訳あり師弟が媚薬を100本作る方法【完結済】

ゆきのりん

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番外02.弟子視点(02~11話)

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・・・再会初日・・・



 葉のついた木の枝を抱え持つ簡素な服装の師匠は、古代の巫女を想像させた。
 不老なので外見に大きな変化は起こらないはずだが、相変わらず…というより、以前よりも可愛らしく思えた。
 俺だけが成長して、何度も思い出した最後に抱きしめた感触とは違う。主に当たり所が。柔らかい部分に気持ちが集中してしまう。
 いつまでも腕の中に閉じ込めていたかったが、尻を揉まれて思わず放してしまった。

 懐かしい体温や声、吸うなどしてしばらく堪能した後は、これから弟子として一緒に住むことに成功した。
 俺のいない間に好い人なども現れなかったようで僥倖。毎日願った甲斐があったか。
 久しぶりに、師匠と囲む食卓。手料理は懐かしい味がした。 
 パン生地を作る様子を陰から見ていたが、俺もあんな風にこねられてみたいと思った。

 師匠は以前の弟子が使っていたという部屋を与えてくれた。家具は作りつけの棚以外何もなかったが、俺としてはそれだけでも充分で特に問題はない。
 問題ないどころか、そのおかげで師匠と共寝できるとは。いつか見たのは正夢だったか。
 寝台の上で抱きしめても、文句は言われなかった。
 学院時代の話は制約があり話せないことが多いだけではなく、特に面白いものでもない。妄想の師匠を思い出していたらいつの間にか眠っていた。


・・・再会二日目・・・


 目覚めて目の前に師匠がいることに混乱した。
 死にそうになる度に脳裏に浮かんでいた師匠ではなく、本物だった。

 今日の師匠は仕立てられた服を着ていた。淡い紫色がよく似合う。
 師匠はどうやら下着をつけない主義のようなので、あの下も…
 俺としては、昔からある穴の開いたドロワーズを穿いて欲しい。

 朝食の席では何か真剣に考え事をしていたようで、何度か呼びかけても反応がなかった。俺をいないように扱う師匠…意外と悪くない。
 実は俺のことを考えていたなどと聞かされて、一瞬思考が止まった。
 俺の声が届かない程に、俺のことを考えていた師匠。
 いつかの夢がひとつ叶っていた。 

 師匠と初めて出会った場所でもある近くの街に出向き、足りない日用品の買い出しや諸々の手続きなどを済ませると、一時期通っていた学校の同級生と再会した。
 娼館の跡取りということは当時知らなかった。
 師匠は何十年か前に、媚薬を作っていたらしい。
 師匠と媚薬。驚いた。似合わない。
 その媚薬の作り方を本人から聞いて、さらに驚いた。
 それ以上に興奮した。師匠にばれなかっただろうか。

 詳しく聞くと、以前の弟子が師匠の胸を長時間にわたって揉んだらしい。数十年前の話ならその姉弟子は前世の俺かもしれない。可能性は全く無いこともない。
 などと考えて瞬時に自分を落ち着かせたが、まさか実際にこの手で揉むことになるとは
 さすがに赤面するのを堪えられなかった。

 師匠の屋敷には、調薬専用の部屋がある。
 そこに置かれている棚と作業台を往復し、師匠は手際よく材料と道具を揃えて並べた。
 ここに来る前に寄った地下室から運んできた、木箱に入った小瓶もある。
 迷いなく動く師匠は、早速媚薬の調薬を始めるようだった。
 俺の心の準備は整わなかった。
 できれば、いつの日か、互いの合意の上で、と考えてはいたが…まさか、こんなに早く師匠に性的な意図を持って触れることになろうとは。
 ただ触れるだけではない。
 いやらしい気持ちにさせるように、触るのだ。
 師匠は丸椅子に腰かける俺に笑顔で近づき、胸を揉むように勧める。
 目線を下げた先に豊満な膨らみがある。
 …これは師匠が調薬するための手伝いであり、作業だ。弁えろ、決して暴走するな。
 はやる心をおさえながら、胸の下に添えた両手を少しづつ上げていくと、伝わる重さに驚いた。これだけ大きいのだから当然と言えば当然だが。
 師匠の胸に触れていると実感して、顔だけでなく股座まで熱くなるのを感じた。
 それを知られる前に、師匠が後ろを向いてくれて助かった。
 重いのに柔らかくて、温かくて、目が回りそうになる。乳首を触ってもいいなどと言われて思わず暴発しそうになった。
 師匠に身体の前面を見られないように調薬部屋から出て、与えられた部屋で俺のいやらしい気持ちを処理した。一度では済まなかった。
 少し罪悪感を抱えながら戻ると、師匠は媚薬を完成させていた。
 …いやらしい気分になったのか。させたのか?俺が?
 淡く色づく媚薬は涼やかに透き通り、魔力を纏っていた。
 学院で習得した鑑定魔法を使い確認すると、理性を奪うようなものではなく、気分を高揚させる効果があるようだった。
 「これを飲んだらいやらしい気持ちになるのでは?」と思いつきで提案すると、師匠は迷うことなく媚薬を飲み干した。
 自分には効かないかもしれないと言う師匠の様子を観察しながら、効果が現れたら俺はどうしたらいいのかと考えた。師匠は俺の視線をまっすぐに返す。いかがわしい気持ちを見透かされているようだった。
 結局、時計の砂が落ちても師匠に変化はなかった。安心したようなしないような。
 うっかり「部屋で抜いた」と言いそうになってしまった。危ない。せめて上品な表現を使いたかった。
 心身ともに先程よりは余裕があるかと思ったが、再び師匠の胸に当てた指に力を込めるとみるみる沈んでいき、焦る。
 徐に頬に指を添えられ、またすぐに限界を迎えてしまいそうだった。
 泳がせていた目線を師匠の瞳に合わせると、きらりと光った気がした。
 『なんかわからないうちに』10本の媚薬を完成させた師匠は、疲れたのかふにゃふにゃのとろとろになっていて、初めて見る可愛らしさだった。
 横抱きで寝室に運び、昨夜のように師匠を寝台の上で抱きしめ、何度も感じた邪な気持ちが蘇らないようきつく瞼を閉じた。



・・・再会三日目・・・


 目覚めると師匠がいる。幸せすぎる。

 森に入り、日課の健康確認のために蒼色二号を呼ぶと、毒針兎擬を咥えていた。
 革の手袋を嵌めて毒針を抜いて与えると、姿を現したまま側で寝そべって美味そうに食べていた。毒で少しの間舌が痺れるのが楽しい?らしい。
 翼竜が近くにいるので、俺が兎擬を解体する間に襲ってくる生物はいない。
 この森にはやや魔物に近い獣が生息していて、毒を持つ種類も多い。
 最奥には古の魔獣が棲むという噂も聞くが、樹海に面した国のどこも手を出す気は無いようで謎のままだ。 
 手早く作業を終え、翼を広げさせて身体全体に触れ、最後に喉元を撫でると気持ちよそうにしていたが、やがて相棒は姿を消し飛び去って行った。

 師匠が温室に行ったのはわかっていたので追いかけると、様々な果樹や果実を見せてくれた。  
 育て方や食べ頃はわかるそれぞれの正式な名前はあまり知らないそうだ。いずれ図鑑で調べて名札を立てることにした。

 今日から師弟の時間が始まる。
 以前遠見を教わったが、これは自分の限界まで習得している。ひたすら特訓したからだ。
 結局雑談で終わったが、楽しいひと時だった。
 師匠と取り留めのない話をするのも好きだ。

 昨日に続き、媚薬の調薬。
 ふと、実家の宝物庫に何冊かあった卑猥な書物のことを思い出した。いちど読んだだけで完全に覚えてしまっていたのは、魔人の影響だろうか。
 いやらしい気持ちの手助けにならないかと暗唱してみたが、残念ながら今ひとつだった。俺の表現力は拙かったが、師匠のごまかし笑いを引き出したので高得点だ。
 師匠が自分の胸を力強く弄る様子は、決して性的ではないのにどこか官能的だった。
 後ろから聞こえたのは確かに嬌声だった。衣擦れの音がしたので、もしかしたら直接…
 昨夜に続き、部屋で妄想を処理した。
 媚薬を調薬するのは相当に疲れるようだ。
 師匠を抱き上げて寝台に運べるのは俺だけかもしれないと考えたら、なかなかの優越感だった。


