ケモ耳女性達とハーレムライフ

錏陀羅龍

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第五章 姫様と宰相

騎士団長の救出

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 目が覚めたので時間を確認すると、夜中の1時だった。
 ユナとエマちゃんは、俺に抱き付いて幸せそうに眠っているし、ユーリはエマちゃんの背中に抱き付いて眠っていた。
 みんな仲良しだな。

 愛する女性の幸せを守りたい。
 そう思った俺が「転移」を使ってベッドの横へ移動すると、ユナがモゾモゾと動いてエマちゃんに抱き付いたので、3人の寝顔を見届けて、リビングで軽装鎧を装備してから王都の南区に「転移」した。


 蛍光石の灯りも消えて、酒場の周辺以外は真っ暗だった。
 光を出すと目立ってしまうので、光魔法を付与したお手製懐中電灯の光を弱く設定して、夜の街の様子を見ながら北区まで歩いて行く。
 
 今から行くのは王城だ。
 実はアイリスと何度か連絡を取り、いろいろ探っていた。
 アイリスから得た情報で、騎士団の団長であるランスさんは、王城の地下に幽閉されているらしいので、今から忍び込んで助け出す。
 団長が無事だと分かれば、騎士団の人達も味方になってくれるだろう。

 南区の路地を歩いていると、軍隊の者らしきハーフエルフ男性を何人も見かけた。
 アイリスの話では、キラービーの毒で瀕死の状態だったガーランドが、急に回復して起き上がったらしいので、新たに拐う獣人女性を探しているのかも知れない。

 キラービーの毒に効く薬が手に入ったのかと思ったが、そうではなく、回復した理由は分からないらしい。
 かなり気になるが、それは追々調べよう。

 北区に入ったので懐中電灯の灯りを消し、「透明」の魔法を起動して王城まで行く。
 かなり暗いが、目が慣れてきたので見えなくはない。

 北区の一番奥まで来ると、一目で王城だと解る大きなお城があった。
 昼間に南区からでも見えていたが、近くで見ると迫力が凄いな。
 堀があるようで跳ね橋があり、大きな門の前に全身鎧姿の門番が2人居る。
 あれは軍隊の者じゃなさそうだから、近衛騎士団かもな。

 用があるのは幽閉されている騎士団長なので、「探索魔法」で王城全体を調べてみる。
 かなり広いが、「探索魔法」を使えば中は丸見えだ。

 魔族やハーフエルフがたくさん居るが、獣人男性も何人か居る。
 獣人女性が居ないか探してみると、城の1ヶ所に3人だけ居るのが分かった。
 だがガーランドのように誘拐してきたのではないだろう。
 その隣の部屋に魔族の女性が1人居るのが気になるが、とりあえず騎士団長の救出が先だな。

 王城の地下を調べると、小さな部屋が10室あり、1番奥の部屋にハーフエルフ男性が1人居るのが分かった。
 地下には他に誰も居ないようなので、この人が騎士団長だろう。
 幽閉している割に見張りが1人も居ないのは不自然だが、助け出すのは簡単そうだ。
 もしバレても、騎士団長を連れて「転移」してしまえば、透明だから俺の顔がバレる事はないだろう。
 よし!

 一応慎重に、行動に抜け目がないか再確認し、俺は王城の地下へ「転移」した。


「探索魔法」で調べた通り、地下に見張りは居ないようだ。
 薄暗い地下は石造りで、長い廊下に鉄柵の扉がある部屋が奥まで続いている。
 これは明らかに地下牢だろうが、王城だから地下牢があっても不思議ではない。

 騎士団長であろうハーフエルフ男性が居る1番奥の牢屋まで行き、先ずは牢屋を「鑑定」してみる。
 王城の地下牢だし、騎士団長を幽閉しているのに見張りが居ない事を考えると、何かトラップが仕掛けられているかも知れない。

「鑑定」してみると、「ロック」という魔法が付与されていた。
 この魔法はエマちゃん達が着けられていた、「奴隷化の首輪」に付与されていた魔法と同じだな。
 まあ「転移」が使える俺には問題ないし、「ロック」の付与を取り消す事も出来る。

