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第19話 メイド in メイド喫茶
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花火の打ち上げを見終わったマリカとカティアは宿への帰路に就く。充実した休暇を取れた気がして、これで明日の仕事への活力も生まれるというものだ。
「そういえばカナエ様はどうされているでしょうか?」
「カジノに行くって言ってたね。そこで儲けて夕食を奢ってくれるって約束だったけど」
帰りの道中にカジノエリア近くを通るので様子を窺うことにした。賭け事などとは無縁の人生を歩んできたマリカにとっては興味の無い場所で、欲望の渦巻く雰囲気はあまり好きではないがカナエのことが気がかりだ。
裏通りに密集するカジノ店は競争が激しいのか客引きを行っていて、マリカ達も声をかけられるが断りながら路地を進んで行く。
「ん? アレは……」
怪しげな看板を取りつけたカジノ店の扉が開き、中から屈強なガードマンに担ぎ上げられて店外に放り捨てられた少女がいた。そのシルエットはどう見てもカナエであり、マリカはため息をつきながら近づく。
「おい! あんなイカサマは許されんぞ!」
「…カナエ、落ち着いて」
「おお、マリカ! って、落ち着いていられるか!」
「どうしたっての?」
「小賢しいイカサマでヤラれちまった! あんなん違法だって!」
どうやら大負けして持ち金をスッてしまったらしい。それでイチャモンを付けているようで店側は全く取り合わない。
「こうなりゃステルススキルでバックヤードに忍び込んで金庫を……」
「それこそ違法だからダメダメ。さっ、帰るよ」
「まてマリカ! 倍にして返すからお金貸して」
「詐欺の典型みたいなセリフ言うな。明日また稼げばいいでしょ」
「くっそー! 憶えていやがれぇ!」
悪党のような負け惜しみを残しマリカに引きずられていくカナエ。完全な破産を迎える前に止めてくれる友人は貴重であるが、それに気がつくのはまだ先のことになるだろう。
夕食を終えて宿に戻ったマリカとカティアは満足そうな顔をしているがカナエは不満気味である。まだカジノでの大損を引きずっているようだ。
「てか、カナエが持ち帰ってきたその包みは何?」
「ああ、コレか? 景品で貰ったんだけど、こんなのいらないんだよな……」
包みを開けると中から折りたたまれた黒いバニースーツが出てきた。それこそカジノのスタッフが着用するようなバニースーツで、とても普段着にはできない代物だ。
「いいじゃん、着てみなよ。案外似合うかもよ」
「やだわい。てか、あたしよりも似合いそうな人物が一人いるじゃん」
「確かに」
マリカとカナエの視線が同じ方向に向けられた。その先にいるのはカティアであり、二人から見られてカティアは心臓もないのにドキッとする。
「わ、わたしですか!?」
「そりゃあカティアしかいないでしょ。カティアは私達の中で一番可愛いし、スタイルもいいしさ」
「そんなことありません! わたしなんか……」
「まあ謙遜なさんな。手伝ってあげるから着てみてよ。お願い!」
マリカが手を合わせて頼み込んだらカティアに拒否できるわけもない。
「分かりました。マリカ様の願いなら」
早速メイド服を脱ぎ、バニースーツを着込む。丈とウエストサイズは丁度良かったのだが、胸の収まりが悪く大きく露出している。
「ど、どうでしょうかマリカ様…?」
「…うん、凄く背徳的です」
いつもは明るく元気なメイドといったカティアだが、バニーガールと化した今はどこか淫靡な雰囲気を纏っていた。その普段とのギャップもあって一層いかがわしく感じる。
「すっごくエッチだよカティアちゃん。これは商売に繋がりそうな予感……」
「恥じらいという感情を学習できた気がします……」
カナエのニヤつきを受けたカティアは恥ずかしいという感情を会得したようだ。以前まではマリカの前で裸になっても特に気恥ずかしさは無かったが、AIが学習していくことで人間の感情に近づいてきたらしい。こうなれば本物の人間との区別など本当に付かなくなる。
「いいねぇ、その恥じらい。次はもっとこうポージングを」
「あんまりカティアをイジメないで。ほら、顔が真っ赤になってる」
マリカはカナエを制止し、カティアにメイド服を羽織らせた。これはこれで謎の卑猥さがあるのだが、あまり露出した状態では可哀想になったのだ。
「ゴメンね、カティア。無理言って」
「いえ、マリカ様が喜んでくださったなら嬉しいです」
「凄く似合ってると思うし、めちゃイケてるよ。二人きりの時とかにまた着てほしい、かも」
