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03.師匠と弟子の共同作業(媚薬の調合)
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―――媚薬を調薬するには、いやらしい気分にならないといけない。
いやらしい気持ちで、最後の仕上げに魔力と材料をねっちょりと混ぜるのだ。
「材料を計量して、魔法をかけながら順番に混ぜて」
「はい」
「浄化した水を加えるんだけど、大切なのは最後の工程で――」
「はい」
「いやらしい気持ちになって、魔力を込めながらねっちょり混ぜるの」
それを聞いたシューは、少し目を丸くした後に顔を伏せ、口元を手のひらで押さえて微かに震えている。
笑いをこらえているのだろうか。
私も実は少し面白いと思っている。
「何十年か前は…どうやっていっ…やらしい気持ちになったんですか…っ」
「弟子にひたすら乳を揉みしだいてこねくり回してもらったの。そのせいであの子は腱鞘炎になってしまって…ううっ」
「俺の手首ごと持っていってください俺はどうしてその時この世に生を受けていなかったんでしょうかねええあっその弟子は俺の兄弟子ですか姉弟子ですか」
「んん、あ、男の子の弟子はシューが初めてだよ」
「そうですか捗ります……師匠も、いやらしい気分…になるんですね」
「媚薬が完成したということは、なってたんじゃないかなあ…ねえシュー」
「な、んでしょう…」
「お願いしてもいいかなあ、乳もみ」
「っ…師匠のお願いなんて断れるわけがありません…」
「すまないねえ…いやらしい気持ちになれるように頑張るね」
シューは顔を赤くして、顔を手のひらで覆って俯いてしまった。
今度は怒らせてしまっただろうか。
こんなことを頼んでいるのだから無理はない。
協力してくれて有難い…なるべく時間をかけないように励もう。
「難しそうだったら言ってね。じゃあ薬の部屋に行こうか」
「は、はい…」
屋敷の一室を調薬専用の作業部屋にしているので、そちらへ移動した。
今回調薬する媚薬の材料は、それほど珍しいものではない。
もっとも得難いものはそう、いやらしい気持ちなのだ―――!
遥か遠い国に伝わるものなのに、何故かこの国でも調達できる材料に変換されている。
普段使いするので常備している乾燥させた香草数種、時季に採集して干しておいたどの山でも採れる茸、温室で茂っているよくある薬草の根。
灰雪の洞窟近くの露店で売られている氷塩、小さい女の子が喜ぶので見つけると拾っている八色輝竜の鱗、光芒夜蜂の蜜…これはもったいなくて食べずにおいたものが半分結晶化してしまっているが、使えるだろう。
…などを作業台に並べ、まずは下準備をする。
100本には充分足りるし、以前仕入れた小瓶の残りがたくさんある。
横を向くと、シューが心なしか硬い表情で丸椅子に腰かけていた。
調薬できるかは自分次第だと思って緊張してしまっているのだろうか。
「ふふ、まあまあ、そう硬くならずに」
「硬く…硬くならずにいられればいいですが…でででわ失礼します」
身長差があるので乳を揉むにはちょうどいいだろうと、私は作業台の前に立っている。
両の手で両の乳を掬い上げられ…そのまま、シューは固まった。
「おっ…」
「お?」
「重たいんです…ね…?」
そして…動かない。
「あ」
「はいっ!?」
「後ろからの方がよかったかな」
くるりと反対側に体を向けると、小声で失礼しますと聞こえ、両の乳を脇の方から持ち上げられた。
腕が太い…手が大きい…指が長い…指の動きが遅い…
「…シュー」
「はいいっ!?」
「乳首を触ってもいいよ?」
「もももう限界です休憩させてください」
「ああっ手首を痛めてしまったかな」
「首は首でも違う首の方がなんでもないです」
鎮静の魔法で手のひらを、冷やすのと温めるのとどちらがいいのだったか迷っているうちに、後ろで扉を閉める音が聞こえた。
「…1本なら」
そんな気がして、調薬した。
美しく澄んだ液体を小瓶に注ぐ。
「すみません、お待たせしました…」
「見てほら、1本できたよ」
「あっ本当ですか! 綺麗な色ですね…あ、鑑定しても? 学院で習ったのであっこれは使用が許されている術なので大丈夫です」
「じゃあお願いしようかな」
