赤の女王

みや いちう

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三章

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 ヨルノディア女王セレンの美しさはまさに異端の域と言ってよかった。べスもこの上なく美しいが、セレンの美しさはその女らしい媚態も取り混ぜてそれ以上と言えた。うねって腰まで届く紫の髪、通った鼻筋、臙脂の唇――。こんなに美しい女性がこの世にいたのか、とキキが思った程であった。しかし、目の前の魔王にはそれでも比すべくもなかった。なんて美しい男なのだろう――。と、いけないいけない、キキは魔王に見入る自分を戒めた。
 「で、セレン様はなにゆえ私をさらったのですか。まさか私を人質にして陛下をおびき出そうとなさるとか」
  キキは敵国の女王に侮られぬよう、険しい表情で詰問をしけかた。これにほほ、とセレンが笑む。
 「ええ、そうよ。キキは頭がいいわねえ。道理であのバカうっかりが気に入るはずだわ」
 「陛下はバカでもうっかりでもございません! それに」
  敬愛する主人を貶す、セレンの一言に噛みついてのち、キキはぼそりと言った。
 「……無駄でございます。陛下はきっと来ますまい。そんな作戦を立てる方こそおバカでうっかりさんのように思われます」
  「あら、それはどうかしらねえ。先ほどこちらへ馬を走らせているとスパイから連絡がありました」
 「へ、陛下が、そんな……なんてこと……」
  キキは慟哭したくなった。あの聡明でお優しい陛下が、自分の為に敵国ヨルノディアに
 入ったら、きっとこの冷酷な女王によってむごい目に遭わされるのは必定……。そうなる前に……。キキの思いつめたような表情に、セレンが口を開いた。
 「自殺する気? おやめなさいな」
 「止めるなセレン。そうだ。それはいい考えだキキ。ぜひ死になさい。今ならもれなく俺の下僕にしてやろう。死すればその魂は俺のものだ」
  「なっ」
にたにたしながらこちらを見つめる魔王の美しさ、禍々しさに、キキはくっと歯噛みした。
 「さて。俺はあいつらの到着でも城のエントランスで待っているか。では、失礼するよ、キキ」
  魔王はばっと背を向けて、部屋を出ていった。
 「な、何てこと……敬愛する陛下のお役にたつどころか、足手まといになって、死ぬことも出来ないなんて……」
  自責の念に苦しむキキを、ふいにセレンが見やった。
 「……哀れね、キキ。でも、下僕になんかなるもんじゃないわ。この私みたいになりたいの?」
 「え?」
  この一言に、キキは耳を疑った。
 「私はあの男と契約を交わした。あのうっかり娘みたいなキスだけでは済まない、本当の契りを結んだの」
 「ど、どうして……」
  キキが思わず不安げな声を出す。
 「陛下は仰っていました……魔王と契約すると、もはや人でない、ゆがんだ命になる、と……それなのに、なぜ」
  これにセレンは哀憫の表情を見せた。
 「――復讐する、ためだったわ。世界一憎い女のためにね