・・・再会四日目・・・


 朝から森で色々と教わった。楽しかった。
 師匠は朝早くから安定して可愛い。

 樹海の入り口近くにある、女性がひとりで住むには立派な屋敷。
 大きな温室もあり、周囲には主の許可がないと出入りできない結界が張られている。これは聖遺物によって作られていて、持続効果はほぼ無限だ。
 元の持ち主である高潔な貴婦人について、師匠は多くは語らなかったが、ただ懐かしいだけではない表情に切なくなった。
 俺もいつか、あんな風に忘れられない存在にしてもらえるのだろうか。
 そのために思い出をたくさん作ろう。 

 学院で、ある程度の規模の薬屋には置いてあるような薬の調薬は覚えさせられた。
 同じような効果のあるものでも、師匠の作るものとは少しの違いがあったりして興味深かった。 
 残念ながら、媚薬を作ることは俺には難しいらしい。
 一瞬でいやらしい気持ちになれるんだが。

 15本の媚薬の前で、師匠は唸っていた。可愛い。
 いやらしい気持ちとは何だろうかと聞かれて、俺が思いついたのは『欲情』だが、師匠はしっくりこないようだった。
 胸を持ち上げたまま迫られて、素肌を触って欲しいと言われただけで、股間が反応しそうだった。椅子を持ってくるように言われて助かった。
 部屋に戻ると、師匠は上半身を晒し乳房を寄せて上げ自分で舐めようとしていた。
 混乱する間もなく勝手に体が動き、師匠を抱えて運んできた椅子に座らせ、師匠がしようとしていたことを…そこまでするつもりはなかったかもしれないが、代わりにした。
 ちらりと伺うたびに合う瞳は僅かに潤んでいる。
 嫌がっている様子は感じなかったので、調子に乗った。
 大きい椅子の上で丸くなって眠ってしまった師匠は欲情を浄化してしまうような可愛さだった。


・・・再会五日目・・・


 目覚めて師匠の体温を感じて安心した後に、昨夜の暴走を思い出して血の気が引いた。
 俺は、我を忘れて無抵抗の師匠に…師匠は褒めてくれて…媚薬を作れたということは欲情した…のか…
 隣に眠る師匠の無防備な寝顔に吸い寄せられそうになり…
 精神を落ち着けるために、そっと寝台を抜け出して井戸水を浴びることにした。
 水音が大きかったのか、師匠に見られてしまった。

 朝食に使われた蜜は懐かしい甘さだった。
 竜指水花の固くて大きな花の蕾から採取した蜜を煮詰めて作るものだ。 
 昔美味いと言ったことを覚えていてくれたことが嬉しかった。

 浄化の魔法は奥が深い。
 師匠が泥水を浄水にするのを眺めていたが、魔力の動きを真似られる気がしなかった。
 覚えれば便利だろうが、俺には数滴の果汁も消せない。
 毒を投げられた井戸を浄化したという師匠は改めて凄いと思った。

 明日は買い出しに行くということで早めに寝台に入った。
 月明かりに照らされた師匠が俺を見つめる。つい変なことを口走ってしまった。
 快感を得る場所は胸だけではない、と。
 股間に触れられて動揺した。正解だが。
 自慰のくだりには驚くやら興奮するやらで大変だった。
 一体どこの誰から得た知識なんだ。
 そういった知識の元が魔人の卑猥な書物の俺が言えた義理ではないが。
 魔人の書物には作者不詳の閨事の指南書もあって、女性にどう触ればいいのかは頭に勝手に入っていた。
 
 俺の指で達した師匠は、自慰で健康になって風邪をひかないと呟きながら眠りに落ちてしまった。 
 そんな説は聞いたことがないんだが…どこの情報なんだ?
 しかし師匠の言うことだ。弟子としては実践してみるのがいいだろう。師匠の反応や指に残った生々しい感触を使わせてもらった。
 
 …また、妄想で師匠を穢してしまった。
 清らかな寝顔を見ないように、そっと寝台に潜った。


・・・再会六日目・・・


 怠くて起きられないと言う師匠は、慣れないことをして、身体がびっくりしてしまったのかもしれない。
 不本意ではあったが一人で街に向かった。最初に出会った場所に一緒に行けたらと思っていたが、また機会はあるだろう。

