20 / 25
第四章 深淵
19. 会議
しおりを挟む
僕はいま、人生で初めての会議に参加している。
パラヤとのなんちゃって会議ではなく、本物の会議だ。
僕たちと協力者たちとの作戦会議である。
協力を快諾してくれた、先輩のマニス。
嫌々ながら了承してくれた、いつの日か話しかけた僕をしかりつけた上司のサント。
そして、僕とハットの4人で小さな机を囲んでいる。
「今の状況の共有は以上です!それではこれからの作戦を考えていきたいのですが、その前に質問がある人はいますか?」
ハットの敬語は初めて聞いたかもしれない。
「まずは条件だろう。」
サントが冷たく言い放つ。
「もし第三層が採掘できた場合は、全員に権利があるので、記録には全員の名前を載せましょう!採掘した素材は全員に研究する権利があることにします。研究内容と結果は、研究者ごとの発表でどうでしょう?」
「研究の順番は?採掘できたとしても一かけらがいいところだろう。」
「それは......一番貢献度の高かった人......?」
「貢献度はどうやって測る?」
「う~ん、調査団の数とか、いやでもアイデアも大事だしな......」
「最初に採掘できた人でいいんじゃないですか?採掘したメンバーが所属する調査団に権利をあげましょうよ。」
今まで黙っていたマニスの一声で、ハットとサントはお互いにうなずきあって、研究の順番が決まった。
「それじゃ、本題に入りましょう!」
互いにどうやったら削れるかを議論し、可能性があるものを取捨選択してから、優先度を決めたところでお開きとなった。
専門用語が多すぎてあまり話についていけなかったので、明日から何をするのか正直わかっていない。
マニスとサントは準備があるとかで早々と部屋を出ていった。
僕も今日はもう終わりでいいとのことだったので外に出ると、あたりはすっかり暗くなっていた。
「パラヤのところの研究員って、サントって人?」
「......いや、違うけど。スザムって名前だったかな。」
「そっかぁ。それじゃ一緒に調査はできないね、残念。」
「......誰かと協力するの?」
「そう。マニスとサントって研究員の調査団と一緒に第三層の採掘をすることになったんだ。なんか真剣に話し合ってたけど、よくわからなかった。」
「......そりゃそうでしょ。僕も明日から調査団だから、第三層を採掘することもあるかもね。」
「いよいよだね。また明日からがんばろう。」
その後も他愛もない話をしていたが、久しぶりに明るい話ができて、気分がリフレッシュできたように思う。
物事が順調に進んでいると、つい気が緩んでしまう。
いつの間にか寝る時間になっていたので、急いで自分の部屋に戻っていった。
今日から小さく切れ目の入った第三層の採掘が始まる。
各調査団で集合したのだが、マニスとサントの調査団は何やら大きな機械を台車に乗せて持ってきていた。
改めて調査団の規模の違いを感じさせられる。
布でおおわれているため何が入っているのかはわからないが、本気なんだということは十分に伝わった。
全員で協力しながら、たくさんの荷物と機械を一生懸命に目的地まで運んでいく。
白脈を進み第三層の前まで来た時には、みな疲れ果てていた。
作業場所は狭いため、必要なものを運んだ後は数人の作業員が残り、ほかの人たちは別の作業に戻っていった。
「始めるぞ。」
少し休憩した後、サントの号令で彼の作業員が準備を進めていく。
大きな機械を体の大きな作業員が三人がかりで運んでいく。
三脚のような胴体に、ハンマーのようなものが上に付いている。
何やら刃のような別の器具をハンマーの先端に装着したあと、それを削れた第三層の先にあてがう。
「離れろ。危ないぞ。」
サントの合図で皆が機械から離れた後、サントが何やらスイッチのようなものを押してから急いで離れる。
ドンっと大きな音がして煙が周囲に舞い上がる。
どうやら、なにかを打ち込む装置のようだ。
三人の研究員が様子を見に駆け寄っていく。
どうやら結果はダメだったようだ。
何やら会話をしながら、ノートに記入をしている。
「ちょっと手伝ってくれ。」
サントが自身の研究員を呼び、機械の調整を行っている。
僕はただ見ているだけだったが、なんとなくだめだろうなと、なぜか思った。
その後も機械を調整しては試したがうまくいかず、マニスの調査団が運んできた機械を試したものの、結果は変わらなかった。
初日は失敗だったが、研究員たちの顔色は明るく、少年のように楽しそうにしていた。
色々と試したいことがあるのだろう。
待ちきれないといった様子で、すぐに研究室に戻っていった。
僕もハットと一緒に研究室に戻り、明日からの作戦に向けて情報収集を行った。
