訳あり師弟が媚薬を100本作る方法【完結済】

ゆきのりん

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05.師匠、弟子にあんなことを(からの媚薬の調合)

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 今日は朝早くから森に入って、薬の材料や食べられる植物などを時々教えながら摘んだ。

「あっ塩辛い葉っぱが生えてる。下の方の古い葉を何枚か摘んでいこう」
「この辺ですか」

「これは根っこが分かれててそっと掘って赤黒くなってるのを取るの。上の方はそのままにしておけばまた生えるから」
「なるほど」

「その二種は同じところに生えててよく似てるけど、ひだがにょろにょろしてる方が毒きのこ」
「…よく見ないとわからないですね」

 シューは小刀片手にとても手際よく収穫して籠に入れていく。私は主に茸を摘む。
 
「この野草はよく食べました」
「そうなんだ。ほろ苦い味が好き?」
「これくらいしか食べられる草が生えていなくて…」
「そ…そうなんだ…? わ、割とどこにでも生えてるよね…あっ向こうに咲いてる花は肉厚の花びらが美味しいから戻ってから食べようか」
「あっ俺が取ります。うわ毒々しい色ですね」
「熱湯をかけると真っ白になるんだよ」
「そうなんですね…あっ切り口が香ばしいです」

「今住んでる家は元々隠居された貴族の奥様のもので、私は小間使いをしてたんだけどその時に森のことをいろいろ教わったんだよ」
「その話初めて聞きますね」

 王宮魔導士だった奥様は戦場で魔力の殆どを失い、しかも受けた呪いが完全に解けず、発作が起きても鎮静の魔法で抑えるしかなかった。
 痛みの程度は天気でも変わるので、細かく予測した。
 呪いで生まれる体内の毒素を浄化できたら良かったが、私には適性がなかったので主治医と薬師の処方を基に調薬した。苦い薬を文句ひとつ零さずに飲んでくれた。
 清浄な水と土とで育った作物は身体への負担が少なかったので、温室に様々な果樹を植えた。
 森の開けた場所を共に歩くのは日課で、私に色々なことを教えてくれた。
 主の許しがないと人も獣も近寄れない結界が張られたこの土地と家屋を譲ってくれた。


 収穫しながら進んでいると川にある野湯に辿り着いたので、足を入れて休憩した。
 シューはいつの間にか、縞々石鯰を捕まえていた。

「シュー、お腹空いたでしょ。干し肉あるけど食べる?」
「ありがとうございます、いただきます」

 黙々と硬い肉を噛んでいるシューは、何だか可愛らしかった。
 持ってきていた浄化した水を木の器に入れてどうぞと差し出すと、口元を抑えて頷きながら目で礼を伝えられた。それも何だか可愛らしかった。

「ごちそうさまでした」
「ふふ、こちらこそ。じゃあ戻ろうか」
「…? はい」


 家に着いた頃には、朝食というには遅くなってしまっていた。
 昨日のパンと細かく切った兎もどきの肉を入れたスープと共に、湯をかけてさらに香りのよくなった花びらも並べた。
 

「シューは魔法薬について学びたいって言ってたよね」
「はい、言いましたね。魔法を使わない一般的な薬はひと通り学院で叩き込まれました」
「いろいろ教えてくれるんだね、じゃあどうしよう」

 何故か与えられた『秘薬』と一緒に、私は調薬の基礎と知識を得た。
 それは一般的な薬なら作れるものだった。
 その一般的な薬に鎮静や浄化の魔法を足すことにより、効果効能が少し上がったり増えたり、保存期間がやや長くなったりした。

 かなり昔には、大衆薬でも魔女の妙薬なんて言われてもてはやされたこともあった。
 今は近くの街にも腕のいい薬師が何人もいて出番はない。


「媚薬って、俺にも覚えられるんでしょうか?」
「うーん………どうかな……説明し辛いんだけど、変なコツがいるんだよねえ」
「そうですか…俺に作れたらよかったんですが」
「いやらしい気持ちになれるの?」
「いつでもなれますよ!?」
「頼もしい~!」


