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3ヶ月経っても手紙はしっかりと同じ曜日に届く。ロディが当主になるのではないかと近くの家では噂され、逆に手紙が届いていると知らないご近所さんは「きっと捨てられたのよ」そんな言葉が今日も聞こえる。

しかし、ナターリアはそんな言葉に何も感じない。当主だとか貴族だからとか今はどうでもいい。ただ会いたい。それだけだった。

手紙の存在のおかげでなんとか心を保てているがそんな事は関係ないように今日もコーリアがしつこく話しかけてくる。

「今日はロディさん来たの?」

「来るわけないじゃない」

「必死に捕まえとかないと誰かに取られちゃうかもよー?ってもう取られちゃったりして!」

きっとコーリアはもう一度ロディに会い誘惑したいからまだナターリアが捕まえとけということだろう。

家にも行った。でも呼び鈴を鳴らしても人が出てきたことは無い。そんな不安定な日々を送っていたある日。話は動いた。

チリンチリン。誰かがナターリアの家の呼び鈴を鳴らす。最初の1ヶ月までは急いでナターリアが玄関を開けていたが毎回毎回期待して開ける扉はもう今では重くて開かない。

父は仕事へ、母は買い物へ。

家にはナターリアとコーリアしか居ない。必然的にはコーリアが出るしか無く、今までずっと呼び鈴に対応したことが無いコーリアが対応するようになってもう2ヶ月。

そんなことを考えていたナターリアだが家から出た扉の音しかなってないことに気がついた。誰かと話してるのかなとコーリアが少し心配で2階の窓から様子を伺う。

するとそこにはコーリアが見慣れた姿の人物に抱きついていた。ナターリアは急いで階段を降りる。何が起きているのかを理解するために。

思い切って開けた扉は大きな音を立て壁にぶつかる。

そこに居たのは少し裕福な服を着たロディと、大きな音がしても一切ナターリアを見ずに話しかけているコーリアだった。

どんなわがままも耐えて許してきた。それは大切な1人の妹だから。でもそれはやってはいけない。

やっとロディに会えたという喜びと妹のありえない大胆な行動。ナターリアは何も考えれなくなってしまった。

周りが見えなくなって立ち尽くすナターリア。そんなナターリアを優しく包んだのはロディだった。

「ごめん。そして待っててくれてありがとう。」

久しぶりに聞いたロディの声はとても優しくて3ヶ月の寂しさなど一瞬で吹き飛ばす言葉。3ヶ月会っていなくても話していなくてもロディはロディだった。ナターリアが今1番欲しかった言葉をくれるロディ。

ナターリアの知っているロディは自分だけを見てくれる。真っ直ぐ目を見てナターリア自身と話してくれる人。

我慢していた感情が溢れ出しナターリアは静かに泣いた。
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