発情期が来ました。師匠【ふたなり百合】

ゆきのりん

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発情期が来ました。師匠【ふたなり百合】

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☆ふたなり百合にこだわりのある方はご注意ください。
☆合わないな~と感じたらお戻りください。

・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・


 とある世界のとある国のとある街の外れにある、薬屋を営む小さな家。
 そこの主である魔法薬師ユルケの頭に、もう何十年も会っていない師匠の声が響いた。

『愛する弟子たちよ、これは餞別だ。適当に配るが文句は言うな。私は魔神の元へ行く』

「お師匠さま!?」 

 ユルケは驚いた。
 恐らく『国守の大聖女』と呼ばれる師が数百年前に封じたという魔神のことだろう。
 そこへ行くということは、封印が解けたのかもしれない。

 目の前の机の上に、小さな石がふたつ落ちていた。

「どうしました。師匠」

 その声を聞きつけた弟子のクロニが部屋に入ってきた。

「…私のお師匠さまが魔法をくれたから、ひとつあげるね」
「いいんですか」
「うん、どうぞ」
「ありがとうございます」

 ユルケは調合室の作業机の上に転がる赤い石を、クロニはもうひとつの青い石を握る。すると、手のひらから魔法の術式としてそれぞれに取り込まれ、消えた。

「……………」
「………師匠」

 ユルケは一瞬大きな瞳を丸くして首を傾げ困惑したような顔をし、クロニは表情を一切変えず微動だにしなかった。

「…なあに?」
「夕飯の支度が出来ました」
「あ、ありがと~」

 食卓には、塩漬けの魚で作った汁物と、小麦の粉を練って焼いたものが並べてあった。

「あ、いつもとちょっと違う味付だね…う~ん美味し~♡」
「お口にあって良かったです」

 何十年も生きてはいるが少女のような見た目のユルケはにこにこと笑い、猫の獣人であるクロニ――ほぼヒトと同じだが猫のような耳と尾が生えている――はわずかに目を細めた。


◇*◇*◇


 寝台はひとつしかないので、クロニと一緒に寝ている。
 ちょっと狭いなあと思う度に、彼女の成長も感じる。

 クロニがここに来てから、10年近くになる。
 私が苦手な家事をほぼ引き受けてくれて、調剤の勘もいい。

 可愛い猫の獣人の弟子は、いつまで一緒にいてくれるのだろう。

「…師匠」
「…ん?」

 クロニがすり寄ってきた。いつもより体温が高いような。

「どうしたの? 具合が悪いの?」
「発情期が来たようです」
「…えっ、あの発情期!?」
「そうです。その発情期です」

 ほとんどの獣人にあるという、発情期。
 クロニは『自分のことなので』と言って他の猫の獣人に話を聞いたりしていたそうだ。しっかりしている。

「大丈夫? ど、どんな風になるの?」
「いやらしい気持ちになって体が疼きます」
「わ、わあ」
「そんな風になったことはないですか。師匠」
「ど…どうだったかな……昔はあった…かも?」

 数十年も生きていればそんなことも………あったっけ?
 魔法の研究の方が楽しかったから…
 その魔法も今は使い道ないけど…

「ヒトは毎日が発情期ではないのですか」
「そっ…それはそうだね?」

 クロニは、ふぅとため息をついた。

「このままでは、感情が発情に支配されて、自分が自分でなくなってしまうかもしれません」
 
 えっ、常に冷静なこの子が…?
 それはちょっと見てみた…じゃなくて。
 師匠として弟子の成長はどんなことでも喜ばしいし、できることはしてあげないと。

「師匠。治めてください」
「う、うん、この師匠にお任せあれ」

 耳を避けて頭を撫でると、クロニは目を細めた。
 ヒトの身体は勉強したけれど、獣人にもあてはまるのだろうか。
 

・・・


「あ、あっ、そんな、あっ♡」

 気合を入れている間に夜着を脱がされ、全身を絶妙な強さで撫でまわされ、胸を弄られあられもない声を上げているのは、クロニに組み敷かれている私。なぜ。
 快感が背筋を通り、脚の間は潤んでひくついている。

「クロニ、これ、合ってる?」
「合っていますよ。気持ちいいでしょう?」

 私が年長者として彼女を絶頂に導き発情期の性的な興奮を発散させるのではなかったの…?いや、どうやってかは正直わからなかったけど…なんとかなるかな~って…勉強したってこういうこと?一体どこで覚えてきたの…こんな…こんな、 