◆◆
えーん  えーん
 窓から聞こえる吹雪の音が、どうしてだかあの夢の少女を思い起こさせる。キキは暖炉をくゆらせる使用人が去ったのちに、暖炉室にてセレンの話に耳を傾けた。
 「……あのバカ女は後天的に炎の力を授かったけれど、私は違う。うまれながらに産着を冷やしきって、乳母を凍傷で殺した。ベビーベッドを凍てつかせ、両親をおののかせた。手袋をしても無駄だった。私は息をするように周囲を凍らせて、壊していった。城の一つや二つは三日でガラス細工みたいに破壊した。(このままでは国民に累が及ぶ)そう考えた両親は、私は北方の城、極寒の地の牢へ、私を閉じ込めた」
 「な、なんてこと……」
  キキの憐れむような表情に、セレンはなおも話を続ける。
 「……ちょうど季節は秋から冬に移ろうところだったわ。幼い私は訳も分からないままそこに放られて。とにかく生きていたくて、小さな手で藁をかき集めてそれで身をくるんだ。北風に捲かれて、それも吹き飛び、手が真っ赤に腫れあがっても、なお藁にすがった。そう、何度でも……あら、泣いているの?」
  ぐす、とキキは目元を拭いながら、続きをどうか……と頼んだ。
 「……そこで六日も過ぎたのち、凍傷でいよいよ指も動かなくなり、足も凍って、死が私を迎えに来たわ。その時よ。あの男と出会ったのは」
  「……」
 「あの男は言ったわ。お前は可哀想だね、お前の可愛い妹は幸福で温かい家庭でぬくぬくと育っているのに、と。お前の欲しかった両親からの愛を、たっぷりとその身に受けて……あの男はご丁寧に水晶でその様を映して見せてくれた。私はその時、決めたのよ。復讐、してやろうと。私という存在を生み出した世界に、私を捨てた両親に、そして何より、私から愛を奪った、妹に――!!!」
   絶叫に近い響きで、セレンは言い切った。それからなお、言葉を継いで。
 「それから私はあの男の手引きのままに、両親と妹の住む屋敷に火をつけた。それからヨルノディアの大王を誘惑し、結婚。その後毒殺し、女帝になりあがった――」
  「で、では……!」
 「そうよ」
  セレンが、キキを一瞥し、告げた。
 「エリザベスこそ私の妹。憎しい憎しい、世界一憎しい、私の妹よ」

◆◆

ああ、ここはいつか来たことがある。美しい花畑にて歩を進めながら、キキはそんな事を思った。そうだ、いつか夢で見た、あの少女たちの笑い、駆けていった場所だ。そこで、腰をかがめ、水色のドレスで花を摘んでいたのは。
 「へ、陛下……?」
  そう声をかけても、美しい少女は振り返ることがない。そうか、ここはきっと夢のなか、自分は干渉することも、声をかけることも出来ないただの傍観者なのだ、と気づいた。
  幼き日の女王べスはせっせと花冠を作り、誰かに声をかけている。 
 「ねえ、パパ、ママ、どうしてそんな顔をしているの?」
  すると草原奥のもやの中から、ひときわ悲しげな声が聞こえた。
 「だって」
 「あの子がいないもの」
  はっと目覚めたとき、キキは両隣の温かさの異常に気付いた。寝ぼけ眼をこすってみれば、それは幻覚でなく、まさにセレンと魔王が、自分を介し三人で眠る格好になっていた。
 「へっ!」
  急いでベッドから逃げ出そうとするも、その途端にセレンに腕を掴まれる。
 「ひっひいいい」
 「行かないで、私の、お父様、お母様。許して……」
  その声は涙声だった。彼女の顔を見ると涙がぽろぽろこぼれているのが分かる。
(おかわいそうに、まだあの日のトラウマに縛られているのね……)
 その不憫さに、思わずセレンの手を握り返してやる。次には。
 「威勢のいい子だ……」
 「ひっ」
  魔王が腕を伸ばして、キキの肩を抱いた。
 「なあ。俺の下僕になれよ……」
  甘いと息でこう囁かれると、赤面してしまうキキである。しかしその次には、男性と女性を介して一つベッドに寝ている現状に我に返り。
 「きゃあああああ」
と悲鳴をあげた。


「私があなたを探して、城中見回っていたらキキのベッドに勝手に侵入していたから、悔しくって私も寝たのよ」
  「い、いや。それにしたって……」
 「はは。だってキキは柔らかくて抱き心地がいいんだものな」
 「だっ抱かないでくださいこの変態!」
  キキは一喝したのち、にわかに城中が急いているのに気づいた。あちこちで衛兵が走り回る長靴の音が響く。
 「一体、これは……」
  そのうち、従官の一人がセレンへ跪いて、報告を述べた。
 「女王陛下、いよいよ敵が攻めてきた模様です!! 戦闘のご準備を」
  「ふふ、もうじきあのバカ妹が来るのね」
  これにセレンはまるで驚きもせず、むしろ喜んでいる様子である。
 「ま、まさか陛下が……」
  キキはどうしようもないわが身が憎く、絶望した。

