体操服姿の掃除奴隷

yamotomegu

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第1章~すみれの陥落~

「普通」の日常

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結局昨晩は眠れなかったため、学校についても眠くて仕方がなかった。昨日今日と体調が悪そうなすみれを見て母親は心配したが、大丈夫だと押し切って学校へ来た。勿論大丈夫なわけがないが、無断で学校を休んだらいじめっ子に何をされるかわかったものではない。住所も電話番号も知られている。そう考えただけでも学校に来ないわけにはいかなかったのだ。とはいっても今日は制服での登校。すみれは旧校舎へ向かう必要がなかったため教室へまっすぐ来ることができた。



「スーちゃん大丈夫?なんだか今日は眠そうだね~」

そう私に話しかけてきたのは同級生で小学1年生のころから友達の春奈ちゃん。わたしはハルちゃんって呼んでる。スーちゃんも私の名前のすみれからとったあだ名らしい。このあだ名を作ったのもハルちゃんだ。

「うーん、昨日面白い小説読んでたら寝るの遅くなっちゃって~」

わたしはとっさに誤魔化した。もちろん自分が上級生に目をつかられていることは知られたくなかった。それは学校生活が壊れてしまうからであったが、たぶんハルちゃんはそれを知ったところで私から離れることはないと思う。私の過信かもしれないけど。ハルちゃんとは月に一度はお互いの家にお泊りに行くほどの仲だ。そんな大切な友人をこの件に巻き込みたくない。そうすみれは考えていた。

「そうなんだ~!どんな小説?」

「えっと、高校生の話なんだけど、神様と宇宙人と超能力者と未来人がいて......」

すみれは春休み中に読んだ本の内容を話した。春奈はすみれの嘘に気付くことはなかった。しばらく談笑するうちに朝学活の時間となり、おしゃべりは終わりとなった。

「(私の息、おしっこ臭くなかったかな......)」

楽しいおしゃべりが終わると、すみれは現実へと引き戻された。



その後はただ淡々と授業を受け、休み時間には友人と談笑をして、給食を食べて、一日が終わった。昨日の夕食と今朝の朝食を食べていたかったため、給食は普通に食べることができた。味覚も戻っており、給食をおいしく味わうこともできた。普通に授業を受け、普通に給食を食べ、普通にトイレに行くことができた。5時間目に体育の授業があったが、これも普通に他のクラスメイトと同じように授業を受けた。何もかもが普通であった。その「普通」がどれだけすみれにとって嬉しいことだったか。しかし、その「普通」も長くは続かない。いじめっ子たちのすみれ奴隷化計画は今も着々と進んでいるのだ。
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