訳あり師弟が媚薬を100本作る方法【完結済】

ゆきのりん

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番外03.<媚薬:(1本試飲済+)65本納品予定・35本納品済(+予備2本)>

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☆師匠と弟子がそれぞれ別日に媚薬を飲みます。師匠編。
☆11話の続きです。



 いつの間にかシューは森に入っていたようで、毒角鹿擬を狩ってきてくれていた。綺麗に解体と処理がしてあって有難い。

 年々伸び続ける角に毒がある鹿もどき。
 崖の斜面に棲み、器用に飛び跳ね移動する。
 身体は大きくないが太い脚は岩を割る程強靭で、数が増えすぎると崖崩れが起きて危険なのだけれど、切り立つ崖を縦横無尽に動き回り毒角で攻撃してくるので捕獲が大変なのだ。
 身の締まった硬い脚は香りのいい野菜と共に、赤ワインや蜜との鍋と白ワインだけの鍋をパン釜で煮込んでほとんどを瓶詰めに。
 比較的柔らかい部位はじっくり焼いた。よく合う甘酸っぱいソースを添えて。
 硬かったり筋の多い部分は、細かく刻んで平たく焼いた。
 どれにも塩と香辛料を使ったので、街に買い出しに行かなければ。

 昨日倒れて血も吐いたシューの食事としては重たいと思うのだけれど、たくさん食べてくれた。


 その後、シューが約束通り魔法の灯りを教えてくれた。
 目くらましのような一瞬の閃光は簡単だったけれど、柔らかく温かみのある優しい光を長く灯すのは難しい。
 明るさの調整と持続が今後の課題だ。


 調薬の部屋で大きい椅子に腰かけ、ふうと息を吐く。
 作業台の横に置いた木箱には、美しい液体が入った小瓶が並んでいる。その数65本。
 隙間には端切れや紡ぐ前の獣毛を詰めてあり、いつでも街に持って行ける。
 残した2本のうち1本を手に取り、窓からの光にかざしながら、媚薬を調薬した時のことをぼんやりと考えた。
 
 ここまで苦労し………いや、そうでもなかった。

 ―――不意に、激しく不安になった。
 私が『魔神の加護』を失ったことで、媚薬の効果もなくなってしまってはいないだろうか、と。

 持っていた小瓶の蓋を開け飲み干し、台の片隅に置いてあった砂時計をひっくり返した。
 以前は全く効き目はなかったが、果たして…


「師匠、今いいですか? 娼館から伝書鳥が来まして」
「あ、シュー…」

 開いてあった扉を覗き込んだシューに声をかけられた。

「媚薬の在庫が無くなったと……ん…?」

 足早に近づいて来ると、失礼しますと言いながら私の前で膝をついて顔を寄せる。

「顔が少し赤いですね…瞳も潤んでいます。手が少し熱い…脈も些か早い…呼吸は」

 優しく手を取られて、それだけの刺激に背筋がぞくりとした。
 伝わってくる体温に胸が騒ぐ。
 首筋に触れる手のひらは確認するためで、シューは私を心配してくれているのに、いやらしい意図が無いのが残念になってしまう。
 
 落ち着かなくて視線を流していると、並べて置いた媚薬の瓶と砂時計が目に入った。
 砂はもう落ちきる寸前だった。
 
 シューの両手を取って、指を絡めた。
 互いの視線も絡まる。
 
 確かに、下半身が疼いた。
 これは…そう、欲情…!
  
「あ…シュー、媚薬を作るの手伝ってくれてありがとう、シューがいなかったらできなかった」
「え、いや…元々は俺が打診されたことですし」
「……嫌、じゃなかった?」
「何がですか?」
「私の胸を揉まされたり、あちこち触らされたり」
「役得でしかありませんでしたが…し、師匠こそ」
「戸惑うこともあったけど…シューに触れられるのは…気持ちいいし…」
「そ、そうですか」
「好き…」

 好きと言いたいし、言われたい。
 触れられたいし、触れたい。
 シューが私で気持ちよくなってくれる顔も見たい。
 今すぐに。

「え…っ?」
「好き…好きなのシュー、媚薬のためじゃなくても、触って」
「……っ、師匠…っ」
「ねえ、シュー」
「はい…」
「……寝室に連れて行ってくれる…?」
「っ、はい」

 私を横から抱き上げて寝室に運び、身体をかがめて寝台に降ろそうとするシューの首にしがみついた。

「…師匠?」

 そのままシューの唇を奪った。
 軽く押し当てて、シューはこの後どうしていたっけと思い返していると、温かい重みを感じた。
 寝台の上で、シューに抱きしめられて口づけられている。

「ん、んぅ」

 唇の隙間からするりと舌が潜り込んできて、鼻にかかった声が上がった。
 舌を絡められて、応えるように舌を伸ばして舌先を擦り合わせて、この感触が何に似ているか考えることもできないくらい頭が痺れていく。

 耳たぶを食まれて、首筋を緩く吸われて、その度に身体が小さく跳ねる。
 このまま身を任せてしまいたい。ああ、でも。
 
「シュー、身体の方は大丈夫なの…?」
「はい…前より元気なくらいですよ」
「…本当だ、ふふっ」

 手を伸ばした先で触れたシューの陰茎が、布越しにぴくぴくと跳ねる。

「…ても、いいんですか?」
「ん…? なに…を、いいよ…だって…好きだもの…」
「っ、俺だって、俺だって好きです」
「嬉しい…大好き」

 シューの甘く蕩けるような瞳の中に、同じような私が映っている。

「…脱ぐので、少し待っていてください」

 あっという間に服を脱ぎ捨てていくシューを仰向けのまま眺めていると、裸になったシューが私の服の釦を外してくれた。
 ひとつひとつ、ゆっくりと。
 釦は胸の下まで、そこからは布を多めに使って広がるスカートと一体になっている。上体を起こすと、シューが脱ぐのを手伝ってくれた。
 
 …ああそうか、だからこういうことは夜にするのか。
 夜衣ならもっと脱ぎやすい。合点がいった。

「師匠…大好きです」

 抱きしめられて、耳元で囁かれて、胸が高鳴る。
 そのまま寝台に沈んだ。

「私も……あっ」

 シューの熱い手のひらが、乳房に触れた。
 二本の指で乳首を挟みながら揉まれて、片方の乳首を舐められる。

「あ、あ…っ、ん、は…あっ」

 媚薬の為に胸を弄ってもらった時のことを思い出そうとしても、快楽に引き戻される。

「んっ、あっ、あ、ん…っ」

 触れられていない下半身が、切なく震える。
 乳房から離れたシューの片方の手が、わき腹や腰を辿って、無意識のうちに閉じていた太ももに辿り着いた。
 いつか与えられた快楽が頭をよぎり、ゆっくりと撫でるように脚の上を動く手のひらに焦れる。

「さ、触って、シュー、ひゃ、あ」

 何本かの指で陰部を擦られ、腰が揺れる。
 濡れた感触で陰核を刺激されて、頭が真っ白になるような心地になる。

「や、あ、ん、~~~っ」
「…っ、すみません師匠、俺」
「ん……あ…っ」

 身体の中をこじ開けて入ってくるような、初めての感覚。
 動きを止め、上体を起こして私を見下ろすシューが、汗に濡れた前髪をかき上げている。

 シューと今、いちばん深いところで繋がっている―――

「ぜ…全部、入った、の?」
「も、もう少し、です」

 まだだった。

 シューが腰をぐっと押し込んだ。今度こそ。

「は、いりまし…た…ぜん、ぶ」

 シューの完全に勃起した陰茎を思い浮かべて、

「…この辺りまで?」

 入っているのか、と下腹をさすっていると、奥の方に軽い衝撃を感じた。

「あっ、あ、あ」

 腰を両手で抑えられて、小刻みに奥を突かれている。
 先程シューの指で絶頂を迎えたばかりの陰核が潰れるように擦れて、強すぎる刺激に高い声を上げることしかできない。

「あっ、あ、ん、やっ、あ、だめ、」
「…だめですか?」
「だって、あ、なんかへ、んな、の…っ?」
「……師匠」

 シューがぎゅっと瞼を閉じて、何度か強く腰を押しつけた。
 内に脈動を感じる。 
 
 荒く息をつくシューに手を伸ばすと、身体を倒して抱きしめてくれた。

「大好き、シュー…」
「おっ、俺もです…っ」

 耳元で響く、少し掠れた声。

「…っ、じょ…上手に出来ましたか…?」

 不安げな声が可愛いくて、胸にも響いた。
 頭を撫でて、口づけて、抱きしめたくなる。

「うん、じょうずだったよ…すごく…」

 汗ばんだ背を撫でると、シューが肘をついて上体を起こそうとした。

「すみません、重いですよね」
「あ…もう」

 追いかけて抱きしめて、再び寝台の上で重なった。
 
「気持ちよかったし、全然痛くなかったし…シューは何でもできてすごいね」
「あ、りがとうございます…」

 シューは私に体重をかけないように、腕や膝で身体を支えようとしている。

「もう…ふふっ、全然大丈夫だから」
「でも…」
「…じゃあ、シューが下になって」

 シューは私を抱き抱えて、繋がったまま器用に回転した。

 窓からの日差しはすっかり夕方も近いものになっている。
 そろそろお終いに…と思うのに、離れられない。
 
「好き、シュー」 

 シューの耳元に唇を寄せて囁くと、びくりと震えた。

「あの、もういちど…いいですか…?」
「ん…? うん…」

 背中にあったシューの手のひらが腰に移って、尻や内腿を撫でている。
 腰を少し動かすと、内の陰茎が芯を持っているのを感じた。
 接合部分が気になって、寝台に手をついて上体を倒し覗き込んでみるけれど、よく見えない。
 あきらめて、陰茎の角度に沿わせて抜き差しをするように腰を動かしてみた。
 何度か繰り返していると腕が疲れてしまったので、上体を起こしてシューの硬い腹に手を置いて、今度は動きを前後に変えてみた。
 膝を立てて股を広げると少し楽だったので、時々かする自分のいいところを探りつつ。
 手のひらをシューの太腿に移動させると、切なげな声が上がった。