「マリカ様のお望みとあらば、いつでも!」
バニー姿のカティアは目の保養になったし、今後も見たいという欲があった。それに対してカティアもバニーで奉仕するのもアリだなと思いはじめていて、お互いに利がある提案だ。
「ねえカナエ。このバニースーツ貰っていい?」
「別にいいよ。あたしが持っていても仕方ないから…でも一つお願いがマリカさんにあるのですが」
「なに?」
「夕食奢ってください」
「……」
金を失ってしまったカナエはスタイリッシュな土下座をキメてマリカに懇願した。大口叩いてギャンブルに挑んだはいいものの、逆に奢ってもらうハメになってしまって自分でも情けなく思うが背に腹は代えられないのだ。
「明日返すから、ね?」
「まったくもう……」
友人のピンチを放っておくマリカではなく、財布の中身を確認しながらカナエ達と再び街に繰り出すのであった。
繁華街にはいわゆるレストランが連なり、家族連れなどで繁盛している。本当なら宿飯で済ましたかったのだが食事代は宿泊費の中に含まれておらず、別途料金がかかってしまうようで、しかも料金表を見たところ高額であったので外で食べることにしたのだ。
「腹減ったな…もうなんでもいいや。食えるものなら」
「そもそもカナエに贅沢な料理を注文する権利は無いからね?」
「殺生な……」
そんな会話をしている中、カティアがとある店の前で立ち止まって看板を眺めていた。珍しくマリカ以外に興味を惹かれる存在を見つけたらしい。
「どうしたの、カティア?」
「あの、このお店なのですが……」
「ん? メイド喫茶…?」
カティアが注目するのはメイド喫茶であった。これは旧世界においても多数出店されていた飲食業種の一つで、メイド装束をした店員による接待を受けられるという特徴がある。
「旧世界でもメイド喫茶はありましたが、実際に訪れたことがなかったので……」
「なるほど。興味があるんだね?」
「わたしも一応メイド型アンドロイドですので少し興味が……」
ここでメイドの有り方について学べると思ったようだ。
かくいうマリカもカティアと出会ったことでメイドに興味を抱いたし、メイド喫茶がどんなものかを体感してみたくなった。フリーデブルクには無いものなのでアオナへの思い出話の種にもなるだろう。
「じゃあここで夕食にするか。まあどんなモノがメニューにあるのかは知らないけど」
「なんでもいいよ。食えるなら」
落ち込み気味のカナエも引き連れて店の扉を開く。すると店内ではカティアに似たメイド服を纏う店員が多数接客に励んでおり、そのうちの一人がマリカ達に気がついてトコトコと駆け寄る。
「お帰りなさいませ! お嬢様!」
「お、お嬢様…?」
これまでマリカはお嬢様などと呼ばれることはなかったので、いきなりそう呼ばれて困惑気味だ。
開いている席へと案内されてメニューを受け取ると、そこに書かれている品名もまた困惑せざるを得ないものばかりであった。
「いんふぇるの・らぶりー・おむらいす?」
「当店自慢の特性オムライスですニャン! お嬢様への愛情をたっぷり注入してお作りしますニャン!」
「にゃん…?」
よく見ると猫耳を付けていて、それに応じたキャラ作りをしているのだろう。その職業魂は尊敬に値するレベルであり、一応は同じく接客業を生業としているマリカも見習うべき点は多いと感心している。
「ふむふむ。メイドは語尾にニャンと……」
「いやぁ…それはどうだろう……」
カティアは真剣にメモを取るようにして聞き入り、メイドの一挙手一投足を観察していた。まさかここで見聞きしたことを家で実践する気ではないだろうかとマリカは少々心配している。カティアにはカティアの良さがあるのだから、そのままでいてほしいものだ。
そしてオススメされた”いんふぇるの・らぶりー・おむらいす”を注文して待つこと暫く、皿の上に乗せられた奇妙な形状のオムライスが運ばれてきた。
「こ、これが例の…?」
「お待たせしました、お嬢様! では!」
テーブルの上に皿を置き、メイドが手にしたケチャップを頭上に掲げる。
「カム着火インフェルノォォォオオウ!!」
「な、なんだ!?」
野太い声と共に力強く握りしめられた容器からケチャップが勢いよく噴出し、その全てが見事オムライスに注がれた。しかも見事なハート形を描いていて、一体どんな原理が働いているのかマリカにはサッパリ分からない。
「どうぞ、召し上がれニャン!」
キャハッと笑顔になったメイドは一仕事を終えて去っていく。その後ろ姿にマリカは戦士の覇気を見た気がした。
「あたし、メイドにハマッちまったかもしれん……」