シューは他の部屋から籐の丸椅子を持ってきていて、座るように言ってくれたので腰をかけた。
予め用意しておいた効果効能等を書きつけた石板と見比べた後、何かを思いついたように言った。
「相違ないですね…師匠、これを飲んだらいやらしい気持ちになるのでは? それから量産しては…ただその場合それだけですむんですかすまなかったらどうするんですかこの効果効能を見る限りではそこまで淫」
「んん…あっ賢い~!」
私は差し出された瓶を受け取り、一気に飲んだ。
口内に広がるさわやかな果実の風味。(無果汁)
「思いきりがいいですね…そんなところも俺」
「…今思い出したけど、遠見も鎮静も私自身には効かないんだった」
「えっそうだったんですか。じゃあ効果ないでしょうか少し安心したような」
私は、机の上の砂時計をひっくり返した。
「効くなら、砂が落ちきった頃にはわかるはず」
シューは変化を見逃さないようにするためか、椅子に腰かける私の前に跪いた。
真剣な眼差しで見つめられる。
私も真面目な顔を作って見つめ返す。
砂が半分落ちたころには、目を泳がせるようになった。
残りわずかというあたりで頬が赤らんでいるように見えた。上目遣いで私の表情を伺っている。
シューが関わった調薬は初めてだ。きっと効果が気になるのだろう。
「…すこし、体が温かくなった……ような気がするようなしないような」
「余計なことを言ってしまってすみません、貴重な一本を」
「いやいや、私が忘れてたから…もう一度お願いしてもいいかな乳もみ」
「あっ…はい、今度はもう少し続けられると思いますさっき部屋でぬゲフン」
「あの、できれば今度は正面から」
「え…は、はいい…失礼します…」
シューには先程と同じく椅子に腰かけてもらい、私は立ち上がって向かい合う。
何気なく彼の頬に指を添えると、乳に食い込む手のひらがびくりと震えた。
私の胸元から視線を上げるが、目線が合わない…
「………師匠?」
「できそうな気がする…」
そして、10本の媚薬が完成した。
「おお…! やりましたね師匠」
「うん、なんかわからないうちにできたね~」
「わからないんですか」
「うん…」
「師匠おねむなんですかああもうすっかり夜も更けてしまいましたねもう休みましょうねこっ今夜も一緒に寝ますか」
「んん、そうする…」
普段は日の入りと共に床に入るような生活なのに、今日は随分と夜更かししてしまったようだ。眠気が突然やって来た。
<媚薬:(1本+)10本>
いやらしい気持ちで、最後の仕上げに魔力と材料をねっちょりと混ぜるのだ。
「材料を計量して、魔法をかけながら順番に混ぜて」
「はい」
「浄化した水を加えるんだけど、大切なのは最後の工程で――」
「はい」
「いやらしい気持ちになって、魔力を込めながらねっちょり混ぜるの」
それを聞いたシューは、少し目を丸くした後に顔を伏せ、口元を手のひらで押さえて微かに震えている。
笑いをこらえているのだろうか。
私も実は少し面白いと思っている。
「何十年か前は…どうやっていっ…やらしい気持ちになったんですか…っ」
「弟子にひたすら乳を揉みしだいてこねくり回してもらったの。そのせいであの子は腱鞘炎になってしまって…ううっ」
「俺の手首ごと持っていってください俺はどうしてその時この世に生を受けていなかったんでしょうかねええあっその弟子は俺の兄弟子ですか姉弟子ですか」
「んん、あ、男の子の弟子はシューが初めてだよ」
「そうですか捗ります……師匠も、いやらしい気分…になるんですね」
「媚薬が完成したということは、なってたんじゃないかなあ…ねえシュー」
「な、んでしょう…」
「お願いしてもいいかなあ、乳もみ」
「っ…師匠のお願いなんて断れるわけがありません…」
「すまないねえ…いやらしい気持ちになれるように頑張るね」
シューは顔を赤くして、顔を手のひらで覆って俯いてしまった。
今度は怒らせてしまっただろうか。
こんなことを頼んでいるのだから無理はない。
協力してくれて有難い…なるべく時間をかけないように励もう。
「難しそうだったら言ってね。じゃあ薬の部屋に行こうか」
「は、はい…」
屋敷の一室を調薬専用の作業部屋にしているので、そちらへ移動した。
今回調薬する媚薬の材料は、それほど珍しいものではない。
もっとも得難いものはそう、いやらしい気持ちなのだ―――!