「可愛いです。師匠」

 お世辞まで…

「あ――っ♡ あ、あっ、や、んっ♡」
「先をこうするのがいいんですね。師匠」 

 硬くなった乳首の先端を撫でるように擦られて、高い声が止まらない。

「こちらはどうですか」 
「ひゃぁっ」

 太腿の間に膝を当てられて思わず脚を開くと、クロニはそこに腰を下ろした。
 指が股間に添えられ、身体が勝手に跳ねた。

「すみません。痛かったですか」
「っだ、大丈夫だよ」 

 私は、クロニの下がった耳に弱い。普段顔に乗せない感情が、耳と短くて普段はスカートに隠れているしっぽには現れる。 

「濡れています」
「え、う、恥ずかしいなあ…」
「嬉しいです」
「そ、そう……あ、ん…っ」

 濡れた指の腹がくるくると動いて、一点に当てられた。

「ん、んんっ、んぅ、」
「ここですか」
「あ、うん、そこ♡ いい…」
「もう少し強くても良さそうですね」
「は、う、うん…んっ♡」

 陰核をすりすりと擦られて、だんだん頭がぼうっとしてくる。このまま続けられたら…

「師匠…」
「ぁ、あっ、ぅん、あ…ん……んっ!」

 ぬめりを生み続ける入口に、指が―――

「そ、そこは指を入れる所じゃありません!」

 夢から覚めて飛び起きたみたいに上半身を起こしてクロニの手首を抑えると、真剣な瞳で見つめられた。

「何を入れるのが正解なのですか」
「え、そ、そりゃあ…」

 別に指を入れられてもよかった気もする。この調子なら、クロニはきっと気持ちよくしてくれるだろうし…

「これですか」

 クロニは勢いよく夜着を脱ぎ捨てて股間を指し示し

 ………えっ???
 え、私クロニの裸見たことあるよね?洗浄の魔法はあるけど浴場や川にも入るしこれまでに何度も見てるはず…こんなのついてたっけ??あっでも最後に見たのはいつ?まだクロニが小さい頃…随分前… 
 ―――あっ、発情期だから???

 クロニの股間に、先程まではなかったはずの、陰茎が、ある。 
 
大師匠師匠の師匠にいただいた魔法です」
「お師匠さま~~~~~!!!」

 お師匠さま、なんて魔法を~~~!!!

「待って待って猫のアレってトゲトゲなんでしょ?やだ怖い~」
「大丈夫です。よく見て、触ってみてください」
「ふえぇ…あ、ほんとだ…なんか…なんだろ…おもしろい感触…あっ色が違うと触感も違う…何これ、あ、血管かぁ…何でこんな、先がこんな…引っかけるみたいな?形になってるんだろ…ちょっと失礼…んん?裏側はこんな…」

 そうしていると、クロニは小さくふうっと息を吐いた。なんだか色っぽい。

「見たことはありませんでしたか」
「あるけど、ヒトのは初めてだから…はぇー」

 薬の材料として、乾燥させた竜の…とか。ずっと昔にお師匠さまが未使用で丸ごと一本は珍しいから買ったってご機嫌で帰ってきたっけ…肩に担いで…丸太かと思った…

 そんなことを思い出していると、
 
「舌だって普通です。ん」
「んんっ?」

 押し倒されて、口づけられた。
 普通? 
 あ、そうか、猫は舌も確か…でも、感じたのはトゲの痛みなどではなく、柔らかいざらつきだった。滑らかな触感も場所によって違って面白い………んん…?気持ちいい…?

「ん、ん…ふっ、ん、」
「んんふふんんふふん(痛くないでしょう)」
「ぬんふ?(なんて?)」

「痛いことはしませんから」

 クロニは唇を離してそう言うと、後ずさって顔を伏せた。
 
「え、あ、ああっ、あっ♡」

 そこは舐めるところではな…いやでも言ってしまえば気持ちよくなるだけの器官なのだし…いいのかな?
 
 クロニは器用に小さな陰核の格別にいいところを見つけて、そこばかり攻める。
 息が上がり、心臓が暴れ、瞑った瞼の裏が白くなって星がいくつも瞬く。

「あ、あ…っ、あ、あ、だめぇ…っ♡」

 私は背をしならせてがくがくと震え…こ、これがちょっと特殊な人体の本で読んだ、絶頂に達するという感覚…?

「……っ、はっ、は、ぁっ、く、クロニ…っ」
「よかったですか。師匠」
「う、ん…クロニは…何をしても上手、だね」
「子供扱いしないでください」

 私の顔を覗き込んでいたクロニは、拗ねたように少しだけ眉を寄せた。

「もう大人です」

 発情期が来たんだもんね…それはそう…
 私は魔術師の家系だから生まれてすぐ魔女と契約をして、肉体年齢が魔力の最盛期で止まって、それが随分早かったからクロニには背丈も追い越されて…もっと伸びるのかな?