ヨルノディア王族の居城は黒き古城であった。天を射さんばかりの尖塔がいくつもそびえ、その外壁は放っておかれた血のような色合いを思わせ、黒き森の中に埋まっている。
その森に詰め込まれた化け物たちが、キキ救出に飛び込んできた三人組に次々切り裂かれる。
  「キキはどこだ! キキを出せ!」
  魔族を斬り捨て、捨て去っていく女王べスとその側近たちが森を進む。
その様を水晶で眺めつつ、セレンはにたりと口の端をあげた。べスたち三人が玄関ホールにて大理石で出来た床をけ破る勢いで歩を進めていると。
 「やあ、よく来たね勇者様たち」
  と黒い声が降ってきた。
 姿こそ見せねど、その声だけが忌々しいあの男だと教える。
 「キキとセレンは東の塔の屋上にいるよ。そこでまた会おうじゃないか」
そう言い終えた途端、城の奥部から化け物が群れて襲いかかってきた。その黒き化け物たちを切り裂きながら、べスは叫んだ。
 「今行くぞ、キキ!!」
  それを水晶越しに見ながら、セレンはさもつまらなそうに告げた。
 「昔から変わらないのね、べスは。さ、行きましょう。決戦の地へ」

 石造りの塔屋上では、セレンと、べスがお互い眼を見据えながらあいまみえた。
 「早かったわねえべス」
 「当たり前だ。私の大切なキキを返してもらう」
 「厭よ。どうしてもというなら、私を殺してみせなさい」
  「もとよりそのつもりだ」
  そうしてべスは走り出し、剣を高々と掲げてセレンめがける。セレンも続いてべスめがけて氷の大剣を振り回す。
(な、なんてこと)
  キキは慟哭しそうな思いだった。実の姉妹がお互いを憎み、お互いに殺しあわんとするなど。城の周囲にはフィラードシェルドの軍隊とヨルノディア軍が戦闘状態に入っている。憎しみが募っていく。魔王はそれが嬉しくてならないようだ。
 「ふふ、うまくいったな」
  この一言に、キキが思わず詰問した。
 「うまく、いったですって!! 魔王よ、何のつもりか!!」
  「……俺は人の憎しみを食べて暮らしている。ほらごらん、あの姉妹など、まさにs憎しみの権化じゃないか。ああ、いい気持ちだ」
  そんな……。キキはしばし悠然としている魔王を見据えた後、
(そうだわ。もしかしたら水晶の中に、あの記憶が封じられているかもしれない!)
ふいに彼の持っている水晶を奪い、壁にたたきつけた。
 「あっ」
  魔王がそう叫んだより早く、水晶に封印された記憶がよみがえる。
ぼやんと、それは映写機のようにそのシーンを再生した。
 「あの子がいない、って、どういうこと」
  あの例の花畑の中で、べスが花を摘んでいる。その背後には両親らしき二人が立っていた。
 「もう、あの子はいないのよ……」
 「可哀想に、あの子があんな力さえなかったら……」
その映像を、べスもセレンも食い入るように見つめた。
 「あの子って、私のお姉ちゃまでしょう?」
  「ええ。ええそうよ」
   両親は涙を流し泣いていた。
 「殺したの……私たちが、国民の安寧のために、殺した、のよ……」
  両親の嗚咽が響き渡る。
 「もう、今日からは、管弦を廃止し、お祭りはなくしましょうね。たった、一人で、死んでいったあの子の為に……」
  場面はにわかに変じ、夜空の中に白いバルコニーが浮かんでいた。そこに幼い日のべスが立っていた。
 「おつきさま。どうかお姉ちゃまをはやくかえしてちょうだい。私、おねえちゃまに会いたい」