遥か遠い国に伝わるものなのに、何故かこの国でも調達できる材料に変換されている。
普段使いするので常備している乾燥させた香草数種、時季に採集して干しておいたどの山でも採れる茸、温室で茂っているよくある薬草の根。
灰雪の洞窟近くの露店で売られている氷塩、小さい女の子が喜ぶので見つけると拾っている八色輝竜の鱗、光芒夜蜂の蜜…これはもったいなくて食べずにおいたものが半分結晶化してしまっているが、使えるだろう。
…などを作業台に並べ、まずは下準備をする。
100本には充分足りるし、以前仕入れた小瓶の残りがたくさんある。
横を向くと、シューが心なしか硬い表情で丸椅子に腰かけていた。
調薬できるかは自分次第だと思って緊張してしまっているのだろうか。
「ふふ、まあまあ、そう硬くならずに」
「硬く…硬くならずにいられればいいですが…でででわ失礼します」
身長差があるので乳を揉むにはちょうどいいだろうと、私は作業台の前に立っている。
両の手で両の乳を掬い上げられ…そのまま、シューは固まった。
「おっ…」
「お?」
「重たいんです…ね…?」
そして…動かない。
「あ」
「はいっ!?」
「後ろからの方がよかったかな」
くるりと反対側に体を向けると、小声で失礼しますと聞こえ、両の乳を脇の方から持ち上げられた。
腕が太い…手が大きい…指が長い…指の動きが遅い…
「…シュー」
「はいいっ!?」
「乳首を触ってもいいよ?」
「もももう限界です休憩させてください」
「ああっ手首を痛めてしまったかな」
「首は首でも違う首の方がなんでもないです」
鎮静の魔法で手のひらを、冷やすのと温めるのとどちらがいいのだったか迷っているうちに、後ろで扉を閉める音が聞こえた。
「…1本なら」
そんな気がして、調薬した。
美しく澄んだ液体を小瓶に注ぐ。
「すみません、お待たせしました…」
「見てほら、1本できたよ」
「あっ本当ですか! 綺麗な色ですね…あ、鑑定しても? 学院で習ったのであっこれは使用が許されている術なので大丈夫です」
「じゃあお願いしようかな」
シューは他の部屋から籐の丸椅子を持ってきていて、座るように言ってくれたので腰をかけた。
予め用意しておいた効果効能等を書きつけた石板と見比べた後、何かを思いついたように言った。
「相違ないですね…師匠、これを飲んだらいやらしい気持ちになるのでは? それから量産しては…ただその場合それだけですむんですかすまなかったらどうするんですかこの効果効能を見る限りではそこまで淫」
「んん…あっ賢い~!」
私は差し出された瓶を受け取り、一気に飲んだ。
口内に広がるさわやかな果実の風味。(無果汁)
「思いきりがいいですね…そんなところも俺」
「…今思い出したけど、遠見も鎮静も私自身には効かないんだった」
「えっそうだったんですか。じゃあ効果ないでしょうか少し安心したような」
私は、机の上の砂時計をひっくり返した。
「効くなら、砂が落ちきった頃にはわかるはず」
シューは変化を見逃さないようにするためか、椅子に腰かける私の前に跪いた。
真剣な眼差しで見つめられる。
私も真面目な顔を作って見つめ返す。
砂が半分落ちたころには、目を泳がせるようになった。
残りわずかというあたりで頬が赤らんでいるように見えた。上目遣いで私の表情を伺っている。
シューが関わった調薬は初めてだ。きっと効果が気になるのだろう。
「…すこし、体が温かくなった……ような気がするようなしないような」
「余計なことを言ってしまってすみません、貴重な一本を」
「いやいや、私が忘れてたから…もう一度お願いしてもいいかな乳もみ」
「あっ…はい、今度はもう少し続けられると思いますさっき部屋でぬゲフン」
「あの、できれば今度は正面から」
「え…は、はいい…失礼します…」
シューには先程と同じく椅子に腰かけてもらい、私は立ち上がって向かい合う。
何気なく彼の頬に指を添えると、乳に食い込む手のひらがびくりと震えた。
私の胸元から視線を上げるが、目線が合わない…
「………師匠?」
「できそうな気がする…」
そして、10本の媚薬が完成した。
「おお…! やりましたね師匠」
「うん、なんかわからないうちにできたね~」
「わからないんですか」
「うん…」
「師匠おねむなんですかああもうすっかり夜も更けてしまいましたねもう休みましょうねこっ今夜も一緒に寝ますか」
「んん、そうする…」
普段は日の入りと共に床に入るような生活なのに、今日は随分と夜更かししてしまったようだ。眠気が突然やって来た。
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