 それ以外の魔法は付与されていないし、変なトラップも無さそうなので、牢屋の中に居る人を「鑑定」してみると、『ランス ハーフエルフ ♂ 37歳 魔法種風魔法 アキレス腱断裂』と出た。
 やはりこの人が騎士団長で間違い。
 アキレス腱断裂って、酷い怪我をしているな。
「防音」の魔法を牢屋に付与し、「念話」で話し掛ける。

『突然申し訳ありません。俺は冒険者をやっているタカシといいます。騎士団長のランスさんですね?』

「ん? 気配は感じるが、姿が見えない。これは『テレパシー』の魔法ですか?」

 気配を感じ取るとは、流石騎士団長だな。

『はい。魔法で姿を消して目の前に居ます。あなたを助けに来ました』

 俺は牢屋の中に「転移」して「透明」の魔法を解除した。

「す、姿を消す魔法とは凄いです。それでここまで入って来られたんですね」 
 
 この地下牢に幽閉されていた割りには、何か元気そうだな。
 痩せてやつれていたりもしていないし、何なら身体はムキムキで元気そうだ。

「ええ。それより足はどうしたんですか?」

 アキレス腱断裂というのが気になったので聞いてみる。

「ああ、何度か逃げ出そうとしたんですが、失敗して足の腱を切られました。もう歩く事は出来ません」

 酷い事するなぁ。
 まあ「完治」の魔法で治るだろうが、何処かに「転移」してからにしよう。

「詳しい話はここを抜け出してからにしましょう。何処かに匿ってくれる知り合いは居ますか? 居なければ、俺の知ってる村に行きます」

 セドム村の宿泊施設なら安全だ。

「1人心当たりがあるんですが、今も元気かどうか⋯。それに私は歩けないので、どうやって抜け出しますか?」

「魔法で抜け出すので心配ないです。心当たりの知り合いは何処に居ますか?」

「少し前に得た情報では、王都の東区に居るらしいです。私が幽閉されてから、私を慕ってくれていた騎士団の部下達は、東区に移ったみたいです」

 東区か⋯。
 騎士団なら盗賊に落ちたりはしていないだろう。

「分かりました。魔法で移動するので、俺の肩に掴まってください」

 ランスさんが肩に掴まったので、「防音」の付与を解除して東区の広場に「転移」した。


「え? えぇ!? そんな⋯一瞬で?」

「『転移』魔法です。一応内緒にしてください」

「『転移』⋯魔法。そんな伝説級の魔法が使えるとは⋯」

 驚いているランスさんに、更に「完治」の魔法をかけて足を治す。
 暗い東区で「完治」魔法を使ったので、俺の手から発現した光が自分の足に吸い込まれた事に驚いている。

「治癒魔法で足を治したので、もう歩けるはずです」

 そう言うと、座っていたランスさんが半信半疑で足首を動かしてから、そのまま立ち上がろうとしたが、バランスを崩して倒れそうになったので慌てて支えた。
 長く歩いていなかったから、足の筋肉が弱っているのかもな。
 俺は「回復」の魔法も追加でかけた。
 見た感じ、幽閉されていた割には痩せ細っている訳ではなく、寧ろ筋肉ムキムキなのには理由がありそうだな。

「すみません。立つのが久し振りなので、バランス感覚が⋯⋯」

「いえ、無理はしないでください」

 痩せ細っていない理由を聞くと、1日2食は食事を与えられていたし、いつか外へ出た時の為に牢屋の中で筋トレもしていたらしい。
 多少の拷問もあったらしいが、ランスさんが死んでしまうと幽閉している意味が無くなるという理由と、王城にはランスさんを慕う近衛騎士団の人達も居るので、俺が想像していたより酷い扱いでは無かったようだ。
 まあ確かに、騎士団への抑止力としてランスさんを幽閉にしたんだから、死なれては困るだろう。

「回復」の魔法をかけたからなのか、ランスさんが支えている俺の腕から離れて1人で立った。
 思わず、「ランスが立った!」と言いそうになったが、俺にしか解らないネタなので言わないでおく。

