懲役3年

松本107

文字の大きさ
1 / 1

刑務所で僕が感じたコト

しおりを挟む
皆さんは刑務所と聞いてどんな事を想像しますか?どんなイメージがありますか?
看守が怖そう、ルールが厳しそう、喧嘩が多そう、色々なイメージを映画などで見て持っていると思います。
まず、僕が少年院や刑務所に入って思ったこと。それは「案外厳しくないんだな」という事でした。
自由を奪われて死にたくなるくらい辛いのだろうなと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
テレビを観れたりイベント事があったり、エロ本を観れたりと意外に自由や楽しみがそこにはありました。
皆さんは、刑務所に入っている人たちがどのような事を考え、どのような生活を送っていこうと思っているのか、想像できますか?反省して真っ当に生きようと思っている人たちが多くいると思いますか?
答えとしてはNOです。
そのように真っ当に頑張っている人たちもいますが、ほとんどの人は仮釈放という刑務所から早く出れる制度のために頑張っています。

特に僕の心に残っていて、ある意味人生の恩人でもある拘置所で出会ったおじさんなんかは、反省どころか
「俺は刑務所に10回以上入った。N刑務所は俺の家だ」
と刑務所に入った事を自慢のように話していました。
僕はその言葉を聞いた時、これからの自分の人生が怖くなりました。ゾッとしました。
「俺もこのままいけばこうなるのか?」「刑務所に入った事やしてきた悪さが自分の勲章になってしまうような人生を歩むのか?」
それだけは絶対に嫌だと僕は思いました。
そこで初めて自分の人生に危機感を持ち、自分で初めて気付く事ができたんです。これが僕の一つ目の気付きです。

でも、ここからどうやって這い上がればいいのか?俺が真面目な人生を送る事ができるのか?自分に自信がなかった僕はまだ自分の気付きを行動に移す事ができませんでした。
「悪い世界で名を売ってきた自分が、真面目になったら何が残る?」「誰が俺を求めてくれる?」
そんな想いが溢れてきて、何もない自分に気付き、初めて現実を直視しました。
今まで自分だと思っていた自分は、ただの空想で、現実を見れば中卒で貯金もない仕事もしていない何の特技もない自分がいるだけでした。
その自分を見た時はただただ惨めで、情けなかった。死んでしまいたいとさえ思った。いきなり生きる目的がなくなったみたいで、無気力にもなりました。

だけれど振り返れば、初めて現実を見る事ができ、ここでようやくスタートラインに立てたと思っています。
変わるために1番必要な事、それは『現実を認めること、現実から逃げないこと』だと僕は思っています。
世界は、服や金、車など、自らを着飾ることができるもので溢れています。自分がすごくなったと勘違いしてしまうようなもので溢れています。
ですが、何もない塀の中にに入れられ、全てを奪われた僕は気づいたんです。
『僕は何者でもない』『何もない事は恥ずかしい事ではなく、何もない事を認められない事が恥ずかしいんだ』と。

そして人生の意味も人それぞれ違うんだと言うことにも気付きました。
正解なんて1つじゃないし、生きる目的も1つじゃない。大切なのは『自分がどう生きたいか』そして『何をやりたいか』だと。

そう思ってからは、一から何かを頑張っていく事が楽しいと思い始めました。

拙い文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
次は、僕が非行に走り始めたきっかけや理由、僕の周りにいた不良交友たちの壮絶な話について書こうと思います。
指摘や意見があればじゃんじゃん送っていただけると嬉しいです。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...