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33.魅力的なお客様
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「やっぱりないわ。あっ、もうこんな時間!」
ライル様と縁が切れるような、そこまでいかなくても距離がとれる方法がないかしらと引き継ぎのノートに目を通せども見つからない。そうこうしている間にマリアージュの開店時間が近づいていた。
「しょうがないわ。また後で考えましょ」
今日は、納品する裁縫の仕事に追われていたのでマリアージュのお客様用の食事をまだ用意していなかった。
「でも、メニューは決まっているのよ」
私は、急ぎ足でカウンター奥にある貯蔵庫から小さな瓶を一つ持ってきた。
「綺麗よね。確かサクラと言っていたわね」
透明な瓶の中には薄いピンク色の花がギッシリ詰まっている。
「今夜、便利屋さんが来る気がするのよね。どうせなら味見をしてもらいたいもの」
少し前に渡された味噌でとん汁を出したら気を良くしたらしい彼は、この瓶を置いていったのだ。
「サクラの塩漬けを使ってとりあえず二種類の試作というか、もうお客様に試してもらおう」
とにかく時間がない。
「頑張りましょう!」
実は、私も楽しみなのよね。
マリーは、どちらから作ろうかと髪を布で覆い、手を丁寧に洗い始めた。
*~*~*
「よかったわ」
予定より時間がかかってしまった。でも、なんとかなりそうとほっとした時。
──リンッ
「あらっ? 見たことがない錆びた扉だから試しに開けてみたんだけど。アナタ人間?」
「いらっしゃいませ。マリーと申します」
人間? お客様も同じ…ではなかった。頭に小さな角のような物が二本、背中の後ろに揺れているのは先が三角になっている尻尾かしら。
「ふふん、私は魔族なのよ」
「そうなのですね。では手をお借りして」
「ち、ちょっとお! そこ怖がるとかあるでしょ?!」
そんな事を言われても。
「確かに角や尻尾に紫色の唇に深紅の瞳ですけど」
「けど?」
「怖くないですし、お客様に言うのもどうかと思いますが話しやすいですよ」
あら?何故そんなに項垂れているのかしら。
「私が悩んでいるのが馬鹿らしいわ」
「何か悩み事でしょうか?」
ならば手っ取り早いわ。
「この店の扉は、必要と感じている方の前にしか開きません。ですので、お手伝いができればと。お手をお借りしてもよいでしょうか?」
「ふん、まぁいいわ」
ほっそりした手が差し出された指の爪は、緑色だわ。染めているのではなさそう。
「失礼致しま…つめた」
長い爪を避けそっと握れば、氷のようだわ。
「そうなのよね。ヒトには辛いわよね」
後の矢印尻尾も悲しそうな口調と同時にへにょんと下がったわ。
「冷たいですが、暑い季節にはヒンヤリしてよいと思いますよ。あ、動いたわ。お待ち下さいませ」
私は微かな音に目を向けた。何処かしら? 棚ではなさそう。
「これね」
飾り棚の横にある細く長いテーブルの上の瓶が倒れている。手に取ると華やかな花の香りがした。
「お客様に必要な品は、これです」
「これって香水? んー、良い香りだけど私が欲しいのとは違うわよ」
瓶には赤い艶のあるリボンで結ばれた紙があり、使用方法が記されている。
「付属している紙には、この香水をひと吹き身体にかけると思い通りの姿になる。ひと吹きで一日変身できますが、あまり使いすぎると副作用で睡魔が襲うと注意書きされています」
説明書つきの商品だなんて。全てそうしたいわ。そうすればお客様も帰られた後でも安心して使える。
「本当に?」
「多分ですが」
強く自信を持ち言い切るのが店主だろうけれど。試した事がないのでなんとも言えない。
「今、試してもいい?」
試しは初めてだわ。別に一回くらいよいわよね。
「どうぞ」
「ありがと。じゃぁ遠慮なく」
シュッ
花の蕾のような形の美しい瓶の中は薄いピンク色。サクラみたいだわと眺めていれば。
「まぁ!」
「どぉ?」
頭にあったはずの角はなく、艷やかな黒髪と漆黒の瞳。唇は健康的な赤い色で見事な曲線は、本来の体型のまま。ちゃんと尻尾も消えている!