「や、やっぱり立てます! また何か魔法をかけてくれたのですか?」

 確かに「回復」の魔法をかけたが、バランス感覚まで回復するか?
 最近の傾向からして、俺がこうなって欲しいと思って魔法を使うと、そのまま効果があらわれるみたいな気がする。
 女神のくれた魔法能力だからだろうか⋯。


 タカシの予想は遠からず当たっている。
 女神がタカシに与えた魔法の力は、実は魔力ではなく神力だ。
 だから普通の魔法ではなく神の力があり、その神力は女神が与えている。
 しかし女神の神力は、女神から溢れていて無限なので、いくらでも魔法が使い放題という訳だ。
 神力は万能なので、タカシが願えばどんな力にもなり、身体強化もそのおかげで、タカシが思えばおっぱいを揉む時は優しく、敵を倒す時は強くなる。
 

「体力が回復する魔法をかけましたが、バランス感覚まで回復するとは俺も知りませんでした。でもこれで歩けますね」

 よく解らないが嬉しいのでそう言うと、ランスさんが土下座をしてお礼を言ってきた。

「まさか歩けるようになるとは⋯。タカシさん、いえ、タカシ様は神様みたいな人です。ありがとうございます! ありがとうございます!」

 また神様に⋯⋯というか"様"は止めて。

「神様なんてとんでもない。それよりランスさんの知り合いの所へ行きましょう」

「は、はい!」

 自作懐中電灯で照らしながら、夜の東区を一緒に歩いて行くが、ランスさんはキョロキョロと周りを見て驚いている。

「私が幽閉されている内に、東区も変わりましたね。凄く綺麗になってます」

「ここは獣人居住区で、みんな頑張って家を建て直したりしたんですよ」

 綺麗な家がたくさん並んでいるのを見て、ランスさんが感心している。

 獣人居住区から離れて、東区の奥へ歩いて行くと、また綺麗な家が並んでいた。
 ここは獣人居住区ではないはずだが⋯。

「この辺りはハーフエルフの居住区だったんですが、聞いていた通りここも綺麗になってますね」

 ランスさんが嬉しそうにそう言った。
 誰かに聞いていたみたいだが、俺はハーフエルフの居住区まで綺麗になっていたとは知らなかったな。
 明日ジョーイ社長に聞いてみよう。

 ハーフエルフ居住区の中を歩いて行き、奥の家のドアをランスさんがノックした。

──コンコン!

「ん? こんな夜中に誰だ? ⋯⋯えっ?」

 ドアが開いて、中から眠そうな顔のハーフエルフ男性が出てきたが、ランスさんを見て固まった。

「ドリン、俺だ。ランスだ」

「ラ、ランス⋯団長⋯!」

 ドリンさんがランスさんを見て涙を流している。
 感動の再開に水を差して悪いが、誰かに見付かると良くない。

「とりあえず中へ入りましょう」

「はい。ドリン、この人はタカシさんで、俺を助け出してくれた人だ。中へ入れてくれ」

「は、はい! どうぞ中へ」

 ランスさんと中へ入ると、ドリンさんがお茶を淹れてくれたので、テーブルを挟んで向かい合って座った。

「まずは初めまして。俺は冒険者のタカシといいます」

 とりあえず自己紹介からだな。

「私は騎士団長をやっていたランスです。この度は助け出して頂いただけでなく、足まで治して頂いて、ありがとうございました」

「私は騎士団の副団長で、ドリンと申します。団長を助け出して頂いて、ありがとうございました。あの⋯タカシさんって、あのタカシさんですか?」

 どのタカシだろう。
 日本人によくある名前だから、この国に他のタカシが居るとは思えない。

「よく分からないですが、俺を知っているんですか?」

 ドリンさんと会うのは初めてだから、何か俺の噂でも聞いているのだろうか?

