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その5『三角関係』編
第三話 紙パックのアイスコーヒー
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第三話 紙パックのアイスコーヒー
「ただいまー」
ドアを開けると美咲が出迎えてくれた。どういうことだ?
「おかえり~。ちょうど良かった。今から夕飯の買い物しに行くとこなの! 一緒に行こうよ」
まあ、そういうことだよな。出迎えるわけがないんだから。
「重いもの持たせるつもりだろ」
「正解~。お米がもう無くってさ」
「うわ。よりによって米かよー、一番重いやつじゃんか」
「まあまあ、5キロのでいいから」
「当たり前だろ。飲み物とか野菜は美咲が持てよ?」
「仕方ないなー。紙パックのパンプキンスープも持ってもらうつもりだったけど。ま、ちょっとだけならね~」
そんなやり取りをしながら俺たちは近くのスーパー『クルベ』まで歩いて行った。
「で、今日も行ってたんでしょ? 例の所。どうだった? 何か進展あった?」
「進展てなー。おまえ何か勘違いしてるようだけど、俺は基本的に飯と麻雀を目的として『あやの食堂』に足を運んでるんだ。進展とか、そんな恋愛シミュレーションゲームみたいな感覚じゃないんだよ。でも、そうだな。麻雀はちょっと進展したかもしんないな。俺、ちょっと難しい麻雀クイズが解けたんだ」
「へぇ~、どんなクイズなの?」
「それはな……」
────
──
買い物中ずっとクイズのことばかり考えていた美咲は俺からヒントをもらったりしたが、クイズを正解した! しかも、俺が苦戦したリャンペーコーの方を先に思い付いたのだ。そのあとヒントをあげたらチャンタ三色の方も正解した。アタマの中でイメージするだけで答えが浮かぶってすごいなと驚いた。
伊達に麻雀アプリゲームで三段まで行ってないということか。あとでわかったことだが、美咲は本当に強かった。普通なら三段までは半年~1年かけるもので、ほんの2ヶ月程度で三段になる奴なんてごくまれなんだそうだ。やはりメタさんが言うように美咲はセンスがいいのかもしれない。ちなみに、俺もそのゲームをダウンロードしたが、まだまだ3級あたりでじっとしてる。
「ただいま」「ただいま」
俺たち乾家の人間は誰もいない家に帰った時も必ず「ただいま」を言う習慣がある。それは家に対して。誰もいないと言っても毎日お世話になってる『家』がある。そこに挨拶を交わすのが礼儀というのが我が家の考えだ。
米5キロと夕飯のおかずにする材料や飲み物を買ってきたから荷物が重くて疲れた。
俺と美咲はとりあえず一息つくことにした。
「一休みしたらお米研ぐから少しコーヒータイムにしない? アイスコーヒーお兄ちゃんも飲むでしょ?」
「うん、入れてくれ」
冷房をつけて居間でパタリと倒れてる俺の元に美咲がアイスコーヒーを持ってくる。
カロン…とグラスの中で氷が動く音がする。心地いい音色だ。
一口飲む
「美味いな」
「暑かったからね」
それは普通のスーパーで売ってる単なる1リットルサイズ紙パックのアイスコーヒーだ。それをグラスに注いでガムシロップとミルクと氷を入れて混ぜただけ。何の変哲もない。普通のアイスコーヒー。でも、この暑かったというのと。重い荷物を持って帰ってきたばかりで疲れている。という2つの状況が合わさっていることにより、いつもよりずっと美味しく思えた。それを美咲に言うと
「2軒リーチを躱してあがったタンヤオのみ みたいな」と言う。こいつもまた例えがうまい。
「まあ、のみよりは嬉しいかな。タンヤオドラドラくらいだ」
「かわいい妹の美咲ちゃんがいれてくれたっていうオプション付きだもんね。それくらいの打点はあっていいよね」
「はいはい。そうですね」
第三話 紙パックのアイスコーヒー
「ただいまー」
ドアを開けると美咲が出迎えてくれた。どういうことだ?
「おかえり~。ちょうど良かった。今から夕飯の買い物しに行くとこなの! 一緒に行こうよ」
まあ、そういうことだよな。出迎えるわけがないんだから。
「重いもの持たせるつもりだろ」
「正解~。お米がもう無くってさ」
「うわ。よりによって米かよー、一番重いやつじゃんか」
「まあまあ、5キロのでいいから」
「当たり前だろ。飲み物とか野菜は美咲が持てよ?」
「仕方ないなー。紙パックのパンプキンスープも持ってもらうつもりだったけど。ま、ちょっとだけならね~」
そんなやり取りをしながら俺たちは近くのスーパー『クルベ』まで歩いて行った。
「で、今日も行ってたんでしょ? 例の所。どうだった? 何か進展あった?」
「進展てなー。おまえ何か勘違いしてるようだけど、俺は基本的に飯と麻雀を目的として『あやの食堂』に足を運んでるんだ。進展とか、そんな恋愛シミュレーションゲームみたいな感覚じゃないんだよ。でも、そうだな。麻雀はちょっと進展したかもしんないな。俺、ちょっと難しい麻雀クイズが解けたんだ」
「へぇ~、どんなクイズなの?」
「それはな……」
────
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買い物中ずっとクイズのことばかり考えていた美咲は俺からヒントをもらったりしたが、クイズを正解した! しかも、俺が苦戦したリャンペーコーの方を先に思い付いたのだ。そのあとヒントをあげたらチャンタ三色の方も正解した。アタマの中でイメージするだけで答えが浮かぶってすごいなと驚いた。
伊達に麻雀アプリゲームで三段まで行ってないということか。あとでわかったことだが、美咲は本当に強かった。普通なら三段までは半年~1年かけるもので、ほんの2ヶ月程度で三段になる奴なんてごくまれなんだそうだ。やはりメタさんが言うように美咲はセンスがいいのかもしれない。ちなみに、俺もそのゲームをダウンロードしたが、まだまだ3級あたりでじっとしてる。
「ただいま」「ただいま」
俺たち乾家の人間は誰もいない家に帰った時も必ず「ただいま」を言う習慣がある。それは家に対して。誰もいないと言っても毎日お世話になってる『家』がある。そこに挨拶を交わすのが礼儀というのが我が家の考えだ。
米5キロと夕飯のおかずにする材料や飲み物を買ってきたから荷物が重くて疲れた。
俺と美咲はとりあえず一息つくことにした。
「一休みしたらお米研ぐから少しコーヒータイムにしない? アイスコーヒーお兄ちゃんも飲むでしょ?」
「うん、入れてくれ」
冷房をつけて居間でパタリと倒れてる俺の元に美咲がアイスコーヒーを持ってくる。
カロン…とグラスの中で氷が動く音がする。心地いい音色だ。
一口飲む
「美味いな」
「暑かったからね」
それは普通のスーパーで売ってる単なる1リットルサイズ紙パックのアイスコーヒーだ。それをグラスに注いでガムシロップとミルクと氷を入れて混ぜただけ。何の変哲もない。普通のアイスコーヒー。でも、この暑かったというのと。重い荷物を持って帰ってきたばかりで疲れている。という2つの状況が合わさっていることにより、いつもよりずっと美味しく思えた。それを美咲に言うと
「2軒リーチを躱してあがったタンヤオのみ みたいな」と言う。こいつもまた例えがうまい。
「まあ、のみよりは嬉しいかな。タンヤオドラドラくらいだ」
「かわいい妹の美咲ちゃんがいれてくれたっていうオプション付きだもんね。それくらいの打点はあっていいよね」
「はいはい。そうですね」
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