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第45話 奪還戦
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「はぁ…!はぁ…!イリーナ…!イリーナッ!」
雨が降り頻るなか、一心不乱に駆ける……辺りは既に暗くなっており、頭にある地図を思い浮かべながら走っていた……
手がかりはユリちゃんが目撃した走っていった方向と見かけない魔族だった事、この町でイリーナが有名人である事から外へ向かったと判断した。
今の時間なら門は閉まっているはずだが……もし万が一外に逃げられたとしたら━━━見失う可能性が高い………なんとしても外に出る前に追い付かないと!
しばらくして門にあるかがり火が見えてきた!━━それと同時に剣劇の音も聞こえてくる。
「━━━奴を止めろッ!女神を助けるんだッ!」
「「「おおぉッ!!!」」」
たどり着くと………そこには何人もの倒れた騎士や冒険者、門を死守する騎士達━━━そして、イリーナを抱えつつ彼等を剣と魔法で圧倒する魔族がいた。
「イリーナッッッ!!!」
その叫びに魔族が反応して此方を振り返った。雨のせいで表情は分からなかったが…奴から発されるプレッシャーは、今まで出会った敵よりはるかに強かった。
「君は誰だい?僕のイリーナに対して馴れ馴れしくない?」
「『お前の』だと…?イリーナは誰の物でもないッ!イリーナを放せッ!」
俺は逃げられないよう足元に範囲を絞って封印魔法を放った!
「っ!これは………」
奴の足がクリスタルで固まったのを見て、俺や対峙していた騎士がイリーナの奪還に動いた…が━━━
「………【解放】」
「なっ…!?」
「ガッ!」
「ぐふっ!」
俺の魔法を解除した上に、砕けたクリスタルの破片を周囲に飛ばし攻撃までしてきた。
「君、その力…Lv.4だね?そうか、そうか………君がイリーナを誑かした勇者だなッッッ!!!!」
「はぁ!?誑かしてなんて━━━」
「死ねぇぇぇぇ!!!!」
狂ったように叫びながら斬りかかってきた奴の剣をギリギリのところで防ぐ事が出来た。━━だが奴の猛攻は止まらなかった。
くッ…!速い…ッ!イリーナを抱えたままだというのに防ぐのが精一杯だなんて…ッ!
だけどッ!イリーナを渡してたまるかッッッ!!!
最近は魔法ばかりだけど…ッ!俺には剣術Lv.1があるんだ、隙を見つけてイリーナを取り返すッ!
嵐の様な剣を必死に凌いでいると…奴が薙ぎ払う動作をする時、イリーナを抱えている為か剣の返りが遅いことに気付いた。
俺はタイミングを合わせ、薙ぎ払いを防ぐと同時に踏み込んで、奴の剣を持つ腕に切りかかった!━━━
━━━だが、動きを読まれていたのか…振った勢いを利用しクルリと反転し、後ろ蹴りを放ってきた。
「がはッッッ!!!?」
蹴りをまともに受けてしまった俺は数mも弾き飛ばされ………ごほっ、と咳と一緒に血が吐き出され地面を汚した…
痛い痛い痛い痛い痛いッ!!!あ、あばらが何本か折れたみたいだ…ッ!クソッ…息が上手くできねぇ……
「はぁ~…ガッカリだよ。この程度に引っ掛かるなんて、とんだ期待はずれだよ………君に勇者の資格は無い!イリーナの側にふさわしいのは僕だ!僕こそが勇者だ!だからさっさと━━━死ね」
「━━━殺らせません!」
殺られると思った時、ガキィィィ!と目前に迫った剣をユリアさんが防いでくれていた。ユリアさんはそのまま連激を繰り出すが、ことごとく避けられてしまった………
「うーん…君はそこの偽者より強いね、出来たら邪魔をしないで欲しいんだけど?」
「殺すつもりなのでしょ?それは出来ない相談ですね」
「わっっっっかんないなぁ~~~?どうしてそんなゴミを庇うんだい?」
「…確かにこのバカは弱くて泣き虫で情けないヘタレ勇者ですが…」
「ガハッ…!くっ…はぁ、はぁ……ひど、い…っっ」
俺が違う意味で傷ついていると…ユリアさんはこちらに振り返った。その表情は言葉とは裏腹に優しい顔をしていた…
「━━━優しい人ですし?一応マスターの恩人ですから……邪魔させてもらいます。それに━━━仲間が拐われるのを黙って見過ごせるわけ無いでしょ?」
「そうか…じゃあ君も━━━死ね」
「はぁぁぁぁッ!!!」
普段は冷静なユリアさんが裂帛の気合で攻めたてるが……尽く全てを防がれ、逆に攻撃を貰ってしまっていた……ユリアさんの速度を持ってしても避けきることが出来ず、致命傷を避けるので精一杯だった。
「ふっ…遅いッ!」
「ぐっ…!」
奴の攻撃はガードしたユリアさんを数mも弾き飛ばし━━━
【封印】
「っ…!?」
嫌な予感からとっさに飛び退いたユリアさんの元いた場所では、地面からクリスタルが鋭く伸びていた。そして、そこからは一方的な展開となった………
【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】
「ッ!!?」
次々に放たれる封印魔法……クリスタルを攻撃してもびくともしなかった為、避けるだけで精一杯となってしまった…
その時、隙をうかがっていたアリアの乗ったゴーレムが…奴の背後から襲いかかったが━━━
『このっ…!』
「はぁ~…弱い………【封印】」
しかし…奴は振り返りもせずに、後ろにいるアリアをクリスタルに閉じ込めてしまった…
「マスターッ!!!」
「人の心配をしている場合かい?━━━【爆裂解放】」
ドガーーーーーーン!!!