「そ、その⋯東区の獣人達に聞いているのですが、居住区を綺麗に改装する手助けをしたり、仕事を紹介したりと⋯。そのお陰で、私達ハーフエルフの居住区も綺麗になりました。タカシ様には何とお礼を言ったらいいか⋯。ありがとうございます!」

 どういう事だろう。
 俺はハーフエルフ居住区の世話をした覚えは無いし、獣人居住区もジョーイ社長達が自力で建て直した。
 俺が助けたのは、初めにジョーイさんと魔物討伐に行って、家を改装する初期費用を稼がせただけだ。
 まあその後、ジョーイさんを独立させたりはしたが⋯。

 詳しく聞いてみると、以前マイアさん達に聞いた、東区のハーフエルフ達が獣人居住区へ来て、家やお風呂屋をよこせ!と言ってきた話になった。
 その時ジョーイ社長が、「自分達の家を綺麗に改装出来たのも、お風呂屋があるのも、タカシ様という神様みたいな人間男性のお陰だ! だからハーフエルフの居住区も同じようにしたいなら協力するから、一緒に頑張ろう!」と言ったらしい。

 ジョーイ社長まで俺を神様扱いしていたのか。
 お互い遠慮は無しという関係になったと思っていたんだが⋯⋯。
 いや、ジョーイ社長とは以前より遠慮の無い関係だろう⋯と思いたい。
 
 今の話を聞いて、ランスさんが感激したように涙目で俺を見ていた。
 結果的には確かに⋯と思うが、俺は大した事はしていないし、寧ろ恩を売って協力してもらってる感じもあるので、ギブ&テイクだろう。

「まあその話は置いといて、ここにランスさんを匿って貰えますか?」

「はい、もちろん! 団長は私達が守ります!」

「ドリン、よろしく頼む」

 軍隊の者が探しに来るかも知れないが、騎士団が匿ってくれるなら大丈夫だな。
 寧ろ何かあっても、軍隊と対決する切っ掛けになるし、騎士団が付いているなら、俺が犯罪者になる事もないだろう。

 この家も快適に改装してもらって、匿いやすくしてもらおう。

「そう言えば団長、歩けるんですね!」

「ああ、タカシさんに治して貰ったんだ。あれは光魔法ですよね?」

「はい。光魔法の『治癒』です。プラチナドラゴンのせいで、光の大精霊の力が封印されていて使えなかったのですが、プラチナドラゴンは俺が討伐したので、今は使えるようになっています」

「「プ、プラチナドラゴン!?」」

 2人とも、驚いて固まってしまった。
 騎士団の人だから、プラチナドラゴンを知っているんだな。

「ギルドから討伐を依頼されたので、スレイン山脈へ行って討伐しました。それで光の大精霊の封印が解けたので、今は光魔法が使えるようになっています」

「失礼ですが、タカシさんのギルドランクは⋯?」

「SSランクです。プラチナドラゴンを倒してランクアップしました」

「「SS⋯⋯」」

 2人とも、また固まってしまった。
 驚くのは分かるが、話が進まないな。

「俺はこの国の問題を解決したくて動いています。話せる範囲でいいので、宰相や姫様、それにガーランドの事を教えてもらえませんか?」

 そう言うと、ランスさんが少し考え込んだ。
 国を守る騎士団の人だから、簡単に話す訳にはいかないのだろう。

「団長⋯⋯」

「ああ。タカシさんは命の恩人ですし、知る権利があります。だから私の知ってる事をお話しましょう」

 何とか話してくれるようだ。

「5年ほど前に、まずは宰相のマードック様が奇怪おかしくなりました。マードック様は、元は国や国民を大事にするお方で、魔王様の信頼も厚く、ティアナ姫様と同じく種族差別を最も嫌うお方でした。しかしある日突然、人が変ったようになり、他国に攻め入る宣言をされたのです」

 宰相のマードックは犬族の獣人男性だと聞いているから、種族差別を嫌っているというのは分かる。

「もちろん魔王様は反対されましたが、マードック様の様子が奇怪しい事を察したティアナ姫様が、マードック様を説得すると魔王様に進言されました。しかしマードック様の説得に向かわれたティアナ姫様まで奇怪しくなってしまい、ガイントは今のような国になってしまいました」

 やはり何か魔法を使ったのかも知れないな。
 だが元はマードックが奇怪しくなった事が切っ掛けだから、マードックを変えた黒幕が居るような気がする。
 悪い魔法使いでも居るんだろうか?