パラヤとのなんちゃって会議ではなく、本物の会議だ。
僕たちと協力者たちとの作戦会議である。
協力を快諾してくれた、先輩のマニス。
嫌々ながら了承してくれた、いつの日か話しかけた僕をしかりつけた上司のサント。
そして、僕とハットの4人で小さな机を囲んでいる。
「今の状況の共有は以上です!それではこれからの作戦を考えていきたいのですが、その前に質問がある人はいますか?」
ハットの敬語は初めて聞いたかもしれない。
「まずは条件だろう。」
サントが冷たく言い放つ。
「もし第三層が採掘できた場合は、全員に権利があるので、記録には全員の名前を載せましょう!採掘した素材は全員に研究する権利があることにします。研究内容と結果は、研究者ごとの発表でどうでしょう?」
「研究の順番は?採掘できたとしても一かけらがいいところだろう。」
「それは......一番貢献度の高かった人......?」
「貢献度はどうやって測る?」
「う~ん、調査団の数とか、いやでもアイデアも大事だしな......」
「最初に採掘できた人でいいんじゃないですか?採掘したメンバーが所属する調査団に権利をあげましょうよ。」
今まで黙っていたマニスの一声で、ハットとサントはお互いにうなずきあって、研究の順番が決まった。
「それじゃ、本題に入りましょう!」
互いにどうやったら削れるかを議論し、可能性があるものを取捨選択してから、優先度を決めたところでお開きとなった。
専門用語が多すぎてあまり話についていけなかったので、明日から何をするのか正直わかっていない。
マニスとサントは準備があるとかで早々と部屋を出ていった。
僕も今日はもう終わりでいいとのことだったので外に出ると、あたりはすっかり暗くなっていた。
「パラヤのところの研究員って、サントって人?」
「......いや、違うけど。スザムって名前だったかな。」
「そっかぁ。それじゃ一緒に調査はできないね、残念。」
「......誰かと協力するの?」
「そう。マニスとサントって研究員の調査団と一緒に第三層の採掘をすることになったんだ。なんか真剣に話し合ってたけど、よくわからなかった。」
「......そりゃそうでしょ。僕も明日から調査団だから、第三層を採掘することもあるかもね。」
「いよいよだね。また明日からがんばろう。」
その後も他愛もない話をしていたが、久しぶりに明るい話ができて、気分がリフレッシュできたように思う。
物事が順調に進んでいると、つい気が緩んでしまう。
いつの間にか寝る時間になっていたので、急いで自分の部屋に戻っていった。
今日から小さく切れ目の入った第三層の採掘が始まる。
各調査団で集合したのだが、マニスとサントの調査団は何やら大きな機械を台車に乗せて持ってきていた。
改めて調査団の規模の違いを感じさせられる。
布でおおわれているため何が入っているのかはわからないが、本気なんだということは十分に伝わった。
全員で協力しながら、たくさんの荷物と機械を一生懸命に目的地まで運んでいく。
白脈を進み第三層の前まで来た時には、みな疲れ果てていた。
作業場所は狭いため、必要なものを運んだ後は数人の作業員が残り、ほかの人たちは別の作業に戻っていった。
「始めるぞ。」
少し休憩した後、サントの号令で彼の作業員が準備を進めていく。
大きな機械を体の大きな作業員が三人がかりで運んでいく。
三脚のような胴体に、ハンマーのようなものが上に付いている。
何やら刃のような別の器具をハンマーの先端に装着したあと、それを削れた第三層の先にあてがう。
「離れろ。危ないぞ。」
サントの合図で皆が機械から離れた後、サントが何やらスイッチのようなものを押してから急いで離れる。
ドンっと大きな音がして煙が周囲に舞い上がる。
どうやら、なにかを打ち込む装置のようだ。
三人の研究員が様子を見に駆け寄っていく。
どうやら結果はダメだったようだ。
何やら会話をしながら、ノートに記入をしている。
「ちょっと手伝ってくれ。」
サントが自身の研究員を呼び、機械の調整を行っている。
僕はただ見ているだけだったが、なんとなくだめだろうなと、なぜか思った。
その後も機械を調整しては試したがうまくいかず、マニスの調査団が運んできた機械を試したものの、結果は変わらなかった。
初日は失敗だったが、研究員たちの顔色は明るく、少年のように楽しそうにしていた。
色々と試したいことがあるのだろう。
待ちきれないといった様子で、すぐに研究室に戻っていった。
僕もハットと一緒に研究室に戻り、明日からの作戦に向けて情報収集を行った。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる