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60.テレパシー
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「明日のクラス対抗、1人になる時間を作る。透視能力で見つけて俺の所に来い。」と頭に響きリンは驚いて周りを見渡す。
待機室に帰ろうとしている選手達。不自然に足を止めているある人物と目が合った。
それはジン・ベアード。リンとジンには面識はなく、もちろんお互いの声も性格もしらない。でもリンはジン・ベアードが声の主だと確信した。明らかにリンと目が合っている視線。男性の声で明日のクラス対抗に出場する人物。ジン・ベアードしかいなかった。
リンは咄嗟にその頭の中の声に返事をした。
リン「私とはなんの接点もないはず…なにか用事があるならわざわざ戦っている時じゃなくても…」
ジンは目を少し開き、驚いたような素振りも見せつつも「必ず明日、俺の所に来い。後、誰にも言うな」そう言いながら会場を退出した。
カナ「そんな真剣にジンを見てどうしたの?」
わざわざ接触してきたのはもう明日の戦いが始まっているのか、罠なのか。でもジン・ベアードの目は真剣だった。ジン・ベアードに頭の中で声を掛けられたとカナたちに言おうか迷うもなぜだか言えなかった。指示役である自分が持ち場を離れるなんてことは絶対にないし、自分が応じなければいいと思い何事もなかったように笑顔で「いやージン・ベアードが明日の敵なのかーって考えてただけっ!」と答えた。
ジンを待っていたリードが「お疲れ様です!」と声をかけたものの何か深く考え事をするジンには届かない。
リード「ジン様?」と顔を覗いてやっとジンがリードに気付く。
ジン「あぁ。待ってたのか…」
リード「完全勝利できましたのになぜそんな不満そうな顔を?」
ジン「リンってやつに明日のクラス対抗中に一人で俺の所に来いとテレパシーをおくったんだよ。」
リード「そうだったんですね。リンという方はどのような反応を?テレパシーを何も言われずに使われるなどさぞ驚かれたのでは?」
ジン「確かに少しは驚いてた。だが声の主を探す方が優先してたし、なによりあいつ…返事しやがった。」
リード「へ、返事ですか?!」大きな声で驚くリード。
それも当然の事。クラス対抗では校内戦同様にトランシーバーが配られる。トランシーバーはおおきく古いが昔から使っているということもあり今も尚トランシーバーが配られる。
トランシーバーでなくても耳につけるタイプの連絡手段だったりと様々だが魔法を使った連絡手段となると一気に話は変わる。
ジンが使っていたのはテレパシー。テレパシーも高速移動と同じくあまり魔力は消費しないが高速移動よりももっと感覚を掴むのが難しい。
テレパシーが使えるもの同士はもちろん会話のやり取りができる。しかし、テレパシーを使えるものと使えないもののやり取りは一方的な連絡みたいなもの。会話が成り立つはずがない。
ジン・ベアードはテレパシーを1年前に取得したばかり。目で見える範囲の人物にしかテレパシーは使えない。訓練すればもっと遠くの距離との連絡が可能になるがテレパシーを訓練するより今は便利な機械が沢山ある。敵に作戦がバレないというメリットはあるがそのために費やす時間が無いがためにテレパシーはあまり使われなくなっていた。
同じ貴族であるカナやマリアは使えないし、会長もジン程しか使えない。学校で教えられる訳でもないのにリンがジンのテレパシーに返事したのだ。
ジン「俺、1年前に取得したばかりだぜ?24時間テレパシー使える人に話しかけてもらってやっとの思いで使えるようになったのに…。アイツ本当に何者だ?」
待機室に帰ろうとしている選手達。不自然に足を止めているある人物と目が合った。
それはジン・ベアード。リンとジンには面識はなく、もちろんお互いの声も性格もしらない。でもリンはジン・ベアードが声の主だと確信した。明らかにリンと目が合っている視線。男性の声で明日のクラス対抗に出場する人物。ジン・ベアードしかいなかった。
リンは咄嗟にその頭の中の声に返事をした。
リン「私とはなんの接点もないはず…なにか用事があるならわざわざ戦っている時じゃなくても…」
ジンは目を少し開き、驚いたような素振りも見せつつも「必ず明日、俺の所に来い。後、誰にも言うな」そう言いながら会場を退出した。
カナ「そんな真剣にジンを見てどうしたの?」
わざわざ接触してきたのはもう明日の戦いが始まっているのか、罠なのか。でもジン・ベアードの目は真剣だった。ジン・ベアードに頭の中で声を掛けられたとカナたちに言おうか迷うもなぜだか言えなかった。指示役である自分が持ち場を離れるなんてことは絶対にないし、自分が応じなければいいと思い何事もなかったように笑顔で「いやージン・ベアードが明日の敵なのかーって考えてただけっ!」と答えた。
ジンを待っていたリードが「お疲れ様です!」と声をかけたものの何か深く考え事をするジンには届かない。
リード「ジン様?」と顔を覗いてやっとジンがリードに気付く。
ジン「あぁ。待ってたのか…」
リード「完全勝利できましたのになぜそんな不満そうな顔を?」
ジン「リンってやつに明日のクラス対抗中に一人で俺の所に来いとテレパシーをおくったんだよ。」
リード「そうだったんですね。リンという方はどのような反応を?テレパシーを何も言われずに使われるなどさぞ驚かれたのでは?」
ジン「確かに少しは驚いてた。だが声の主を探す方が優先してたし、なによりあいつ…返事しやがった。」
リード「へ、返事ですか?!」大きな声で驚くリード。
それも当然の事。クラス対抗では校内戦同様にトランシーバーが配られる。トランシーバーはおおきく古いが昔から使っているということもあり今も尚トランシーバーが配られる。
トランシーバーでなくても耳につけるタイプの連絡手段だったりと様々だが魔法を使った連絡手段となると一気に話は変わる。
ジンが使っていたのはテレパシー。テレパシーも高速移動と同じくあまり魔力は消費しないが高速移動よりももっと感覚を掴むのが難しい。
テレパシーが使えるもの同士はもちろん会話のやり取りができる。しかし、テレパシーを使えるものと使えないもののやり取りは一方的な連絡みたいなもの。会話が成り立つはずがない。
ジン・ベアードはテレパシーを1年前に取得したばかり。目で見える範囲の人物にしかテレパシーは使えない。訓練すればもっと遠くの距離との連絡が可能になるがテレパシーを訓練するより今は便利な機械が沢山ある。敵に作戦がバレないというメリットはあるがそのために費やす時間が無いがためにテレパシーはあまり使われなくなっていた。
同じ貴族であるカナやマリアは使えないし、会長もジン程しか使えない。学校で教えられる訳でもないのにリンがジンのテレパシーに返事したのだ。
ジン「俺、1年前に取得したばかりだぜ?24時間テレパシー使える人に話しかけてもらってやっとの思いで使えるようになったのに…。アイツ本当に何者だ?」
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