「…あっ」
「治めてください」

 師匠の魔法で形作られた陰茎が私の中に入ってきた。クロニの魔力をこんな奥で感じるなんて、初めてのことだ。
 狭い中が、徐々に開かれている。
 ゆっくりと進み、戻る。

「あ、ああっ、ん、あっ♡」
「はぁ…、気持ちいいです、師匠」

 無意識に閉じていた瞼を開けてクロニを見ると、目が合った。
 普段は常に涼しい顔をしているのに、眉尻を下げ目を細め快楽に頬を染めている。

「好き…愛しています。師匠」
「!」

 熱い声音と潤んだ瞳に、胸がときめく。

「こうして繋がれる日が来るなんて。幸せです」
「クロニ…」

 そ、そんなに!?
 私は、感極まって抱きついてしまった。

「動き辛いです」
「そうなの? ごめんね、でもしばらくこうしていたいな」
「はい。そうしましょう」
「うん」

 今までに感じていたものとは違う愛しいという気持ちで、腕に力を込めた。


「師匠…」
「ん…ぅ、ふあぁ…ん…」

 クロニがゆるゆると腰を動かすので、敏感になっている陰核が擦れて中に納まっているものが奥に押しつけられて、穏やかな快感が続いている。
 耳元で囁く声や吐息に震えていると、クロニよりも厚くて硬くて毛の生えていない耳を舐められ甘噛みされた。

「ひゃ、ぁ…♡」
「…師匠」
「ん、ん…?」

 クロニが、私の頭の後ろに置いていた腕をほどいて起き上がった。
 思わず追いかけた両の手を取られて、膝裏に当てられる。

「持ち上げてください」
 
 その通りに自分の方へ寄せると、私の膝を掴んで腰を押しつけたクロニが律動を始めた。

「あ、あっ、あっ♡ クロニ、ああっ♡」
「師匠……んんっ…っ」
「――――っ♡」

 ぎゅうっと瞼を閉じてびくびくと震えたクロニを見つめながら、私も身をわななかせた。


・・・


 私はクロニの下で、髪やら額やら頬やらに軽い口づけを受けている。

「なんか思ってたのと違った」
「どういうものだと思っていたんですか」
「いや…私がクロニを満足させるんだと思ったから」
「満足はしていません」

 クロニが首筋に唇を寄せて、舌を這わせた。

「っ、ひゃぁん」

 上った情けない声は、啄まれ吸われて次第に甘えたような音になっていく。

「あっ、ん、ん…ん、ふ…っ♡」
「もっと欲しいです。師匠」

 満足できなかったらしいし、仕方ない。あ、

「そういえば、我を忘れちゃうみたいなことを言ってたけど、そうでもなかったね」 
「ではそうさせてください。一度だけでは足りませんから。師匠」
「……ん?」
「どうぞ」

 クロニは私を抱きしめたまま狭い寝台の上で器用に転がって、上下を入れ替えた。

 ど、どうぞと言われても…

 私は、肘で上半身を支えてクロニを見下ろした。
 腕は外されてしまい、力を抜いて横たわっている。
 
「…ん、」
「ん」

 深く、噛みつくように口づけて、クロニの少し尖った歯も舌先で辿ってみた。
 肘から先を動かして頭を撫で、髪を梳き、耳の付け根を揉みながらさりげなく耳を摘まむと、クロニは身じろいだ。

「んんぅ…」

 クロニはなかなか耳もしっぽも触らせてくれないので、私はいつでも好機をうかがっている。この後お尻を触る機会があったら偶然を装って何とかしっぽに…『手が滑った』とか言えば誤魔化せないかな…こう、撫でながら指の脇で…あの短い毛の触り心地といったら~~~しっぽはクロニが大きくなってからは見ることすらほとんどなくて

「師匠」
「あっ、うん、いたた」

 私は体を起こして、クロニの脚の間に腰を下ろした。
 肩が疲れたので…

「触ってください」
「うん…あ」

 アレがまた生えている。
 クロニの情欲を示すかのように、勃ち上がっていた。

「硬い…滑らか…わっ跳ねた!あっねぇこれって陰核を基にして魔力で形を作ってるんだよね?ってことはここと同じ気持ちよさなの?」

 私は、クロニの陰茎の上に移動して自分の陰核をこすりつけてみた。うん、気持ちいい。…大きい分快楽も強くなるのかな?全体というよりも特別いいところがある感じ?魔法はどう作用しているのかな「師匠」単純に肥大化させてるんじゃないとは思うんだけど。魔術式を教えてもらって解析すればわかるかな。あっ、どうしよう、生やせるものなら、生やしてみる…?わーどんな感じかな?「師匠」クロニは中に入れてる間気持ちよさそうだったけどそれにしても自然で生え際に違和感もない。さすがお師匠さま

