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危ういごちそう
しおりを挟む……美味しそうな……においがする。
って、あれ?
ぱかっと目を開けた。
すると目の前にごちそう、じゃなかった、ダインがいて、……び、びっくりしたあ……
宿に部屋がなかったりとかしなければ、俺とダインはだいたい一緒の部屋だ。万が一の対策。
今日も一日お疲れ様って、眠ったのに。
まだ部屋は真っ暗だ。窓からも半分ほどの月の光が差し込んでいて、暗視がある俺はそれだけで十分な明かりだけど。
で、ダインが、な。
……うん、やっぱり寝ぼけてない。ダインからおいしそうなにおいがする。
ベッドに寝てる俺に、ダインは上に四つん這いになってる。じい……って見られてるけど、まばたきもするし、目はふつうの感じだ。
「……苦しいのか?」
瘴気がいっぱいあると苦しいらしい、というのは、ダインを質問攻めにしたときに聞いた。身体が重くなるって言ってたっけ。
こくり、と頷くダインに、まずは髪を巻き付かせた。この髪が自分を楽にしてくれるのだということも分かっているらしい。
こうやって、苦しいと言いに来てくれた……んだろうか。
おお、すごいな、理性を吹っ飛ばす前にちゃんと言ってくれてえらいえらい。
……子供扱いだな、ほんとに。
でも、髪で頭をなでると(……うっかりなんだよ)、まんざらでもなさそうに目を細める……うう、なんだろ、恥ずかしくなってきた。
……ふう、おいしいのきた。
久しぶりで、口の中がじゅわってなる。
溜まったものをゴクリと飲みこんで、その……俺はドキドキしながら、
「する……?」
……って、えっち誘う女の子みたいな言い方ぁ!
顔が熱い!絶対赤い!
でも、他にどう言えと!?やらないか!?変わんねえ!?
って、ひとりで悶えてたら、ダインはこてんと首をかしげた。
「……何を」
ぴしっと、俺の頭が、一瞬フリーズ。
「……えっと、……………セックス?」
だよな?
あれ?
でもあれ、マジで給餌的ななにかで、セックスと言っていいのか……?
哲学だ。
けど、俺のそんな悶々とした考えなんて知らないダインは無表情で、
「……セックスってなんだ」
「はうわ!?」
……えっ、そんな感じ?
どんな感じ。
…………………………ダインくんが、本当に、お子様レベルなのではの件。
まずい、まずいぞ、これは非常にまずい。
松田くんに相談だ。
でも、まずは……この状態から進むかどうか。
…………誰か俺を罵ってくれ。今度は俺の理性がポンコツだぞ。
このおいしそうな匂いのする男を前に、耐えられない……っ
「……お前が、よくなれることだよ」
って、ちょっと待て、これもなんかセリフが違う……!?
瘴気を収めるのに一番有効なことだよってことなんだ!
アエリアーナを起こすのもなんだし、ね?けっして、俺がお腹すいててダインがおいしそうなわけじゃなく……!
……って、あれ?
今、なんか、ダインが笑った?
目の錯覚かと思ったけど……すぐに表情が戻っちゃったけど。
ダインは、ぐって体を落としてきて、ぎゅって俺を抱きしめた。
ああ……ああ、うまい……
布越しだけど、ほのかに香るような味が、すごく、おいしい。
もっと、欲しいな……
身体が密着してわかったけど、ダインのダインが……お、おっきくなってて。
うっわあ、って思いながら、ちょっと嬉しい。
……いや、ごはんがもらえるからだろ、な?
「ぅぐ、む、うう……っ!」
ああおいしい!
すごく、あ、すごくぅ……!
がんがんくる、おくに、いっぱいっ!
だめ、腰、とける……これ、これ、おいしいの、いっぱい……!
……ふぁあああ!
…………
………………はっ。
あっぶね、もう、本当に美味しくて馬鹿に……ふぁん。
ドクドクって、流れてくるおいしいの……はあ、だめだ、ほんとうにおいしいのをもらえると俺……
っと、いかん、口からシーツ離しそうだった。
腰だけ上げて、それを、ダインに揺さぶられながら口はシーツを噛んでいる。
俺、本当に声うるさい。自覚あるから騒がせないように口を閉じておく、物理的に。
腹の中がおいしいものを、これでもかと締め付けてる。……ああ、なかが幸せ。
「……ん……」
……あれ?ダイン?動かないの?