 娼館に媚薬を届けるついでに旧友と昼食を摂り、魔族の話を世間話程度に聞いた。

 待ち構えていたように出迎えてくれた師匠は元気そうで安心した。
 俺に早く会いたかった…らしい。
 ずっとそわそわしていた師匠は、枕元を明るくしてもう寝たいと言う。
 俺がいない間に何かあったのかと不安になった。

 師匠に言われたことは、一瞬では理解ができなかった。
 『師匠がいやらしい気持ちになることを俺にして欲しい』という意味…のはず。
 寝台の端に腰掛ける師匠の夜着の裾をめくると、隠されていた素肌が晒される。
 脚の間に身体を割り込ませ、魔法の薄明かりに照らされた秘部を舌で攻めた。
 師匠のいい場所と強さは知っている。
 小さく声を上げる師匠が寝台に背中を倒すのを追いかけ、口づけようとすると「もっとして欲しい」とねだられた。
 もっととは、今この場合どういう意味なのか…正解を出そうとして、やめた。
 少なくとも、嫌がられてはいない。はずだ。

 このまま、深い関係になってしま…
 うつもりだった。が、不覚にも我慢がきかなかった。
 そんな俺の姿を見つめていた師匠は、「シュー、可愛い」と言った。
 からかっているのか、もしくは慰めているのか…そう思ったが、本心のようだった。
 上機嫌な師匠が浮かべた蠱惑的な笑みは、下半身に響いた。
 それが、俺の顔に欲情したからなんて信じられなかったが。

 汚してしまった下着を洗っている間、師匠は灯りを持ったまま見守ってくれていた。意外と悪くはなかった。


・・・再会七日目・・・


 魔族は、かどわかしたヒトを気に入ると不老にするらしい。何十年か何百年か経ってもわかるように。
 師匠が少食な理由がそこにもあるのかもしれないとふと思った。
 相槌を打ちながら袋果の果汁まみれになっている師匠は可愛かった。指を舐めたかった。

 話の流れで師匠に、「かっこいい」と言われた。
 師匠は俺の顔がいいと思ってくれていたのかと勘違いしそうになったが、俺と同じように疑問形で返された。そうではなかったようだ。
 俺の取り柄は若くて体力があることくらいしかない。外見を好いてもらえれば有難いが、どれも長くは続かない。
 何故かかわいいとは思われたようなので、鏡面にする魔法を使って何かに映そうとしているうちに紐が切れてしまった。せっかく師匠が結んでくれたというのに、俺の髪が剛毛なばかりに。

 魔法を教えてくれる師匠は、背筋が伸びて凛々しい表情になる。
 この時間は、俺 だ け の 師匠。師弟という関係は手放したくない。
 それ以外の間柄にもなりたいと思ってはいる。具体的には結婚したい。

 夕食の団子作りを任せてもらったが、幼子でももっと上手だろうという有様だった。
 ひとつでいいと言った師匠だが、俺が作ったものだからと三つ食べてくれた。
 今後も積極的に手伝わせてもらおう。

 媚薬を手早く調薬していく師匠。
 俺の…昨夜のことを考えているのかと思うと気恥ずかしかったが悪くはなかった。
 『思い出は美しくなる』
 聞いたことのある言葉だ。それは間違いないだろうが、辛いときに思い出した師匠も再会した師匠もどちらも美しかった。可愛いの方が正しいが。

 師匠は『欲情』を知ったようだ。記憶の俺で。
 俺のことを考えていやらしい気持ちになってくれるのは正直嬉しいが、現物が直接触れるのでは駄目なのだろうか。

 媚薬を100本、作り終えたら―――  


・・・再会八日目・・・


 目覚めると、何故か師匠が俺の下半身を弄っていた。
 何故かわからないが、触りたかったらしい。
 以前『男性は陰茎を荒々しく扱くらしい』と言っていたのを思い出し、優しめにしてくれとお願いした。
 もしも伝えなかったらどんな加減で擦られていたのか。興味が無いと言えないこともない。
 俺の反応を伺いながら手指を動かす師匠。両方の刺激で身体が熱くなった。
 何故か太腿の上に乗った師匠は、実にちょうどいい強さで俺を高めていった。師匠の才能が怖い。
 何故か『夜に』またいやらしいことをしたいそうで、お預けをくらってしまった。
 が、夜目が効く俺には夜着の裾をまくった煽情的な師匠が見える。我慢ができなかった。
 濡れた秘部を押し当ててでぎこちなく腰を動かす師匠。少し息を荒くしていて、そのまま突き上げたい衝動を感じたと同時に果ててしまった。