「そんなところも好きですけど」
「…ん? あ、なに? どこが良かった?」
「腰を上げてください」

 考え事をしていたことに気づいて、止めていた動きを再開させるとそう促された。
 クロニが陰茎の根元を握って先端を滴る口に当てたので、そのまま迎え入れた。腰を掴まれてぐっと突き上げられる。

「あぁっ…あ、奥まで…っ♡」
「動けますか」
「え、あ、うん…頑張ってみるね」

 クロニに跨って、モノの角度に合わせて中で扱くように動くと、水音が聞こえていやらしい気持ちになる。すぐに疲れてしまったので、前後に擦りつけるような動きにすると、下のクロニがしっかりと手を握ってくれた。

「はぁ、ぅんっ、ん、んっ…」
「ふ…う、あ、……っ、」
「ふふ…クロニ…」

 クロニの、余裕のなさそうな目元が、すごく、

「可愛いね…♡」
「師匠…♡」
「あっ♡」

 中のものが魔力ごと蠢いて、クロニが達したのがわかった。


・・・


「師匠は大師匠からどんな魔法をいただいたんですか」
「え、私はねえ……惚れ薬…強力なやつ…の調薬法だったよ…」
「…」
「か、勘違いしないでね!? お師匠さまはそんな魔法しか使えないんじゃないからね!?」
「はい。偉大な『国守の大聖女』様ですよね。生ける伝説の」
「そう! …なんでこんな魔法だったんだろうねえ…」
「私は有難かったです。大師匠がわざわざ私のためにくださったのかと思うくらいに」
「ええ~……クロニがいいなら、まあいいかあ」
「師匠もよかったでしょう」
「うん。や、やだも~~~」

「惚れ薬。作らないでください。使わないでください」
「作らないし使わないよ…必要ないもん。ね、クロニ」

 クロニは、満面の笑みを浮かべた。


・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・


お読みいただきありがとうございました。









以下は登場人物と読まなくても大丈夫な設定のようなものです。


★ユルケ:薬師。大魔女を師に持つが、教わった魔法はここ十数年の平和な世の中では使えないものも多い。
10年ほど前に、森で保護した猫の獣人の少女クロニを弟子にする。母親代わりになることも考えたが、拒否されて少し凹んだ。
その子は、初めての恋に落ちた相手を母親などと思えるわけもなく。

★クロニ:猫の獣人。表情の変化は乏しい。小さめの猫耳と短い猫しっぽを持つ。発情期を大義名分に大好きな師と一線を越えることに成功する。胃袋を掴むのにも成功している。
師匠に対する感情↓

「あなたは、森に捨てられていた私を拾い、魔法を教えてくれました。感謝しかありません」
「…クロニ」
「――と言ってしまうのは嘘になります」
「嘘なの!?」 
「同じくらい劣情もあります」
「れ…れつじょ~か~…」

★ユルケの師匠:『国守の大聖女』と呼ばれる生ける伝説の偉大な魔女。儚げで可憐な外見。弟子が1000人以上いる。攻撃魔法、結界や封印が特に得意。
現在↓

「ところで師匠」
「なあに、クロニ」
「大師匠にご挨拶をしてお礼を伝えたいのですが」
「挨拶とお礼?」
「はい。師匠と恋人になったことと、素晴らしい魔法を授けてくださったお礼を」
「え…恋人…えへ……う、絶対からかわれる…恥ずかしい…あっでも、お師匠さまは魔神のところに行くって言ってたから」
「魔神…?」
「何百年か前の封印が解けたらしいよ」
「…随行しなくていいのですか」
「え~いらないよ~、足手まといにしかならないもん」

 お師匠さまが魔王の所へ行く、ということは。

「なん百年か前にお師匠様は王命で魔神を封印しに行ったんだけど、魔神にひと目惚れされて、『封印を解くことができたらお前の世界に行ってもいい』って言ったらしいよ」

 ―――お師匠さまが、魔神の世界に行く時が来たのだろう。

「だから……もう、会えないかも」
「そうですか…ではせめて、大切にします」
貰った魔法アレを~?」
「師匠をです」

 そっちか~~~!
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