俺の中の、まだちょっと硬いよ?
ちらりと、目を上に上げると、月明かりにじっと俺を見下ろす男の体が見えた。
……初めて、こんな時にダインの裸を見た。
すごい体。
大きくて分厚い。バキバキに腹筋は割れてるし、筋肉の盛り上がり……
旅の途中に男同士だし、脱ぐことなんていっぱいあったけど、その時にはすごいなって思うだけだったのに。
今は、恥ずかしいし……なんだか……綺麗だな。
じっと、俺を見下ろしてるダインの顔が、なんだか不思議なものを見るような、そんな顔してる。
……っていうか、完全に正気なの!?
さっき、いっかい、理性飛んでたよね!?
ごりごり俺のなかつっこんでくるから、俺だってひっさしぶりのおいしいのに、遠慮なくむしゃむしゃしてたのに!?
は、………はずかしい、はずかしい!
いつから見てたの。
シーツから顔上げられない……!
でも、まだ満足していないらしい俺の腹が、きゅうって勝手に中のおいしいの、絞って。
ぴくって、ダインのおおきいのが、はねたのが分かった、それに、旨味みたいなものが、じわって……
「……ん、んう、」
だめ、本当にクスリみたい。
ぼうっとする、おいしい、ダインの。
ゆっくり、俺から抜けてく……えっ、うそ、やめるの?
だめって、ぎゅうって力入れたら、あ、一気におくにっ!?
「ふっ……!っん、んぅー」
ああ、きた、うれしい、ダインの味。
おいしいよぉ……
でも、次に出したので満足したダインは、俺の中から出ていって……まだふにゃふにゃの俺を抱きしめて、ベッドに横になった。
まだゆっくり肌から入ってくるダインの魔力混じりの瘴気に、しあわせを引きずって俺は……いいかげんにしないと……
「……ん、おいしかった……」
さっきから、口から出てくる言葉がいろいろおかしいのはなんだろうな……
けど、ダインは気にしないのか、すりって、最近よくするみたいに俺の髪に顔を擦り付けている。
……それさ、うっかりかわいいとか思っちゃうから、やめよう?
とは、言えない……
それにしても、ダインとこんなゆっくり、その、……の時に一緒にいるの、初めてだ。
あんまり、長い間くっついてると、魔力からどんどん吸っちゃうから、いけないんだけど……これ、なんだか離れられない。
まあ、ダインは瘴気がある分、ぜんぶ俺が吸い取るのを期待してるんだろう。じゃないと、腕を俺の背中に回して密着するなんて……
セックスがわからないのに、こういうのは本能なのかな。
ダインの身体って、すごくあったかいんだな。
初めて知ったよ。
で、松田に相談。
頭抱えたよね、ふたりで。
あのあとダインにどの程度の知識があるのか聞いてみたんだけど……マジ、なんも知らない。
まさか、まだ大学生の分際でおしべとめしべが……っていうのをやんないといけないの?
いっそ、俺たちが汚い大人に見えてくるマジック!心が痛い!
だが、悩んでいる間に事態は変なところから進んでた。
「ダインの知識は、私がどうにかしますよ」
フレェイがあの菩薩顔で俺にこっそり言ってきた。
まて、なぜあんたが知って……?
「ダインが悩みを打ち明けてくれました。いえ、大したことは聞いておりませんよ」
……待ってくれ、本当に、どこまで話したんだダイン。
無口がしゃべりだすとこんなことも起こるんだな!?
顔が引きつっていたんだと思う。フレェイは訳知り顔で頷いてる。
「これでも聖職者の端くれ、迷える羊に導きを与えるのも責務です」
……羊……、クリスティナのスチルを思い出し……っ!
本当に、どうしたんだ僧侶。
輝いて見える。
「心配なさらず。力を尽くします」
……ものすごく不安だ……!
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