「よろしければ見てください」
慌てて小物入れから手鏡を取り出し彼女に手渡せば彼女の目が見開いたのち、なにやら残念そうな表情に。
「あの、人になれてますよ?」
「それはありがたいわよ。でも、とても地味じゃない?」
ああ、そこが気に入らなかったのね。
「そんな事ないですよ。ほら、髪の毛は艷やかで、瞳は濡れたような色。お客様の素敵な体型はそのままなので、とても魅力的です」
色が暗いぶん肌の白さが際立ち大人の色っぽさが凄いわ。
「……確かに、いいかも。実は、今日は魔王様の花嫁が来るのだけど、それがヒトでねぇ。世話係になれと言われたけど、外見がまず無理じゃない?だから焦っていたのよ」
なんだ。怖がらせたくなかったのね。
「いらっしゃるお嫁さんですが、きっと本来の貴方を見て驚きはしても怖がる事はないですよ」
「何で言い切れるのよ!」
キッと睨まれると美人なだけに迫力があるわ。でも、ちゃんと伝えないと。
「お客様は、優しいですもの。だから、最初はその香水を使用してもよいと思いますが、すぐにいらなくなります」
だから、何故しょんぼりするのかしら。
「どうされますか?」
無理強いを止めた私は、欲しいかどうなのかお客様に訪ねた。
「……いくらよ?」
ふてくされた様子に可愛い方だわと笑みを浮かべそうになり、気づいたらきっと怒るわと微笑む程度に抑え答えた。
「この店は、対価は物で頂くという規則です」
「物? 変わってるわねぇ。これなんかはどぉ?」
えっ。
「何よ、嫌だって言うの? これ、とても使いやすいのよ。ギウラで作られていて貴重なんだからぁ」
正直、いらないわ。でも、断りづらい。
「分かりました」
私は、両手で、よく使い込まれたように見える鞭むちを受け取った。
何に使ってきたのかを聞けない。いえ、聞かないほうがよいわね。あ、忘れていたわ。
「もしよろしければ召し上がって下さい」
私は、出来上がった試作品を出すと。
「悪いけど、私の好みじゃないわ。あ、待って。今日来る花嫁には良いのかしら。ねぇ」
「勿論、お包みします」
味の感想を聞きたかったけど、しょうがないわね。私は、手早く布で包んで渡せば、なにやら紙を取り出した。
「これ、オマケであげる。なんか昔の人間が書いたものみたいよ。確か嫌な奴がいたら、そいつを近づかないようにする方法よ」
なんですって?!
「ありがとうございます! すぐにやってみます!」
「え? アナタが使うの?可愛い顔して、なんか大変ねぇ」
なにやら同情されているわ。
「あ、コレ名前は何?」
「サクラ蒸しパンとサクラとムイ豆の握り飯です」
包んでいる中身を最後までじっくり観察していたお客様は、最後に笑った。
「花の料理なんて洒落てるわね。来る人間が喜びそうだわ。あ、時間ないんだった! 邪魔したわねー」
「ありがとうございました」
リィン
軽やかに鳴ったドアベルで、私は下げていた頭を上げた。
「これ、さっそく試してみよう!」
お客様から頂いた紙切れを読もうとした時。
──リィン
「今晩は」
どうしてこんなタイミングで。
「いらっしゃいませ」
二人目のお客様は、ライル様だった。
売れた品
変身出来る香水
頂いた品
貴重な?ムチ
おまけとして、嫌な人を近づけないようにする方法が書かれた紙。
ライル様と縁が切れるような、そこまでいかなくても距離がとれる方法がないかしらと引き継ぎのノートに目を通せども見つからない。そうこうしている間にマリアージュの開店時間が近づいていた。
「しょうがないわ。また後で考えましょ」
今日は、納品する裁縫の仕事に追われていたのでマリアージュのお客様用の食事をまだ用意していなかった。
「でも、メニューは決まっているのよ」
私は、急ぎ足でカウンター奥にある貯蔵庫から小さな瓶を一つ持ってきた。
「綺麗よね。確かサクラと言っていたわね」
透明な瓶の中には薄いピンク色の花がギッシリ詰まっている。
「今夜、便利屋さんが来る気がするのよね。どうせなら味見をしてもらいたいもの」
少し前に渡された味噌でとん汁を出したら気を良くしたらしい彼は、この瓶を置いていったのだ。
「サクラの塩漬けを使ってとりあえず二種類の試作というか、もうお客様に試してもらおう」
とにかく時間がない。
「頑張りましょう!」
実は、私も楽しみなのよね。
マリーは、どちらから作ろうかと髪を布で覆い、手を丁寧に洗い始めた。
*~*~*
「よかったわ」
予定より時間がかかってしまった。でも、なんとかなりそうとほっとした時。
──リンッ
「あらっ? 見たことがない錆びた扉だから試しに開けてみたんだけど。アナタ人間?」
「いらっしゃいませ。マリーと申します」
人間? お客様も同じ…ではなかった。頭に小さな角のような物が二本、背中の後ろに揺れているのは先が三角になっている尻尾かしら。
「ふふん、私は魔族なのよ」
「そうなのですね。では手をお借りして」
「ち、ちょっとお! そこ怖がるとかあるでしょ?!」
そんな事を言われても。
「確かに角や尻尾に紫色の唇に深紅の瞳ですけど」
「けど?」
「怖くないですし、お客様に言うのもどうかと思いますが話しやすいですよ」
あら?何故そんなに項垂れているのかしら。