「魔王様はどうしているんですか?」

「魔王様はティアナ姫様を何度も説得されましたが、マードック様の言う事にしか耳を傾けないのです。魔王様は、ティアナ姫様がマードック様に何をされるか分からないので、もはや為す術が無いと⋯」

 姫様を人質に取られているようなものか⋯。
 マードックが変な魔法を使って姫様を操っているなら、今以上に姫様に何かするかも知れないから、いくら王様でも手が出せないって事だな。

「聞いていいか分からないですが、姫様のお母様、王妃様はどうされているんですか?」

「王妃様は、随分前に病気になられて目が見えなくなられ、足も動かなくなって⋯」

 王妃の話は聞いた事が無かったから、もしかしたら亡くなられたのかと思っていたが、病気の後遺症で目と足を患ってしまったのか。
 たぶん寝た切りみたいな感じなんだな。
 王妃なら、「治癒魔法」を使える魔法師を探して治させただろうが、光の大精霊の力が封印されていたせいで、この国では光魔法の使い手は居なかったしな。

「光魔法なら治せるかも知れない。王妃様は何処に居られますか?」

「え? あっ、そうか! 光魔法なら⋯⋯。王妃様は王城の寝室に居られますが、面会するのは難しいです」

 やはり寝室か。
 透明になって「転移」すれば簡単だろうが、ランスさんが難しいと言っているのは、マードックや姫様の事があるからだろう。
 う~ん、どうするか⋯。
 いきなり王妃様を治しても、マードックが変な動きをするかも知れない。

「王城に獣人女性が3人くらい居たのですが、ガーランドのように誘拐してきた使用人ですか?」

 気になっていたので聞いてみる。

「いえいえ! その獣人女性達はティアナ姫様の世話係です。人間族のタカシさんには理解し難いと思いますが、姫様は獣人女性の耳や尻尾が好きな御方で、奇怪しくなる以前から獣人女性の世話係を可愛がっておられました。ですので姫様が奇怪しくなられた後も、その獣人女性達は姫様のお世話をしたいと側に遣えています」

 姫様もケモ耳と尻尾好きの女性なのか。
 意外にたくさん居るのかも知れないな。
 ならさっき「探索魔法」で見た時、獣人女性達が居た部屋の隣の部屋に居たのが姫様かも知れない。

「具体的に、どのように奇怪しくなったのですか?」

「誰にでも優しかったマードック様は、ある日突然威圧的になって、部下に理不尽な命令をするようになられました。目が虚ろで、まるで何かに取り憑かれているような感じです」

「あっ、でも最近、また様子が変わられて、目が虚ろのまま何も命令しなくなったと聞いています」

「そうなのか?」

 最近また様子が変わったのか。
 ランスさんも知らなかったみたいだが、何かあったようだな。

「ガーランドがキラービーに刺されて寝込んでいたはずですが、最近急に回復したとか⋯。何か知りませんか?」

「そうなんですか?」

「はい、団長。しかし薬を手に入れたのか、急に回復したらしいです」

 副騎士団長のドリンさんでも詳しく知らないみたいだ。
 まあ軍隊と騎士団だし、ガーランドの情報は諜報部のアイリスの方が詳しいだろう。
 でもアイリスも分からないと言っていたから、回復した理由は謎だな。
 単に薬を手に入れたのかも知れないし。

「ガーランドは、具体的にどう強いのですか? 怪力だという話は聞いているのですが⋯」

「確かにガーランドは怪力ですが、ただその力が異常なのです。我々騎士団が束になって掛かっても、その怪力で吹っ飛ばされました。あれは⋯⋯まるで精霊様を守護する種族のような力でした」

 精霊を守護する種族って、タミールとかの事だろうな。
 タミールは相撲が強く、Sランクの冒険者でも相撲で勝てないとミーシャが言っていた。
 まあ俺は簡単に勝ってしまったけど⋯。