「きゃああぁぁぁぁ!」
その魔法は周囲に乱立していたクリスタルを一斉に解除し……勢いよく弾けさた破片が、中心にいたユリアさんに容赦なく襲いかかり━━━力尽きたかのように地面に倒れ伏した…
「ユリアさん………アリア………」
そんな……二人が手も足も出ないなんて……封印魔法は俺も使えるはずなのに…なんて技術なんだ…ッ!
「さてと………邪魔者もいなくなったことだし、さっさと殺そうかな。そろそろ他の兵士達も集まってきそうだしね」
くそっ…!くそっ…!くそっ…!!!なんで俺は弱いんだッ!イリーナを助けるどころか、俺を助けるのにアリアとユリアさんがやられるなんて…ッ!俺にもっと力があれば守れたのにッ!………ちくしょうッ!ちくしょうッ!!!
「はい、これで終わ━━━」
「━━━だから殺らせないと言ったはずです」
「な、何ッ!?ガッッッ!!?」
「………ぇ…ユリアさん…?」
そこには…倒れたはずのユリアさんが立っていた………その服はボロボロで所々穴が空いていたが、血は出ておらず━━━イリーナを抱えていた。
「イリーナッ!イリーナッ!!!」
「落ち着きなさい、気を失ってるだけだから。…それよりもマスターを助けなさい、このノロマ」
「うぐっ、そ、そうだね…!━━というかユリアさんは大丈夫なのッ!?」
「これぐらいどうってこと無いです。それよりも急ぎなさい、奴が来ます」
ハッ!として振り返ると、口から出た血を袖で拭って立つアイツが見えた。
「…がふっ…おかしいな~…おかしいな~?なんで生きてるのかな~?」
「あの程度、どうということは無いですね」
「ふふ…ふふふふ……そうかい…じゃあ今度はきっちり━━━殺してやる」
「勇者!マスターを助けたら奴の封印魔法の解除に専念しなさい!」
「わ、わかった!!!」
イリーナという枷が無くなった奴は先とは比べられないほどの攻撃を仕掛けてくるが━━━ユリアさんとアリアの二人がかりに攻めあぐねていた。
「いい加減死ねッ!貴様らッッッ!【封印】!」
流石に部が悪いのかイライラし、剣を繰り出しながら魔法を放つが………
パキィィィィン………
「…ッ!偽物が~…ッ!邪魔するなぁぁぁぁッ!!」
「イリーナは渡さない…!ユリアさんも、アリアも…死なせないッ!!!」
奴が【詠唱省略】なのに対して俺は【無詠唱】━━━いくら奴の魔法技術が優れてようと…!俺の発動の方が速いッ!
何度も何度も奴はユリアさんやアリア……俺に封印魔法を放ってくるが、その度に魔法が完成する前に【解放】で尽く潰していく。
そしてついに…!ユリアさんの拳が奴の顔を捉えた…ッ!
「はぁぁぁぁぁッ!!」
「ぐぁッ!」
『━━康介様!今ですッ!』
打ち合わせはしていない………だけど、アリアの言いたいことは理解できた…ッ!俺は奴にトドメをさすための魔法を放つ。
「これで終わりだッッッ!【風・融解】!!!」
「な、ッ!?クッ…!【解放】!!!」
俺が放てる最大レベルの魔法は、封印魔法をレジストされながらも……風魔法の威力はそのままに発動した!
