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その4『初デート』編
第八話 2人とも美しい
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第八話 2人とも美しい
犬飼真希と寒沢司は商店街でたまたま出くわして一緒にここまで来たということだった。
「イヌイさん来てたんすねー。これならとりあえず三人麻雀はできそうっすね」
「ハルトォ♡ 来てたなら言ってよねぇ! せっかく連絡先交換してるんだからさぁ~」
「うん、ごめんごめん。とりあえずゆっくり食事したくてさ」
適当に言い訳した感じだが、これが本音である。みんなでワイワイ食べるのはもちろん楽しいが、本当に美味いものを食べてる時は食事に集中したくなることもある。ここでとる食事はそれくらい美味いのだ。とくにこの唐揚げは。
表面はサクサクに揚げてあるのに中はジューシーで噛めば肉汁が溢れ出る。絶妙な揚げ加減をひとつたりともミスってない。それでいて1つ1つが大きい。ここでしか食えないお宝のようなご馳走だ。それがたったの500円とはサービス価格にも程がある。
唐揚げ定食500円
カレーライス450円
この2つはあやの食堂のサービス品で若者たちにも安くて美味しい食事を取ってほしいとの髙橋彩乃の願いが込められていた。赤字覚悟の価格設定。
本当に素晴らしい心意気だ。だからこそここに通いたくなるし、他のメニューにも興味がいく。
「ごちそうさま」
ゴトッ
「出来るなら一生毎食あやの食堂の食事で生きていきたいよなぁ……」
ふとそんな事を呟いてた。よく考えたら告白してるようなもんだとは思いもしなかった。厨房のあやのさんはおたまをカランと下に落下させ、顔を赤く染めていたし、マキはいつも以上に眉を下げて、とても嫌そうな顔をしている。そしてその2人を見てカンだけが部外者としては愉快であるようでニヤニヤしていた。
「っ、くっそー。アタシは歌が上手いから毎晩子守歌で寝かしつけてあげるけど? アタシの歌で眠りたいよね? ねっ?」
それはありがたいが俺は子供ではない。
「うん、まあ、マキちゃんの歌声はきれいだよね」
「えっ、ちょっと! なんでマキの歌声知ってるの?! もしかして2人でカラオケ行った??」
しまった。口が滑った。
「あ、うん。一度だけ」
「2人きりで!?」
「……う、うん」
「いいだろぉ。あやのは特技の料理を披露したんだから、アタシだって自分の特技を披露してポイント稼がなきゃと思ってぇ」
「ちょ、ちょっと。ちょっと待ってよ。この前は私とピクニックして私のこと好きみたいな感じだったじゃん。違ったの? やっぱりコブ付きは嫌だった?」
「違わないです。いのりちゃんもカワイイし全然嫌じゃない」
「ええー? でもハルトはアタシのこと好きだよねぇ? それはそうでしょう?」
「そうですね……」
「「どっちなのよ!」」
「いやぁ~……2人とも甲乙つけがたく美しくて、どっちも好きで」
「ばか!」「優柔不断!」
「クククククク……イヌイさんモテますねぇ~。面白っ」
ガラガラガラ
「おっ、なんだなんだケンカか?」
「あ、メタさん」
とりあえずプレイヤーが4人揃ったので麻雀をやろうとなった。
クイズの答えが気になるが、牌を握ってれば何か思いつくかもしれないしと思い、クイズを考えるより俺はまず麻雀をやることにした。
第八話 2人とも美しい
犬飼真希と寒沢司は商店街でたまたま出くわして一緒にここまで来たということだった。
「イヌイさん来てたんすねー。これならとりあえず三人麻雀はできそうっすね」
「ハルトォ♡ 来てたなら言ってよねぇ! せっかく連絡先交換してるんだからさぁ~」
「うん、ごめんごめん。とりあえずゆっくり食事したくてさ」
適当に言い訳した感じだが、これが本音である。みんなでワイワイ食べるのはもちろん楽しいが、本当に美味いものを食べてる時は食事に集中したくなることもある。ここでとる食事はそれくらい美味いのだ。とくにこの唐揚げは。
表面はサクサクに揚げてあるのに中はジューシーで噛めば肉汁が溢れ出る。絶妙な揚げ加減をひとつたりともミスってない。それでいて1つ1つが大きい。ここでしか食えないお宝のようなご馳走だ。それがたったの500円とはサービス価格にも程がある。
唐揚げ定食500円
カレーライス450円
この2つはあやの食堂のサービス品で若者たちにも安くて美味しい食事を取ってほしいとの髙橋彩乃の願いが込められていた。赤字覚悟の価格設定。
本当に素晴らしい心意気だ。だからこそここに通いたくなるし、他のメニューにも興味がいく。
「ごちそうさま」
ゴトッ
「出来るなら一生毎食あやの食堂の食事で生きていきたいよなぁ……」
ふとそんな事を呟いてた。よく考えたら告白してるようなもんだとは思いもしなかった。厨房のあやのさんはおたまをカランと下に落下させ、顔を赤く染めていたし、マキはいつも以上に眉を下げて、とても嫌そうな顔をしている。そしてその2人を見てカンだけが部外者としては愉快であるようでニヤニヤしていた。
「っ、くっそー。アタシは歌が上手いから毎晩子守歌で寝かしつけてあげるけど? アタシの歌で眠りたいよね? ねっ?」
それはありがたいが俺は子供ではない。
「うん、まあ、マキちゃんの歌声はきれいだよね」
「えっ、ちょっと! なんでマキの歌声知ってるの?! もしかして2人でカラオケ行った??」
しまった。口が滑った。
「あ、うん。一度だけ」
「2人きりで!?」
「……う、うん」
「いいだろぉ。あやのは特技の料理を披露したんだから、アタシだって自分の特技を披露してポイント稼がなきゃと思ってぇ」
「ちょ、ちょっと。ちょっと待ってよ。この前は私とピクニックして私のこと好きみたいな感じだったじゃん。違ったの? やっぱりコブ付きは嫌だった?」
「違わないです。いのりちゃんもカワイイし全然嫌じゃない」
「ええー? でもハルトはアタシのこと好きだよねぇ? それはそうでしょう?」
「そうですね……」
「「どっちなのよ!」」
「いやぁ~……2人とも甲乙つけがたく美しくて、どっちも好きで」
「ばか!」「優柔不断!」
「クククククク……イヌイさんモテますねぇ~。面白っ」
ガラガラガラ
「おっ、なんだなんだケンカか?」
「あ、メタさん」
とりあえずプレイヤーが4人揃ったので麻雀をやろうとなった。
クイズの答えが気になるが、牌を握ってれば何か思いつくかもしれないしと思い、クイズを考えるより俺はまず麻雀をやることにした。
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