 しかしタミールのような力だったとしたら、精霊の加護があるという事か?
 何故あんな悪党に精霊の加護があるのか分からないが、やっぱり俺なら簡単に勝てそうだな。

「ガーランドは少し前に、とんでもなく大きな剣を手に入れたと聞いていますから、他国へ攻め入る為かも知れません」

 大きな剣って、短小包茎禿げオヤジのくせに剣士なのか。
 似合わねぇ。
 大きな剣がどれくらい大きいか分からないが、怪力だから軽々振り回せるという事だな。
 だとしても、女神がくれたチート武器「仕込み刀」には勝てない気がするし、俺には「遅延」の魔法がある。
 どう考えても負ける気がしないな。


 とりあえず夜中だし、2人も眠いだろうと思ったので、今後の話は明日にする事にした。

「今日はゆっくり休んでください」

「はい。ありがとうございます」

「あっ、団長。実はお風呂屋があるので、夜中ですし入られたらどうですか?」

 ハーフエルフ居住区にもお風呂屋があるのか。

「そ、そうなのか? 風呂なんて何年振りだろう」

 夜中だし、フードでも被って行けば大丈夫だろう。

「東区の獣人居住区の人達に協力してもらって造ったんです。タカシさんのお陰ですよ」

 えっ?
 獣人居住区の人達に協力してもらったって事は、ジョーイ社長達か。
 忙しかったはずだが、いつの間に造ったのか⋯。

「俺は何もしてませんが⋯」

「いえいえ! お湯の出る魔道具や、シャワーやドライヤー、エアコンや冷蔵庫は、タカシさんが魔法を付与してくださったと聞いています」

 確かに今言われた道具に魔法を付与しまくった記憶はあるが、女神に貰った俺のチート能力が広まり過ぎで不安だ。

「噂になると困るので、あまり言わないで欲しいのですが⋯」

「それはもちろん、ジョーイ社長に聞いていますし、東区でタカシさんに迷惑が掛かる事をする住人は居ないです!」

 東区でって、そんなに噂が広まっているのか!

「だが東区には、盗賊も住んでるだろ?」

「いいえ団長。もう東区に盗賊は1人も居ません。盗賊はタカシさんのお陰で、盗賊をしている自分を恥じて、みんな改心しました」

 はぁ?
 もう訳分からん。
 俺の知らない所で、何故か凄い話になっている。
 ジョーイ社長達は東区のハーフエルフや盗賊に何を言ったのか⋯。

「全く自覚が無いんですが、みなさんの生活が改善されたなら良かったです。連絡が出来る魔道具を渡しておくので、何かあったら遠慮なく連絡してください」

 ちょっと恥ずかしくなってきたので、「念話」を付与したフローライトの欠片を2人に渡して、使い方を説明してユナの家のリビングに「転移」して帰った。
 何故か俺を神格化しているし、ジョーイ社長が口止めしてくれているみたいだから、安易に俺の作った魔道具の事を言い触らしたりしないだろう。


 ユナの家のリビングに「転移」し、軽装鎧を脱いで収納して裸になったので、寝室へ向かった。
 エアコンは効いているけど夏だし、愛しい女性達と寝る時は裸がいい。

 フルチンのまま寝室へ入ってベッドを見ると、ユナとエマちゃんが抱き合って眠っていて、ユーリはエマちゃんの背中に抱き付いて寝ていた。
 仲良し姉妹の間に「転移」して入るのは躊躇われたので、ユナかユーリの背中側だな。
 裸の愛しい女性3人が寝ているベッドの何処で寝ようか迷っているなんて、凄い贅沢な気分だ。
 美爆乳ウサギ耳美女か、美巨乳狐耳美女か、ロリ巨乳狐耳美少女か⋯。

 かなり迷ったが、爆乳に顔をうずめて寝たくなったので、ユーリの背中側に「転移」すると、ユーリがモゾモゾと寝返りして俺を抱き締めた。
 爆乳が俺の胸で潰れる。
 起こさないように俺もモゾモゾと動いて、ユーリの爆乳に顔をうずめた。
 やはりおっぱいは最高だな。