まるで恋をしたようにトキメキを露わにするカナエにマリカは全く共感できなかったが、一言でメイドと言っても奥が深いのだなと一つ勉強になったのだった。
「そういえばカナエ様はどうされているでしょうか?」
「カジノに行くって言ってたね。そこで儲けて夕食を奢ってくれるって約束だったけど」
帰りの道中にカジノエリア近くを通るので様子を窺うことにした。賭け事などとは無縁の人生を歩んできたマリカにとっては興味の無い場所で、欲望の渦巻く雰囲気はあまり好きではないがカナエのことが気がかりだ。
裏通りに密集するカジノ店は競争が激しいのか客引きを行っていて、マリカ達も声をかけられるが断りながら路地を進んで行く。
「ん? アレは……」
怪しげな看板を取りつけたカジノ店の扉が開き、中から屈強なガードマンに担ぎ上げられて店外に放り捨てられた少女がいた。そのシルエットはどう見てもカナエであり、マリカはため息をつきながら近づく。
「おい! あんなイカサマは許されんぞ!」
「…カナエ、落ち着いて」
「おお、マリカ! って、落ち着いていられるか!」
「どうしたっての?」
「小賢しいイカサマでヤラれちまった! あんなん違法だって!」
どうやら大負けして持ち金をスッてしまったらしい。それでイチャモンを付けているようで店側は全く取り合わない。
「こうなりゃステルススキルでバックヤードに忍び込んで金庫を……」
「それこそ違法だからダメダメ。さっ、帰るよ」
「まてマリカ! 倍にして返すからお金貸して」
「詐欺の典型みたいなセリフ言うな。明日また稼げばいいでしょ」
「くっそー! 憶えていやがれぇ!」
悪党のような負け惜しみを残しマリカに引きずられていくカナエ。完全な破産を迎える前に止めてくれる友人は貴重であるが、それに気がつくのはまだ先のことになるだろう。
夕食を終えて宿に戻ったマリカとカティアは満足そうな顔をしているがカナエは不満気味である。まだカジノでの大損を引きずっているようだ。
「てか、カナエが持ち帰ってきたその包みは何?」
「ああ、コレか? 景品で貰ったんだけど、こんなのいらないんだよな……」
包みを開けると中から折りたたまれた黒いバニースーツが出てきた。それこそカジノのスタッフが着用するようなバニースーツで、とても普段着にはできない代物だ。
「いいじゃん、着てみなよ。案外似合うかもよ」
「やだわい。てか、あたしよりも似合いそうな人物が一人いるじゃん」
「確かに」
マリカとカナエの視線が同じ方向に向けられた。その先にいるのはカティアであり、二人から見られてカティアは心臓もないのにドキッとする。
「わ、わたしですか!?」
「そりゃあカティアしかいないでしょ。カティアは私達の中で一番可愛いし、スタイルもいいしさ」
「そんなことありません! わたしなんか……」
「まあ謙遜なさんな。手伝ってあげるから着てみてよ。お願い!」
マリカが手を合わせて頼み込んだらカティアに拒否できるわけもない。
「分かりました。マリカ様の願いなら」
早速メイド服を脱ぎ、バニースーツを着込む。丈とウエストサイズは丁度良かったのだが、胸の収まりが悪く大きく露出している。
「ど、どうでしょうかマリカ様…?」
「…うん、凄く背徳的です」
いつもは明るく元気なメイドといったカティアだが、バニーガールと化した今はどこか淫靡な雰囲気を纏っていた。その普段とのギャップもあって一層いかがわしく感じる。
「すっごくエッチだよカティアちゃん。これは商売に繋がりそうな予感……」
「恥じらいという感情を学習できた気がします……」
カナエのニヤつきを受けたカティアは恥ずかしいという感情を会得したようだ。以前まではマリカの前で裸になっても特に気恥ずかしさは無かったが、AIが学習していくことで人間の感情に近づいてきたらしい。こうなれば本物の人間との区別など本当に付かなくなる。
「いいねぇ、その恥じらい。次はもっとこうポージングを」
「あんまりカティアをイジメないで。ほら、顔が真っ赤になってる」
マリカはカナエを制止し、カティアにメイド服を羽織らせた。これはこれで謎の卑猥さがあるのだが、あまり露出した状態では可哀想になったのだ。
「ゴメンね、カティア。無理言って」
「いえ、マリカ様が喜んでくださったなら嬉しいです」
「凄く似合ってると思うし、めちゃイケてるよ。二人きりの時とかにまた着てほしい、かも」
「マリカ様のお望みとあらば、いつでも!」
バニー姿のカティアは目の保養になったし、今後も見たいという欲があった。それに対してカティアもバニーで奉仕するのもアリだなと思いはじめていて、お互いに利がある提案だ。
「ねえカナエ。このバニースーツ貰っていい?」
「別にいいよ。あたしが持っていても仕方ないから…でも一つお願いがマリカさんにあるのですが」
「なに?」
「夕食奢ってください」
「……」
金を失ってしまったカナエはスタイリッシュな土下座をキメてマリカに懇願した。大口叩いてギャンブルに挑んだはいいものの、逆に奢ってもらうハメになってしまって自分でも情けなく思うが背に腹は代えられないのだ。
「明日返すから、ね?」
「まったくもう……」
友人のピンチを放っておくマリカではなく、財布の中身を確認しながらカナエ達と再び街に繰り出すのであった。
繁華街にはいわゆるレストランが連なり、家族連れなどで繁盛している。本当なら宿飯で済ましたかったのだが食事代は宿泊費の中に含まれておらず、別途料金がかかってしまうようで、しかも料金表を見たところ高額であったので外で食べることにしたのだ。
「腹減ったな…もうなんでもいいや。食えるものなら」
「そもそもカナエに贅沢な料理を注文する権利は無いからね?」
「殺生な……」
そんな会話をしている中、カティアがとある店の前で立ち止まって看板を眺めていた。珍しくマリカ以外に興味を惹かれる存在を見つけたらしい。
「どうしたの、カティア?」
「あの、このお店なのですが……」
「ん? メイド喫茶…?」
カティアが注目するのはメイド喫茶であった。これは旧世界においても多数出店されていた飲食業種の一つで、メイド装束をした店員による接待を受けられるという特徴がある。
「旧世界でもメイド喫茶はありましたが、実際に訪れたことがなかったので……」
「なるほど。興味があるんだね?」
「わたしも一応メイド型アンドロイドですので少し興味が……」
ここでメイドの有り方について学べると思ったようだ。
かくいうマリカもカティアと出会ったことでメイドに興味を抱いたし、メイド喫茶がどんなものかを体感してみたくなった。フリーデブルクには無いものなのでアオナへの思い出話の種にもなるだろう。
「じゃあここで夕食にするか。まあどんなモノがメニューにあるのかは知らないけど」
「なんでもいいよ。食えるなら」
落ち込み気味のカナエも引き連れて店の扉を開く。すると店内ではカティアに似たメイド服を纏う店員が多数接客に励んでおり、そのうちの一人がマリカ達に気がついてトコトコと駆け寄る。
「お帰りなさいませ! お嬢様!」
「お、お嬢様…?」
これまでマリカはお嬢様などと呼ばれることはなかったので、いきなりそう呼ばれて困惑気味だ。
開いている席へと案内されてメニューを受け取ると、そこに書かれている品名もまた困惑せざるを得ないものばかりであった。
「いんふぇるの・らぶりー・おむらいす?」
「当店自慢の特性オムライスですニャン! お嬢様への愛情をたっぷり注入してお作りしますニャン!」
「にゃん…?」
よく見ると猫耳を付けていて、それに応じたキャラ作りをしているのだろう。その職業魂は尊敬に値するレベルであり、一応は同じく接客業を生業としているマリカも見習うべき点は多いと感心している。
「ふむふむ。メイドは語尾にニャンと……」
「いやぁ…それはどうだろう……」
カティアは真剣にメモを取るようにして聞き入り、メイドの一挙手一投足を観察していた。まさかここで見聞きしたことを家で実践する気ではないだろうかとマリカは少々心配している。カティアにはカティアの良さがあるのだから、そのままでいてほしいものだ。
そしてオススメされた”いんふぇるの・らぶりー・おむらいす”を注文して待つこと暫く、皿の上に乗せられた奇妙な形状のオムライスが運ばれてきた。
「こ、これが例の…?」
「お待たせしました、お嬢様! では!」
テーブルの上に皿を置き、メイドが手にしたケチャップを頭上に掲げる。
「カム着火インフェルノォォォオオウ!!」
「な、なんだ!?」
野太い声と共に力強く握りしめられた容器からケチャップが勢いよく噴出し、その全てが見事オムライスに注がれた。しかも見事なハート形を描いていて、一体どんな原理が働いているのかマリカにはサッパリ分からない。
「どうぞ、召し上がれニャン!」
キャハッと笑顔になったメイドは一仕事を終えて去っていく。その後ろ姿にマリカは戦士の覇気を見た気がした。
「あたし、メイドにハマッちまったかもしれん……」
まるで恋をしたようにトキメキを露わにするカナエにマリカは全く共感できなかったが、一言でメイドと言っても奥が深いのだなと一つ勉強になったのだった。
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