「師匠、刺激が強すぎます…っ…」
「…あ」

 もういちどと言われていたのに、調子に乗って自分勝手に動いてしまっていた。腰が疲れた。

「ご、ごめんね」
「いえ、あの、すごくよかったです、よすぎてもう」 
「んひゃっ」

 腰を強く掴んだシューに下から突き上げられて、変な声が出た。
 
「あ、あ、そんな、おく」
「奥がいいんですか? それとも、……っ」

 具体的にどこがいいのかを考える間もなくシューの動きが止まり、小刻みに揺すられた。

 シューの上下する胸を撫でながら、息を整える様子を見つめる。

「…が…我慢が効かなくて…っ」
「え…だって…気持ちいいんでしょ…?」
「はい…そうです…っ」
「うふふ…シューは素直で可愛いね…」
「俺は……可愛いんですか?」
「うん、ふふ…射精するときの顔も可愛かった…もっと見たいな」
「うう…」

 シューは恥ずかしそうに腕で顔を覆ってしまった。
 あっ可愛い、でも顔が見えない。
 腕を掴んで剥がし、やり場に迷って自分の乳房に食い込ませた。
 追いかけるように吸いつかれて結局顔が見えなくなってしまった。失敗した。

「…それは、もっとしてもいいということですよね…?」
「ふふっ、いいよ…好きだから…ね、あ」

 行為がというよりはシューが好きと言う前に、ひっくり返されてうつぶせの状態で後ろから挿入された。

「あ……っ」
「少し、ゆっくりしましょう…疲れましたよね?」
「あ、うん…腰がちょっと…あ、ふふっ」

 …ばれている。腰をさすられて、くすぐったさに身を捩る。
 気づいてくれて、労わってくれて、少し気恥ずかしいけれど。嬉しい。
 これは…敬老…? それとも、やっぱり、愛…?

 潰れた乳房が苦しくて肘と腕で少し上体を浮かせると、シューの手のひらが潜り込んできた。
 覆いかぶさるようにのしかかられ、腰の動きは緩やか。

「ん、あ…、あっ…んんっ…」

 時折感じる『ここ』という個所に当たるよう、脚を曲げたり少し腰を上げたりしてみる。

「…っ、イきそうです…」
「どこへ…?」
「どこ…どこへでしょうね…異世界では絶頂のことを差すようです」
「へえ、シューは物知りだねえ…そろそろ出そうってこと?」
「…そ、そうです」
「ふふ、好きな時にイって、ね…♡」
「は、はい…っ」

 『絶頂に達しそう』な時に異世界では『いきそう』と言うのか。なるほど。
 どこかへ行く、という意味ではないのかもしれない。
 短くて言いやすくて、良さそうだ。

 腰を掴まれ、尻を上げる格好になった。
 規則的なシューの動きに任せるうちに、覚えのある感覚が這い寄って来る。

「ん、わ、私も、『イく』、でいい、の?」
「は、はい…」

「あ、あっシュー、も、イきそう…っ」
「師匠…っ、は…っ」
「あっだめ、そんなにしたら、あ、イっちゃ…ね、一緒に」
「はい、一緒に…っ」
「あ、あ、イく…っ♡」



 絶頂の自己申告は、なんだか気分が上がった。



☆・☆・☆・☆・☆




 目覚めると、目の前にシューの顔があった。
 朝日に照らされて、今日も男前だ。
 
「…おはようございます、師匠」
「おはよ…シュ……う…喉渇いた…」

 昨夜は夕方から寝室に籠ってしまった。食事も摂らずに。

「水を持ってきます」
「ううん…もう起きる…お腹空いたでしょ」

 寝台から降りて数歩歩いたところで、下半身の痛みに呻きながら蹲ってしまった。

「…あいたた」
「大丈夫ですか!?」

 シューが慌てながら駆け寄ってきた。
 膣口が痛いのは処女だったのだから仕方ないとして、腰や股関節に加えあちこちの筋肉も痛い。あれだけ乱れたら当然か。

「初夜の後は三日はまっすぐ歩けないって聞いたけど、それほどではないから大丈夫だよ」
「え、な、そ、そうなんですか!?」
「昨日は痛くなかったのに…あ、媚薬を飲んだからかな」
「え? 媚薬?飲ん…?え?」
「昨日ここに来る前、効果が気になって1本飲んでて」
「えっ、あっ、そうだったんですか!?」

 シューは、焦った顔から驚いた顔になり、最後には悲しそうに眉尻を下げた。

「あ、だから俺のことを…す、好き…とか言ってくださったんですか…?」
「え、ううん、本当に好きだから好きって言ったよ、思っていないことを言うような効果はない………と思うよ?」
「目を見て言ってください」
「大好き、シュー!」
「…師匠!」


 私達はがばちょと抱き合った。

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