ってきた。二人とも怪我は無く、まだ戦えるそうだ。
 ジョーは武器を失っており…戦うことが出来ないため、イリーナを運び階段で守ってもらい。俺とアリア、ユリアさんの3人でジコルと戦うことになった。………俺の痛みは減ったが、動かす事は出来そうもなかったが…でも、イリーナを食べようとしたんだ…!絶対に許さない…!奴は必ずここで倒す…!!!

 軽く作戦会議をしたところで、ジコルがお金を拾い終わったようだ………


「hぅぶるるlluuぅあ…ゆぅuuzぃあぁぁ…!」


 やっぱり…狙いは俺だよね…


「皆、やるよ…!」

「…いろいろ不安はありますが、ドM勇者の案で行きますか」

『わたし…頑張ります!』

「おめぇら…気を付けろよ。イリーナは任せて、存分に奴をブッ飛ばしてこい!」


 ━━━イリーナが抜け…俺も右腕が動かないが………絶対に負けない…!さぁ…リベンジだッ!!!
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