【完結】貰い屋さん 【全13話】

なつ

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少女の話②

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「はじめまして。ようこそおいでくださいました。」

少女は暗い顔で笑う。そして問う。

「神様ですか?それとも自分の命を無駄にしてしまった私へ罰を与える悪魔様ですか?」

少年はまたクスリと笑う。

「それはどうでしょうか?ご想像にお任せしますよ。でもこれだけは訂正しておきます。ここは天国でも地獄でもありません。なぜなら貴方はまだ死んでいないからです。」

「じゃあここは…。」

「夢の中…ということにしておきましょうか。」

少女は不安な顔を隠しきれない様子で黙り込む。不安で不安で仕方がないのになぜか心が安らぐ。この何もない草原が少女の心を癒しているのだろうか。

何もないからこそ今までの出来事も思いだしてしまう。出来事を思い出している中でふと脳裏をよぎったことがある。

「貰い屋さん…」

「ほぅ。」

「あ、私声に出てましたか?すいません。」

「どうしてそう思ったか聞かせてもらっても?」

「いや、今までの事を思い出している中でそういえば貰い屋さんにも願い事をしたな。って。想像にお任せするって言っていたのにここは天国でも地獄でもないって否定していたので、人間の知識通りなら神様でも悪魔ではないということなのかなって。」

少女は今まで耐えてきた。でも自分の意思とは関係なく人を見極める力が身についていた。言動や行動。それらで今相手が何を思っているのか何を考えて行動しているかの見極め能力が非常に高い。それを今も無意識にしているのだ。そして少年も今の言動で少女という人間がどんな人間なのかを知った。

「続けてください。」

少年は優しい笑顔でそう話す。優しい笑顔過ぎて不気味なほどに…。

「あ、はい。ここは、この場所は明らかに人間が住む場所とは別次元だと思っています。夢にしてはリアルすぎるし…。だったらここは単なる夢ではなく現実…そう考える方が自然かなって。私が願ったのは神様と…貰い屋さん。想像に任せていいなら私は貰い屋さんに声が届いた。そう考えたいです。」

「お見事です。多少事実とは異なっていてもそれだけの答えをこんな短時間で導くなんて!さすがです。」

「ということは本当に…貰い屋さんなんですか?!」

少女は驚き嬉しそうな様子で前のめりになる。

「自分から名乗ったことはないのですが、人々からは『貰い屋さん』そう呼ばれています。」

あれほど貰って欲しかった命。でも少女は自ら実行してしまった。もう全て遅いのだ。頭の回転が早いからこその自覚。全てを察した様子で少女はまた黙り込んだ。
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