恋をする

蝋梅

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9.朝食後の外出で

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「おはようございます」

 早く起きてしまい朝食の準備をしていた私に階段から降りてきたランスが声をかけてきた。

「おはよう」

 ただのTシャツとスウェットなのにダサくないのが不思議だ。

「遅くてすみません。手伝います」
「私が早く起きただけだよ。じゃあ、そこのお皿を出してもらえますか?」
「はい」

今日は、ピザ・サラダ・珈琲。

 ピザは昨日の朝に捏ねて寝かしておき、伸ばして冷凍しておいた物だ。

先に冷凍庫から生地を出しておき、オーブンに油を塗りその上に半解凍の生地をのせる。サラダ用の野菜を切った後に薄くスライスした玉葱、輪切りのスライスピーマン、サラミを半解凍になった生地にケチャップを薄く塗り、切った具を乗せチーズはたっぷり。

後はオーブンにおまかせして終わりだ。

 その間に珈琲の用意をする。お店で細かめに挽いてもらった豆を使っている、私のお気に入りである。


あっジュースとか牛乳は飲むのかな?

「珈琲を用意しているんですけど、牛乳やオレンジジュースも飲むなら冷蔵庫、その扉を開いて右にあるので」

「ありがとうございます」

 どうやらオレンジジュースを飲むらしく、冷蔵庫へとりに行った。

「「いただきます」」

 別にこちらの習慣に従わなくていいのに、ランスも私にあわせて言った。

「焼きたてで、とても美味しい」
「うん。思っていたより美味しくできたかな」

 お店のように薄く丸く上手にはできなかったけれど上出来だ。


珈琲を飲みながランスに聞く。


「今日はどうしようか? 悪いけど午前2時間、午後3時間くらいやりたい事があって。足りない買い物はお昼前には行こうと思っているんだけれど」

 私の予定を聞いて少し考えた様子の後に彼が口をひらいた。

「午前中少し外に散歩に出かけてみてもいいですか? あと買い物って俺のですよね? 一緒に行きます。午後は、おじい様の部屋へ俺一人で入ってもよければ、残りの物を探させてもらえないでしょうか?」

悪くない提案だ。

「外出も部屋も問題ない。そうしようか。そういえば字の練習はもういっか」

1ヶ月で帰るなら必要ない気がする。

「いえ、出来れば続けたいです」

あれ? 勉強が好きなのかな?

「えっと。じゃあ1日に30分から1時間くらいでもいい?」

 あっそういえば普通に会話していたから、あまり気にしていなかったけど。

「時間は同じなのかな」
「はい。ヒュラルが言うには、だいたいですけど同じように流れているみたいです。頂いた書物に載っていましたが、あれが時間を表しているんですよね?」

 彼は今洗い物をしてくれているので泡の手で壁にかかっている時計を指差した。

「字は違いますが、だいたい同じ刻みのようです。あと数字は覚えました。平仮名もだいたい出来ますが漢字はまだです」

「…なんか、やる気が凄いね」

顔もよく勉強熱心で頭もいいとか?

 分けて欲しいな。私なんてなんかもう脳が老化しているのが自分でわかる。



*~*~*



「あの人カッコいいね」
「赤いの地毛かな?」
「レディシュって言うんだっけ?」

今、ランスと私は買い物にきていた。

まぁ分かっていたけど、そうだよね。ランスはイケメン男子だ。かたや隣にいるのは。

「あの女の人は、やっぱり彼女さんかな?」
「でも微妙じゃない?」

……分かってるけど心に刺さる。気分も暗くなり私は、自然と後ろにさがりはじめた。


「何故離れるんですか?」
「ちょっと!」

 ランスが、私の腕を強く引っぱるので寄せられて体が密着する。

腰に腕がまわされた。

 身長差があるのでランスが、かがみこちらを覗きこんできた。水色の瞳で真っ直ぐ見つめてくる。

近いよ!

「嫌ですか? 俺は、ホノカの恋人にみられるのは嫌ではないのですが」

言葉は会った時と同じで丁寧だけど。
何か違う。

 イケメン坊っちゃん、どうしちゃったの?




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