 私の魔法薬とシューの薬の違いについてあれこれ話したり、好みを聞きながら薬草を混ぜてお茶を淹れたりしていたら、いつの間にかだいぶ日が傾いていた。
 面白い味になったお茶はシューが全部飲んでくれた。

 おかしいな…数年ぶりだからと気合を入れていたのに、何も教えていない。


 朝食が遅かったので、休憩はお茶と炒って蜜を絡めた木の実だけにした。
 夕食は、茸をたくさん入れたスープと爽やかな香草を混ぜて平たく焼いた簡単なパン。

「色々な種類の茸を入れると、何と言うか…味に深みが出ますね」
「ふふ、干した茸も入れたからかな。また採りに行ってくるね」
「俺もお供させてください」
「じゃあ、一緒に行こうね」
「はい」


 夕食後は―――


「さて、媚薬の調薬なんだけど~~~」

 正直、何故目の前の15本を完成できたのかよくわからない。

「いやらしい気持ちって…なんなんだろうね?」
「欲情…じゃないですか?」
「よくじょう」

 果たして、どの時点で欲情とやらをしたのか。
 
「したとするなら、シューに正面から揉まれたときと、私が素手で乳首を触ったとき…」
「ごふう」
「ちょっと乳首触って5本…? 乳首を?乳首で?欲情? どう思う、シュー」

 私は無意識のうちに乳を鷲掴んでいた。

「し、師匠」
「なあに?」
「あっ瓶! 瓶取ってきます! 地下室ですよね!」
「そこの木箱に50本入ってるよ」
「ありましたか~」
「さすがに50本は作れないと思うけど、でもありがとうね」
「いえ…」

 シューは再び丸椅子に腰かけた。よく気がつくなあ。

「脱ぐから正面から乳揉んで乳首触ってもらってもいい? うわあ」

 シューは椅子から転げ落ちてしまった。
 今朝は食事も摂らずに森に入ったので、疲れてしまっていたのかもしれない。

「ご、ごめんね自分でやるね、もう部屋で休んでていいよ」
「………いっ…いえ、お手伝い…できることがあればさせてください…」

 シューは律儀だなあ…

「あ、じゃあ、背もたれのある椅子を持ってきてくれる?」

 つきあってくれるのは嬉しいが、また椅子から落ちたら大変だ。

「え、はい…じゃあ俺の部屋にあるものを」
「ありがとうね」

 ふと思い出したが、シューが朗読してくれた小説で、確かナントカさんがナントカさんの乳首を舐めていた。多分。
 今日は上下が別れた服なので都合がいい。
 上衣を脱ぎ、乳を持ち上げ乳首に舌を当て。

「…師匠、い…す」
「んむ」

 そこへ 大きな椅子を抱えたシューが戻ってきた。
 重さなど感じてないような足取りで素早く近づいてきたと思ったら、私を抱え上げて運んできた椅子に座らせ、膝立ちになって乳首にしゃぶりついた。
 乳首を咥えたままぐるりと舌を這わせて、先端を舌先でくすぐって、唇で挟んで、吸って。
 両の乳を寄せて乳首を重ねて舐めて。
 時折上目遣いで私を見やる。
 背もたれに背中を押しつけて震えを堪えながらも、私はその様から目を反らせなかった。

「…っ、ん、…っ、シュー」
「はっ…す、すみません、大丈夫ですか!?」
「…? 上手だったよ、ありがと…」
「え、あ、こ、こここちらと交換してきますね」

 シューは軽々と私を抱え上げて床に下ろして立たせると、彼がここで使っていた丸椅子を片手で下げてまたもや素早く部屋を出て行った。
 何度も椅子を運ばせてしまって申し訳ないなあ。

 なんだか足がおぼつかないが、私も森を歩いて疲れが出たのだろう。
 20本を調薬し、私はいつの間にか背もたれに体を預けて椅子の上で眠ってしまった。らしい。



<媚薬:35本>


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