「ギィャャぁぁぁぁぁぁぁ…!」
そして…まともに魔法をくらった奴は、全身から血を流し倒れた━━━
雨が降り頻るなか、一心不乱に駆ける……辺りは既に暗くなっており、頭にある地図を思い浮かべながら走っていた……
手がかりはユリちゃんが目撃した走っていった方向と見かけない魔族だった事、この町でイリーナが有名人である事から外へ向かったと判断した。
今の時間なら門は閉まっているはずだが……もし万が一外に逃げられたとしたら━━━見失う可能性が高い………なんとしても外に出る前に追い付かないと!
しばらくして門にあるかがり火が見えてきた!━━それと同時に剣劇の音も聞こえてくる。
「━━━奴を止めろッ!女神を助けるんだッ!」
「「「おおぉッ!!!」」」
たどり着くと………そこには何人もの倒れた騎士や冒険者、門を死守する騎士達━━━そして、イリーナを抱えつつ彼等を剣と魔法で圧倒する魔族がいた。
「イリーナッッッ!!!」
その叫びに魔族が反応して此方を振り返った。雨のせいで表情は分からなかったが…奴から発されるプレッシャーは、今まで出会った敵よりはるかに強かった。
「君は誰だい?僕のイリーナに対して馴れ馴れしくない?」
「『お前の』だと…?イリーナは誰の物でもないッ!イリーナを放せッ!」
俺は逃げられないよう足元に範囲を絞って封印魔法を放った!
「っ!これは………」
奴の足がクリスタルで固まったのを見て、俺や対峙していた騎士がイリーナの奪還に動いた…が━━━
「………【解放】」
「なっ…!?」
「ガッ!」
「ぐふっ!」
俺の魔法を解除した上に、砕けたクリスタルの破片を周囲に飛ばし攻撃までしてきた。
「君、その力…Lv.4だね?そうか、そうか………君がイリーナを誑かした勇者だなッッッ!!!!」
「はぁ!?誑かしてなんて━━━」
「死ねぇぇぇぇ!!!!」
狂ったように叫びながら斬りかかってきた奴の剣をギリギリのところで防ぐ事が出来た。━━だが奴の猛攻は止まらなかった。
くッ…!速い…ッ!イリーナを抱えたままだというのに防ぐのが精一杯だなんて…ッ!
だけどッ!イリーナを渡してたまるかッッッ!!!
最近は魔法ばかりだけど…ッ!俺には剣術Lv.1があるんだ、隙を見つけてイリーナを取り返すッ!
嵐の様な剣を必死に凌いでいると…奴が薙ぎ払う動作をする時、イリーナを抱えている為か剣の返りが遅いことに気付いた。
俺はタイミングを合わせ、薙ぎ払いを防ぐと同時に踏み込んで、奴の剣を持つ腕に切りかかった!━━━
━━━だが、動きを読まれていたのか…振った勢いを利用しクルリと反転し、後ろ蹴りを放ってきた。
「がはッッッ!!!?」
蹴りをまともに受けてしまった俺は数mも弾き飛ばされ………ごほっ、と咳と一緒に血が吐き出され地面を汚した…
痛い痛い痛い痛い痛いッ!!!あ、あばらが何本か折れたみたいだ…ッ!クソッ…息が上手くできねぇ……
「はぁ~…ガッカリだよ。この程度に引っ掛かるなんて、とんだ期待はずれだよ………君に勇者の資格は無い!イリーナの側にふさわしいのは僕だ!僕こそが勇者だ!だからさっさと━━━死ね」
「━━━殺らせません!」
殺られると思った時、ガキィィィ!と目前に迫った剣をユリアさんが防いでくれていた。ユリアさんはそのまま連激を繰り出すが、ことごとく避けられてしまった………
「うーん…君はそこの偽者より強いね、出来たら邪魔をしないで欲しいんだけど?」
「殺すつもりなのでしょ?それは出来ない相談ですね」
「わっっっっかんないなぁ~~~?どうしてそんなゴミを庇うんだい?」
「…確かにこのバカは弱くて泣き虫で情けないヘタレ勇者ですが…」
「ガハッ…!くっ…はぁ、はぁ……ひど、い…っっ」
俺が違う意味で傷ついていると…ユリアさんはこちらに振り返った。その表情は言葉とは裏腹に優しい顔をしていた…
「━━━優しい人ですし?一応マスターの恩人ですから……邪魔させてもらいます。それに━━━仲間が拐われるのを黙って見過ごせるわけ無いでしょ?」
「そうか…じゃあ君も━━━死ね」
「はぁぁぁぁッ!!!」
普段は冷静なユリアさんが裂帛の気合で攻めたてるが……尽く全てを防がれ、逆に攻撃を貰ってしまっていた……ユリアさんの速度を持ってしても避けきることが出来ず、致命傷を避けるので精一杯だった。
「ふっ…遅いッ!」
「ぐっ…!」
奴の攻撃はガードしたユリアさんを数mも弾き飛ばし━━━
【封印】
「っ…!?」
嫌な予感からとっさに飛び退いたユリアさんの元いた場所では、地面からクリスタルが鋭く伸びていた。そして、そこからは一方的な展開となった………
【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】【封印】
「ッ!!?」
次々に放たれる封印魔法……クリスタルを攻撃してもびくともしなかった為、避けるだけで精一杯となってしまった…
その時、隙をうかがっていたアリアの乗ったゴーレムが…奴の背後から襲いかかったが━━━
『このっ…!』
「はぁ~…弱い………【封印】」
しかし…奴は振り返りもせずに、後ろにいるアリアをクリスタルに閉じ込めてしまった…
「マスターッ!!!」
「人の心配をしている場合かい?━━━【爆裂解放】」
ドガーーーーーーン!!!