「私が悩んでいるのが馬鹿らしいわ」
「何か悩み事でしょうか?」
ならば手っ取り早いわ。
「この店の扉は、必要と感じている方の前にしか開きません。ですので、お手伝いができればと。お手をお借りしてもよいでしょうか?」
「ふん、まぁいいわ」
ほっそりした手が差し出された指の爪は、緑色だわ。染めているのではなさそう。
「失礼致しま…つめた」
長い爪を避けそっと握れば、氷のようだわ。
「そうなのよね。ヒトには辛いわよね」
後の矢印尻尾も悲しそうな口調と同時にへにょんと下がったわ。
「冷たいですが、暑い季節にはヒンヤリしてよいと思いますよ。あ、動いたわ。お待ち下さいませ」
私は微かな音に目を向けた。何処かしら? 棚ではなさそう。
「これね」
飾り棚の横にある細く長いテーブルの上の瓶が倒れている。手に取ると華やかな花の香りがした。
「お客様に必要な品は、これです」
「これって香水? んー、良い香りだけど私が欲しいのとは違うわよ」
瓶には赤い艶のあるリボンで結ばれた紙があり、使用方法が記されている。
「付属している紙には、この香水をひと吹き身体にかけると思い通りの姿になる。ひと吹きで一日変身できますが、あまり使いすぎると副作用で睡魔が襲うと注意書きされています」
説明書つきの商品だなんて。全てそうしたいわ。そうすればお客様も帰られた後でも安心して使える。
「本当に?」
「多分ですが」
強く自信を持ち言い切るのが店主だろうけれど。試した事がないのでなんとも言えない。
「今、試してもいい?」
試しは初めてだわ。別に一回くらいよいわよね。
「どうぞ」
「ありがと。じゃぁ遠慮なく」
シュッ
花の蕾のような形の美しい瓶の中は薄いピンク色。サクラみたいだわと眺めていれば。
「まぁ!」
「どぉ?」
頭にあったはずの角はなく、艷やかな黒髪と漆黒の瞳。唇は健康的な赤い色で見事な曲線は、本来の体型のまま。ちゃんと尻尾も消えている!
「よろしければ見てください」
慌てて小物入れから手鏡を取り出し彼女に手渡せば彼女の目が見開いたのち、なにやら残念そうな表情に。
「あの、人になれてますよ?」
「それはありがたいわよ。でも、とても地味じゃない?」
ああ、そこが気に入らなかったのね。
「そんな事ないですよ。ほら、髪の毛は艷やかで、瞳は濡れたような色。お客様の素敵な体型はそのままなので、とても魅力的です」
色が暗いぶん肌の白さが際立ち大人の色っぽさが凄いわ。
「……確かに、いいかも。実は、今日は魔王様の花嫁が来るのだけど、それがヒトでねぇ。世話係になれと言われたけど、外見がまず無理じゃない?だから焦っていたのよ」
なんだ。怖がらせたくなかったのね。
「いらっしゃるお嫁さんですが、きっと本来の貴方を見て驚きはしても怖がる事はないですよ」
「何で言い切れるのよ!」
キッと睨まれると美人なだけに迫力があるわ。でも、ちゃんと伝えないと。
「お客様は、優しいですもの。だから、最初はその香水を使用してもよいと思いますが、すぐにいらなくなります」
だから、何故しょんぼりするのかしら。
「どうされますか?」
無理強いを止めた私は、欲しいかどうなのかお客様に訪ねた。
「……いくらよ?」
ふてくされた様子に可愛い方だわと笑みを浮かべそうになり、気づいたらきっと怒るわと微笑む程度に抑え答えた。
「この店は、対価は物で頂くという規則です」
「物? 変わってるわねぇ。これなんかはどぉ?」
えっ。
「何よ、嫌だって言うの? これ、とても使いやすいのよ。ギウラで作られていて貴重なんだからぁ」
正直、いらないわ。でも、断りづらい。
「分かりました」
私は、両手で、よく使い込まれたように見える鞭むちを受け取った。
何に使ってきたのかを聞けない。いえ、聞かないほうがよいわね。あ、忘れていたわ。
「もしよろしければ召し上がって下さい」
私は、出来上がった試作品を出すと。
「悪いけど、私の好みじゃないわ。あ、待って。今日来る花嫁には良いのかしら。ねぇ」
「勿論、お包みします」
味の感想を聞きたかったけど、しょうがないわね。私は、手早く布で包んで渡せば、なにやら紙を取り出した。
「これ、オマケであげる。なんか昔の人間が書いたものみたいよ。確か嫌な奴がいたら、そいつを近づかないようにする方法よ」
なんですって?!
「ありがとうございます! すぐにやってみます!」
「え? アナタが使うの?可愛い顔して、なんか大変ねぇ」
なにやら同情されているわ。
「あ、コレ名前は何?」
「サクラ蒸しパンとサクラとムイ豆の握り飯です」
包んでいる中身を最後までじっくり観察していたお客様は、最後に笑った。
「花の料理なんて洒落てるわね。来る人間が喜びそうだわ。あ、時間ないんだった! 邪魔したわねー」
「ありがとうございました」
リィン
軽やかに鳴ったドアベルで、私は下げていた頭を上げた。
「これ、さっそく試してみよう!」
お客様から頂いた紙切れを読もうとした時。
──リィン
「今晩は」
どうしてこんなタイミングで。
「いらっしゃいませ」
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