 何故こんなことをしたかは師匠自身よくわからないようだった。ただの気分だとしても、性には疎いと思っていた彼女が異性である俺に興味を持ってくれたのかもしれない。そう思うといてもたってもいられす抱きしめたくなった。
 夜とは言わず、今から―――

 そこで学院からの呼び出しだ。
 やさぐれた気分を抑え、蒼色二号に飛び乗った。


・・・再会九日目・・・


 ―――――あああああああ!!!
 汚れた下着をそのままにしてきてしまった!

 魔法を通した剣をふるう間は、その恥ずかしい事実を忘れていられた。
 任務を終え、受けた呪いをその場で解呪して、俺は蒼色二号に飛び乗ると一目散に師匠が待ってくれている家に戻った。 
 部隊の奴らのからかいの声は無視した。


・・・再会十二日目・・・


 森の野湯で汚れを流してから屋敷に戻ると、師匠はいなかった。
 なんとなく調剤室で待っていると、少し慌てた様子で師匠が扉を開けた。
 俺がおかえりというのは何だか変な感じで、くすぐったい心地になる。
 師匠は駆け寄って抱きしめてくれて、疲れなど吹っ飛んだ。
 俺を見る目が、熱い…ような気がして口づけを強請ると、受け入れてくれた。
 花の香りに包まれたまま柔らかい唇を味わっていると、途中で待てと言われてしまった。
 正直嫌だったが、師匠の言いつけに従わないという選択肢はない。従わずに叱られてみたい欲望も無いことはないが、今ではない。
 背を向けられて、焦りすぎたか下手だっただろうか本当は嫌だったかと不安になったが、師匠は素早く媚薬を調合していた。
 先程までの触れ合いで師匠がいやらしい気分になったのかと思うと、頬が緩むのを止められなかった。恐らく気持ち悪い顔をしていただろう。

 見つめ合って抱き寄せて口づけて、夜の約束を確認した。


・・・再会十三日目・・・


 手短に言っておかないといけないことがあった。俺の現状だ。
『危ない仕事をしていて死んだら師匠だけに連絡が行くので遺産を受け取ってください』
 これでよかったかもしれないが、納得してくれる気はしない。
 まあ、伝えておきたかったことは言えたと思う。
 師匠は静かに涙を流して、自分にできることはあるかと言ってくれた。
 ので、甘えさせてもらうことにした。離れていた数日間、俺は寂しかったので。
 戸惑いを感じたが、それがまたよかった。師匠の考える甘やかしを堪能した。
 途中で材料が尽きたのか、『おっぱい飲む?』などと提案してくれたので、お言葉にも甘えた。

「えー、あー、お、おっぱいのむ…? でないけどぉ…んっ…あ、ん」

 いくらでも指が食い込む柔らかい肉を強めに吸うと、陽の当たっていない白い肌に小さな赤い花びらが散らばる。
 俺は夜着の釦が外され露わになった師匠の胸を揉んで吸いながら、彼女の右手を既に雫を零す昂ぶりに導いた。

「…触ってください」
「こ、のままで…? んっ」
「はい…そう、そうです」

 要領を得た師匠が、時々握り直しながら絶妙な強さと角度で手を動かすのを横目で見ながら、快楽に身を任せた。
 有意義な時間だった。


・・・再会十三日目・・・


 今日で調薬を終えるつもりだという師匠のすぐ側で見届け、とうとう100本の媚薬が完成した。
 ひと区切りしたところで部屋の床を磨こうと思い立ち、掃除道具を取りに行く。




 「シュー!」

 師匠の声で目が覚めた。
 俺は泣き顔の師匠に抱きかかえられながら、眠っていた…?


 長い夢を見ていた。師匠が出てくる夢だった。




☆走馬灯でした。
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