「きゃああぁぁぁぁ!」
その魔法は周囲に乱立していたクリスタルを一斉に解除し……勢いよく弾けさた破片が、中心にいたユリアさんに容赦なく襲いかかり━━━力尽きたかのように地面に倒れ伏した…
「ユリアさん………アリア………」
そんな……二人が手も足も出ないなんて……封印魔法は俺も使えるはずなのに…なんて技術なんだ…ッ!
「さてと………邪魔者もいなくなったことだし、さっさと殺そうかな。そろそろ他の兵士達も集まってきそうだしね」
くそっ…!くそっ…!くそっ…!!!なんで俺は弱いんだッ!イリーナを助けるどころか、俺を助けるのにアリアとユリアさんがやられるなんて…ッ!俺にもっと力があれば守れたのにッ!………ちくしょうッ!ちくしょうッ!!!
「はい、これで終わ━━━」
「━━━だから殺らせないと言ったはずです」
「な、何ッ!?ガッッッ!!?」
「………ぇ…ユリアさん…?」
そこには…倒れたはずのユリアさんが立っていた………その服はボロボロで所々穴が空いていたが、血は出ておらず━━━イリーナを抱えていた。
「イリーナッ!イリーナッ!!!」
「落ち着きなさい、気を失ってるだけだから。…それよりもマスターを助けなさい、このノロマ」
「うぐっ、そ、そうだね…!━━というかユリアさんは大丈夫なのッ!?」
「これぐらいどうってこと無いです。それよりも急ぎなさい、奴が来ます」
ハッ!として振り返ると、口から出た血を袖で拭って立つアイツが見えた。
「…がふっ…おかしいな~…おかしいな~?なんで生きてるのかな~?」
「あの程度、どうということは無いですね」
「ふふ…ふふふふ……そうかい…じゃあ今度はきっちり━━━殺してやる」
「勇者!マスターを助けたら奴の封印魔法の解除に専念しなさい!」
「わ、わかった!!!」
イリーナという枷が無くなった奴は先とは比べられないほどの攻撃を仕掛けてくるが━━━ユリアさんとアリアの二人がかりに攻めあぐねていた。
「いい加減死ねッ!貴様らッッッ!【封印】!」
流石に部が悪いのかイライラし、剣を繰り出しながら魔法を放つが………
パキィィィィン………
「…ッ!偽物が~…ッ!邪魔するなぁぁぁぁッ!!」
「イリーナは渡さない…!ユリアさんも、アリアも…死なせないッ!!!」
奴が【詠唱省略】なのに対して俺は【無詠唱】━━━いくら奴の魔法技術が優れてようと…!俺の発動の方が速いッ!
何度も何度も奴はユリアさんやアリア……俺に封印魔法を放ってくるが、その度に魔法が完成する前に【解放】で尽く潰していく。
そしてついに…!ユリアさんの拳が奴の顔を捉えた…ッ!
「はぁぁぁぁぁッ!!」
「ぐぁッ!」
『━━康介様!今ですッ!』
打ち合わせはしていない………だけど、アリアの言いたいことは理解できた…ッ!俺は奴にトドメをさすための魔法を放つ。
「これで終わりだッッッ!【風・融解】!!!」
「な、ッ!?クッ…!【解放】!!!」
俺が放てる最大レベルの魔法は、封印魔法をレジストされながらも……風魔法の威力はそのままに発動した!
「ギィャャぁぁぁぁぁぁぁ…!」
そして…まともに魔法をくらった奴は、全身から血を流し倒れた━━━
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