【全94話】魔力一般人以下、最強少女の秘密【完結】

なつ

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13.初心の気持ち

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よく聞く魔法は呪文を口で唱え魔法を繰り出す。だが、今の時代は無詠唱が浸透しており無詠唱を習得するために生徒は皆魔法を学ぶ。

イメージさえできれば魔法を使うことができる。呪文まではいかずとも単語を言うことでその魔法を繰り出す人たちもいてそれぞれ自分に合ったやり方で魔法を使っている。

呪文を長々言っていればその間に悪魔に攻撃されてしまうため今の学校では呪文を言わずイメージだけで魔法が使えるように訓練をする。

「魔法は呪文を唱えるものだ!」と反論の声もあるがこっちの方が効率がいい。それは一目瞭然だった。

貴族や前線の魔法師は何も言わず、完璧に魔法を出せる人が多くいる。現にレイル先生がそうだ。

1年の前期はそのイメージか出来るようになるための訓練だ。

今日は火魔法の演習。

レイル先生は無言で火を繰り出し近くにあった丸太に火をつける。それが5箇所。「各自5箇所に移動せよ。移動して火を手で感じ、体全身で感じろ。」そう指示をした。

「あっつ!」
「これがなんになるんだ?」

とみんな色々口にしていた。それを遮るように

レイル先生「何事もまずは基礎だ。無意味と感じていては何も上達しないぞ。火の形をよく見て頭に焼き付けるのだ。イメージしろ。」

親が魔法師の生徒は昔から魔法を教わっているため完璧には出来ないが無詠唱が使えるものもいる。中には小さい時から塾みたいなものに通わされ魔法が使えるようになったという生徒は多い。しかし初心者が沢山いるのもまた事実だ。

初心者にとっては火に手をあてるだけの授業はとてつもなく暇に思っていることだろう。

それがどんなけ大切な事か知らずに。

レイル先生「火の魔法が使えると思ったものは私に言え。その場でテストだ。この中には当然使えるものもいるだろう。それだったら早くこい。クリアしたら自習だ。何が得意で苦手なのかはこちらが把握している。初回だから多めに時間を取っているが焦れ。どれだけ自分が出来てないかを自覚しろ。さぁどうやったら魔法が使えるのか自分で考え答えを導きだせ!」

その他にも教え合いは可とも言っていた。リンとシノはカナに教えてもらったが、イメージで魔法を使うためあまり教えることもない。全ては感覚だからだ。

カナリア「まずはイメージが大切!火を見続けてこの火を出す!!って強く思えば大丈夫!イメージだよ!イメージ!とりあえず私レイル先生にテストしてきてもらうね!」

火を見て頭にインプットするって感じがとても難しい。
シノは塾に行ってたらしいけどお母さんが看護師な為に回復系の魔法が得意と判断され、回復魔法専門の塾に行ってたみたいだし、本格的な攻撃魔法は初めてだという。

集中しなければいけないがカナの魔法が気になりリンとシノは横目でカナを見ていると力強い「はっ!」が聞こえた。
「はっ!」と言った瞬間に見本のような炎が燃え上がる。凄い綺麗な火が出てきた。

余裕でクリア

リンは魔法力は少ないものの勉強は得意な方だ。イメージは思ったよりもすぐにできたので試しに自分の手のひらで魔法を出してみると手のひら程度であっても火を出せることに成功した。その瞬間はなんとも言えない達成感があり、とても嬉しかったのを覚えている。

リン「レイル先生!手のひら程度ではありますが魔法…成功しました。」

レイル先生「見せてみろ。」

小さな火が手のひらでメラッメラッと燃えている。

カナリア「凄い凄い!その調子!」

レイル先生がタブレットをみて「よし。いいぞ、合格だ。」

"初めて"魔法を使えた瞬間だった。
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