 だがユーリが寝返りしたので、ユーリとエマちゃんの間に1人分の隙間が出来た。
 美少女の巨乳も味わいたいので、ユーリを起こさないよう気を付けながら、爆乳に抱き締められたままユーリごと隙間に入ると、俺の希望通りエマちゃんが背中に抱き付いてきた。
 背中に美少女おっぱいが当たる。

 起きた時にユナが拗ねるかも知れないので、またモゾモゾと動いて仰向けになると、ユーリとエマちゃんが俺の顔におっぱいを押し付けてきた。
 実は起きてるんじゃないか?と思ったが、スヤスヤと幸せそうに眠っている。

 爆乳とロリ巨乳の感触を顔で味わいながら、腕を伸ばしてユナの尻尾を触っていると、いつの間にか眠っていた。


 
 まだ暗いうちに目が覚めた。
 おっぱいに挟まれているのに寝付きが悪い訳が無いので、たぶん気になる事がたくさんあるからだろう。
 
 時間を確認すると、まだ朝の5時だった。
 そろそろ陽が昇るから、少し外が明るくなりかけている。
 昨日精子をかけたファプールの事が気になるので様子を見に行きたいが、おっぱいで顔を挟まれ、乳首が唇に当たっているので、起きるのが勿体ない。
 だが行かなければ⋯。

 名残惜しいので、唇に押し付けられているユーリとエマちゃんの乳首を唇で挟んだ。
 これはたまらん!
 ユーリの乳首を両方一緒に吸った事はあるが、2人の乳首を片方ずつ一緒に吸ったのは初めてだ。
 食感の違う乳首が舌の上で踊っている。

 起こすと悪いので優しく吸っていたが、朝勃ちも合わさってチンポがビンビンになってしまい、足を絡めていたエマちゃんの太ももに擦れてしまった。

「ん⋯んんっ⋯♪ あはっ、タカシ様♡ おはようございます」

 エマちゃんが小声でおはようを言ってきた。

「お、おはようエマちゃん。ごめんね、起こしちゃったみたいで⋯」

「いえ、ぐっすり眠ったので大丈夫です。んちゅっ、んんっ、ちゅるる♡」

 エマちゃんがおはようのキスをしてきたので、俺も舌を伸ばして追撃し、朝勃ちチンポをエマちゃんの下腹部に擦りつけた。

「んっ、ちゅるっ、ぢゅっ、あっ、あんっ、おチンチン硬い⋯♡」

「んんっ⋯タカシ⋯さん? あっ、おはようございます♪」

 ユーリも目を覚まして挨拶してきた。

「ごめんユーリ。まだ早いから寝てていいよ」

「いえ、タカシさんが起きるなら、私も起きます。あっ、おチンチン♡」

 ユーリも俺のチンポがビンビンな事に気が付いた。

「んっ⋯んふっ♡ おはようございます、タカシさん♪」

 ユナまで起きてしまったが、起きてすぐ俺のチンポを見て、ビンビンなので嬉しそうにしている。
 ユナは朝起きたら、1番に俺のチンポを確認しているのかもな。

 ユーリとユナとも、おはようのキスをして、3人にチンポを舐め回してもらい、朝の1発目を3人の顔に射精した。
 俺のチンポを舐めると濡れちゃうだろうから、セックスもしたいが、みんな起きてしまったなら、一緒にファプールの様子を見に行ってからにするか。

「ありがとう、みんな。ちょっと森へ行きたいから、帰ったらセックスもしような」

「「「はい♡」」」

 やはり朝からセックスすると嬉しいみたいだ。

「森って、昨日のファプールですか?」

「うん。どうなってるか気になって目が覚めちゃったんだ」

 ユナも気になっていたようで、ちょっとワクワクしている。

 みんなに「洗浄」をかけ、森に行く服に着替えて、みんなで森の広場に「転移」した。

 そのまま4人でファプールの蔓が生えていた場所まで行くと、とんでもない光景が広がっていた。
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金斬 児狐
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 ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。  しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。  しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。  ◆ ◆ ◆  今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。  あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。  不定期更新、更新遅進です。  話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。    ※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

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