「嘘、嘘よ……」
  セレンは先ほどからひたすらにそれを繰り返していたが、やがて堰が切れたように、喚きだした。
 「うそっうそよこんなの、こんなの嘘に決まってる。お父様とお母様が、私を殺したことを悔いているなんて。私を、愛していたなんて……」
 「セレン、私はいつもさみしかった」
  慟哭するセレンへ、べスは優しく声をかけた。
 「セレン、私はいつもさみしかった。私が笑いかけても、お父様もお母様も、あの子を思い出すと涙を流した。あの子が、あんな力さえなければ、と」
 「嘘よ!」
 「セレン、私、ではなかった。世界で一番両親にあいされたのは決して、私ではなかった」
 「嘘よおおおおおお」
  いやああああああ!! あまりのショックで気も動転し、へたりこむセレンの胸に、短刀が刺さったのはその時であった。皆が短刀のほうられた方角を見る。そこでは魔王サタンが、にやりとして立ち上がろうとしていた。
 「なんだ、こいつを利用して世界中に憎しみを作りだし、わが糧としていたのに、つまらん女だ」
 「魔王っ貴様っ」
  べスの剣が炎に包まれる。しかし、先のセレンとの闘いで、もはや息は切れ、体もあちこち紅に染まっている。床の石畳へ音をたて、剣も引きずっているようだ。そのような状態では、まともな戦闘にはならなかった。
 「ほらほら、どうだ?」
  魔王の魔手が伸び、べスを生け捕りにしようとする。大剣を振り回して、果敢に立ち向かうアランとジョセフィーヌ。しかし二人ともすぐに魔王の気によって壁にたたきつけられた。べスの炎の剣もこころなしか炎が薄れてしまっている。次には足をやられてその場に倒れこんだ。そのべスの頬を足で踏みしめながら。
 「さあ、ほら言いなさい。生涯俺の下僕となると」
 「もうじき光のない闇の世界に行く男の、下僕など、死んでも厭だ……!」
 「なにっ」
  魔王が下を向いたのは、五芒星の描かれた床が光り始めたからであった。
 「封印の五芒星……エリザベス、お前まさか……」
  キキはそこでやっと気づいた。べスは剣をただ引きずっていたのではない。五芒星を剣で床に刻んでいたのだ。光り輝く五芒星が、魔王を手招くようにその身を引っ張る。
 「厭だ。冥界になど行きたくない! 俺はこの地を憎しみで満たすのだっ」
  そう叫び無理無理五芒星の中から出ようとする。その胸に、カラトスが投げられ、刺さった。セレンが己が胸に刺さったカラトスを最後の力で投げたのであった。
 「ぐわああああ」
  魔王はそのまま、なだれるようにして光に飲み込まれ、五芒星の口は閉じた。その途端、塔全体が揺らぎだした。先ほどの闘いで、あちこちにひびが入り、崩壊の道を辿ろうとしたのであろう。
 「塔が崩れるぞ!!さあ、出よう」
  アランがそう叫び、ジョセフィーヌもキキを抱いて逃げ出そうとする。そんな時、べスがセレンを助け出そうとしているのを見た。セレンは床が真っ二つに裂け、もはや地になだれるような床に臥していた。
 「セレン、今行くぞ」
  べスがそう声をかけるが、セレンはにっこりと優しく笑むだけだ。
 「ねえ、べス。私はいつでもお前が憎かった。周囲に愛されて、慈しまれて、憎くて、憎くて、羨ましかった」
  「セレン!!」
その時であった。突如床が割れ、セレンの体は空へ放られた。
 「セレン!お姉様!!」
 「さようなら、私の妹……私はお父様とお母様に、お詫びをしてきます」
 「姉、様……!!」
◆塔が壊れ、煉瓦がばらばらと崩れ去る。こうして、ヨルノディアの女王と、その夫は、この世から姿を消したのであった。

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