31 / 55
第1章~すみれの陥落~
「普通」の日常
しおりを挟む
結局昨晩は眠れなかったため、学校についても眠くて仕方がなかった。昨日今日と体調が悪そうなすみれを見て母親は心配したが、大丈夫だと押し切って学校へ来た。勿論大丈夫なわけがないが、無断で学校を休んだらいじめっ子に何をされるかわかったものではない。住所も電話番号も知られている。そう考えただけでも学校に来ないわけにはいかなかったのだ。とはいっても今日は制服での登校。すみれは旧校舎へ向かう必要がなかったため教室へまっすぐ来ることができた。
「スーちゃん大丈夫?なんだか今日は眠そうだね~」
そう私に話しかけてきたのは同級生で小学1年生のころから友達の春奈ちゃん。わたしはハルちゃんって呼んでる。スーちゃんも私の名前のすみれからとったあだ名らしい。このあだ名を作ったのもハルちゃんだ。
「うーん、昨日面白い小説読んでたら寝るの遅くなっちゃって~」
わたしはとっさに誤魔化した。もちろん自分が上級生に目をつかられていることは知られたくなかった。それは学校生活が壊れてしまうからであったが、たぶんハルちゃんはそれを知ったところで私から離れることはないと思う。私の過信かもしれないけど。ハルちゃんとは月に一度はお互いの家にお泊りに行くほどの仲だ。そんな大切な友人をこの件に巻き込みたくない。そうすみれは考えていた。
「そうなんだ~!どんな小説?」
「えっと、高校生の話なんだけど、神様と宇宙人と超能力者と未来人がいて......」
すみれは春休み中に読んだ本の内容を話した。春奈はすみれの嘘に気付くことはなかった。しばらく談笑するうちに朝学活の時間となり、おしゃべりは終わりとなった。
「(私の息、おしっこ臭くなかったかな......)」
楽しいおしゃべりが終わると、すみれは現実へと引き戻された。
その後はただ淡々と授業を受け、休み時間には友人と談笑をして、給食を食べて、一日が終わった。昨日の夕食と今朝の朝食を食べていたかったため、給食は普通に食べることができた。味覚も戻っており、給食をおいしく味わうこともできた。普通に授業を受け、普通に給食を食べ、普通にトイレに行くことができた。5時間目に体育の授業があったが、これも普通に他のクラスメイトと同じように授業を受けた。何もかもが普通であった。その「普通」がどれだけすみれにとって嬉しいことだったか。しかし、その「普通」も長くは続かない。いじめっ子たちのすみれ奴隷化計画は今も着々と進んでいるのだ。
「スーちゃん大丈夫?なんだか今日は眠そうだね~」
そう私に話しかけてきたのは同級生で小学1年生のころから友達の春奈ちゃん。わたしはハルちゃんって呼んでる。スーちゃんも私の名前のすみれからとったあだ名らしい。このあだ名を作ったのもハルちゃんだ。
「うーん、昨日面白い小説読んでたら寝るの遅くなっちゃって~」
わたしはとっさに誤魔化した。もちろん自分が上級生に目をつかられていることは知られたくなかった。それは学校生活が壊れてしまうからであったが、たぶんハルちゃんはそれを知ったところで私から離れることはないと思う。私の過信かもしれないけど。ハルちゃんとは月に一度はお互いの家にお泊りに行くほどの仲だ。そんな大切な友人をこの件に巻き込みたくない。そうすみれは考えていた。
「そうなんだ~!どんな小説?」
「えっと、高校生の話なんだけど、神様と宇宙人と超能力者と未来人がいて......」
すみれは春休み中に読んだ本の内容を話した。春奈はすみれの嘘に気付くことはなかった。しばらく談笑するうちに朝学活の時間となり、おしゃべりは終わりとなった。
「(私の息、おしっこ臭くなかったかな......)」
楽しいおしゃべりが終わると、すみれは現実へと引き戻された。
その後はただ淡々と授業を受け、休み時間には友人と談笑をして、給食を食べて、一日が終わった。昨日の夕食と今朝の朝食を食べていたかったため、給食は普通に食べることができた。味覚も戻っており、給食をおいしく味わうこともできた。普通に授業を受け、普通に給食を食べ、普通にトイレに行くことができた。5時間目に体育の授業があったが、これも普通に他のクラスメイトと同じように授業を受けた。何もかもが普通であった。その「普通」がどれだけすみれにとって嬉しいことだったか。しかし、その「普通」も長くは続かない。いじめっ子たちのすみれ奴隷化計画は今も着々と進んでいるのだ。
0
あなたにおすすめの小説
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる