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71.逃げる選択肢
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一瞬でジンの近くに瞬間移動したリンは顎あたり目掛けて大きな赤い炎の魔法を繰り出す。ジンは咄嗟の判断で膝下あたりまでを影に入れ攻撃をかわす。そのまま影の中に溶け込み身を隠した。
「逃げなくては」ジンは思ったこともなかった決断をした。ジンが逃げるということを選択したことはなかった。すべて力で何とかなってきた。でも今は逃げる選択肢しかない。それほどの恐怖を目で感じてしまった。
「カメラをつぶされたから今の映像はおそらく流れていない。クッソ…アイツと手を組んでまでホルスに頼ったのによ」
そう。ジンはホルス所有者にカメラ越しでリンを見てほしいがためにマリアと手を組んだのにそれがばれたのか映像が流れるのが嫌だったのか、それともジンの意識をそらしたいが為に破壊したのかなんて考える余裕もジンにはなかった。目が赤いことについて考える暇も…。
会場でも映っていた映像が何の前触れもなく映らなくなったことに「なんだ?壊れたのか?」と疑問を持つものの対して気にしていなかった。カメラが壊れることはよくある。が、もちろん前触れなく壊れたことに関して違和感しか感じない人もいた。
それはリンたちが戦闘していなかったから。戦闘中に壊れるならなにも気にしない。なのに写されたくないように急に映らなくなった。それは攻撃が遠隔魔法系で2人のどっちかが意図的に壊したか、第三者による背後からの攻撃。第三者としてもカメラを壊す意味が分からない。しかもジンの事情的にもカメラは自分を売り出す道具のようなもの。としたら考えられるのはリンが遠隔魔法か何かで壊したと判断するのが普通なのだがリンは一度もカメラを見てなかった。遠隔系統を使うとしてもその方向に手などを向けて魔法を繰り出すのにそれをしていなかった。
マリアとマルクスはリンの攻撃だと断定していた。リンとジンが接触したときから常にホルスの目を発動しており、リンの魔力だと思われる小さな分子がマルクスには見えていた。
マリア「マルクス…あなた何が見えたの?」
マルクス「魔力分子が見えました。これは仮説ですがおそらく微力の電気をカメラに紛れ込ませ、カメラ機器の不具合で爆発したと考えるべきです。」
それぞれが見えなくなった2人に何が起きているのか気にはなるものの知るすべはない。壊れたカメラ位置に予備のカメラが配置されるもののそんな時間は存在しない。
必死にリンと距離を取るべくジンは影の中を高速で移動する。ここは森。ほとんどの影が影同士でつながっている。飛び移らなくて済む森はジンの上では手のひらの上なはずだった。
ジンは突然お腹あたりを殴られたような感覚に襲われた。その反動で影の外に放り出される。影の中はジンの絶対領域。影の中で痛みを感じたのはもちろん初めて。
何が起こったのかわけがわからない。するとジンが放り出された影の中からゆっくりとリンが出てきた。
「逃げなくては」ジンは思ったこともなかった決断をした。ジンが逃げるということを選択したことはなかった。すべて力で何とかなってきた。でも今は逃げる選択肢しかない。それほどの恐怖を目で感じてしまった。
「カメラをつぶされたから今の映像はおそらく流れていない。クッソ…アイツと手を組んでまでホルスに頼ったのによ」
そう。ジンはホルス所有者にカメラ越しでリンを見てほしいがためにマリアと手を組んだのにそれがばれたのか映像が流れるのが嫌だったのか、それともジンの意識をそらしたいが為に破壊したのかなんて考える余裕もジンにはなかった。目が赤いことについて考える暇も…。
会場でも映っていた映像が何の前触れもなく映らなくなったことに「なんだ?壊れたのか?」と疑問を持つものの対して気にしていなかった。カメラが壊れることはよくある。が、もちろん前触れなく壊れたことに関して違和感しか感じない人もいた。
それはリンたちが戦闘していなかったから。戦闘中に壊れるならなにも気にしない。なのに写されたくないように急に映らなくなった。それは攻撃が遠隔魔法系で2人のどっちかが意図的に壊したか、第三者による背後からの攻撃。第三者としてもカメラを壊す意味が分からない。しかもジンの事情的にもカメラは自分を売り出す道具のようなもの。としたら考えられるのはリンが遠隔魔法か何かで壊したと判断するのが普通なのだがリンは一度もカメラを見てなかった。遠隔系統を使うとしてもその方向に手などを向けて魔法を繰り出すのにそれをしていなかった。
マリアとマルクスはリンの攻撃だと断定していた。リンとジンが接触したときから常にホルスの目を発動しており、リンの魔力だと思われる小さな分子がマルクスには見えていた。
マリア「マルクス…あなた何が見えたの?」
マルクス「魔力分子が見えました。これは仮説ですがおそらく微力の電気をカメラに紛れ込ませ、カメラ機器の不具合で爆発したと考えるべきです。」
それぞれが見えなくなった2人に何が起きているのか気にはなるものの知るすべはない。壊れたカメラ位置に予備のカメラが配置されるもののそんな時間は存在しない。
必死にリンと距離を取るべくジンは影の中を高速で移動する。ここは森。ほとんどの影が影同士でつながっている。飛び移らなくて済む森はジンの上では手のひらの上なはずだった。
ジンは突然お腹あたりを殴られたような感覚に襲われた。その反動で影の外に放り出される。影の中はジンの絶対領域。影の中で痛みを感じたのはもちろん初めて。
何が起こったのかわけがわからない。するとジンが放り出された影の中からゆっくりとリンが出てきた。
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